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B16は署名を断った。 Le Pape refuse la béatification de Pie XII
あ、忘れないうちに。

Le pape Benoît XVI ne signera pas le décret de béatification de Pie XII.
教皇ベネディクト16世はピオ12世の列福宣誓書に署名しないだろう。

昨日(28日)、国営放送France 2 の13時のニュウスで流れたこと ↓ です。
どうやら1939年から1958年に在位された教皇ピオ12世の列福が世間一般で言うところのペンディング、一旦停止状態に入ったようです。
L'épineuse question de la béatification de Pie XII
http://jt.france2.fr/player/13h/index-fr.php?jt=20090628&timeStamp=531
冒頭、棚から担当者であるピィタア・グリュンペル Peter Grumpel 神父さまが取り出した真紅の分厚い本はピオ12世についての列福調査資料全六巻です。щ(゚Д゚)щ 初めて見たわ。

ピオ12世の列福調査については数年前から始まっており、実は昨年5月8日に調査を終了していましたが、その後も教皇さまは調査書類を全てご覧になったところでサインをなさらず、今年6月に入り、理由をもってサインをしない旨、グリュペル神父さまに伝えたそうです。その理由と言うのが、今年1月の聖ピオ十世会に所属する四司教破門解除と、この発表とほぼ同時に明らかになった四司教のうちのひとりであるリシャアル・ウヰリアムソン司教の歴史否定発言交渉の決裂により、これ以上、ユダヤ社会とカトリックの関係を危うくしたくないという教皇さまご自身の気持が、今年5月にヤド・ヴァシェム Yad Vashem のホロコースト記念館を訪問したことではっきりしたからだそうです。

へぇ、そういうことってあるんだね、と思いました。

というのも、先月だったかココんちの地元の神父さまとの雑談でピオ12世の列福について話題になり、私が第二次大戦時の不明瞭な点を挙げて列福は難しいだろうと言ってみたところ、即座に神父さまが「いや、ピオ12世ご自身は黙ってユダヤ人を匿い、救っていたのだから必ず列福されるでしょう」とおっしゃったことがあったからです。神父さまにそう言われちゃ、「はい、そうですね。そうなりますように。」なんですが、今回の教皇さまの決意ははっきりとしているので、現教皇さまの在位の間にまずピオ12世の列福は「ない」に等しくなってしまったのでした。

へぇえええ。

これも「神の大いなる栄光のため」の一発大逆転なのでしょうか。
が、なんだかよくわからない、時系列が曖昧というか、ホワイトホールな話の展開です。多くの報道が語っているように、ウヰリアムソン師の過激な発言がもし明らかにならなかったら、ピオ12世の列福はあり得たのかもしれません。いえ、昨年中に教皇さまが署名していれば、ピオ12世の列福は確実に近未来でした。そして、ユダヤ人の一部には教皇ピオ12世が沈黙を貫いたことで犠牲者が増えたのだ、という意見があり、教皇ピオ12世が「黙って人助けをしていた」ことを認め難いユダヤ側の意見に対し、教皇B16は終始、ピオ12世を弁護し続けていましたし、昨年まではユダヤ社会とカトリックの関係について教皇B16はまったく懼れていませんでした。列福書類の署名を先送りしていたのも世論の反応を見定めてからの署名が良いと教皇さまが判断されていたのだそうです。ところがなんだかこんな結果(という言葉に躊躇いつつも、やはりほぼ「結果」)になってしまったのですね。となると、数行上のホワイトホールというより、やはり祈りに祈ってらっしゃる教皇さまだからこそ、これぞまさに「聖霊のはたらき」による決意なのかもしれません。
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ピオ12世がご身分も御名も明かさずに「黙って善行する」というのはカトリックの美徳だろうに。教皇さまはピオ12世が列福されるための一条件である英雄的長所 vertus héroïques を否定してはらっしゃらないとか。

グリュンペル神父さまにとっては昨年の5月8日以降、待ち続けた教皇さまのサインを、こうして一年一ヵ月後にはっきりと「私はサインをしません」と返事を頂戴したことで「今は」無念の気持が心をちらついてらっしゃるかもしれません。が、教皇さまは署名はせずとも、ピオ12世についての列福調査を継続するよう希望されているとのことなので、グリュンペル神父さまの希望が失われることはありません。

それにしても、へぇえええええ。

le 29 juin 2009, Pierre et Paul

【ところで、きょう】
スイスのエコン Écône で、聖ピオ十世会(FSSPX)の叙階式が行われました。総長フェレ司教の按手による8人の新司祭、9人の助祭が誕生しました。

Le Point.fr : La Fraternité Saint-Pie X ordonne de nouveaux prêtres
La Croix : Les intégristes catholiques poursuivent leur combat
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Le Figaro : Les intégristes bravent le Saint-Siège Crédits photo : AFP
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by ma_cocotte | 2009-06-29 23:31 | 『?』なKTOりっくん | Comments(2)
Commented by sarah at 2009-07-06 22:55 x
ma_cocotte さま、シャローム。
そうなんですか。ピウスXII にはお気の毒ですが、教皇のご決断が胸にじんと来ました。
教皇訪イ以前、ウヰリアムソン師の発言に関して微妙な空気になってはいました。私個人の印象としては、教皇訪イの際はそのことよりも、ピウスXII世のホロコースト時の私書公開への一部の強い要求が浮き上がっていたという印象でした。私たちの代ではまだまだホロコースト時と共に生きるのだと思えます。
Commented by ma_cocotte at 2009-07-09 21:56
◎ sarah さま、
自己を滅してユダヤ人を救済したことも事実でありますが、自己を滅した
ことで見解がわかれてしまったり、決め手に欠いてしまう点があることも事実
なのでしょう。現時点でB16はサインをしませんが、列福調査を続けるよう
指示しているそうなので、ピオ12世が未来永劫「列福されない」という断言
にはなりません。B16ご自身は民意の確認のためサインを伸ばしていたこと
と、今年に入ってからの対FSSPX問題に続き、ご自身がイスラエルで
認めた諸事でサインをしない決断をなさったようです。これはとても教皇
B16がカトリックであることの表明だと思います。
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