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背中の「子羊メェメェ、ペリカンがぁがぁの血ぃだーらだら」が目に入らねぇか
紋所に続いて今度は背中でスカイ?
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これらはココんち近くの旧市街の旧教聖堂の香部屋箪笥の肥やしとなったままの、1970年手前まで使われていた司祭装束でございます。1970年より前の数百年、ミサというものは司祭と集う者が向き合って行われていたのではなく、司祭も集う者も全員が東のお空に向かってお祈りしていたので、昔の装束は背中の刺繍に凝られたようです。博物館などでしばしば見る刺繍は上の写真のような十字架やIHSの文字が入ったものですが、以下の刺繍もよく見るものです。

こちら ↓ が背中に刺繍された「子羊メェメェ」ですね。
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こちら ↓ は「ペリカンがあがあ」
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難しいことどころか簡単なことでさえ固ゆで卵様の私の脳味噌では理解に時間がかかることですが、これらカトリックにまつわる子羊やペリカンなどの絵画表現には決まりがあり、小学校入試のお絵かきの試験のようにテーマを与えられたところで個人が好き勝手に表現してもカトリックでは受け入れられないのだそうです。
例えば、子羊メェメェさんの場合、子羊の下の本に7本の縦線がありますが、これは黙示録に基づき、必ず7本なのだそうです。そして、ペリカンがあがあさんにおかれましては、ペリカンは雄ペリカンであり、彼が自分の胸を突いて流れ出た血を雛に飲ませる図像は自らを犠牲にするキリストを表現しているのだそうです。
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いずれも金糸銀糸を用いた装束ですが、ペリカンの刺繍なんぞは胸から流れる血だけ真紅の糸を使っており、妙にリアルです。雄ペリカンの傷の痛みを目に入れた者にも感じ取れるとでも申しましょうか。
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痛イノ、嫌イ。
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ケド、眼福。

数年前、確かFrance 3 かFrance 5 の番組でヴァチカンの日常が紹介されました。教皇さまはじめ高位聖職者のお印(紋章)を手刺繍する修道女方や、椅子や机に紋章を彫る修道者方のアトリエを拝見することができました。きょうびヴァチカンにおかれましては頭が聡明な修道者ばかりでなく、手工業に優れた人材を求めているのではないでしょうか。昨年、私がヴァチカン詣した際に寄りましたモザイクのアトリエで黙々と奉仕される方々の姿はそれは美しいものでした。張り詰めた空気もこちらの猫背まで真っ直ぐにさせられるような気迫がありました。ふと思い出したことですが、日本國内のカトリック校から被服科や家政科、工業、商業の名が失せてもう十年近くなりますでしょうか。カトリックがいつから学力優秀のエリート100%社会になったのか、そのような偏りは日本國限定かもしれませんが。

le 14 avril 2010, Maxime
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by ma_cocotte | 2010-04-14 18:49 | 『?』なKTOりっくん | Comments(0)
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