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スシ、食いねえ。スシ?食わねえ。
16日の夜、衛生放送局 Direct8 の Business というドキュメンタリー番組の中で、花の都はおパリで日本料理店が成功し始めているという話題が流れていました。なんでも今やおパリではピッツェリアの数と「 Sushi 」と看板を掲げた日本料理店の数が逆転したとか。ところが、「 Sushi 」とアルファベット標記された看板を掲げた店舗でも本当に本物のお寿司を出すお店は両手の指の数?いや、片手の指の数で足りるかもしれないそうです。

ん~、これは南仏プロヴァンス地方の現状と似ているかもしれません。

お寿司がなぜこんなにも流行し始めたのかと言うと、二年くらい前から花の都はおパリに住むおスノッブな方々の集いの場においてアペリティフとしてお寿司が好まれるようになったことがきっかけかと思われます。もちろんそれ以前にもお寿司は存在し、私個人が欧州で初めてお寿司を買って食べたのは1999年7月1日、ブリュッセル空港内の売店です。機械が握った鮨飯の上にスモークサーモンが乗っているモノと海苔巻きと海苔の代わりに胡麻を表面にくっつけた巻モノがプラスチックケースに入っておりました。その数年後、大手スゥパァマルシェの鮮魚売り場で、同じタイプのプラスチックケースに入ったお寿司を見るようになりました。もちろん賞味期限が長いお寿司です。月曜夜の番組だと或る工場で製造されており、経営者も登場しましたがお名前から拝察するにヒトが作った国境を越えて世界中から引くことの日本國に散らばる選民のうちのおひとりで、従業員は移民の方々。衛生管理はお仏蘭西の市井に散らばる某中華@アジアの方々の不法調理場とは月とスッポン、天と地底くらい異なり、日本國レベルにもしかしたらプラスαかもしれないくらいの、素人表現なら「無菌」と言ってしまいそうなほどの環境で寿司折りがヒトと最先端機械によって産み出されておりました。この工場の様子は、視聴者には安心材料だったのではないでしょうか。

話戻って、おパリの旧市街。
お寿司が流行したことで、全国紙のおル・フィガロさまなどの記者が身分を隠して、市内に散らばる日本料理店の真贋を確認中とのこと。彼ら仏蘭西びと記者の見極めにおいては、本物の日本料理店はパリ郊外にある ランジス Rungis の卸売市場 (=昭和時代の秋葉原駅前や築地市場を思い起こしてくれたまへ)の定休である月曜日を同様に定休にしているそうです。これを第一定義にして間違いないらしい。

仏蘭西のお寿司屋さんについて素人のワタクシめの真贋の見極めは単純で、マグロのお寿司があるかないかです。現在のココんちの地元の Sushi 店含め、偽のお寿司屋さんのメインはスモークサーモンの寿司と、アボガドとカニカマを使った海苔巻きです。マグロのお寿司はありません。仏蘭西の鮮魚店でもマグロの輪切りを買えるのに、なぜか寿司店には出ない。これも流行のきっかけが華やかな席でのアペリティフに出されるおつまみだったからでしょうか?ちなみにお仏蘭西のヒトビトは輪切りのマグロを塩コショウとハーブ、白ワイン、オリーヴオイルで数時間マリネにしたものを焼いて食べたりしますけれど。ナマでは召し上がらないのかも?

この番組の中でなんとなくわかったことは、お寿司という食べ物の流行が先走りしたことで、仏蘭西びとにはまだ日本料理の料理人と寿司職人の違いがわかっていないことです。残念なことですけれど、現状では流行の食べ物であって、ピッザやドネケバブ、ファラフェルのように定番と化したと宣言するにはまだ早いですし、あの機械で握ったお寿司を本物のお寿司と信じている仏蘭西社会では、仏蘭西向けの応用したお寿司「もどき」が誕生しそうです。

仏蘭西のド田舎に住む私はココ新天地でもアジア系レストランの看板が掲げられるたびに訪問していますが、旧市街にできた Sushi 店にはいまだ行っていません。というのも、今もってこのお店の話題になった時点で「美味しい」という話を聞いたことがなく、他の普通のカフェやアジア系レストランのランチメニュー料金と比較しても割高です。
というか、このたった一軒の Sushi 店に限らず、既に20軒近く訪問したアジア系(中國人、ラオス人、ヴェトナム人、カンボジア人など)のレストランでは、言葉を選ばなければ「ボラれた」と食後に痛感、反省することばかり続いています。
大失敗は2か月ほど前、なぜかラーメンを食べたくなったので、中國系のバイキング形式の店に入ったところ、本当に美味しいからと10ユーロの海鮮麺を勧められ頼んだところ、どんぶりの底にモヤシが沈み、麺とスープは明らかにタイ製の出前一丁海鮮風味、具はスゥパァで売っているフリュイ・ド・メールという単品で売れない海老やイカ、貝を混ぜた冷凍食品を炒めたものでした。これで、10ユーロ・・・_| ̄|○  面倒見たよ。←櫻井センリの声でどうかひとつ。
何度騙されても、ついうっかり日本で食べていたものが恋しくなってしまうと、アジア系食堂に入り、毎度後悔するの繰り返し。いい加減、懲りたまえ、キミ!ですな。花の都はおパリに上ったとしても、私のような者では本物の日本料理店の敷居は私の背よりはるかに高く、ブブカにワザを習ったところで無事に越えられるかどうか。

お寿司も、ラーメンも、おそばもお新香も、次回の帰国まで我慢することにします。
とりあえずは機内食で和食を選ぶことにしましょう。

le 18 novembre 2009, Aude
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by ma_cocotte | 2009-11-18 17:13 | actualité 現時点の現場から | Comments(8)
Commented by Lucia at 2009-11-19 08:52 x
日本でも、私のような庶民が出向く回転寿司店では、機械がシャリを握って、手袋をはめたアルバイト学生たちが、本店で準備され、冷凍状態で各店舗に届けられたネタを、解凍を待って載せています。
魚市場に毎朝出向いて、入荷したお魚を選んで買って帰り提供する、一貫数百円から数千円する本格的なお寿司屋さんに行ける人は、日本国内広しとは言え、少ないのではないでしょうか。
一度インターネットに掲載されていた東京のお寿司屋さんに行って、どうやら首都圏では昔ながらの職人さんが経営している小さな安いお寿司屋さんがまだあるということを知りました。
最近、本マグロの捕獲制限が出たから、マグロが食べられなくなると、ニュースではとり上げていましたが、私が行くようなスーパーでは一度も本マグロや黒マグロにはお目にかかりませんし、多分回転寿司店でも使っていないでしょう。ですから、私などはどうもマグロが美味しいのかどうかも分かりません。フランスでは本マグロが入手できるのでしょうか?
Commented by ma_cocotte at 2009-11-19 16:15
+ Lucia さま、
そうなのです。関東だと今も寿司職人さんの手による本当のお寿司を
無理のない予算でいただけるのです。職人さんのなり手がいないと、
お寿司の文化も変わってしまいますね。やはりヒトの心を込め、ヒトの手に
よる創造物に勝るものはなく、ヒトの頭で造った機械による創造物には
限界があるのだと思います。

仏蘭西ではマグロを輪切りで売ってくれます。
好みの厚さに切ってくださいますよ。
だから背骨を中心に赤みからトロまで手に入ります。
ですが、やはりムシは怖いので、こちらの調理に従って白ワインと
オリーヴオイルで数時間マリネにしたものを焼く。美味しいですよ。

あのマグロはおそらくスペインやポルトガルから運ばれているのでは
と思います。日本でも私の実家近所の鮮魚店ではスペイン産マグロが
売られています。
Commented by berucci-pete at 2009-11-20 13:56 x
7、8年前ですがパリでお寿司を食べました。
海外で食べたのはその一回きりです。
マグロはありましたが、機械握りのシャリでした。
お店の人は中国系のようでした。
Commented by ma_cocotte at 2009-11-20 17:13
+ berucci-pete さま、
仏蘭西におけるアジア系料理の国境は無きに等しいかもしれません。
植民地時代の名残か、中国国籍者を含む南北ヴェトナム、ラオス、
カンボジアにタイを加えて、どれかの国名をあげた店名であっても
この五か国の料理「らしき」ものをいただけます。
他にカレー文化も浸透しつつあり、これはインドに加え、バングラデシュ、
パキスタン、スリランカからの移民が経営しているお店が多く、調理場は
この四か国のうちの数か国の国籍者が入り混じる形が多いです。

お寿司は私が住むド田舎でも中華系レストランの、特にバイキング
コーナーで解凍したお寿司「らしき」ものが並ぶようになりました。
先日、目撃したのは水で薄めたわさびがドレッシング容器に入っていました。
必ずしもお醤油があるとは限りません。
それを本物と信じて食べる仏蘭西びと。
これは中華店で「sake」という名でヴェトナムのマクロー酒が出され、
それを日本酒と信じているガイジンがやたら仏蘭西国内にいる件と
合わせて悲観だったりします。
Commented by Lucia at 2009-11-21 11:08 x
随分昔のことですが、ローマで一度だけ、日本人が経営している和食レストランに招かれました。イタリアの友人が、私が日本人だからということで、イタリア料理のレストランに比べれば遥かに高いそこを選んでくれたのでしょう。そこで出てきたお寿司は、機械握りではありませんでした。しかし、おにぎりの様にしっかり固く握られていて、がっかりしたものです。
最近の機械は、程良い握り方が出来るようです。日本の一般のスーパーで売っている握り寿司も機械握りですね。
Commented by ma_cocotte at 2009-11-21 17:12
+ Lucia さま、
仏蘭西でも同じです。お寿司のご飯と似たような味なのに、握り方が
おにぎりと同じ、いえ、おにぎりよりしっかり結ばれてしまっているのです。
いっそ普通のご飯でおにぎりを作ってくださればよいのに、です。
日本食はレストランでも、食材でも、他のアジア諸国の食品に比べ高く、
お気軽に手を伸ばせるものではありません。
帰国時の楽しみにします。まずは機内食!
Commented by Lucia at 2009-11-23 08:39 x
普段はイタリア料理大好きなのですが、日本ではお寿司が好きなのに、現役時代に月に何回か帰宅途中で入っていた回転寿司店が閉店して、スーパーで売っているお寿司には魅力が無くて、日本に居ながらお寿司を懐かしんでいます。私でも罪悪感を持たずに入れる本格的なお寿司屋さんがあればいいのですが…。しかも自分の車で行ける所となると、諦めねばなりませんね。
ma_cocotteさん、今度は何時頃ご帰国予定ですか?
その時には、フランスにはない日本の味をしっかり味わって下さいね。
Commented by ma_cocotte at 2009-11-23 20:37
+ Lucia さま、
お寿司は美味しいですね。江戸前も関西のお寿司も。
次回の帰国は来年早々です。
早いもので母の三回忌です。
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