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「私は日本人だ。撃たないでくれ。」
先日のバングラデシュは首都ダッカでのテロ事件で伝わってきた表題の言葉。
なんとも首を傾げてしまう言の葉である。

イスラームの原理教条主義者に「私は日本人だ」と告げたら、それは「私は異教国の異教民だ」と自ら宣言したことになるので、命乞いどころか逆効果になってしまう。その異教国の異教民に対し、イスラム原理教条過激派は銃殺なんぞしません。刀をもっての処刑になり、たいていは頚動脈を切る・・・だけで済まされずに斬首されることもあります。(もちろん麻酔はしません)

日本國内では未だあまり知られていないのかもしれませんが、地球上(いや、地下も含む)に遍く存在するイスラームの原理教条主義者の理想はこの世界がムハンマドさまが生きていらっしゃった時代そのものに「なる」ことです。だから、もしこの世で彼らの聖戦が達成され、神のみこころに叶ったイスラームの勝利となれば、この世に車も武器も必要なくなって平和が「やってくる」ンですよ。

自分が日本人だと告白することで、日本と寄留国が友好関係にあるから「救われる」という思考は政府間や経済界、識字でき、高学歴者が集う環境では通じても、三角形の底辺(アラビア語で言うところのアルカイダ)で生きるひとびとには理解の外であることが多いです。先進国のおフランスだって、東西南北、私が常に寄留している超ウルトラスーパーど田舎のひとびとには日本が中国の中の一州だとか、インドシナの一部とか信じているひとが必ず一定数います。私なんか日本人ですと名乗った直後に「本当に独裁政治はイヤよね。あなたもつらくて理想国家のフランスに移住したのでしょ」なんて言われたことありますからね。街中で安い世界地図を買ったところで極東の日本がまったく存在しないこともあります。極東の島国の日本なんてガイジンからすれば「そんなもん」なんですよ。日本の名を出せば救われるなんて、いわゆるひとつの「島国伝説」です。

もひとつ、昨日、気になったのはバングラデシュ政府が自国内にイスラム国(IS)要員はまったく存在せず、テロ実行者は高学歴の富裕層だからISではないと言ったとか。これは「はぁ?」「ぽっかーん」レベルですよね。インターネットというヒトが決めた国境を越えた次元が存在する今、バングラデシュのようなイスラム教国内にIS支持者がゼロと宣言できるなんて「不自然」ですよ。イスラムだろうがキリスト教だろうが普通の信者と教条原理主義者の境目は「曖昧」と捉える方が自然です。学歴や家庭環境で判断はできません。実行者の学歴や出自を挙げたところで、そんぢゃ、かのアルカイダを創立したビンラディンは?となります。彼は高学歴の超ウルトラリッチな一族の生まれではありませんか。

今のフランスぢゃ、共同住宅を抱える市町村ならば必ずそこにはISに近い人物がいる、という仮定になります。先日のパリ近郊で起こった警官夫妻刺殺事件だって、この警官が市内の移民訪問をしていたことで、「ISから指示をもらったことでの刺殺対象者」に選ばれてしまったわけです。

兎に角、根本の話になりますが、ラマダーン月の期間中は異教徒がイスラム教国や欧米のイスラムの居留区に滞在する場合、イスラム教の信者でラマダーン(日中の断食)に励んでいる方々を刺激する行動を控えることが第一です。これは「他者を思いやる」ことに通じる行いだと思います。もし、金曜日(=イスラム教の祈祷日)に、日本国内と同じように一週間の労働を共に慰労したいのであれば、ホームパーティを行う方が文字通り「無難」です。ラマダーン中ならば日没後はイスラームで生活しているいずれの家庭でも翌朝の日の出まで宴会が催されますから、家の中の声もお互い様で済みます。

確かにイスラーム教国の中の富裕な国々ではラマダーンの間は外国人労働者に日中の全てを任せ、イスラム教徒は家屋の中で何もしないで涼んでいることでイスラーム世界の中で質素を心がけている国々から「それではラマダーンの意味がない」と批判もあるとのこと。バングラデシュは決して富裕なイスラム教国ではないと拝察しますが、いずれにせよ、ISからはラマダーン開始前にラマダーン月にテロるようインターネット上で指令が出ていたわけですし、異教国の大使館が集まるエリアで、外国資本の西洋料理を振舞うレストランで、異教の民が日没前から楽しむ・・・というのはラマダーンを実践している普通のひとびとの目にはどう見えるのか、今一度よく考えることが務めではないでしょうか。世界のどこであれ、滞在している国の普通の人々の生活を第一に慮ることが訪問者の義務かもしれません。


le 5 juillet 2016, Zoé

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by ma_cocotte | 2016-07-05 16:52 | 『?』なミュぢゅるマン | Comments(6)
Commented by al_lamia at 2016-07-05 18:07
確かに、仰せごもっともなんですが
でもですね、本日 ISが 改めて、日本も標的にすると
ネットでの発表がありました
安倍総理の憲法改正案、49条の解釈 、日本の集団的自衛権の解釈の変更など
これ以後、日本人に対する IS, アルカイダなどに態度が
大きく変化したと感じます。
彼らの考えは、フランスと東洋とでは多少違いがあった気がしますし
今回も、十字軍に対してと コメントしてます
つまり、欧米に寄りすぎ、対アラブに 中立に近い感じでいた日本が
大きくアメリカに寄り添ったのが 大きな原因と 日本在住では感じるのですが?
Commented by ma_cocotte at 2016-07-05 21:27
+ al_lamia さま、

日本が彼らが呼ぶところの十字軍諸国と連帯していることと
日本國が異教国であり、日本人が異教徒であるという二重の構造ではないでしょうか。

後者については安倍政権以前からイスラム原理教条過激派の態度はなんら変わっていません。
そして、もし近未来、安倍政権が終わって新しい政権になっても後者の条件はなんら変わりません。

彼らの聖戦の目的は地球そのものがイスラムそのものになることです。地球のすべての生き物がイスラム法によって生まれ死ぬ。地球の全てのヒトが神を崇め、ムハンマドを最高の預言者として仰ぐ。これで聖戦が終わるンです。それが実現するまで彼らの聖戦は終わりません。日本の神社仏閣も彼らの伝統に従えばイスラム世界実現のために破壊されるわけです。


現状、私たちが彼らに「私は宗教を持っていない」と告げることはなんら救いのきっかけにならないし、かえって逆効果です。その場でイスラム入信するのが最高の自己救済策かもしれません。
Commented by paje1912 at 2016-07-08 11:29
こんにちは、多分はじめてのコメントです。バングラデシュの事件、よその国の知らない方々の事件かと思っていたら、被害者の80代の元国鉄マンの方は四谷のイグナチオ教会の信者でした。今日は葬儀ミサだそうです。同じ教会の席を暖めてきた方だったと知って非常に複雑な気持ちです。もうすぐ日本に帰るというときに残念だったろうなと思う一方、このブログの記事などももっと多くの方々に読んでいただきたいものだと思いました。
Commented by ma_cocotte at 2016-07-08 22:50
+ paje1912さま、こんにちは。

以前もコメントを頂戴していますよ。
私は朝日新聞の記事 http://www.asahi.com/articles/ASJ735GJMJ73UTIL01K.html で日本人犠牲者の中にキリスト教信者の方がいらっしゃることを知りました。イグナチオ所属のカトリック信者さんだったのですね。
Commented by paje1912 at 2016-07-10 21:09
最近はここは読むだけのブログになってしまい、書くのは他のブログが殆どで、自分のコメントも忘れてしまってごめんなさいね。
Commented by ma_cocotte at 2016-07-11 14:51
+ paje1912 さま

いえいえ、私も近年、このブログの更新を怠っておりますので、お気になさいませんように。
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