<< モー、来年までいらない、モー。 処によっては「愛」の文字もある... >>
+ ここに、静かに眠る +
今年三月ロオマに行くと決まってすぐ、友人から「ならば、アルペさんのお墓参りをすると良い」と勧められました。
b0070127_15234128.jpg

「アルペさん」とはイエズス会のペドロ・アルペ Pedro Arrupe 神父さまのことです。1907年11月14日スペインに生まれ、1991年2月5日永眠。1940年から1965年まで日本国内で宣教、第二次大戦中は獄中生活も体験し、広島原爆の折にはアルペ神父さまはじめイエズス会の神父さま方の市井での救護活動はつとに知られているところであります。
破壊の日 ―ジーメス神父の広島原爆―現場目撃証言
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/U.%20S._Strategic_Bombing_Survey/jemes.htm
1940年夏、山口 を皮切りに始まったアルペ神父さまの日本での生活は1942年から広島に移り、1958年から1965年、第28代イエズス会総長に選出されたことで日本を離れロオマに移るまでは初代イエズス会日本管区長として麹町にお住まいでした。
友人にアルペ神父さまの墓参を勧められた後、しばらく深い思考に誘われました。「もしアルペ神父さまが日本にいらっしゃらなかったら?」と仮定すると、これまで私が出会った方々の関わりがなかったことになってしまうように思え、その関わりがないとしたら今の私の心魂が存在しないことに気づきました。偶然にも、アルペ神父さまのお墓を訪問する数日前に聖ペトロの墓を前にしたヴァチカンの地下聖堂でのごミサで司教さまが「もしペトロがいなかったら?」と私たちにイエズスさままでつながるヒトとヒトとの縁やきずなを気付かせてくださいましたが、アルペ神父さまもペトロと、ペトロのそばにいらっしゃるイエズスさまにまでつながる連鎖のきずなの途中にいらっしゃる方です。
偶然なのか、一昨年前の三月はじめにカトリック信者でもない私の母の帰天に際し、初七日にあたる主日のごミサの中で母の名を読み上げてくださった 神父さま もアルペ神父さまとの出会いがあっての今がある方でした。もしアルペ神父さまがいらっしゃらなかったら、母の名を読んでくださる神父さまはこの神父さまでなかったかもしれません。

友人に「アルペさん」の墓参を勧められてすぐ、ローマのヂェズ教会のHPの Visita virtuale della Chiesa でしっかりアルペ神父さまのお墓を調べたにも関わらず、私にとってはじめてのロオマ、しかも睡眠と食事時間以外は添乗員監視付きのブロイラー状態であったため、いざ!となったら私の脳電球は破裂状態となりアルペ神父さまのお墓が ローマのイグナチオ教会 かヂェズ教会さえ思い出せなくなり、神父さまらしきオーラを醸し出された方に尋ねまくることとなりました。(イグナチオ教会で私が神父さまと思い定めた方は従者付きのウルトラ大金持ちだと直後に判って、独特な汗をかきました。実際、ローマのイグナチオ教会を訪問した日は疲労困憊しきっており写真さえ撮っていません。)

イグナチオ教会でお墓を見つけられぬままヂェズ教会を訪問。きょうび便利なものでガイドさんの説明は無線で聞けるので巡礼団の群れから離れ、限られた時間の中でアリスのウサギ氏のように時間に焦りながら「お墓探し」。偶然にも小聖堂手前の売店のようなところにほぼ絶対間違いない南米人男性が店番をしていたので英語とイタリア語で「ぺ~どろ・ああるぺぇ」を筆頭鍵語にし、続いて「ハポン」やら「ヂャッポーネ」「ジャパーン」を第二鍵語に奮戦したものの、なぜかその場にいらした女性が「アルペさんはヴァチカンにいるわよ」と断言される。「んなわけないだろー?」とそこから飛び出て主聖堂内を一周しても見つからず、再度、この売店前に絶望的表情で戻ると、その南米人らしき男性が私を凝視して「ユーは本当にヂャポネーゼか?」と質問してきたので「しー、しー、イエッス!うぃいいっ!」と豪華四か国語で返答したところ、「ヴネ・ヴェネ・カモン」と指をクイクイなさる。それに従ったら、売店背後の重々しいドアの鍵をその南米人がまわし始め、「えええ、あーた、そんなこと勝手にしていいの!?」とこちらがハラハラしているのに、重厚な黒茶色の扉がぎぎぎぃいいっと開けられまして。まさか 天下の黒教皇ニコラスさん にお目にかかれるのかと思いきや、16世紀に描かれたという日本宣教に関する絵画 を紹介してくださった・・・つか、南米のその方はすぐ持ち場に戻り、あっしはその廊下にひとりぽっちにされちまっただ。その空間のあまりの静寂に罪深い私は畏れましたが、「祈れ」ということだったのでせうか。私は「何か」にこわくて写真も撮らず、今になって大航海、いえ、大後悔ing なんですけれど。
b0070127_18525629.jpg
おそらくヂェズ教会正面右のこの玄関 ↑ から入ってすぐに日本画があると大根足で踏んでおります。


絵画が掲げられた廊下にほっぽらかされて数分後、同じ扉から私は出、私にイエズス会の大切なモノを紹介してくださった南米人らしき方にお礼を申し上げ、主聖堂を前に左に曲がったら、左目に入ったああっ!
b0070127_15242366.jpg

そう、いとも簡単にアルペ神父さまのお墓を見つけることができたのでした。
何度もこの前を通ったのに見つけられなかったのに、いったいどーゆー視野狭窄やねん?ですが、お墓探しに苦労しなかったらあの絵画を拝見することはありませんでした。苦労に感謝。棚から牡丹餅。

兎にも角にも、アルペ総長さまにお礼を申し上げることができました。
かつて、我が母国でペドロ・アルペなるひとりのイエズス会宣教師に出会ったことでつながったヒトの輪、心と心の連鎖あってこそ今の私が存在すること。それはもちろん同じヂェズ教会の中のイエズス会創立者イグナチオ・デ・ロヨラのお墓ザヴィの聖腕 前でも、ただただ彼らの心身を奉献してのヒトが決めた国境や身分を取っ払っての地球上の大地への種まきに感謝で、その感謝は祈りの花束にして天に送り返し、「ああ、こんな私にできることは何だろう?」と残り少ないこの世の生に与えられたフィアットを熟考す。見つからない。あっちゃー。

この文中でも何度か「偶然」という語を用いたけれど、それは私には偶然であっても天においては必然であったに過ぎないのだからして。平伏す。
b0070127_15253733.jpg

生前のペドロ・アルペ神父さまです。
スペインからアメリカに、そして日本へ。アルペ神父さまは禅、茶道 を愛され、カトリックの世界に応用され、日本を離れロオマでの生活でも御身をもって生かされました。
b0070127_15244287.jpg

私がアルペ神父さまの墓前に跪いたのは2009年3月25日午前十時過ぎ、南東の陽光を浴びた冷たい石の墓碑なのに、なぜか正座し、静かに黙想されるアルペ神父さまのお姿を思い出しました。
イエズス会入会を考えている若者に伝えたいこと
                              ペドロ・アルペ s.j.

もし、イエズス会に入会するという考えによって、不安になったり、心配になったりするなら、家にとどまっているほうがよい。
もし、教会を自分の本当の母としてではなく、義理の母のようにしか愛せないなら、わたしたちのところに来ないほうがよい。
もし、イエズス会に入ることで、イエズス会に何かをしてあげられると考えるならば来ないほうがよい。

もし、キリストに仕えることがあなたの生活の中心であるなら、来てください。
もし、ひろく強い両肩、開かれた魂、幅広い精神、 全世界よりも大きな心を持っているなら、来てください。

来てください。
もし、あなたが冗談を言うことができ、人びととともに笑い、そしてときには自分自身を笑うことができるなら。


le 11 décembre 2009, Daniel
[PR]
by ma_cocotte | 2009-12-11 15:25 | 『巡礼』 Rien de special | Comments(10)
Commented by まるくす at 2009-12-14 01:43 x
うぁお。すごい。
Commented by ma_cocotte at 2009-12-14 02:19
+ まるくすさま、

・・・LA のまるくす先生でらっしゃいますよね????
な、なにが「すごい」????
Commented by まるくす at L.A. at 2009-12-14 09:03 x
何って、いや感動したんですよ。墓を探し当てた経緯も、ペドロ・アルペ師の言葉も。
何かしてあげようという人はいらない。笑える人がいい。吉本の笑じゃなくて。(吉本さんごめんなさい。他意はありません。)
Commented by ma_cocotte at 2009-12-14 16:38
+ まるくす先生、
大昔、アブラムが選ばれてイエっさんとペトロが出会い、時が流れて
アルペ総長さまに育てられた方々がいらしてこそ今の私があり、
こうしてまるくす先生とも出会えました。イエッセの常盤木の頂点から
再び広がる・・・不思議ですね。どんどん広げましょうね。

ううんと、吉本や松竹な笑いもイエズス会には既に存在していると思ふ。(爆笑
Commented at 2012-01-16 10:15 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ma_cocotte at 2012-01-16 15:21
+ 10H15@16012012さま

おひさしぶりです!!!
ずーーーーーーっと貴ブログを拝読していましたが、吉報での再会、
本当にうれしいです。

鍵さん、Facebookに登録していらっしゃいますか?
もしなさってたら、鍵でご連絡ください!
Commented by ma_cocotte at 2012-01-17 14:19
+ 10H15@16012012さま

友人から知らせがあり、

「アルペ神父回想記」という本があります。
ただし、「アルペ神父の列福を祈る会」が発行しているようなので、
広島は長束の黙想の家にお電話で問い合わされてみるとよいです。
Commented at 2012-01-20 09:56 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ma_cocotte at 2012-01-23 00:56
+ 09H56@20012012さま

長束は現在、黙想の家と修道院の2棟で成っています。
黙想の家の方がシスター方が手伝っていらっしゃるので本についても
わかりやすいかもしれません。
FB、感謝です。探させていただきますね。
Commented by 田邉潔 at 2017-09-02 18:33 x
アルペ神父様の記事!ありがとうございます
FBシェアさせて頂きます。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード
<< モー、来年までいらない、モー。 処によっては「愛」の文字もある... >>