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どちらの味方?
昨日は午後5時頃だったと思う。
ユダヤ教の世界がシャバットに入る日没前に、パリ郊外とパリ旧市街の二箇所で同時進行していた人質事件に共和国側が突入し、数分後に容疑者3名(郊外が兄弟二人、旧市街がひとり)の死をもって「小休止」のカンマが打たれました。(ええと、これらのテロ事件、終わってはいませんよ、はい)

私個人はシャバットに入る直前に解放された人質から、シャバット前に解放されたことを神に感謝し、彼らがどんなにテロっても、私は決してテロしませんと誓ったという証言が我がこころに響きました。

ところが、一方で、電脳域の日本語世界では、キリスト教でもイスラームでもない日本人がどちらの味方になるのだろうか?なんて話題が飛び交っていることを知り、心底、落胆しています。

「どちらの味方になる?」「白黒はっきりつけようぢゃないか」「弱い者を無条件に贔屓する」というのは極東独特の考え方のベースで、不幸にもこういう思考が原理教条過激思想と合致してしまうことになります。

本当に、心の底から私たちが生きる世界の平和を探すのであれば、仲介者は白と黒双方の善を見出し、最善最良の灰色をもって、平和に一歩一歩前進します。それを繰り返せば、いつかきっとこの世に真の平和が見出せる(のかもしれません)。

かつて「カトリックの長女国」と渾名された仏蘭西とイスラームの闘いだと仮定するならば、カトリックもイスラームも包括主義の宗教、互いに飲み込もうと務めることになります。究極の結果が完全なる包括だとしても、それに到達する手段が憎しみと恐怖を与えることによって成されるなんてことは「ない」です。テロリストさんたちにはココに気づいていただきたいけれど、彼らは背中を向け、見もしない、聞きもしないで、悪魔が勧める安易愚鈍な手段に聞き惚れているだけです。彼らの言動は明らかに神由来ではなく、悪魔のそそのかしですよ。テロっている間、彼らは軽々しく「神」の名を繰り返し口から出していますけれど、そういう行為を「悪用」と呼ぶのです。神さまがこんな殺戮を代理で行え、なんて頼むわけがない。

シャルリ・エブドという週刊誌について何もご存じない方は、この会社がイスラームだけにいじめを繰り返していたと前提するでしょうけれど、シャルリ・エブドは常々ユダヤ教、キリスト教(特にカトリック)について痛烈な風刺画を掲載し続けていました。ですが、イスラームのごくごく一部の人間が思いつめてシャリアーまで出しても、ユダヤ教、キリスト教からそこまで思いつめた思いが公言されることがありませんでした。

つまり、傍観するひとびとから眺めれば、今までのシャルリ・エブド社からの長年の過激な挑発表現にも非がありました。そして、今回の殺戮にも非があります。
土曜の朝になり、ラジオやテレビから仏蘭西のライシテ(Laïcité、完全政教分離)は、イコール「自由 Libértéだと繰り返し繰り返し流れされていますが、これまた傍観している私には「へぇええ」ですね。良心が伴わない自由だと仮定するならば、テロ行為も自由になりかねません。私個人はライシテなるものは愛と寛容が第一であり、正確には「他者への愛、他者への寛容」であって、決して「自己への愛、自己への寛容」ではないと思います。自己への寛容なんて行き過ぎれば「自己への甘やかし」です。独善につながります。

もし延々と「どちらの味方になる?」と自分の頭の中で考え続けるのであれば、なんら解決の道は見出せず、いずれは白黒はっきりさせるために戦わねばならなくなると思います。日本という国の中の生活文化慣習をベースにすれば「どちらの味方?」「判官贔屓」は美徳でありましょうが、それは海の外では必ずしも通用しない思考回路であるということ、国際人になりたいならば先ずアタマの隅に置いた方がよろしいでしょう。

容疑者3人が他界しても、イスラム原理教条過激派からの仏蘭西への脅迫は続いていると昨晩の大統領演説でも明らかにされています。はい、たった3人の他界だし、今回の三日間をおさらいすると、どんだけ支援者がいるのか想像つきません。シャバットが狙われたならば、主日も狙われますよ、まる。私個人は今後もしばらく、いろいろ考えて外出するようにします。


le 10 janvier 2015, Guillaume



【追 記】

ほらね。(この世界での私たちの)「安全な暮らし」を実現する手段がズレにズレている。
【1月10日 AFP】米民間情報機関「SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)」は9日、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系のイエメンの武装勢力、「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」幹部がフランスに対し、新たな攻撃もあり得ると警告していることを明かにした。▼ハリス・アンナダリ(Harith al-Nadhari)容疑者は公開した動画の中で、
「イスラム教徒を攻撃するのはやめた方がいい。そうすれば、安全に暮らしていくことができるだろう。それを拒否して戦いをしかけるのなら『吉報』を待つがいい」
と語っている。▼アンナダリ容疑者はパリ(Paris)とその郊外で発生し、17人が犠牲となった一連の事件への関与については言及しなかったものの
「フランスの息子たちの中には、アッラーの預言者に対する礼を失している者がいる・・・アッラーの兵士らがこうした者たちに敬意の表し方を教え、表現の自由の範囲を教えてやったのだ」
と述べた。▼風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)本社を7日に襲撃した兄弟2人はパリ郊外の印刷会社で、共犯とみられる男はパリ中心部のユダヤ系食料雑貨店に人質を取って立てこもった。警察特殊部隊は9日、それぞれの現場で作戦を実施して計3人の容疑者を殺害し、事件は食料雑貨店の人質のうち4人が犠牲になるという結末を迎えた。(c)AFP
 http://www.afpbb.com/articles/-/3036139

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by ma_cocotte | 2015-01-10 17:11 | actualité 現時点の現場から | Comments(0)
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