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仏蘭西は赤・白・青から薄紫色になりつつあるのかも。
2010年7月14日の朝を迎えました。
例年のように午前8時半を少し周ったあたりから各放送局が革命記念日の特別番組を流し始めました。きょうのココんちあたりの天空は今にも雨が降り出しそうであり、大地を眺めるとどうも夜明け前まで雨が降っていた模様。一方、テレビ画面に映る花の都お巴里の空は青く、午前十時頃から始まる軍事パレードも陽光の下、それは美しく繰り広げられると想像つきます。
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ただ今午前十時三分、国営放送France2の画面にはエレガントなカルラ・ブルーニ・サルコぢさまがインタビュウにお答えあそばしてらっさいます。夫君であらせられるサルコぢ大統領は既に軍事パレードのオープンカーに御身を置かれていますが、今年はなぜか大統領閣下のお隣は陸軍大将ではなく海軍大将がお立ちでありんす。そして、今年はアフリカ諸国の元首方と軍を招き、アフリカ各国の軍人さんもシャンゼリゼを行進しますが、招かれたうちの数か国は参列を拒まれたとのことです。
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さて、神聖賢愚帝サルコぢ一世がフランス共和国大統領なんかに身を窶してから今年のきょうのよき日は四度目となり、寵妃カルラさまにとりましては国母として三度目の革命記念日でありますが、今年のきょうのよき日、革命記念日の軍事パレード直後の園遊会が経費節減を理由に中止になりました。サルコぢの御世になってから、革命記念日における伝統は徐々にサルコぢの意向によって変えられ、彼が変えたのは園遊会の会場をリュクサンブウルの庭園からエリゼ宮の庭園に移動し、恒例の庭園庭での地上波放送局各局の代表者を前にしたインタビュウをなくしました。そしてとうとう園遊会そのものが今年消えてしまいました。

私の記憶が確かならば私がはじめて仏蘭西で「7月14日 Le quatorze juillet」を過ごしたのは1998年でした。そう、仏蘭西がサッカーワールドカップ仏蘭西大会で優勝した翌々日。午前中はモンパルナスの寮にいましたが、外の静寂と空の青さと陽気の心地よさに触発されて友人と二人、リュクサンブウルに行こうとモンパルナス駅に向かうと軍事パレードを終えたばかりで正装のままのポリテクニシアンに出くわしました。偶然にも彼にご両親が近寄ったこともあり、その日の華やぎやらご家族の誉れみたいなものを察することもできました。

今年の7月14日を迎える直前になり、市井を徘徊していると7月14日開店営業を知らせる広告やポスターが目に入るようになりました。サルコぢの御世になってから日曜と祭日の店舗開業の制約を緩やかにしようとサルコぢの思し召しの下、政府が動いており、正直、きょうの開店認可数には「ここまで来たか」と驚くばかり。フランスでは一昔前は宗教上の理由で主日である日曜と祝祭日には共和国民が等しく休むことになっていましたが、1968年を境に中道よりヒダリの方々向けに日曜祝祭日の共和国民の休業は家族のきずなを深めることが目的と置き換えられました。ところが、サルコぢの御世になりこの伝統破壊が試みられたことで、なんと中道よりヒダリの成人からサルコぢのせいで家族関係の危機が始まったという訴えが出るようになりました。今年の春だったか、日曜出勤を命じられた労働者が家族とのきずなを理由に出勤を断ったら解雇されたことがニュウスになり、しかも、解雇した企業が「サルコぢのお友達が経営する大企業」だったから、それを知った多くの共和国民は既にどっちらけの中にいたわけです。
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かつて7月14日に共和国民が皆休んで、テレビが普及してからは画面で花の都はお巴里の大統領がお出ましになる軍事パレードの華やぎを楽しんだり、そうでなければ地元の市町村役場前に行き、地元役場の長上さん方やおらが町を守る警察、消防団、軍人方が集うセレモニーの様子を眺め、お昼には美味しい正餐をいただき、夜十時過ぎに闇が訪れたと同時に始まる打ち上げ花火を楽しんだものでした。ここでお気づきのように、公務員や軍人におかれましては必ずしも7月14日に家庭でのんべんだらりの干物ではなく、夜明け前に起きて身を清め、髪を念入りにとかし正装して荘厳なセレモニーに参加するし、この日のために大統領やら市町村の長上さんの御前で最良であるべく練習を積むのだから、儀式直後に園遊会をもって大統領や長上さんが彼らの労をねぎらうのは当然ではないかと、ガイジンの私は思うのですがどうなんでしょう?
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現在、午前十時半ですが、きょうの彼ら↑ は現在巴里上空を飛んでますよ。テレビ画面に映ってる。お疲れさまです。あんなに晴天だったのに国歌斉唱直後から巴里の空から雨がぽつり、ぽつり。
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今年の軍事パレード直後の園遊会が経費節減を理由に中止と発表されたことで野党が大統領や大統領のお友達たちが費用を出せばとボヤいた話も其処此処彼処から出ていますが、そんな話が出るのもこの数週間、共和国内でそりゃあ大騒ぎのロレアル社に関わる共和国一の大金持ち婦女子であるリリアン・ベタンクウル女史からサルコぢへの不正政治献金疑惑スキャンダルが踊っていることもあります。それに加え、サッカーワールドカップ開幕直前に南アフリカでのフランスチームの滞在先が贅沢極まりないことやドメネク監督はじめ選手にフランスとしては目ん玉飛び出る給与が支払われていることが政府方針絡めて世間で騒がれていたのも事実です。どうもサルコぢの御世におかれましてはお金の使途も伝統から外れており、共和国民が納得するのが難しいようです。というか、ガイジンの私にも難しい。
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私が仏蘭西に関わるようになったはじめの頃は仏蘭西はナニゴトにおいても循環ロジックがはっきりしていて単純明解でした。税金を払っても、自分が喜べる形で還元されることばかりで、自分が役所で払ったお金の使途がぼやけることがありませんでした。ですが、サルコぢの御世になってから、なんで私の税金がこんなことに使われているの?とか、なぜ自分の懐がこんなに寂しいのにサルコぢは「買え、買え。金持ちになって、金を使え」と強い、それに従ったところで自分のお金が流れる先は休日も開店するサルコぢのお友達が所有する企業ばかり・・・という仕組みに泣けたり。

サルコぢは革命記念日の軍事パレード直後の園遊会会場での生会見は廃止したものの、おとといの夜はエリゼ宮のテラスに国営放送France2のニュウスキャスタを招いて、一方的に自分の弁明ばかりを述べました。べタンクール女史の献金疑惑についての御身の潔白や、不正献金で女史とサルコぢの間で働いたとされるブルト労相に関して「誠実で有能な人間だ」と弁護したり、「仏の政治家は公明正大だ」「仏は腐敗していない」とかおっしゃったけれど、もしこれがサルコぢご自身に対して誠実、有能、公明正大な人間なら仏蘭西は腐敗していないというロジックなら、まったくもってアジャパーですな。サルコぢが大統領就任直後から世間でサルコぢに対し、彼の良心の在り処が問われ、もしかしてサルコぢ自らが良心と勘違いしているのではないかという批判が飛び交っていたけれど、あれから4年経ってもサルコぢは自分に対しての忠義者と忠義団体ならば善良と捉えるようですな。共和国民との溝はまた深くなりました。


現在、巴里はかなりまとまった雨の中、軍事パレード。
正装の制服の色が変わるほどの雨の降りようですが、園遊会がないのなら彼らのお役目ご苦労という国家元首からの慈愛ある言葉もなく現地解散なのでしょうか。うへぇ。

こんな変な仏蘭西の世の中はいつまで続くのでしょうか?
次期フランス共和国大統領選挙は2012年。

le 14 juillet 2010, Fête Nationale


【追 記】軍事パレードが終わり、寵妃カルラ姫がサルコぢ大統領の肩に手をかけつつ並んで歩き、エリゼ宮に入る様子が上空からのカメラで映し出され、まるで映画のようでした。どなたの演出なんだか。一方、エリゼ宮での園遊会がなくともアンヴァリッドで国防関係主催の小さなレセプションが催されることが発表になりました。
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by ma_cocotte | 2010-07-14 17:38 | 『?』な、お!?仏蘭西 | Comments(2)
Commented by al_lamia at 2010-07-15 13:06
無知な私は只「はぁ〜〜〜」と読ませて頂くだけですが
どっちに転んでも、国民主張が強いオフランス様
次回はどんな結果になるのでせう?
日本では、流され傾向が強いのですから不思議ではないのですが
それと、質問で〜〜〜す! 
サルコジ帝におかれましては、純粋(この場合移民でもフランス生まれ)なオフランス人なんでしょうか? 近年、移民が多いヨーロッパですから
これまでの意識とは随分と違う意識・考えが出て来ているのかな?
と愚考いたしますが。
その点、イタリアだと断固すごいストライキになりそうでが・・・
まず、自分たちの意識が強い国ですから
日本ではなかなか知る事の出来ないフランス情報
楽しく読ませて頂いてます
Commented by ma_cocotte at 2010-07-15 14:47
+ al_lamia さま、
サルコぢ帝は移民二世です。父上が貴族ゆえ国を追われたハンガリー人の
移民一世。

いちおう大統領選挙に至るまでに各党内で党員による代表選出
選挙があり、先日、セゴレェヌ・ロワイヤルが次期立候補を既に
断念という報道もありました。まぁ、普通なら最終選挙は与党vs
野党第一党ですが、前々回のように与党vs極右なんて事実も既に
フランスにはあったことなので興味深いですね。

ド・ヴィルパンがおそらく出馬するかとは思いますが。
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