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ああ、そういう月だった。
6月である。

ここ数日、やたら玄関の呼び鈴が鳴るのであります。今朝もハヨから、かなりアグレッシフにピンポンピンポポーン、ピンポーン♪と。玄関ドアを開けてみると10歳にも満たない少年が二人立っており、自分が通う学校で行われる納会で開催されるトンボラ(籤引き)を買ってくれないか、と上目遣い。
「もう買っちゃったからごめんなさいね」  (いや、買ってないンだけれど)
と、ドアを閉める。この繰り返しがまだしばらく今月一杯は続きそうです。

6月のフランスは一年の締めくくりの季節ですが、フランスの暦をまじまじ見ると移動祝祭日でキリストが天に昇り(今年は5月17日)、その10日後にキリストの縁者に燃えるベロ、すなわち聖霊が降臨して彼らは世界の四方に散らばっていくのですが、フランス人もこの祭りを過ぎると四方に散らばる準備でソワソワになるのですね。つまり去年のヴァカンス最後の日から待ち焦がれていたヴァカンスの準備です。

6月である。

昨晩深夜のニュウスをぼけーと見ていたら、哲学者が招かれており、それで思い出したのはバカロレア(大学入学資格)取得試験。今日から共和国内で始まり、月曜日に哲学の論文試験だそう。確か4時間で書き上げるのだったよね。
b0070127_20434155.jpg
キミがたよ、ばんがってくれたまへ。


6月のバカロレア試験で思い出したのが、大学の6月は後期末試験だったってこと。その年にも寄りますが、たいてい聖霊降臨の(移動)祝祭日あたりから大学はréviser レビゼと呼ばれる試験のための予習復習期間に入り、試験に突入なのです。
この試験ってのが日本ビトにはクセモノでして、ほとんどが論文試験なのです。10教科の試験があり、そのうちひとつの教科の試験のうちの一問題にマークシートのような取捨選択問題があれば運が良い方でしょう。まあ、3題中の一題が取捨選択でも残り2題が論文試験ぢゃ稼げて1点、良くて2点。それがなぜなのかと言えばおフランスの試験は20点満点であって、100点満点ではありません。一点の重みが重すぎ。しかも論文形式でどうやって点数をつけているのかは、
  なぞ (・_・)?
大昔、某大学の小論文採点バイトをしていたヒトの話では出題者から10のキーワードを渡され、受験者の論文をざっと読んで、出題者キーワードとビンゴ!のワードをチェックする・・・
だけ 
なんだそう。ヽ(`Д´)ノ ッザッケンナーっっ!
おフランスの論文試験の場合、そんなキーワードの数で合否が決まるなんて生ぬるく甘ちょろいもんぢゃないと思いますが、一般的には20点満点で10点以上は合格、なぜか8点の壁を越えるのが難しいのであります。

6月のおフランスと言えば、窓の外は日差しがキラキラ、若葉萌え萌えなのに、自分は机に向かって4時間の論文・・・ま、書き終わったところで6月のフランスなら夜8時近くても外はお昼間のごとく明るいので、それが教員からのせめてもの慰めなのか。
いらんわ、そんなの。
わたくし個人の思い出と言えば、後期末試験のド真ん中でいきなり予告なしの教員ストライキ。しかも試験日に大当たり。準備万端で大学に行けば玄関閉鎖。試験は一週間後に延期。踏んだり蹴ったりな悪夢でしたわね。ストライキとデモ行進は共和国万民の権利だ、と言われれば返す言葉もないのだけれど。

兎にも角にも大学生ならば6月の後期末試験に通れば、10月まで麗しの夏休み。前後期末試験で基準点に達しなければ、9月に再試で進級できるか、できないかが決定です。6月次第で夏休みが甘く切なく美しいものになるか、それを横目で見ながら生き地獄を味わうかなのであります。

共和国の社会人の6月は、というとヴァカンスをいつにするかの取り合い時期であります。こればかりは優先順位があり、一番は未成年の子供を持つヒト(既婚未婚は問わない)、二番は同居人あるヒト、最後は独身者です。子供を持って最高の時期に夏休みを過ごしたい、とオトナに思わせるのも共和国民数増加に貢献していたりなんかしてね。( ̄ー ̄) ニヤリ

いずれにせよ、6月のおフランスびとの頭ン中はほとんど おヴぁかんす のことしかありませんので、運命を左右させられるような重要な事務手続きはできるだけお早めに。( ̄ε ̄)b

le 9 juin 2007, Diane
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by ma_cocotte | 2007-06-09 20:27 | 『春』 Rien de special | Comments(2)
Commented by 伊望 at 2007-06-12 05:10 x
>おフランスの論文試験の場合、そんなキーワードの数で合否が決まるなんて生ぬるく甘ちょろいもんぢゃないと思いますが、

ヨーロッパそしてその流れを引く北米の学問の骨太な伝統、特にリベラルアーツの強さってのはここからくるんでしょうね、とつくづく自分の神学院生活で思い知らされました。論述って言うのは本当の知性が試させられると思います。
Commented by ma_cocotte at 2007-06-13 05:03
>伊望さま、ご卒業おめでとうございます。
ご帰国後はどうなされるのですか?駿河台?
私はまだフランス語の論文作成の髄に到達できないままでいます。
フランスでは3つのテーゼが必須です(ヘーゲルの弁証法の正反合)。
synthèse がな、synthèseが。
それにしても論文の採点法がどうなっているのか今もって謎です。
「ダメだ」と思ったのに及第点だったり、「よっしゃ」と思ったのに8点・・・。

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