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風が止んだら、『お?葉枯れ』なのね。
昨日まで3日間、心も身体もお寒うございました。
地元ではずっとミストラルなる北西から吹く強風で、空を仰げば南仏特有の強い日差しなのに体感温度は激寒でございました。ミストラルというのは地中海沿岸の内陸を東西に連なるリュベロン山脈にぶつかった風が地中海に向ってこき下ろす強風を言います。時速80~100kmは当たり前で、1日で止むような風は単なる強風、3日間力を弱めず強く吹き続けた風を本物の「mistral ミストラル」と呼びます。

このミストラルですが、本当に力強い。旧市街のようなクラシックな建築物の中にこの風が迷い込むと鎧戸(木で作られた重厚な雨戸)や植木鉢さえ運び去ります。風は気紛れに数秒止んだりするので、頭上には細心の注意が必要です。このような外科的注意だけでなく、ミストラルはヒトの心さえ蝕みます。何と申しましょうか、3日間強風の泣き声を聞いていると「魂が抜かれた」ような気分になります。私のクラスメートだった中央シベリア出身の女性が言うにはミストラルのような強風よりシベリアの寒さの方がマシなのだそうです。風のない寒さならば外出は苦にならないというのが彼女の弁でした。

ココんちは北西に位置し、ベランダはミストラルを真っ向から受け止めなければなりません。私は下手の横好きでベランダ園芸を楽しんでいますが、せっかく先月末、春らしくなってすぐに芽を出し蔓を巻き続けていたクレマチスの若い芽と蕾がミストラルに曝され枯れ果ててしまいました。ミストラルの幹はまた最初から若芽ちゃんを製造開始せねばなりません。気の毒なことをしました。ごめんなさい。兎に角、ミストラルが3日吹けば、ベランダの鉢はカラカラに乾ききってしまうので、風が止んだら水遣り作業をせねばなりません。

さて、ここでフランスの暦の話です。

フランスという国は実にいろいろな暦を持つ国で、世界標準暦であるCalendrier grégorien グレゴリオ暦365日には聖人の名前を冠することで独自色を出していますし、長い歴史の中でほんの数年とは言え「Calendrier révolutionnaire 革命暦」なんて暦も持っています。フランスにはもうひとつあまり世界に知られていない暦「Calendriers agricoles 農事暦」なるものがあります。この暦によりますと「聖ユーグ Hugues の日(4月1日)から雨が続くと納屋と製パン室は一杯になる」のだそうです。つまり4月の降雨量が多ければ豊作になるということです。この諺が本当ならば今年の南仏は実りの秋、大豊作になりますぞ。EU一の農業国、ばんざーい!です。

が、単純そうで単純でないフランス人のことです。4月には「雨が降られちゃ困る日」もあり、それは聖ジョルジュ Georges の日(4月23日)で、この日に雨が降ると100個のさくらんぼの中14個しか食べられるものはないそうです。さくらんぼ大好きな私としては「23日に雨が降っちゃいけません」と今から天を仰いで祈るのが良いようです。聖ジョルジュの日から二日後の4月25日、聖マルク Marc の日も天気が悪いと種のある果物が不作になると伝えられています。4月の寒雨は秋の豊作を招くけれど、下旬の雨は初夏の果物をまずくするということですね。メモメモのメモ。

フランスと言えば毎年3月あたりから数々の移動祝祭日を迎えるうちに季節は夏となりますが、今年は来る16日がPâques (パック、復活祭)で翌日月曜日が国定祭日になっています。とは言え、カトリックの暦では先週土曜日夕刻よりLa semaine sainte 聖週間に入っており、日曜日のRameaux ラモ、枝の主日以降、木曜日からjeudi saint(聖木曜日), vendredi saint(聖金曜日)そして土曜夜のVigile pascale(復活徹夜祭)と復活祭を迎えるための教会行事が続いています。 聖木曜日、聖金曜日両日共フランスでは国定祭日ではありませんが、アルザス地方だけは旧ドイツ時代の法律のまま聖金曜日は祭日になっているそうです。
現在のフランスの国定祭日13日中8日はカトリックの祝祭日を兼ねたものですが、昨年労働時間減少(週39時間から35時間勤務に変更)に伴い、政府はPentecôte 聖霊降臨の祝日をなくすことで給与ロスを回避しようと企てたので、今年の6月5日Lundi de Pentecôte は「赤になりきれない灰色太字の祭日」としてカレンダーに載っています。今のところ自称カトリック62%と年々減少傾向にあるフランス共和国では一方で年々イスラム教徒が増加しているので、この国定祭日も今世紀中にガラリと変えられることでしょう。
これもC'est la vie!運命だ!
ちなみに復活徹夜祭は成人洗礼が行われる日として知られていますが、今年15日夜フランス国内のカトリック教会で洗礼を受ける成人は2650人だそうです。


le 14 avril 2006, Maxime
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by ma_cocotte | 2006-04-14 17:14 | 『春』 Rien de special | Comments(8)
Commented by しぇリ~ at 2006-04-14 21:51 x
こうやっていくつもの洗礼を受けて、カトリック信者になっていくのですね?
まじめなお話なのに、変な質問で申し訳ないのですが、
日本ではおめでたい席につきものなのが、お赤飯(ところによってタイ飯)でしょうか?
フランスでは成人洗礼につきもののお食事はあるのでしょうか?
Commented by hi-vison_1103 at 2006-04-14 22:59
>移動祝祭日
昔からどこか好きな響きの言葉です。
いろんな暦があるのですね!
それに〜日とかいうのをまここつぁんはちゃんと仏語でも書いてくれるとこが嬉しい。
脳みそのシワは少なくても、へーとかほーとか興味もって読んでます。
ネスちゃん、ネコバウワ〜、お上手でおますbyクロエ
Commented by ma_cocotte at 2006-04-15 00:12
■しぇリ~さま、
洗礼は生涯一度で、カトリックの場合、幼児洗礼が主流でした。
つまり成人洗礼というのは親がワケありなのですよ。成人洗礼が増える
傾向というのはカトリック国にとっては考え物の現象かもしれません。
日本のようにカトリックがマイナーな国だと復活徹夜祭での洗礼式はかなり
盛り上がります。

復活祭前夜なので徹夜祭の後、教会によっては別室で立食パーティ
を開いてくださったりしますが、たいてい翌日の復活祭のお昼での正餐
になっちゃいますね。子羊の腿焼き????美味しいよねー♡
Commented by ma_cocotte at 2006-04-15 00:14
■hi-visonクロエさま、「移動祝祭日」というとヘミングウェイの短編でしょうか?
今日はVendredi saint ですよ。しーんと過ごす日。美味しいものを我慢
する日でもあります。

ネコバウワーですが、素直にぐいーんとエビ反りになった写真をいつか
撮りたいです。シャッターチャンスが難しいのだにゃ。
Commented by 浦島たろこ at 2006-04-16 04:25 x
ma cocotteさま 発見しました メードカフェ。厚化粧では?と思いましたが。http://www.radionikkei.jp/roundup/060321special/index.html の中のピノコは可愛い。
http://r-milk.com/ はHP。
Commented by ma_cocotte at 2006-04-16 16:16
■浦島さま、URLを拝見しました。
自分がもし年齢相応だったらこのバイトを選ぶだろうか?としばし考えました。
Commented by 枇杷 at 2006-04-16 19:42 x
こんばんわ。日本的かつ、あまり正しそうでもない復活祭でございました。
ちょっとTBさせていただきますです。お奉行さま、よろしうお計らいの程を…。
Commented by ma_cocotte at 2006-04-16 20:27
■枇杷さま、バッテラが恋しい・・・新潟のバッテラは美味しいであろうよ。
今さっきB16さまによる日本語「ふーかつさぁいおめでとございまぁすぅ」を拝見した
・・・直後にですよ、世界最古の部隊スイス兵500周年ドキュ、身もだえ
叫びつつ拝見し、現在も興奮中です。バチカンは完全防備都市だな。
スイス兵が使命を説明されたが、
1.カトリック信仰
2.スイスが敵となった場合、自身の忠誠はいずこに?

この第二項目が実はもっとも現実的課題だと。第一項目は揺るがないこと
ぢゃからね。いやいやいや、感情コントロールせんとバチカンでいきなり
抱きついてしまいそうだ。鼻血ぼっとりは確実かも。ティッシュをあらかじめ
詰めて突入!が笑われずに済むだろうか。いや、どちらにしても笑われるな。

TBどうもありがとうございます。コメントがまだ書けないようなのでこちら
でのお礼で許してくださいまし。
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