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果たして「黄金の棕櫚」は天に帰るのか。
5月12日に開会された第63回カンヌ映画祭 も終盤となり、二日後の23日に最終日を迎えることになりました。連日、各分野での審査が続けられていますが、残り二日となりマスコミで予想が繰り広げられるようになりました。
カンヌ映画祭ではパルムドールと日本語でも伝えられている名称の賞が有名ですが、そのパルムドール獲得の最有力候補がこれ ↓ です。



おそらく日本びとの多くに「変な宗教やってんの~?危ない、危ない、触らない。」とつぶやかれてしまうかと思われますが、仏蘭西共和国においてはその手の発言が失笑を買うというのもこの映画が最有力候補のひとつとなったことではっきりすると申しましょうか。思っても言の葉には乗せない。もし乗せたら逆に偏見を貰いかねない仏蘭西かもしれません。

映画のタイトルは"Des hommes et des dieux"(英語タイトルは、"Of Gods and Men")で、内容はこれまで何度か拙ブログでも紹介しました1996年にアルジェリアで実際にあったカトリック観想修道会のひとつシトー会の修道士7方 ↓ が誘拐殺害された事件を扱ったものです。cf. 正義が真実を語るのです。"que la justice dise la vérité" http://malicieuse.exblog.jp/11485565
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アルジェリア国内とは言え、人知れず観想生活を送っていた修道士方が世俗の思想に追い詰められ始めたにもかかわらずアルジェリアに留まるか、それとも出国するか選択する場面も映画では以下のように表現されています。



どうでしょうか。ご覧になる方が各自の立場を置き換えて、もし自分ならばどう返答するだろうと考えている中で感じ取られる余韻などなど。
事実においては1996年3月26日に彼ら7名のシトー会修道士はイスラムゲリラに誘拐され、同年5月30日に切断された7名の頭部が発見され、十か月後にイスラーム戦闘派le Groupe islamique armé (GIA) から暗殺が公式宣言されています。7名の犠牲者のうちお一方はココんちからほど近い町にいらした方でもあり、今回のカンヌ映画祭のコンペに選ばれたことで私個人としては何とか賞を獲得し、この事件について世界中のひとりでも多くの方に向き合っていただきたいと願っているのですが。先日18日にカンヌにおいて上映、直後の映画関係者は満場一致の大絶賛だったようです。

偶然にも今年の5月23日は仏蘭西の暦の上で聖霊降臨の主日 Pentecôte であり、もしパルムドール Palme d'or 、和訳すると黄金の棕櫚がいただけたなら、棕櫚はイエズスさまのエルサレム入城のシンボルでもあるのでこれはまっことの戴冠でありまして、栄冠が天に帰り、7修道士の冠となり、天で喜ばれるという誉れになるのではないかと思うのですが・・・ね?
ですから、カンヌは仏蘭西共和国内の一都市だから、この美談を製造する可能性がなきにしもあらず。ですけれど、カンヌ映画祭のパトロンはユダヤんでやんす。が、行き過ぎたイスラーム原理過激思想に異議を唱えるには無言でこの映画に黄金の棕櫚を抱かせることが知的戦略のような気もいたします。

ツルツルの脳味噌なりに私が着目した点は映画のタイトルの中に「des dieux、=Of Gods」と英仏いずれも「神」が複数になっている点です。キリスト教とイスラームはいずれも一神教で源泉は同じはずなのに、なぜ複数なのでしょう。深い思考にいざなわれるタイトルであります。

le 21 mai 2010, Constantin

もちろん自由・平等・博愛の理想を掲げる仏蘭西共和国でありますから、今宵のカンヌではアルジェリア戦争を描いた"Hors-la-loi"が上映されます。予告編は以下をぽちっと。





ご覧のとおり、いろいろとタブーに触れまくった内容であることから既に世間では賞獲得予想とは別の面で大騒ぎになっておりますです。

上の二作品共、日本國で上映されたところで共観共感福音となりますかどうか。
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by ma_cocotte | 2010-05-21 20:47 | actualite 現時点の現場から | Comments(0)
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