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平等観の違い、平等の勘違い
久しぶりに、旧市街に用があるたびに利用していた100台以上は軽く駐車できる無料駐車場に我がチビ車を駐車しようとしたら、いつもなら(特に朝市がある日はいっそう)駐車スペースを見つけることが難しかった広場ががら~んとしており、なぜがらんどなのか悟るまで私の蛍光灯脳では時間がかかりましたが、その原因は無料が有料に変わっていたからでした。
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この旧市街の丘の上にある大駐車場がある場所は以前はギロチン広場であり、目鼻の先に教会があり、この両者をつなぐ道の両脇は当然のことながら墓地だったそうです。今では19世紀から20世紀初頭にかけて建てられた長屋のアパルトマンが丘を取り囲み、ギロチン広場には共和国軍支部や公共機関や施設が入る威厳ある建物があります。

この旧市街に限らず、観光都市を覗く仏蘭西共和国内の市町村において、このような共和国民が頻繁に利用する公共施設や役所、病院、教会近辺の駐車スペースはたとえ旧市街の中であっても無料に設定されていました。それは共和国万民が集う施設があるのだから、貧しい人々が駐車料を理由に足を遠のかせることを良心が許さなかったからです。

ところが、真の神聖賢愚帝サルコぢ一世の御世となって我々に強いる金権営利主義と、中道よりヒダリの諸政党が帝を穿つために我々に訴える平等観がウルトラQのオープニング様となり、旧市街の内側において全ての駐車スペースに平等の条件で有料とし、駐車のための自動販売発券機を大量設置となりました。よくこんなもんを設置する金があるよなー、もっと他のことで使えよ、とついうっかり思ってしまいましたけれど、この工事費用も駐車有料化でいずれチャラになるんでざんしょ。

未成年者でもなく、高齢者でもなく、障害者でもないひとりの平らで凡なガイジンがこの変更を眺めて思い巡らすのは、
万民が集う場所には貧困の中にいる民もいるのだから、万民が利用する施設周辺の駐車スペースは無料とする。
と、
旧市街の内側の全ての駐車スペースは平等に有料とし、全利用者から平等に駐車使用料を徴収する。
のどちらが「真の平等」なのだろう?と。私には前者が本当の真の平等のように思えてなりませんが、拙者は脳味噌ツルツルのアホちゃいまんねんパーでんねんな生物♀にすぎないので、不肖ま・ここっとの感想は偏見なのかもしれませんが。バス代より一本のバゲットの方が安い仏蘭西共和国内で、貧しいヒトが病院にも、教会にも、役所にも「お金がないから行けません」という道を行政が造ってしまってよいものなのでしょうか。実際、南仏だったら駐車違反で督促状をワイパーに挟んだところで、罰金を払うために行かねばならない市役所周辺が有料駐車だとしたら、それを理由に違反者は不払いを決め、いつのまにか間に団体SOSラシズム Sos Racisme おかかえの弁護士がしゃしゃり出て来て、ラシスト理由にまわりまわって役人に退職命令なんて話、うぢゃうぢゃゴーロゴロです。仏蘭西共和国の三大スローガンのひとつが平等 égalité で、近年は第四のスローガンとして連帯 solidalité が挙げられるようになりました。ココに王無き共和国が今も重視するヴァチカンからは現教皇がやたら隣人相互愛 charité を仏蘭西語で勧めてこられる。連帯 solidalité と隣人相互愛 charité はそっくりだけれどどこか異なり、駐車条件の均一化は前者、個人のアイデンティティを慮っての条件は後者なのでは?という思考の中に浸りながらの11月第一週のしめくくりとなりました。
たかが無料駐車場の有料化にしても、
仏蘭西独自の良さがまたひとつ失われた
ように思い始めています。

た、だ、し、ココんち地元の仏蘭西社会党員が治める旧市街の現状でも、正午から14時まで、午後7時半以降翌早朝まで、主日(=日曜日)国定祝祭日は有料駐車スペース(駐車場、路上脇、共)は無料です。これは駐車違反取締りの役割が中央警察 Police nationale ではなく地方警察 Police municipale であることから、地方警察官の昼食休憩やら勤務時間やら主日条件勤務などの伝統とカトリックにおける主日の考え方の名残(主日に裁き、裁かれない)ゆえです。ただただしぃ、旧市街外円道の際に立つ十字架像から出たら、隣町までの路上には主日であっても憲兵隊員が我々の悪さを監視していますから、決して羽目を外さないように。
エデンの東 ってか?

le 7 novembre 2009, Carine
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by ma_cocotte | 2009-11-07 01:43 | 『?』なたわ言 | Comments(2)
Commented by siojake at 2009-11-08 00:08 x
手前の3台が燃えたのは
有料化反対!で暴れた輩がおったためでせうか?

3年前の夏、W杯決勝戦の日にレンタカーを借りたら
「今日だけは保険に入ることを強くお勧めします」と
係員が言い切ったっけ。
結果何にも無かったけれど、勝っても負けても誰かが暴れる
可能性大と言うご説明に100%納得でした。

年々「良いフランスらしさ」が薄れていって寂しいですね。
Commented by ma_cocotte at 2009-11-08 02:15
+ siojake さま、
何が理由なのかわかりませんでしたが、写真を凝視するといちおう
警察による立ち入り制限のテープが背後に貼られていたりします。
ココ新天地ではこういう状態の車はあまり見かけませんが、南仏時代は
そこらにゴロゴロでしたから。乗用車の外装のロゴマークが盗まれる
こともだいぶ減ったのでしょうか・・・
いや、南仏ではまだ日常だろうと、遠い目ぇ。

病院や教会周辺の駐車スペースの有料化は正直、ショックでした。
この手の周辺は最後の最後まで市民の長上が慈愛を見せる場だと
思うけど。
どこぞの改宗若旦那がブイブイいってるヌイィs/セエヌなんて
「金のある奴ぁ俺ンとこへ来い!」でしょ?
本当の仏蘭西の精神は「金のなくてもタレントある奴ぁ俺ンとこへ来い!」でしょうに?金権営利主義を共和国内に満遍なく強いることで左傾が
することも、無論、歴史修正に走るわけで・・・好かないっす。
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