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きょうはエチエンヌ ♂ の日 
言葉には例外がつきものですが、仏蘭西語にも例外が揚げ物のパン粉のようにまんべんなくくっついていたりなんかします。ただし仏文法は例外なくヒジョーに数学的かな、と学んでいるとそう感じ取ったりしますが、基本の基本、仏単語、それも固有名詞というかヒトの名前に例外があったりします。その典型例がきょう、12月26日に冠されたお名前ですね。
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Saint Etienne、仏蘭西語の発音だとサンテチエンヌと読みます。典礼暦に詳しい方の中にはきょう12月26日はキリスト教史上最初の殉教者であるステファノ Stephen の祭日でしょう?とおっしゃる方もいらっしゃるでしょうけれど、おっしゃるとおりざます。そのステファノが仏蘭西語になるとなぜかエチエンヌ Etienne というどこにもきっかけをつかめない同一人物になるのですよ。地中海沿岸言語派生のエステバン Estéban 経由の派生でしょうか。だとするなら、s が消えるのだから E の上に ^ アクサン・シルコンフレクスを付けてよ、とどんどん言語学方面のツボにはまって行ってしまいます。ワクワク。兎にも角にもこの名の派生ばかりは摩訶不思議ぢゃ。毎年毎度この日を迎えるたびにそう思います。加えて最初に述べたとおり、この名前の響き(~エンヌ)は仏蘭西語だと女子名の語尾だったりします。子供に命名するにあたり、男子の(聖人)名を女性名に変換する手立てのひとつに男子名の語尾に -ne をつける方法があります。例えば、Jeanne (男子名Jean の女性形)、ファビエンヌ(男子名Fabien の女性形)など例を挙げることができます。エチエンヌ Etienne もそのヒトとナリを知らなければEtien という男性名の女性形かと早合点してしまうところです。ただし聖人名で読み取るならひとつだけ男子と分かる方法があり、それはSaint が男性形のままであります。聖女だったらSainte に変換します。仏蘭西司教団のお名前HPで Etienne を検索すると Prénom masculin、つまり、男性名と明記されています。近年、信仰無くても法律で決められているから聖人名を選ばざるを得ない仏蘭西びともおるで、その中の無知が女児にエチエンヌなんてそのまま名付けかねないからでしょうか。生活文化的に限りなく情けないどアホ共和国民を抱えた仏蘭西であります。
そういえば、日本國ではエチエンヌ・ダオ Etienne Daho という仏蘭西歌手♂が知られていますね。右の彼がエチエンヌ・ダオです。



ちなみにエチエンヌの女児名は Etiennette エチエネットというきょうびまず耳にしない名前ですね。ステファニィ Stéphanie やファニィ Fannie の方が共和国内では耳に馴染んでいると思います。プロヴァンス地方表記のファニィ Fanny なんぞはマルセル・パニョルの小説タイトルでもあります。

「お名前例外ネタ」ついでに、昨日深夜に男児を出産したマリアさん、仏蘭西語ではマリ Marie と書きますが、聖母のこの名は男児に与える時も語尾変換しません。マリアン Marien という派生の方法は確かにありますが Marie のまま名付けられことの方が多く、たいてい男児の場合、複合名にして生かす形です。例えば、ヂャン・マリ Jean-Marie ですね。この名前の男子はそこら中にゴロゴロいます(女子だとJeanne-Marie またはMarie-Jeanneとなる)。有名どころではヂャン・マリ・ヴィアンネ Jean-Marie Viannay というあまりに有名なカトリックの聖人(来年は帰天後150周年記念巡礼年どすよ)、昨年7月に帰天されたヂャン・マリ・リュスティヂェ Jean-Marie Lustiger 枢機卿、そして仏蘭西の極右政党フォン・ナシオナルの党首ヂャン・マリ・ルペン Jean-Marie Le Pen 氏など挙げられますかな。
あ、ヂャン・マリ・ヴィアンネで思い出しましたが、ラテン語に派生してもヨハネ・マリ・ヴィアンネですね。ヨハネ・マリ・ヴィアンネぢゃないわ。なぜだろう?なぜかしら?

le 26 décembre 2008, Etienne
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by ma_cocotte | 2008-12-26 22:58 | 『?』な、お!?仏蘭西 | Comments(2)
Commented by berucci-pete at 2008-12-28 18:50 x
聖マキシミリアノ・マリア・コルベ神父もですね。
主にイタリア(スペインでも少々)では、現在ではマリオはマリアの女性形として名づけられることが多いですが、実は本来マリオとマリアは全く別の由来を持った名前です。Marioの元の形はMariusです。ですが、現在では前述のとおり、マリアの男性形として使われています。誤解する人が多かったのでしょうし、マリアの男性派生形と考えても違和感ないから、それで良くねぇ?という感じで定着してしまったのでしょう。

でもマリウスなんて、それこそパニョルですよね。

Commented by ma_cocotte at 2008-12-28 20:57
★ berucci-pete さま
うぉおお、そうでした。コルベ神父さまがいらっしゃいました!
なるほどMario はMarius のイタリア語派生になるのですね。
となると、Marie(Maria)はこちらの性別に関係なく、常にMarie
(Maria)のまま。妙に納得です。それでいいですね。当然、必然です。
Marie だけの男子は私の知る限りいませんが、単独名だとやはり
Mario ?命名の話題は興味深いです。私だけかしら?

近年、フランスではラテン語のまま名付けることや、各地方言語に
派生した名前が命名に好まれているようです。面白いですね。
中学以降の第二言語選択でもギリシャ語とラテン語の人気が復活
だそう。一方、社会主義政権後に認められた命名の自由は廃れつつ
あります。お祭り好きな国民だけに、暦に縁ない名前だとお祝い日が
減ってしまうせいでしょうか?
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