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おチャベスさまの、ご来仏。
昨晩、ヴェネズエラのチャベス大統領閣下殿様が来仏あそばされました。
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Copyright © 2007 AFP

今回のチャベスさまの来仏の主たる目的ですが、サルコぢ大統領閣下との『対等な面会』ではなく、イングリッド・ベタンクール Ingrid Betancourt という一女性について、でなのであります。
この女性、フランスとコロンビアの二つの国籍を持ち、2002年当時、コロンビアの次期大統領候補のひとりでありました。ところが、2002年2月、コロンビア最大の左派ゲリラFARC(コロンビア革命軍)に誘拐されたまま、いまだ行方も生存も不明のままです。今年46歳を中南米のどこかで迎えられたと思われます。フランスにはベタンクール女史の二人の子供(メラニ Mélanie と Lorenzo ロレンゾ)、そしてこの二人の父親である前夫と中道左派より左が中心となって救出運動(主にデモ行進)を繰り返し行っています。
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私が住む町の役所も、市長がPS(社会党)なので正面玄関にこのようなベタンクール女史救出をアピールするポスターが常に掲げられています。誘拐後こんにちまで、テレビやラヂオの報道番組では定期的に長女メラニィが出演し、母親がコロンビアで行方不明になっていることをフランス共和国民が忘れないで欲しい、一日も早く救出して欲しい、と訴え続けています。
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左がメラニィちゃん、真ん中がロレンゾくん
@11月19日パリで行われた救出祈願デモ
Photo par Reuters

この件についてフランス共和国政府がまったく動いていないわけではありませんが、2003年夏、フランス当局がベタンクール女史を救出しようとした作戦を試みたことでブラジル政府が主権侵害を理由にフランスに抗議した事実もありました。この時、フランス政府の言い分はベタンクール女史の家族の要望を受けて、ゲリラ側との解放交渉をする目的でコロンビア国境近くのブラジル側アマゾン川中流のマナウスに軍輸送機ヘラクレスを派遣しましたが、この救出作戦が失敗に終わったことが、おル・モンドさまの報道で明るみになったのでございますね。で、当時外相だったド・ヴィルパン氏(後の首相)がブラジル政府に事前に承諾を得ていたと正当な作戦だったと主張したましたが、ブラジル政府は駐伯の大使を呼び、説明を求める一方、ブラジルの下院外交国防委員会は「ド・ヴィルパンの嘘つき」と批難し、フランスから事前連絡がなかったと主張しました。これを受けてド・ヴィルパン氏があっさり事前連絡が「できなかった」と謝罪して炭火が消えたかのようになった、なんてことがかつてあったのです。
で、おコロンビアのおゲリラですがベタンクール美女史の解放条件として、病気中の幹部の治療と多額の身代金をフランス側に要求。前出のおフランス救出隊には医療チームが参加していたという噂もありました。

大統領選に立候補宣言しながらも誘拐されて見つからないままのベタンクール女史ですが、コロンビア国内ではこの誘拐事件についてあまりニュウスになっていないようです。現在のコロンビア大統領はアルバロ・ウリベという新自由主義者を自称する方で、2002年8月に就任。この方のご両親はゲリラに殺されており、その恨みを背景に対ゲリラ武力行使強硬を唱えての就任にも関わらず、就任後すぐ極右武装集団AUCの武装解除交渉に成功したことで一時は65%もの驚異的支持率になったほどです。ベタンクール女史はウリベ現大統領に比べると穏健対話を左派ゲリラに求めていたのに誘拐されてしまったのです。

イングリッド・ベタンクール女史の誘拐から5年以上が過ぎ、突然チャベスさまから絶望しそうになっているフランスに残された家族に「ママンは生きているよ。おぢちゃんが救出してあげよう。」と話が持ち込まれたのでありました。
11月20日午前0時54分着の AP 電によりますと、
"Ingrid est vivante, j'en suis certain", a déclaré le président vénézuélien à des journalistes devant son hôtel parisien. Ses propos étaient retransmis en direct sur la télévision publique vénézuélienne.
『イングリッドは生きている。私はそれを確信している。』とパリの宿泊先前で報道陣に向かい、ヴェネズエラ大統領は宣言した。彼の談話はヴェネズエラ公共テレビ局に生中継された。
ε= (´∞` ) Bof。 どうやら自らが救世主であることを自国民にアピールするのが深層目的のようでございますね。マルクス教徒のチャベスさまがどのように極左ゲリラからベタンクール女史生存の情報を得たのでありましょうか。こんな宣言をするためにパリにおみ足運び、家族を慰め癒す救世主を演じるなら、いっそナマのベタンクール女史と一緒に来仏あそばされた方がフランスの平らで凡な民に神を忘れさせられるほどの存在になれたでありましょうに。そして、マルクス教で頭飛ばしの大躍進出世、つまり世界の全ヒダリから崇敬のナマ神扱いになれましたものを。リビアからブルガリア人を救った前妻を持つサルコぢとまさに「対等の分かち合い」もできたでしょう。このもったいぶった来仏がおチャベスさまの自国民向けパーフォーマンスだけで「なかったこと」にならないよう、真のベタンクール女史救出が一刻も早く実現するよう祈ります。

さて、おチャベスさまと言えばスペイン国王陛下に Por qué no te callas! 黙らっしゃいっ! と公の席で一喝されたことが記憶からなかなか消えてくれない事実ではありますが、なんとこの国王陛下の Por qué no te callas! 黙らっしゃいっ! がスペインで大人気となり(そりゃ、なるわなヾ(`◇´)、この"Por qué no te callas!"をあしらった商品が大ヒット、おまけにきょうび、この一喝が着メロとして出され、事件から10日経つか経たないかのうちに約50万人がダウンロードし、150万ユーロ(2億5千万円弱)の収益を得たそうです。更におまけに「www.porquenotecallas.com」がオンライン競売に出されており19日時点で入札価格は1万ユーロ以上に跳ね上がっているそうで。なんつうかスペイン・ラテンなノリがリアルになっているなあ、と思う次第。誰も「そういうことをしたらチャベスさんをいぢめていることになりませんかあ?」と言わないところが国力は日本よりないにしろ成熟したオトナの感性の国ですわなあ。

おあとよろしいようで。(-。-) ボソッ

le 20 novembre 2007, Edmond
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by ma_cocotte | 2007-11-20 15:54 | 『?』なチュウナンベエ | Comments(4)
Commented by つき at 2007-11-21 05:25 x
ma_cocotte 様
前々回はご挨拶も致さず、大変申し訳ありませんでした。
美味な記事にヨダレをながし(最近、少なくてちょっと悲しい)、
厳かな記事に「ほほ~~~」と、わくわくな感じで、毎日を楽しく過ごさせて頂いております。

えと、あれから、チャベス氏を見てて、びっくりしたことがありまする。
氏は、敬虔なるカトリック信者なのですね。
・・・・・氏の中で、まるくす教とどう折り合いつけているんでしょう?

「だまらっしゃい」で、「我々は500年もの植民地支配に黙ってきた」とかチャベス氏に無茶苦茶いわれても、平気のへーーのスペインも、自国民のためにちゃんと他国に救出にいくフランスも、うらやましいです。

あ。そいや、日本も、大統領候補を救いましたっけ。
日本から拉致された、金大中を、自衛隊だして追いかけて、政治問題にすると恫喝してまで。
・・・自国民じゃなかったや。。。。orz

ちょっぴり悲しくなりましたが、日本に残ってる者として、がんばらねばー。
ma_cocotte 様も、寒さ厳しくなる折、お風邪と、寒いっと体にぎゅっと力をいれての肩こりにお気をつけくださいませ。
Commented by しぇリ~ at 2007-11-21 08:19 x
ペタンクール女史が早く解放されますように。。
突然やってきてエリゼ宮でのなごやかな会談風景。スト中で交通網混乱状態中、けたたましいサイレンと白バイでやってこられたときには何事ぞ?と思いました。
はっきり言ってバスに乗っていた私は大迷惑でした。
なにゆえにヴェネズエラの大統領がコロンビアで誘拐されたフランス系コロンビア元大統領候補の解放をフランスで願う??

そういえば、仏国の隣国はスペイン。。
次のPorque no te callasネタは目指さなかったんですね?
Commented by ma_cocotte at 2007-11-21 21:35
> つきさま、こんにちは。
食べ物の話題、確かに最近少ないですね。ごめんなさい。

おチャベスさまだけでなく、ボリビアのエボ大も、カストロさんだってカトリック
ですよ、実は。例えば先日離婚したサルコぢも、社会党候補だったセゴ
レーヌ・ロワイヤルもカトリックです。

彼らに共通しているのは幼児洗礼を受けた事実はあっても、カトリック
信仰生活を守っていないという点です。彼らの有名人だけでなく、普通の
ヒトにもこの傾向が出ており、「神は信じないがクリスチャンだ」と称する
オトナが欧米には一杯います。

温かいお言葉ありがとうございます。今年の冬はひさしぶりに「いつもの
冬」が到来しそうです。

Commented by ma_cocotte at 2007-11-21 21:39
> しぇリ~さま、なんかベタンクール女史の長女が「藁をも掴む」ような
勢いになっているのが心配になりました。
おチャベスさまについてはこんなことを宣言するためにパリにひとりで
来るのなら、とっととベタンクール女史を救出して一緒に来仏してよ、と
正直思いました。なんというか誰がおチャベスさまを主人公にした台本を
書いているのか存じませんが、自国民へのアピールを優先するために
フランス側をぢらすというか、もったいぶって出さないというか。
ハッタリぢゃないといいですけれど。確信したなら一刻も早く救出を、です。
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