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仏蘭西らしからぬ、仏蘭西にも奇妙な話
先週末から、仏蘭西共和国内で繰り返し、繰り返し流れているニュウス。
何時?  → 2009年9月11日金曜日、
どこで? → 花の都はパリ17区のビル5階から
誰が?  → 32歳女性が
どうした?→ 身を投げた。
いわゆるひとつの自殺報道ですが、女性は一命を取り留めたものの、ほぼ重体であり、生と死の間にあると申し上げられる状態にあります。"Elle n'est pas morte, mais dans un état très grave, entre la vie et la mort"

ここまでの事件の要点でも、仏蘭西という国ではお国柄のせいもあってか「自殺行為 suicide」の現在進行形については滅多に報道では流れないので、当初耳にした時は奇妙に思えました。そして、よくよく耳を澄まして聴いてわかったことは、この女性が身を投げたのは勤務先のビルの窓辺からであり、その勤務先とはフランステレコム France Télécom (日本っぽく言うなら仏蘭西電電公社)で、なんとフランステレコム社ではこの事件当日まで18か月の間に既に22人が自殺行為を行い、この女性が23人目の自殺実行者であったということです。
ちょ、ちょと、これって、こわくない?
そりゃあ、親方日の丸ではなく、親方自由平等博愛のフランステレコムという大企業ですから就労者数は100,000人を越えるほどですが、たった18か月の間でそのうち23人が自ら命を絶つ行為を実行したのです。

この32歳女性が就労していたのはフランステレコム社の携帯電話部門であるオレンジ Orange 社で、電話お客様相談係 une chargée de clientèle でした。そして、彼女の一人前の自殺実行者は二日前の9日、仏蘭西中東部のトロワ Troyes のフランステレコム社に技術者として勤務する49歳男性でした。たった3日で二人の自殺実行者をひとつの企業から出しているのです。それも、今年7月半ばから数えると彼女は7人目の自殺実行者になるそうです。に、二か月でしちにーん?
ちょ、ちょと、これって、こわくない?
自殺実行者が出始めた18か月前、2008年2月にフランステレコム社では経営方針の大転換があったそうです。
フランステレコム社側は既にこの女性の精神状態が不安定であったと、社内常勤の医師、精神科医、心理カウンセラーから診断されていたものの、社側からクビにすることもなく、部署異動を考えていた矢先の事故だったと説明しているそうです。

14日夕方になり、15日に労働省がフランステレコムに査察に入ると発表されました。

ですけんども、2008年2月から18か月目に、23人目の実行者が出たことで動くことにしたフランスの労働省っていったい?実質上、7月から2か月間に7人という「自殺シリーズ La série de suicides 」が明らかになったことで政府が動かざるを得なくなったと読んで良いのかもしれません。

しばらく様子を見ます。

le 14 septembre 2009, Croix Glorieuse


そ、れ、に、し、て、も、
勤労者が次々と自殺したくなるほどの経営勤労方針転換なんて薄気味悪くありませんか?私たちがその勤労方針に従って働き続けると、「雪の女王」のカイ少年のようにコントロールされてしまうのでしょうか?
ちょ、ちょと、これって、こわくない?
【新たな情報】 14日午前、パリの東北に位置するメス Metz にあるフランステレコム社に勤務する53歳女性が鎮静剤を大量服用しての自殺をはかりました。彼女の職種は電話相談窓口の責任者。発見されたのは正午になる直前で、致死量には至ってなかったことで一命を取り留めました。けれども、24人目になります。
やっぱり、なんか変よね?

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by ma_cocotte | 2009-09-14 21:05 | actualite 現時点の現場から | Comments(4)
Commented by Lucia at 2009-09-16 08:30 x
日本で自殺者が多いことは良く知られていますが、フランスでもストレスから自分の命を絶つ方が増えているのでしょうか。それにしても、特定の会社の社員にそれが集中しているというのは、何故でしょうか。
今朝TVを点けたら、フランス2でこの件を扱っていたようです。自殺はしなかったけれど、そんな気分に襲われたという女性が話しておられました。
自殺ではないけれど、昔々イタリアで、過労が原因と思われますが、外出すると車の下に引き込まれそうな気分になったので、研究所の仕事を止めて、しばらく家に閉じこもって、絵画制作に明け暮れたことがありました。仕事が止められないと、危険なところまで行ってしまうのかもしれませんね。
逃れられない環境の中で生きながら、ストレスに負けてしまわないために良い方法はないものでしょうか。亡くなった方々のために祈りましょう。
Commented by ma_cocotte at 2009-09-16 21:11
◎ Lucia さま、
自殺について仏蘭西では公で取りざたされることは稀だと思います。
が、今回のような一企業から一年半で24人の自殺実行者が出ている
ことは奇妙極まりないと言うか、ここまで来てしまうと政府はもっと早く
内部査察できなかったのか?と野党に突っ込みをいれられたとして、
ノンポリのガイジンの私なんぞはこればかりは野党に加担してしまいます。

素人ながらに想像するのはその変更されたマニュアルに心理作用している
何かがあること、一人が実行すると後に続きたくなる心理に追い込まれる
何かがあるとしか思えません。なぜなら23人目の実行者が出たことで
これだけ世間が大騒ぎしているのに、実行できる気になれる方が健常者
には不思議だからです。
こんなマニュアルを社内に徹底した人物について、労働マニュアルの
根本的改正はFT社内で一日も早く実行されないと必ず次の犠牲者が
出るかと思います。気持悪い話です。
Commented by Lucia at 2009-09-17 08:42 x
命は神様から頂いたものだから、たとえ自分の命でも、勝手に絶つのは、神様の愛に反する行為である、ということを教えられてから、どんなに辛い時でも、神様に全てを委ねて生きてきた私ですから、自殺される方のことを思うと、本当の神様の愛を知ることができなかったのだろうと悲しくなります。でもまた同時に、この世を去った人の魂の救いのために、イエス様は、彼らにも宣教されるという聖ペトロの書簡の言葉を思い出して慰められ、彼らのために神様の慈しみをお願いするのです。
Commented by ma_cocotte at 2009-09-17 13:42
◎ Luciaさま、

自殺を試みようとしているかもしれない仏蘭西国内の誰彼が
Lucia さんに倣っていただけるといいですが。
Luciaさんのコメントは個に対する解決のきっかけかもしれません。
が、一企業において一年半の間に24回も自殺実行が繰り返されている
ことにも着目すべきではないかと思います。どうすれば止められますか。
上にも書きましたが、先週末からニュウスで取り上げられるほど大騒ぎ
になっているのに、週明け早々、社内で未遂できるものでしょうか。
事件の中身、実行者数を知ったからとて、誰も24番になりたいなど
普通思わないものだと思います。
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