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Au revoir, Guy et Catherine. また会う日まで。
たまに通る国道の遠方に見える古い教会をいつか訪ねたいと常々思っていた。
先日、ようやくその教会を訪ねることができた。
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普段の日に訪ねたのだから、本当ならがらーんとした教会の中であれやこれやとステンドグラスや色彩彫刻などお宝を仰ぎ見ながら写真をバシバシ撮るのだけれど、この日はそれが難しかった。なぜなら、夫の友人の葬儀ミサのためにこの教会の敷居をまたいだからである。

先週26日、私は夫の友人 Guy ギィに会った。ギィは夫とBoul ブル(Petanque ペタンクとも呼ぶ)で遊び、かつて「ペタンク王子」と呼ばれた夫はギィに負けた。その時、ギィは夫に夏になったことだし、近い内に彼が所有する沼で釣りをやらないか、と声をかけたらしい。夫はうれしくて、翌日になってギィに彼のペタンクの強さへの称賛と自分が知らない釣りについて何を揃えねばならないのか、という内容のメールを送った。

28日お昼過ぎだったろうか。電話が鳴った。夫とギィの共通の知人からである。ギィが、おととい元気だったギィが亡くなったという知らせだ。なんでも前日(27日)夕方、トラクターごと沼に落ち絶命し、28日朝憲兵隊によって発見されたのだと言う。しかも、同時に沼の中からギィの奥さんも水死体で見つかった。ギィは奥さん(Catherine カトリーヌ)と一緒に天国に行ってしまったのである。

トラクターごと沼に落ちての絶命なんてココ新天地が田舎という証明である。私のこれまでの人生で初めて聞いた身近に起こった事故話である。その後の話ではトラクターごと沼に沈んだギィをカトリーヌが発見し、ギィを助けようと沼に飛び込み、彼女まで水に飲まれ、帰天してしまったのだそうだ。ココんちの夫がぽつり
...だから、メールの返事が無かったんだ。
と、つぶやいた。おととい元気過ぎた人がもういない、というのはなかなか実感できないものだ。木曜日の夜、床についてから「昨日の今頃、ギィも奥さんも沼の底にいたんだ」と思うと、少なからず恐怖も覚えたし、その恐怖や悲しみから逃れたくて祈りながら深い眠りについた。

ギィ夫妻の葬儀は7月2日月曜日午後3時からだった。

ギィとカトリーヌの事故死はFrance 3 の地方ニュウスでも繰り返し流れたし、新聞にも掲載されたこともあり、この教会が建つ小さな村の住人が総出で葬儀ミサに出席だったようだ。ヴァカンスに入り、普通の日だったにも関わらず教会は満席になった。3時過ぎて、二つの棺が祭壇の前に並べられた。それを見るまで、配偶者に先立たれて寂しい思いをするつらさを味わわずに、二人同時に手を取り合って天に旅立てたのだからギィもカトリーヌも幸せだよ、なんて思っていたけれど、二つの棺が並んでいるのを見たら、「こんなことあっちゃならん、いや、二人同時に旅立てたンだから」と二つの意見が私の心と脳で葛藤し始めた。
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二人の同時帰天だけでもショックなのに、更に二人がいなくなったところに残されたのが80歳を過ぎて車椅子で生活するギィの父親、交通事故後遺障害を持つギィの兄と、子供がいなかったギィ夫妻がアフリカから引き取った養子の3人だった。ただ養子が既に18歳に達していたのは不幸中の小さな幸いかもしれないが、養子本人は葬儀ミサ中も教会から墓地に向かう行進でもフラフラのままで彼の友人が両脇を支えてようやく歩けるような状態だった。
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教会から徒歩で10分もしないところに墓地があり、そこでギィとカトリーヌの棺に本当に最後のお別れをした。もし配偶者が同時に旅立たなければ、いずれ二人が並んで墓に納まるというのがフランスの埋葬の第一歩なのだけれど、二人同時に帰天したギィとカロリーヌの場合、墓穴が普通より深く掘られ、まずギィが収められ、その上に石板を数枚並べて仕切りを作った後、カロリーヌの棺が置かれた。私が見たのはそこまで。最後に墓石ができるまで土がこんもりと盛られ、葬儀ミサに手向けられた親戚縁者からの花が覆われるはずだ。

ギィがカトリーヌと天に戻って今日で一週間になるが、私の心の中では二人同時に帰天できたのは幸せなのか、否か、葛藤が続いている。いずれにせよ、ギィとはいつか天国で再会できるといいな、と思っている。
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ギィの葬儀が行われた教会の聖母座。
あめのきさき 天の門 海の星と輝きます、とつぶやきたくなった。


le 5 juillet 2007, Antoine-Marie
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by ma_cocotte | 2007-07-05 17:35 | 『?』なたわ言 | Comments(8)
Commented by しぇリ~ at 2007-07-05 18:34 x
ギイご夫妻のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
一度は訪れてみたいと思っていた教会へ、このような形で訪れるチャンスを得るとは。。
残されたご家族の心の痛みは消えることがないと思いますが、天国からきっと見守っておられるはずですから、時間をかけて元気になってもらいたいですね。
Commented by ma_cocotte at 2007-07-05 21:25
>しぇリさま、(T_T)
逆縁の不幸とは言いますが、ギィは高齢者のためのボランティアにも
参加していたので、ギィを愛していた高齢者の方々も大泣きされていました。
彼の家庭においても活動の場においても彼が大黒柱だったのは間違い
ありません。寂しいです。
Commented by 黒猫亭主人 at 2007-07-05 23:33 x
お辛いでせうが、"Adieu, mes amis."

さう、Adieu は「あなたの加護を神に求む」 Je vous recommande à Dieu. が語源です。
Commented by ma_cocotte at 2007-07-06 04:19
> 黒猫亭主殿、ああ、Adieu の語源はやはり à Dieu なのですね。
Adieu を使うと「永遠の別れ」を意味すると聞いているので、先に帰天した
友には Au revoir aux cieux と言いたいかも。私は地獄経由なので
天で再会するまでに時間がかかりますが (T_T) 待ッテテネ。
Commented by papillon-e at 2007-07-07 09:39
大丈夫。少し遠回りしてもたどりつくところはいっしょよ。
悲しいなくなり方だけど、心に残るエピソードを思い出してはご主人と笑い話などしてください。きっと、喜んで聞いてられますよ。
悪口でも、失敗談でもいいから、顔を思い浮かべて、しぐさを思い出して故人を話のネタにしてください。
私だったら、嬉しいと思うな~~~。
ma_cocotteさんのユーモア溢れる、時にブラックなジョークにおなかを抱えて喜んでられると思います。

知らない方ですが、どこかで縁があるやもしれず?
ご冥福をお祈りします。
ご主人様も、悲しいでしょが思い出話をしてください。皆が心温まる話をしてください。
Commented by ma_cocotte at 2007-07-09 05:28
> ぱぴよんさま、そうですね。
ギィは存在感ある人だったので、まだどこかでこの事実が信じられず、
近い内に会えるような気がしてなりません。夏休みに入ったこともあり、
私の身辺も忙しく、ギィの事故からの時の流れも早いです。
最後に会った時、ギィが楽しそうにペタンクをしていたことも目に焼きついた
ままです。写真を撮らなかったことが後悔です。
Commented by 伊望 at 2007-07-09 06:26 x
主は与え、主は奪う、主の御名はほむべきかな。

願わくはご遺族の悲しみが少しでも早く和らぎますように。
3人の子供達の行く末も主が見守られますように。
そして大切な友人二人を同時に衝撃的な形で失われたま・ここっとさんとご夫君にも慰めがありますように。
Commented by ma_cocotte at 2007-07-10 17:22
> 伊望さまのお祈りを復唱しました。ありがとうございます。
ギィは子供たちの要理指導者でもあり、高齢者や障害者のための会でも
活躍していました。
あらゆる場で貴重な働き手であったギィが帰天したことは彼に関わる
人々に衝撃的な事実でした。夫婦や家族、仲間の絆を改めて考える
ことができました。
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