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世界のどこにいても、今、私はココで生きている日本国籍者なのに、
数日前、ココんち地元の歯医者さんに行きました。今年2月に里帰りした際、滞在二日目の朝に奥歯の詰め物が取れたので、それを治療していただくためです。今回の実家滞在は4週間だったので、実家滞在の残り26日は口内に多少不便を感じながら過ごし、共和国内のココんちに戻ってから歯科医に予約したので数日前の治療となりました。仏蘭西において専門医の治療待ちで半年以上先の日時を言い渡されることもありますから、これでも早い方です。私個人は既に日本國の国民健康保険には登録しておりませんので、滞在二日目の口内不具合で、しかも実家滞在ならば地元の役所で国民健康保険登録して治療すればよいではないか、という意見も多分にあります。しかし、私だけかもしれませんが、海外に長期滞在中であれど、正真正銘の日本國国籍保持である私自身が既に一度、里帰り中の国民健康保険登録で実に納得行かないことに直面した経験があります。

それは、2008年9月。
その年の2月に母が永眠したことで納骨や繰上げの一周忌を行うことになり、一か月の予定で私は里帰りの計画を立てました。この滞在中に私が動かねばならない諸事があり、そのひとつは印鑑証明書作成でした。実家地元の役所に行き、まず印鑑証明書作成の受付に行ったところ、もし印鑑証明書を作るなら同時に国民年金と国民健康保険に登録する義務があるとのことだったので、待ち時間の間に年金と健康保険の手続きをすることにしました。受付を見渡すと国民年金の係が空いていたのでまず国民年金手続きをし、ここでもまた待ち時間の間に健康保険手続きをすることにしました。健康保険の受付で私の番となり、カウンター向こうの男性と向き合い、その方が私の書類に目を通し始めたところで「たった一か月で病院悪用逃げするつもりヂャねーだろうな!?」と大きな声で叫んで来ました。その役所は昭和30年代の建築物なので天井が高く、声の響きも生かされていますから、ごった返していた待合席の人々が一斉にこちらに目玉を動かしました。彼は第一声を大きく発した後、ブツブツと「あんた、海外在住なんだろ?またあっちに「帰る」ンだろ?この頃、海外在住者が国保登録し、病院や歯医者に通ってすぐ消える奴が多いンだよ!」と。確かに私の実家がある地方の小都市には近年、アジアだけでなくアフリカや中南米からの労働移民が増えています。実際、その日も役所の中に一割近く外国籍と思われる人々がいました。

ですがね、ワタクシ。
思い切り自己中心で語るなら・・・つうか、その男性にも話したことですが、生まれた直後から海外在住直前まで一度たりとも引越を経験せず、住民票の住所で成長した私なのです。しかも、印鑑証明登録の条件が国民年金、国民健康保険登録であるのに、なぜこのような罵声を飛ばされるのか理解に苦しむ、と。確かにもし印鑑証明登録と同時に国保取得となるならば、私としてはガタが来ている身体ほうぼうの検診に行きたいと考えていました。私はその回の帰国時にも実家の住所で私宛に届いていた(過去においての)国民健康保険の請求も支払い、過去の年金登録を確認する何通もの書類にも全て決まりに従って行いました。もし今回の、印鑑証明登録「ついで」だけれど「しなければならない」国保登録に納税が発生したところで私は逃げも隠れもせず払います。

しかもね、印鑑証明書ですが、私のような海外在住者は住民票記載の土地から離れる前に役所に変換せねばならなかったのです。国民年金も同様。(現在もこの条件なのか私は自己中なんで存知ません)。いちおう、多分、おそらく良心を携えたミーは印鑑証明書変換時に国保も一緒に変換しますよ。だってね、日本國内に自分の身体が存在しないのに納税義務が発生するわけです。親からも、企業からも援助がないミーは超ウルトラスーパーどけちでもあるのでこんなことはこちらから契約解除です。

一方、仏蘭西ですが、私は共和国民との婚姻によって長期滞在が認められているだけのガイジンという立場です。私は仏蘭西でも日本國民。長期滞在なので納税義務もあるし、共和国の国民健康保険にも強制登録させられています。昨年3月にイタリアはローマに参りましたが、事前に旅行会社から連絡があり、社会保険庁でEU保険証を作成するよう命じられました。クレジットカードと似たような外見ですが、これさえあれば共和国外であってもEU国内ならば保険治療していただけるのだそうです。私は共和国民でも、EU国民でもないのに、この恩恵にあずかることができました。
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そこはかとなく2008年9月の実家地元の役所での一件は小心者の私にはトラウマになってしまいました。ですから、今年2月の実家滞在第二日目に歯の詰め物が取れても「日本では我慢しよう」と日本国民の私が結論を出したのです。日本國の役所では海外に出た日本人が母国に戻ったところで、そう簡単にそういう条件の日本人を救わないという考えであるなら、日本で生まれて日本で育ち実家滞在中の私が健康面を自分の母国では我慢して寄留国で治療を選んだ方が良いと。

2008年9月の件も、今年2月の不便を我慢した件も私にはどこかおかしい気がするけれど、私が「おかしい」と思うのも私個人が自己中心だからなのでしょうね。頭のイイ方々が国際の見地から涼やかに眺めるならば、日本国内の、役所が海外在住の一日本国民にこう指導したことは当たり前だのクラッカーなのでしょう。

歯医者さんではまな板の鯉のように診察椅子の上で動けなくなった私が大きく口を開けたところで、医師が助手を呼んで「御覧なさい、御覧なさい」と。その後、レントゲン室に医師と移動中にどこで治療したのか質問され、「日本で、です」と返答すれば「すばらしい治療ですね」と十年以上も前の技術をほめるのが仏蘭西です。

が、私のような三角形の底辺の一存在の立場の判断では社会保険もろもろについては仏蘭西のミッテラン時代でも現時点の日本では感心されるように思います。
感心して止まらずに、実行してください。
日本國は大金持でアタマのイイ島国なンだから。


le 26 mai 2010, Bérenger
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by ma_cocotte | 2010-05-26 16:50 | 『?』なたわ言 | Comments(4)
Commented by ぺんぎん at 2010-05-30 05:51 x
はじめまして。今までもよく拝見しておりました。私もフランス生活15年になる一日本人です。よろしくお願いします。
私も来年日本に帰省する予定で印鑑証明云々のことが出てくると思うのですが、まここっとさんのようなことをいわれるのでしょうか。。。ちょっと不安です。
こっちにいると、日本人として扱われる自分を感じることはあまりありませんが、いったん日本に帰省なんかした日には、日本国籍を持つ外国人あつかいなのでしょうか。。。なんだか寂しいなぁ、、、なんてまここっとさんの記事を読んで思いました。
Commented by JOYママ at 2010-05-30 16:36 x
まったく・・・信じられない役所の職員ですね
未だに、こんな考え方で・・・・ 冨士の麓の海に面した県では
あまり聞きませんが・・・居るかもね
そうなったら、抗議ですわ
歯科治療の腕の良さの半分・・・いえ、三分の一でも
日本の政治家と官僚の頭脳治療に使って欲しいです
現在、我が県の県知事さんは 結構良いですよ
ん・・・イタリア人と結婚してる友人達もここっとさんのような
経験するのでしょうか?
Commented by ma_cocotte at 2010-05-30 17:28
+ ぺんぎんさま、はじめまして、ようこそ。
不安材料を紹介してしまいました。ごめんなさい。
ですが、役所関係は日本国民として避けて通れない道ですよね。
上に書いた件も私が一市民として役所のカウンターの向こう側の
「命令」に従って動いたら、なぜか経験してしまったことです。

仏蘭西では市民婚後、配偶者としての長期滞在許可が政府から
出るとその後はパスポートもいらず、仏蘭西国内で誰もが必要とする
カード(滞在許可証、健康保険証、リヴレ・ド・ファミーユなど)
で公生活の諸事が済みますよね。

私は外国に滞在していても日本国籍者で、パリ領事館のメルマガも
登録しているのになぜ母国内でこういうことを言われるのか
ちょっとまだ理解に苦しんでいるし、役所に対して怖気ています。
もし盲腸など外科手術となった場合、日本国内で保険外で手術、
治療し、
英文診断書(病院によっては三万円くらいします)を払い、
法廷翻訳で仏訳し、仏蘭西の国保とミュチュエルで返金?

これ、納得するのが難しい現実ですよね・・・。
Commented by ma_cocotte at 2010-05-30 17:35
+ JOYママさま、

国保登録の件はもともと印鑑証明書作成の一条件で、国保が
なければ印鑑証明書も発行されません。なのに、役所の職員が
私にこういうことをおっしゃる。ですが、役人のこの一言で
めげたら、本来の目的である印鑑証明書がもらえないから、
印鑑証明書提示を求めている他の機関とのやりとりが遅延します。

おかしいですよね。
こちらは一市民として役人に命じられるまま、役所内を右往左往して
挙句に怒鳴られて。私の場合、同日であるのに国保と国民年金
それぞれの係員の対応が雲泥で、それがまた困惑になりました。
役所のカウンターの向こう側の連携に疑問が残っています。

仏蘭西の歯科医の治療は日本人の私からすると豪快で雑です。
彼らは私の口内の治療具合や詰め物の磨き方の細やかさに感心します。
ですが、日本における社会保障面での遅延は欧州に比べたら
数十年以上の格差があると思います。仏蘭西はこれでも北欧に
比べたら社会保障では国民が満足いく現状ではありませんが。
本当の先進国とは何でしょうね。考えさせられます。
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