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2月2日、すがすがしい朝を迎えたにもかかわらず
30日夜遅く銀色の雨が降る中、はるか遠方からプロヴァンスに遊びに来た友人は再び巴里に戻っていきました。先週27日からずっとプロヴァンス地方には似合わない灰色の空と冷たい雨が居座り続けたのに、友人とブラブラん♪ベラベラん♪をしようと決めた31日と2月1日の二日間、空はいつものプロヴァンスらしい濃い目の水色となり、陽光は燦燦(さんさん)、誰もが「今年初めての春らしい日がやってきた」と言いつつ、日中はコートも脱ぎ捨てて歩けるほどの気候となりました。
・・・運が良すぎ。
仕事の合間を縫っての来訪だったので往路は友人が苦手な飛行機を選ばざるを得ませんでしたが、復路はインターネットで要領よく見つけたTGVの切符を手に入れて巴里に戻ることになりました。

私は巴里に行くことは滅多にありませんし、里帰りする時はココんちの目の前の空港から旅立つという空路を好んで選んでおり、TGV はたった一度だけ2000年にマルセイユ-巴里・リヨン駅の往復を利用したことがあるのみです。当時、TGV Méditerranée(仏蘭西新幹線地中海路線) は目に見えた工程にさえ入っていませんでした。 ココんちから北、エクサンプロヴァンスに向かう途中、白い岩盤と薔薇色の岩盤の大地を切り崩して、原野のど真ん中にTGV 専用のエクサンプロヴァンス駅が造られました。何もなかった原野にみるみるうちに奇怪な建物が現れた時はビビデバビデブゥだったし、その周りをあっと言う間に新しい道が造られたことも私にはおったまげだったのだけど、上記理由で私はまったく利用せず終い。エクサンプロヴァンスに行く時に駅の真下を通る地下道を行ったり来たりするばかりでした。

こんにちははるか遠方から来た友人を見送るために、初めてエクサンプロヴァンスTGV専用駅に行きました。原野のど真ん中のせいか、駅の周辺はラヴェンダーや松の香りがただよっておりまして、天然アロマテラピな駅でございました。そして空の晴れ間も三日目を迎えたので午前中から靄も晴れ、駅遠方にはサント・ヴィクトワール山の岩裸山やその向こうの山脈の山並みまで見えました。目の保養ですなあ。身体に良い駅なんてあるのだね。
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流線型の屋根とガラスのみの壁面を持つ駅舎だけでも奇抜なのに、近寄ってみるとあの巨大屋根を支える柱の構造やら駅舎の骨組みなど目の玉が乾いてしまうほどの面白さ。美術的にも工学的にも建築学的にも楽しめる駅舎です。中はガラスと鉄骨と木を上手に使い分けたつくりで、柱の途中までと階段やホームとホームをつなぐ桟橋は木の床でした。
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そしてその駅舎に集う人々はTGV専用駅だけあって旅客が多く、まるで空港のような洗練された空気が流れています。何もないだだっ広い原野のど真ん中にこのような近代最先端建築の駅舎と垢抜けたヒトが醸し出す雰囲気はある意味異様でもありますが、TGVが到着して車内から現れた乗務員のムッシュウがこれまた、あなた・・・。

b0070127_2151296.jpg着こなし良すぎざます。
何から何まで制服なんだろう、とはわかっていますが、ブルーに馴染むグレーのスーツとマフラーやシャツや帽子のブルーとのバランスが憎たらしいほどでございました。何かで応用してみようぞ。

こうしてTGVはあっという間に旅客を飲み込んで花の都お巴里へと滑り出して行きました。こうしてホームに取り残された私はまたいつもの日常に戻ったのでした。ということで午後はせっせ、せっせと買出しへ。かと言って、そこはかとなくちょっと寂しい心持ち。空も友人が太陽を友にして連れ去ったのか花曇。こんにちの予想最高気温、マルセイユは14度、巴里は3度ですってよ。

le 2 février 2006, Présentation du Seigneur
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by ma_cocotte | 2006-02-02 21:58 | 『?』なたわ言 | Comments(6)
Commented by しぇり~ at 2006-02-02 23:11 x
アムス、本日の気温1度。あたたこうございます。昨日はー3度でした。

お友達と楽しい時間をすごされたとのことよかったですね。

TGVの駅がそんな原野のどまん中とは驚き。デザインがCDGと似てますね?

太陽も恋しゅうございます。。。
Commented by ma_cocotte at 2006-02-03 00:17
■しぇり~さま、やはりオランダはココよりはるか北ですね。
間に巴里やらブルッセルがあることになりますもんね。
そりゃ、寒いわ。
こちらはおとといからコート無しでも大丈夫。Tシャツいっちょ姿の方も見ました。
このエクスのTGV駅ですが専用駅なのですよ。上下線二本の線路のみ。
他の一般車両はエクスの市内にクラシックな駅があり、そちらに止まります。
駅を出てもサンドイッチ屋台もカフェもありません。だだっぴろい駐車場のみ。
おそろしく孤独な専用駅です。いつかはきっと小さな町が誕生することでせう。
Commented by winter_mute at 2006-02-03 02:23 x
例の暴動事件以来ご無沙汰していました。TGVの駅の垢抜けた雰囲気といい、駅員氏のダンディな格好といい、一般的なフランス=おしゃれの図式がしっくり来る写真でございました。JRや私鉄の駅員や駅舎に見習ってもらいたいものです。

私の地元(鹿児島)の中央駅など貧相というかなんと言うか、隣の複合商業施設のおしゃれさと対極をなしております。また、駅員も田舎色丸出しで、ダンディズムなど微塵もありません。己の分をわきまえるということは結構ですが、己の実力に見合った(あるいは背伸びしてでも)スマートさを身に着けるというのは自己陶冶としても有効だと思うのですが、どうも、自分自身をさらけ出すことが称揚される現在社会においては時代遅れの価値観なのかもしれませんね。

なるほど、駅舎の中にはモダンなものも多数あるのですが、どうも周りとしっくりしない。白洲次郎が「プリンシプル」にこだわったのも、ともすれば自堕落に流れがちな日本国民に対する苦い認識があったのかもしれません。

これからも、ご迷惑でなければ、折を見てコメントさせていただきたいと思います。
Commented by ma_cocotte at 2006-02-03 05:36
■winter_muteさま、ぜひこれからもコメントを頂戴したく存じまする。
サブメニューのプロフィールにもありますように元々我が小さく、かつ、
ツルツル脳に皺と面積を皆様からのコメントでつくり広げるのがこの
ブログを開いている目的ですので、我が戯言に笑いながら相手してくださったら
本当にうれしいです。

白洲次郎氏は本当に素敵な方でしたね。言葉を選ばなければ高等遊民
のようなイメージでも語られましょうが、今はホリヱモンさんのような方が
もて囃される時代なので白洲氏のような方は現れ難いのかもしれません。
個人的にはそれは残念な話です。

パリからこの駅までは約800kmほどです。東京と鹿児島間とさほど変わらぬ距離感でしょうか?この駅員さんは果たしてパリジャンなのか?
それともマルセイイェなのか?着こなしも立ち姿も決まっていたおじさま
でした。
Commented by M@s@sumi at 2006-02-03 14:54 x
m@_cocotte様、今日は。

エクサンプロヴァンスTGV駅は、しぇり~様も仰るやうに、CDGのアエロギャ~ル2に似てゐますね。韓國の仁川(インチョン)國際空港にも似てゐます。ひよつとすると、そのやうな開放的な建築構造は爆弾テロ対策も兼ねてゐるのかも知れません。

Commented by ma_cocotte at 2006-02-03 15:29
■M@s@sumi さま、一見側壁面がガラス張りのみなので爆破テロが
あった場合、恐ろしいことを想像してしまいますが、それでもこの独特な
建築だと最小限の被害で済むのかしら?ガラスは最新型の飛び散らずに
粉となって落ちるタイプでしょうね。仏蘭西では一般家屋の建設には時間
がかかるのに、この駅はみるみるうちにできあがったのは今も私の
記憶に残っています。多分柱を埋め込むのが最も時間をかけた作業
であり、屋根は軽い素材であっと言う間の作業でした。

建築面で見ると空気や風の抜け方などもミストラルが吹くこの地方では
重んじられた点だと想像しています。
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