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10000kmあればノンフィクションをフィクションに置き換えられるようで。
何が?って、サッカーワールドカップ2010における「仏蘭西チームの内紛」問題だか事件についてであります。
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↑仏蘭西チームのシンボルである鶏と、La honte 「恥」↑

地球と言う星で仏蘭西と日本國の間は約10000kmの距離がありますが、近年は電脳域の急速な発展により両国の間の距離10000kmも急速に動け、おそらく電脳域では0. 何秒かで文章が行き交うこともできるでしょう。ですがね、ここ数日の、特に6月19日のニコラ・アネルカ選手の仏蘭西選手団からの追放以降の日本語で伝えられている「仏蘭西チームの内紛」について、見聞すればするほどどうも仏蘭西国内で問題視されていることと大きな違いがあり、もう日本語の報道はほぼ「作り話」の域に達しているのではないかと思うほどであります。

日本ではどうも監督vs選手の対立であり、読者に善悪判断をさせて、読者から「自分はどちらを贔屓する、かばう」という返答を待っているような記事が多いように見えます。「監督」と「選手」の二つの一方と善良とし、一方が悪で、悪と見做された方を「叩く」「裁く」でしょうか。武器を持たずとも闘いとか、最近の「いぢめ」の基本。ですが、仏蘭西では監督にも選手にも問題があり、その両者を甘やかした仏蘭西サッカー協会(Fédération Française de Football、略称FFF)に一番の問題があると考えています。日本國では未だにFFFに触れないまま、監督vs選手の内紛対立を強調し、しかも一次予選敗退を境に政府がサッカー界に介入、FFFも選手に制裁としてエコノミークラスで帰国させたとスキャンダラスに書き立てているけれど、これも上手い脚本のように思えます。

日本國よりはるかに政府と企業の関係が密接な仏蘭西においてFFFの人事に政府が関わっているし、今回のワールドカップについては開催前に南アフリカでの仏蘭西選手団の滞在先があまりに贅沢なので世間から政府に対して痛烈な批判が始まってもいました。この開幕前の時点において対応していたのは今槍玉にあがっているロスリン・バシュロ保健スポーツ担当大臣ではなく、ラマ・ヤデ保健スポーツ担当国務長官でした。19日のアネルカ選手の暴言による追放といよいよ一次予選敗退がほぼ確実になったところでバシュロ女史がラマヤデちゃんより前面に出て来ました。

勝利をもたらすであろう超ウルトラ優秀な選手が無能な監督に取り返しのつかない暴言を吐いたところで監督が我慢しろ!監督が無能ゆえだろう!という解釈をするヒトもこの世には少なからずいるかもしれませんが、仏蘭西ではむしろ98年ワールドカップ優勝経験者であるジネディヌ・ジダンが21日にこの「内紛」について言葉にしたとおり「選手たちについては練習を拒否したことには賛同できない。私は現役時代もチーム構成に口を出したことがない。私はキャプテンだったが、自分の上に指揮官がおり、私は彼を尊重していた。ルールに従っていたし、そうであるべきだと思う」という意見に賛同した市井の人間が多いと思います。つまり、「指揮官の決定に選手たちが介入するのは正しくない」という主張です。監督がどんなに愚鈍であろうと解任されていないなら従うのが選手の「分」なんですよ。だから、ジズゥ発言直後だったか次期監督就任が決まっているロラン・ブロン氏が20日の練習ボイコットを扇動したエヴラやリベリを自分が指揮する仏蘭西チームには招かない可能性があることをほのめかしてもいます。アネルカ選手追放後のスポーツ番組や生討論番組にアネルカと同じ移民としての立場にある選手が登場し、自らは国歌斉唱もしないとまで公言していたけれど、日頃の試合と国別対抗試合には違いがあるのだから、もし個人の出自や境遇もろもろの事情で寄留している国の国歌も唄えないなら国の代表として出場してくれなくても良いような気が私個人的にはしています。

ジズゥは21日の会見で、2006年ワールドカップ独逸大会でドメネク監督が指揮官であり自分が選手だった立場も踏まえつつも「彼に好感を抱いたことはないが、監督として尊重した」と証言しています。人間は誰ひとりとして完璧ではないけれど、たとえ自分には愚鈍に見えても監督と選手という二者の関係においての従順などジズゥは既に悟られているけれど、現在の仏蘭西チームの選手にはそういう心がまだ育っていない野生の状態であると言っていいのかもしれません。だから、野生の選手が集ったチームであればこそ、監督が選手たちを甘やかすことなく愛情と謙虚さをもって育てなければなりません。ですが、ドメネク監督の傲慢とも思える公私混同の奇行や妄言は既に数年前からあり、選手との亀裂が生じていたのに監督を温存したのもFFFです。

エコノミークラスで12時間の空の旅を終えた仏蘭西チームのキャプテンであり、20日の練習ボイコット扇動者のひとりであるパトリス・エヴラは「フランス国民は真実を知る必要がある。チームはコーチ陣の手に属しているってことをね」なーんて「怒りを露わ」にしたそうですけれど、監督がロラン・ブロン氏になったら選手は今よりもいっそうコーチ陣の手に属することになるでしょう。選手を放牧したままの監督なんて優秀だろうが愚鈍だろうがそうはいない。というより、選手を放牧するヒトなんて「監督の器にない」だけです。エヴラが「コーチ陣の手に属さない選手になる」という野望を持つなら、去るのはエヴラです。エヴラはじめ選手の思い通りにならない監督ではありません。Bof

le 25 juin 2010, Prosper

【追 記】08H12@26 juin 2010
昨晩、民放Canal + の番組に仏蘭西チーム元主将のティエリ・アンリがビデオ出演、民放TF1の20時ニュウスに現首相のパトリス・エヴラがビデオ出演、エリク・アビダルがバルセロナからの生インタビュウの形で登場し、今回の「内紛」について語りました。この三方のうちティエリ・アンリを除く二名は先日20日の練習ボイコットを扇動した一味と言われています。この三人はそれぞれ別席でインタビュウを受けたけれど、20日のボイコットについてティエリ・アンリまでもが選手全員の総意によるボイコットだと主張しました。

私個人としてはそれはおかしいと思います。なぜなら、上に書いた前大会まで仏蘭西チームの一員だったジズゥの意見を元にするなら、仏蘭西チームには練習ボイコットという概念が存在しないからです。種も蒔かれていない習慣がなぜ選手一同の同時総意になるでしょうか?

サッカーは仲間に対しても相手に対しても互いを思いやる気持がないと勝てないスポーツで、他人から誉めそやされる花形選手も自我を張っていないからこそ称えられもします。が、今回のボイコットの件を全体責任として選手が互いにかばいあったところで、逆に話の流れの分断が見えてきます。

この分だとティエリ・アンリは年齢などを理由に第一線から退く方向が強いでしょうし、ブロン次期監督がボイコット扇動したとされる選手(3~4名)を新しいチームに招き入れることは微妙です。なぜならブロン次期監督はジズゥと共に戦った選手でもあるからです。今回の件がきっかけで選手が監督・コーチ陣より発言権があるという現主将エヴラの希望が叶うなら、それこそ仏蘭西サッカーにおける新しい制度の誕生ですが、ブロン次期監督がエヴラの意のままになるでしょうか?
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by ma_cocotte | 2010-06-25 21:34 | 『行け、行くんだ!』 Allez!! | Comments(2)
Commented by rice_shower at 2010-06-28 22:17 x
仏敗退のショックで更新が途絶えているのでせうか。
開幕以降、完全に昼夜逆転生活の私です。(自宅で仕事しているので、普段でもこれに近いのですが)
サッカー強国(例えば、仏)と貧国(例えば、日)の差が小さくなった、と感じる今日この頃。 
98年仏大会、初出場日本の初戦はアルゼンチンでした。 0-10とかで負けて欲しくないと、真剣に心配しながら観ていました。(FIFAのテーマにのって代表が入場する場面を見て、泣いてしまった事を告白します) 結果は0-1でしたが、内容的には0-4、0-5でした。
今回のオランダ戦、0-5は有り得るとの憂慮は有りましたが、0-1の結果は、実態としても0-1で、日本も強くなった、と感慨深いものが有りました。 明日のパラグアイ戦、実力的には敵いませんが、勝ってもおかしくないと思えること、隔世の感です。
貴女におかれても、日本人であることを思い出して、応援してやって下さい。
Commented by ma_cocotte at 2010-06-28 23:43
+ rice_shower さま、
いえいえ、ゲームに熱中しすぎたり、Twitterにかまけたり、
ネタがなくて更新しないのです。
仏蘭西については開幕前からなぜドメネクのまま送り出すのか?という
疑問を私は持っていたので「だから言わんこっちゃない」現実を
見ていることになります。開幕直前の超ウルトラ高級滞在先の
すっぱ抜きやドメネク監督への巨額報酬など、仏蘭西らしからぬ
贅沢ばかりが目立っていたので負けて当然ぢゃないかなあ・・・と
素人ながら妄想したりしています。ちやほやするより日常をいかに
平常に過ごして本番に挑むか、という心理を育てた方が勝てそうな
気がするのも私が素人だからなのでしょうが。

明日の日本國は行けると思います。そしてスペインが相手になったら
もしかしたらその先に行けるでしょう。
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