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無 言 の 実 践
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ココんちの近所の大規模小売店舗の出入口に家庭用風力発電設備のお店が出ていました。
仏蘭西という国は中国や日本を相手に原子力発電関連で嘘をついてでもお金を稼いでいるのに(時に個人のポケットが膨らみもしているのに)、共和国内では原子力発電反対運動も盛んで、新築の住宅の屋根の上には必ずと言っていいほどソーラーシステムの板が備え付けられ、今では家庭用風力発電システムまで売りに出されるほどです。
隣国の獨逸で、原発反対、ピースボート運動とべっとり、同性愛ウェルカムの「緑の党」の勢いが増していることで、来年、大統領選挙を控えた仏蘭西というかサルコぢとしては共和国内では平和と自然を愛するボクちゃんなのよとアピールしたいがために国外では原発推進商売で稼ぎ、国内ではエコロジーグッズ商売をお友達たちに頼んで不動産でも電化製品でも「共和国民のための新製品」を売り出して、ポケットが膨らむようにしているのでしょうね。

あ、き、れ、た。

さて、先日のアルザス旅行の際、高速道路から原子力発電所を見ました。
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仏蘭西中西部からアルザス地方までの往復路で私が見つけた原子力発電所は1、風力発電所群(たいてい1群に10基ほどの風車)は3でした。南仏蘭西の高速道路や一般道路で原子力発電炉に出っくわすことより低率のように思えました。アルザスへの道は高速道路沿いが放牧地であることもあってか、緑の草原と青い空の間に巨大な風車が独特のスピードで円を描いており、悪寒どころか好感を持てました。

日本國の1.5倍の国土を持ち、人口は日本國の半分の仏蘭西だからこそ風力発電所の建設が容易なのかもしれません。今年3月11日の東日本大震災以降、私は予算や風土、生活文化を考えずに子供のように単純に津波被害があった境から太平洋沿岸についての新たな都市計画は青森から千葉まで太平洋沿岸に風力発電所を建設してはどうだろう?と発想しました。風力発電所の難点は生み出せる電力の少なさだけでなく、騒音もあるのだそうです。だからこそ、被災地を風力発電所にメタモルフォゼできないものかと思いつきました。

先日の旅行でアルザスに到着した初日の宿で見つけたものはこれでした。
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ソーラーパネルです。
宿泊先はカトリックの観想修道女会が運営する宿泊施設でしたが、敷地にこのソーラーパネルと野菜畑、果樹園があり、シスター方だけでなく宿泊者の日常にも役立てられています。周辺の世俗さんがお手伝いを申し出れば、シスター方はいつでも彼らを迎え、共に働いています。自給自足自炊とでも申しましょうか。私が二泊した間にも庭の芝刈りと、夕食の給仕と皿洗いを手伝った男性、お店当番や昼食、夕食の準備と配膳のお手伝いをした婦女子お二人にお目にかかりました。

たった二泊三日だけれど、いろいろ勉強になりました。
もちろんソーラーパネルにしろ、家庭向け風力発電にしろ、畑や果樹園にしろ、互助関係構築にしろ、今の世の中ではお金が必ずかかるので、小さな共同体(=ひとつの家)であればあるほど実現には時間も労力もかかると思います。でも、原子力発電なんかに頼らずにヒトは生きていけるのですよ、たぶん。

le 25 septembre 2011, Aurélie


思い出したことですが、例えば仏蘭西の高速道路には必ずしも電燈がありません。道路際に蛍光テープが貼ったポールが並び、夜間走行する車がライトをトップにすることで蛍光テープが電燈代わりになるのです。つまり、真っ暗闇の高速道路を車が130km、雨天ならば110kmの時速で走行しているのです。そして、信号は旧市街内のみで、旧市街を囲む外観道路より外はロン・ポワン(=ロータリー)で、信号がありません。
身近な日常ではよほどの高層ビルでないかぎり、アパルトマンやビルディングの廊下の電気はスイッチ式で、数分でオートマチックに消灯してしまいます。例えば3、4階に住居があり、階段で階下に下りるとして途中で電気がいきなり消えることは日常茶飯事です。

仏蘭西は日本國より電力資源豊富でしょうに、この節約ぶりです。
確かに日本國だけでなくアジア諸国のネオン文化は特筆すべき文化なので失いたくありませんが、石油資源もある他のアジア諸国は兎も角、日本という国は現実を直視し、電力消費や生活スタイルについてもう一度よく考えなければならないと思います。そうすることで、日本には新たな生活文化が生まれ、時に外国も見習ってくれる日が将来来るのではないのでしょうか。
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by ma_cocotte | 2011-09-25 17:25 | 『?』なたわ言 | Comments(15)
Commented by rice_shower at 2011-09-27 11:12 x
http://mitnse.files.wordpress.com/2011/05/final_map.png
3.11以降、原子力について、かなり勉強しました。(高校生相手なら、その歴史だの、原子炉の構造だの、講義できるくらい)
推進、反対双方の言い分が有りますが、上記のマップが結論を示しています。
緑が原発、赤がM7以上の震源地。 
フランス(ヨーロッパ全域)は原発で構わないのです。 (糞尿-核廃棄物-の処理さえ出来るなら、の前提ですが)
日本には“そもそも”不適合であったのです。
本エントリーの結語、100%支持します。
Commented by ma_cocotte at 2011-09-27 14:44
+ rice_shower さま

(URLを上手に開くことができませんでした。ごめんなさい)
そうなのです、単純に日本國は「不適合」なのです。
だから、仏蘭西という国がいくら日本に「大地震があっても大丈夫」なんて
空言に過ぎないのです。独善希望観測で、日本や中国に先進の立場で
原発関連商売を行っている。武器だけでなく原発でも「死の商人」。
大震災直後、サルコぢが来日し、4時間滞在したけれど、あれも商売。
来日の際、中国を経由しており、中国は原発建設20基を発表しています。
震度1でもパニックする仏蘭西びとが未曾有の大震災も実感せずに
10000km離れた仏蘭西からPC画像だけで指導なんて「何、わかった
ようなことしてンだか」とド素人員数外のわたくしなんぞは思ってしまうわけで。

仏蘭西には南仏にCadaracheという原発関連の巨大施設があります。
以下、英語版です。
http://www.cea.fr/english_portal

続く
Commented by ma_cocotte at 2011-09-27 14:45
+ 現時点で日本で原発実行は時期尚早と考え、一方で原子力発電研究に
手を休めてはならないことが地球のための良い未来ではないでしょうか。
魔物は金に狂った日仏商法の商人です。(仏蘭西の頭はサルコぢ)
経通省、商社、電力だろうが建設だろうが備品だろうが関係会社
営業部にメスが入らないのが不思議です。ここの動きを止めない
限り、安全なんか二の次の原発建設は止まらないと個人的に
考えています。
Commented by rice_shower at 2011-09-27 21:49 x
http://mitnse.com/
こちらなら見られると思います。(米MIT内のサイトです)
ちゃんと「日本だけが例外で震源地上に原発がある」と書いてあります。

http://www.irsn.fr/EN/news/Pages/201103_seism-in-japan.aspx
この仏IRSNのサイトは3.11直後、非常に貴重な(東電、日本政府が出そうとしなかった)情報を提供してくれました。 自身で独自に国内外で情報を得ようとしていた人々の間では、とても感謝(重宝)されていましたよ。

ご紹介のCEAは国防にも絡んでいるのですね。 そう、核武装とセットになっているなら、原発にはまだ存在意義は有るのです。(良し悪しは別として。 プルトニウムを生成しますから)  日本はこれも無い。 だからプルトニウムがどんどん溜まって、何とか使おうと、米仏もとうにgive upした高速増殖炉に拘り続けていて、これがにっちもさっちも行かないので、苦し紛れでMOX燃料を既存原発に使ってみたり、もうウ〇コまみれなのです!(尾籠で失礼!)
Commented by ma_cocotte at 2011-09-28 04:07
+ rice_showerさま、

ありがとうございました。
以下ですよね?
http://mitnse.com/2011/05/04/nuclear-plant-siting-and-earthquake-risk/

仏蘭西にとって日本や中国は「最高のお客さん(決して「お客さま」ではない)」
なンだと思います。
隣国獨逸で緑の党が力を伸ばし、仏蘭西は8か月後に大統領戦を控えて
いるので原発に関して各候補者がどのような考えを発表するか興味深いです。
Commented by 侑子 at 2011-09-28 20:49 x

ma-cocotte様。

大変勉強になります。

ブログの力は偉大ですね。

直に勉強させて戴けるのでありがたいです。

家庭に風力発電機が設置出来るとありがたいですね。

我が家ではまだ指定された屋根瓦に取り付ける太陽光パネルの試算しか出していないのですが。。。

ベランダにも簡単に設置出来る太陽光パネルを探す!と いきり立ってから 探すのが止まったままでお恥ずかしい限りです。

フランスに注文したらどえらい高いでしょうね。

(´ω`*)ネー

高速道路の電燈のお話しもびっくりです。

私はまだまだ胃の中の蛙。

いえ井の中の蛙です。

日本はマレーシアとか他国の国のように どんどん良いシステムは投入検討した方が良いかと思います。

もしかして政治家のおじ様達はパソコンが使えない?

と ふと思うこの頃です。

新しく聞いてるはずの新聞には こんな最新情報は掲載されないですよね。

ありがとうございます。

!((( *゚д゚)φ))*゚д゚)φ))*゚д゚)φ))*゚д゚)φ)) よっしゃ情報げと!





Commented by rice_shower at 2011-09-28 22:12 x
地震の無い国においては、原子力発電システムそのものについては、それほどナーバスになる必要は無いのですが(安全性をより高めたタイプも開発されていますし。 ただ、これも地震国日本には不適合...)、問題はバックエンド(back end)、即ち核廃棄物、使用済み燃料(低~高濃度放射性物質)の処理。
“地中に埋めて、何百年、何千年、何万年も管理し続ける”しかない、と言うのが世界の現状。 あまりにもprimitiveで、科学技術として、そもそも成立していないのですよ。
原発の安全性云々ではなく、バックエンドをどうするのか、が論点にならなければ、不毛な議論になってしまう (“安全性が保たれているのだから継続”以外の結論は出ない)と思います。
Commented by ma_cocotte at 2011-09-28 23:30
+ 侑子さま

一軒家だと大きさや家族数によってソーラーパネルなどは上手に
生かされない場合もあるのではないかと思います。
集合住宅の方が簡単かもしれません。
風力発電は騒音の問題があるので、日本の住環境ではどうなのか、
ちょっと心配です。
でも、ソーラーパネルにしろ、家庭用風力発電にしろ、原発にしろ、
改良できるのだから開発の手を休めてはならないのだと思います。
(危険を伴うならば時期尚早の実行だけはしてはならない。なぜなら
犠牲は必ず庶民だからです)

マレーシアは産油国だから日本が真似するにしても応用が必要に
なると思います。
Commented by ma_cocotte at 2011-09-28 23:38
+ rice_shower さま

仏蘭西という国は百年に一度のペースでドカンと地震が来る国らしいです。
南仏のサロン・ド・プロヴァンスの博物館で資料を見たことがあります。
日本の場合、地震国だとは承知していても「まさかオレの時代にデカい
地震は来るまい。」と言う楽観があったのではないかと思うのです。本当なら
自分が死んだ後だろうが大地震が襲った時を想定して建設すべきだった
のではないでしょうかねぇ。
核廃棄物問題含め、仏蘭西国内の原発研究の中心は南仏のカラダッシュ
だけれど、あそこならば高給与ということも知られていたりします。
それだけ生命リスクが高いンですわ。
原子力発電所がなくても人間は生きて来れたのに、今では原発なしでは
生きられない生物になっちゃったようですね。
Commented by rice_shower at 2011-09-29 23:52 x
原発については、ついついおしゃべりが過ぎるので、これで最後にしますね。

フランスには、アングロサクソン(オイルメジャー)のエネルギー支配に甘んじまい(更には独自の核武装)、との国策から原子力を選んだ、との経緯が有ります。  それの良し悪しはフランス国民が判断すべきことで、極東の田舎者がどうこう言う筋合いのものではありません。

“憂国の日本人”として悲しいのは、原子力を推進するとの「国策」に、本来的な保守思想(私なりの定義では、「美しき風土、アニミズム的自然崇拝を掛け替えの無いものとし、唯物主義的近代合理主義を大いに懐疑する)が不在であったことでしょうか。 


Commented by ma_cocotte at 2011-09-30 02:34
+ rice_showerさま

昨日、夫から聞いた話ですが、南仏のベール沼にあるロイヤル・ダッチ・シェルの
撤退が決まったらしいです。だから、地中海側の石油備蓄基地は
仏蘭西のTotal社だけになりますね。
仏蘭西が本当に原発を選んでいるのかどうかは国外向けと国内向けで
大きな開きがあるようにも思います。私個人は仏蘭西の国外向け
原発商売の悪どさに辟易しています。「死の商人」の称号は武器だけでは
ない。

>「美しき風土、アニミズム的自然崇拝を掛け替えの無いものとし、
>唯物主義的近代合理主義を大いに懐疑する)が不在であった

そりゃそうですよ。だから、マネ・マネ・マネの経通省、総合商社、
原発関連会社営業部の動きを止めない限り、いかなる理想も踏みにじられ
続けます。
仏蘭西側にも同じことが言えます。商魂逞しい連中を押さえ込まない限り、
「死の商人」であり続けますよ。
研究畑、現場の労働畑ばかり批判しても、彼らの商取引は止まりません。
Commented by ma_cocotte at 2011-09-30 21:28
+ rice_shower さま

「おしゃべり最後」宣言された後なのでもうここをご覧にならないでしょうか?
以下、竹下節子先生のブログ・エントリーです。
ぜひご一読くださいませ。


Corinne Lepage の 『La vérité sur le nucléaire』
http://spinou.exblog.jp/16570741/
Commented by rice_shower at 2011-10-05 00:01 x
久々に竹下節子先生の文章を拝読。(『カルトか宗教か』以来)  ご紹介深謝。
言及されているEPRとかAP-1000とかの話になると、人文系の私的にはしんどいのですが、“技術好き”的には、なかなか智恵の感じられる設計だと感じています。
ただ、「ウ〇コはどうすんねん!」という、究極的、根源的課題については微塵の光明も無い.....。
そもそも、核廃棄物をウ〇コに比するのは、ウ〇コに失礼なのです。
ウ〇コは肥料になりますし、特に(?)欧州においては、これを食して究極的性的愉悦に浸る人々が少なくない、と仄聞。

ほらね。 私に原発を語らせると、ウ〇コの話に帰結するのです。
だから黙るのです。 (改めて尾籠をお詫び)

ところで、凱旋門賞、日本馬は残念でした。
サラブレッドという究極的な美を想像し得たのも人間なのに.....。
Commented by ma_cocotte at 2011-10-05 04:16
+ rice_shower さま

こうしてコメントを頂戴でき、感謝です。
いやあ、rice_showerさまがおっしゃることがズバリ!だと思います。

人造物は被造物とは違うということをそれぞれが産み出すブツの
役割でもわかるし、何より私たちは天災が何たるか思い知らされました。

仏蘭西に住む私は日本に対し原発関連商売を止めない仏蘭西が、
共和国内ではエコを国民に勧めている点に矛盾というか、怒りさえ
覚えるのです。それはrice_showerさんとのおしゃべりの最初に
戻り、自然(これも被造物です)の条件が日本とまるで違う。
私は仏蘭西では最初、南仏なんてところに住んだから、この世に
楽園があるのかと思ったほどですよ。緯度は北海道中部なのに、
北国の草木も南国の草木も一緒に生育しており、食べ物もそう。
海は静かで、潮の臭いもしない。国土は広くて人が少ない。
欧州一の農業国で、動物と共存しているなどなど。

続く
Commented by ma_cocotte at 2011-10-05 04:19
+ 人間にのみ智が与えられているのだから、よく生きるために
研究は惜しまないことも大切だと思います。ただ、天災や人間以外の
被造物に対して人間が傲慢になるとFUKUSHIMAの諸問題に
なってしまうのだと思ったりもします。大地に負担をかけたし、地震や
津波を境にいっそう大地に負担をかけてしまっているのではないかと。
私たち人間は自然に対して、地球そのものに謙虚でありながら、
研究に挑むのが筋なのかもしれません。

確かに馬は美しいです。究極は葦毛馬ね。
でも、ヒトのため、大地のためによく働くのはロバやラマですね。
足を骨折すると安楽死されることが多い見目麗しい美馬の運命には泣けますよ。
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