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もし「この世の楽園」が聖域であるならば。
b0070127_18575.jpgココんち(左の地図で右下の湖岸)からArles アルルへ向かうと地中海岸がわにCamargue カマルグという大湿原地帯が広がっています。フランスの自然保護区域に指定されているので,道路も指定される前にあった獣道を改善した素朴な道(左の地図でオレンジの線)以外ありません。この湿原の向こうの地中海沿岸にSaintes Maries de la Mer(サント・マリィ・ド・ラ・メール)という有名な観光地もありますが,観光バスは一度アルルまで行き,サント・マリィに下るという三角形のサインコースを取ることになります。究極の遠回りです。もちろんスペイン・バルセロナまでつながる高速道路も湿原地帯を避けて大きく曲がって建設されています。美しいフラミンゴが飛び交い,野生の牛馬が群れ,良質の米と塩の産地でもある『大自然の宝庫』カマルグ湿地帯はフランス人にとっては聖域でもあります。

さて,昨年末の大震災から2週間が過ぎました。
昨日テレビを見ていたらインドネシア・アチェでの津波到来から駆け抜けるまでの数分間が放映されました。運良くモスクの屋根に非難した人が撮影したものです。遠くに水の襲来が見え,あっという間に目の前の通りをその水が左から右に駆け抜けていきました。高さは二階の屋根に達していましたから3mくらいでしょうか?水の速さを例えると新幹線のよう。ラテンの国々では闘牛の群れを町に放つ祭を催しますが,迫ってくる迫力はまさに闘牛の群れが押し寄せるような感じです。あの水圧に巻き込まれたら瞬時に呼吸ができなくなりますから即死ですね。

今回の大震災ではインド洋上の多くの観光地が被災しました。フランスでは「この世の楽園」として旅行会社が宣伝している島々です。海抜0m地帯で海と自然と我が身が一体になることで自分が天に持ち上がったような気分を味わえながら,一方で「物価が安い」という優越感にも似た満足感が得られるのも欧州人にはたまらない魅力です。そして異文化と異人と異人がもてなす仏教型ホスピタリティも・・・良くも悪くも・・・です。(特に殿方相手)
でもこれだけの惨状を目の辺りにすると,聖書を知る人々は旧約聖書「ノアの箱舟」の話を思い出します。神が創った地上で行う人間の愚行と怠惰が神の逆鱗に触れ一掃される話です。更には新約聖書最後に載っているヨハネ黙示録の「最期の審判-7つの天災」を思い出し,「この世の終わりがとうとう来たのか!」と言う人もいます。
例えば日本でバブル時代から流行し始めた男性のみを対象としたタイ旅行はバブルがはじけまくっても廃ることなく続きました。アジアのにぎにぎしい景観も手伝って「パンドラの箱を開けたような夜」が繰り広げられています。まさしくそれは快楽の都です。
一方,震災から2週間が経ち,婦女子への暴行,子供の誘拐・売買が既に被災地で始まったと耳に入れば,これはやっぱり聖域で愚行を行う人間へ神が下した逆鱗なのでは?と。人間はこの地域の美しさに惚れ,開発し,限度を知らない商売を始めました。現在のタイはアジアで最も世界中の金が飛び交う観光地です。

おそらく震災の再発を予防するために,地震・津波対策のための最先端技術のもろもろが美しい自然の中に点在するようになるのでしょう。人間への安全を最優先にすると被災前の「この世の楽園」としての景観は拝めなくなります。
もしこの世に神が創りたまうた楽園が存在し,もしそれが今回の被災地であるならば,観光地としての復興よりもまず「自然保護区域」として被災地を復興すべきなのでは?と。もちろんそうすることでどれだけの経済的打撃を被災国が受けるか理解しています。でも津波がその土地に残した「痕」と愚かな人間が被災直後に再開し始めた「弱者の売買」という愚行を知れば知るほど考えてしまう妙案でもあります。
目に見えないとはいえ神さんを怒らしちゃいかんよ。




十 『ノアの箱舟』のはなし 十
『ノアの箱舟』の話は旧約聖書の創世記第6章から9章の全4章に渡って書かれています。旧約聖書の歴史物語の中で4章にわたって長く丁寧に書かれている話は稀と言っても過言ではありません。

今回の被災を「ノアの箱舟」と人々に連想させる箇所を挙げます。
*主は人の悪が地にはびこり,すべてその心に思いはかることが,いつも悪いことばかりであるのを見られた。主は地の上に人を造ったのを悔いて,心を痛め,「私が創造した人を地の表から拭い去ろう。人も獣も,這うものも,空の鳥までも。私は,これらを造ったことを悔いる」と言われた。(創世記 第6章5-7節)

*時に世は神の前に乱れて,暴虐が地に満ちた。神が地を見られると,それは乱れていた。すべての人が地の上でその道を乱したからである。(創世記6:11-12)

*地の上に動くすべての肉なるものは,鳥も家畜も獣も,地に群がるすべての這うものも,すべての人もみな滅びた。すなわち鼻に命の息のあるすべてのもの,陸にいたすべてのものは死んだ。地の表にいたすべての生き物は,人も,家畜も,這うものも,空の鳥もみな地から拭いさられて,ただノアと,彼と共に箱舟にいたものだけが残った。水は150日の間,地上にみなぎった。(創世記7:21-24)
洪水が去った後
*あなたがたの命の血を流すものには,私は必ず報復するであろう。いかなる獣にも報復する。兄弟である人にも,私は人の命のために,報復するであろう。人の血を流すものは,人に血を流される神が自分のかたちに人を造られたゆえに。(創世記9:5-6)
ここまでは過去にあった話です。紀元前950~850年頃に起こっただろうと聖書学者たちは見解を出しています。この箇所を読んで今回の災害にも「思い当たる節あり」と納得するもよし。
更にヨハネ黙示録を読んでビビってもよし・・・ですな。ヨハネ黙示録はこの世の終末について書かれた預言書です。私の感想ですが「びびでばびでぶ」。
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by ma_cocotte | 2005-01-11 00:27 | 『?』なたわ言 | Comments(24)
Commented by koppa124 at 2005-01-11 07:42
私には「パンドラの箱を開けたような夜」に浸っている殿方の気持ちが全くもってわかりません。
前にテレビか雑誌で見たんだけど、まだ小さな子供だったりしますよね。同じ女性としてこんな風に扱われることにとても心が痛みました。
それがまた災害の後に・・・やりきれない思いと腹立たしさで、ぎゅっと手を握って最後まで読んでしまいました。
Commented by HOOP at 2005-01-11 15:32
難しい領域ですね。医療問題よりもずっと、、、
私もマレーシアのあるリゾートが好きで2回訪れましたが、そこは今年から立入禁止、島のリゾートはすべて廃業です。これはマレーシア政府が数年前から決めていたこと。今回の災害とは全く関係がありません。これから、建物を撤去し元の自然を復旧させるのか、国営リゾートを建設するのか、まだわかりません。私が行ったのは10年前ですが、当時環境省の監視官が2名、常駐監視していました。
そういうリゾート滞在中あるいは前後に繁華な市街に出かける人がいる、というのは理解できません。リゾートに勤務する男性従業員が羽目を外しに出かけるような話しは耳にしますが、大概の客はリゾートを満喫するために有り金はたいて行っており、他の場所で金を使うなど考えられません。土産も買えず、家族に白い目で見られるほどですから。パンドラの箱、そういう遊び方も世の中にあると知っていますし、似たようなことは日本国内に山ほどありますが、近づきたいとは思いませんねぇ、、
Commented by ma_cocotte at 2005-01-11 17:06
♪こっぱさん,11歳や12歳の女の子が売春しているのですわ。私もドキュメンタリーで見ました。まだ心身が成長途中の人間をお金でどーのこーのするというのはやはり正常からは程遠いように思えます。が,仏教やヒンドゥにはこういうことを「運命」として割り切ることができるそうです。ヒンドゥには「死ぬためにこの世に生まれてきた階層」まであります。

日本は諸事情で外国人孤児との養子縁組には積極的になれないので,養子縁組運動は起こらないでしょうね。
Commented by ma_cocotte at 2005-01-11 17:12
♪HOOPさん,マレーシア政府の決断がいい方向に向くといいですね。フランスのカマルグ(下方うす緑色)もオレンジ色で書いてある道のみですよ。それでも観光地が数箇所あり,保護区域内には牛飼いや米作農家の家が点在しています。開発するのは簡単でしょうね。どこもかしこも金まみれになってしまうと現在は21世紀なのに旧約の時代と変わらないことが起こるものだとつくづく感じています。もし今回の震災を文章にまとめたら,文明機器はまったく出るはずもなく,古典と同じ文章内容になるというのが不思議でもあります。
Commented by ma_cocotte at 2005-01-11 17:14
★Hoopさん,どうして「パンドラの箱」という言葉を使ったのかと言うと,私の友人が横須賀出身なのです。あそこには誰もが知っている米軍基地がありますが,年に一度横須賀市民に基地内を開放するのです。その日を横須賀市民は「パンドラの箱が開く」と言うそうです。門が開かれる瞬間はまさにパンドラだそうです。ブラックでしょう?
Commented by HOOP at 2005-01-11 22:31
カマルグというと、すぐに思い浮かぶのは野生の馬なんですが、まさにそのカマルグ地方なんですよね。広大な保護区という発想が、かつての日本には皆無でしたし、今また、辺野古の海を壊してしまおうとしている日本はなさけないです。マレーシア政府がここまで動き出したのは、インドネシアとの間で争っていたその島の領有権について、国際法廷で決着をみたことが大きいと思っています。いくらなんでも勝手なことばかりはできませんからね。
私自身は横須賀市民ではないので「パンドラの箱」という言葉については、世間一般の感じと代わらない考えしか持っていませんが、たしか箱が開くのは毎年8月3日ですね。いつか行ってみたいと思っているんです。また、妻子が住んでいる町にも米軍住宅があるのですが、もうすぐ返還になる見込みです。子供たちは彼らと遊べなくなることを何より心配しています。
Commented by ma_cocotte at 2005-01-12 00:53
♪HOOPさん,そのカマルグです!蚊の宝庫!でも本当に素晴らしい自然の大宝庫ですよ。野生の馬も牛もフラミンゴも!そこで働く元祖「牛飼い」さんや農夫さん。短絡的に考えれば維持費が嵩むかもしれませんが,長い目で見るとやはり良質の塩や米と素晴らしい自然が国民に還元されています。今回の災害の結末をこうして見ると自然への冒涜の結果のようにも思えます。原点に立ち返るべきなのかも,と。
横須賀は歴史的背景からか,土地柄か,福生や厚木のベースと比較するとどうも悪い印象が絡み付いていますね。「パンドラの箱」という表現もいかにもスカらしいなあと私は思っちゃいます。(笑)フランスだとToulonがまさに横須賀ですよ。
Commented by tsukino-wa-guma at 2005-01-12 02:35
美しい景色、降りそそぐ太陽、碧く透明な海…。これらの自然はその土地のかけがえのない財産です。なのに目先の経済発展のために自らその財産を「黄金の花」と引き換えにしてしまいます。辺野古だけではありません。悲鳴を上げている海は沖縄だけでもどれだけある事でしょう。大きなホテルを美しい浜に建てれば、観光客がたくさん来ます。しかし、その観光客が求める海はそのために姿を変えてします。昨年は台風の当たり年。私の大好きだった浜は波に荒らされ、たくさんの樹木が倒されました。マングローブでもないのに根があらわになり、かろうじて立っている木もあります。天罰だ…と言う人もいます。私も思います。「黄金の花はいつか散る」
Commented by ma_cocotte at 2005-01-12 03:06
★Tsukinoさんって書くと美白女王みたいだ・・・。
南アジアの貧困を考えると海抜0m地帯の天然の美しさを利用して観光地に仕立て,外貨を得る手段も痛いほどわかりますよね。でも今回の津波襲撃INGビデオを見れば見るほど紀元前だろうが21世紀だろうが天災が人間にもたらすことはまったく同じなのだと気付きました,私。
やっぱり知る人ぞ知る「秘密の花園」はあっていいのだと思います。「押してもダメなら引いてみな」の開発や観光収益と自然保護のバランスをどう取るのかは難しいのでしょうけれど。

Commented by tsukino-wa-guma at 2005-01-12 04:05
イオナ 私は美しい…ってか?
そう、知る人ぞ知る…。考え尽くして、丁寧に、大切に神様のお庭をお借りする(彼の浜は、神様が集って遊ぶ場所…つまり聖地なんですよ)。確かにバランスをとるのは難しいけど、カマルグを見習ってほしい。そんな時こそお上、役に立ってよ! なんですが、コレ(さ、人指し指と親指でワを作って♪)、もらってるんですよ、お上。
Commented by ma_cocotte at 2005-01-12 04:14
★Tsukinoさん,ちゃうちゃう。鈴木その子だってば。銀座にツキノワビルなんていかが?
うーん,人が住みたくても住めない聖域があってもいいと思うけどねぇ。日本は町づくりが下手だと思います。夫はガイジンですが,日本で町境がないことだけでもびっくりしていますよ。いつのまにか隣町に入るということはフランスではまずありません。町と町の間に必ず河川,森など自然が残っています。カマルグはあまりにも不便な場所ですが,一日かけて自然を満喫する価値はオオアリです。ただし蚊に注意!
Commented by HOOP at 2005-01-12 07:45
Tsukino-wa-gumaさん
それって、あの西表の浜ですか?ユニマットのコーヒー飲まない運動しましょう!オフィスからユニマット追放だ!
Commented by tsukino-wa-guma at 2005-01-12 10:07
HOOPさん
そのとおりでございます!
私も原告団に参加しています。もともとホテルができるのに反対!と言っていたわけではなく、内容とやりかたが悪いんです。環境には何の問題もないとしておきながら、もう影響がでています。自然にも、人間の生活にも。そう! オフィスから追い出してください! カフェ・ラ ミルもね!
うんうん、上空から見るとマココットさんのおっさるところがハッキリと確認できますね。日本は上から見るとダラダラとしいて、糞切れがわるい! 色もネズミ色だし。
Commented by ma_cocotte at 2005-01-12 17:18
★HOOPさん,ユニマットですか?自動販売機コーヒーですね?日本の自動販売機コーヒーはどうしてあんなにまずいのでしょうか?フランスにある自動販売機コーヒーは機械の中がサイフォンになっていて本格的カフェが飲めるのです。あなどれませんよ。
Commented by ma_cocotte at 2005-01-12 17:18
★Tsukinoさん,カフェ・ラ・ミルって知ってるよ。本社が駒込あたり(巣鴨だったかな?)ぢゃありませんか?石原閣下も小笠原諸島の開発で異論を唱えてますね,そういえば。
夫は電車に乗っているだけで現状にびっくりなのです。たとえば都内から横浜に入る。フランスだったらその二つの間に大きな森林があり,電車から鹿やうさぎの群れが見えます。でも日本はずーっと同じ景色。それも民家と工場が混ざったり。フランスにはないのです。民家群,商業群,工業群・・・みなそれぞれが固まって町ができているのです。日本は今更その手の環境を考えた再開発さえできないで,リゾートで町おこしという安直な考えもはびこっていると思いますよ。

Commented by ma_cocotte at 2005-01-12 17:26
★Tsukinoさん,キャンプ文化が日本でも定着するといいのにね。フランス人にとってリゾート=キャンプなのですよ。実は私が夫と知り合った頃,夫はキャンプ生活(難民ぢゃないぞ)をしていました。サント・ヴィクトワール山の麓のキャンプ場。キャンプ・リゾートについては語るとキリがないけれど,同じキャンプで知り合ったもの同士が食事や遊びを通して分かち合うものが一杯あるそうです。それがフランス人にはたまらないそうです。
日本人は「密室」が好きなのかもね。都内だけでも高級ホテルが乱立して,誰がそこに泊まるんぢゃ?って疑問を持っちゃうもの。
高級ホテル信仰が異常に思えますよん。世界中の一流ホテルは日本人はじめ金持ちアジアさまさまです。
Commented by HOOP at 2005-01-12 20:18
一昨年、ドイツに行ったら、ICEで走っていく町々の間にやっぱり自然が広がっていました。そして牛が見え始めると大きな町になって(笑)そう、ICE停車駅の手前には必ず牛がいました。
でも、隣り合わせの町に境目がないってのは、言われてみれば珍しい気がするけど、私自身は気づいていませんでした。
Commented by HOOP at 2005-01-12 20:22
カフェ・ラ・ミル、成田の第一ターミナルにありましたが、まだ座ったことがありませんね。あそこ、アメックスの勧誘員なんかがいつもいて、落ち着かない場所です(笑) 目の前のHot Spotには無料の電源と机、それに電気スタンドもあるので、座ってネットサーフィンしたりすることもありますが、、、
今回は関西空港利用なので、成田は行かないもんね(笑)

あと、桜新町の裏通りに、なんだか拠点があったような。
Commented by ma_cocotte at 2005-01-12 20:51
★Hoopさん,弘前から五所川原へ向かう道が欧州風かもしれません。まずリンゴ畑その後原野が広がって遠く向こうに五所川原の町が現れます。弘前出身の友人が一言「この原野で殺人されたら一生見つからないよ」とぽつり。今もあの原野が残っているかどうか。おいしい空気を得ることや騒音などを考えると,町と町の間に自然が残っているのはかえって合理的にも思えます。土地勘のない人にとってもメリハリがあってよいのでは?
Commented by ma_cocotte at 2005-01-12 20:55
★HOOPさん,桜新町って半蔵門線直通東急田園都市線のサクラシンマチですか?ローカルぅ!サザエさんの町ではありませんか!
Commented by HOOP at 2005-01-12 22:39
そうそう、それをサザエさんとは反対側に入っていくとあるんですよ、カフェ・ラ・ミル。
私たちはその近くから現在地に100kmほど、8年前に移転してきたんです。
ここは隣の敷地との間にすべて林があります(笑)
Commented by ma_cocotte at 2005-01-12 22:58
★HOOPさん,ということはですね,サザエさんちから100kmのところにある米軍基地がある町に引っ越されたってぇことですね?(刑事になったまここっつぁん)。
Commented by HOOP at 2005-01-13 01:11
ぶっぶー、この町には米軍基地も米軍住宅もありませんです(笑)
だもんで、ラジオつけてもFENが聞こえません。
Commented by ma_cocotte at 2005-01-13 03:20
★HOOPさん,FEN,懐かしいですねぇ。礼拝中継やアメフト生放送!
TOP40でしたっけ?関東でも聞こえる場所が限られているとは知りませんでした。
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