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サル式ローマの就日 Une journée de Nicolas Sarkozy au Vatican
2007年12月20日、フランス皇帝サルコ一世の朝はローマで明けました。この日、まず初めに皇帝サルコ一世はローマ教皇との謁見のためヴァチカンに向かいましたが、
遅 刻 しました。
遅刻分数は当初25分と報道され、その後、遅刻分数は17分だったという修正報道もありました。いずれにせよ、皇帝サルコぢ一世の遅刻は
Comme d'habitude  い つ も の こ と
でありますので、サルコぢ担当記者も「ま、いっか」の待ちでしたが、ヴァチカン側におかれましては来訪者の遅刻は
前 代 未 聞
だそうでございます。やってくれました、皇帝サルコ。
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しかも、車から降り立った皇帝サルコ一世は午後にラテラノ聖堂で教皇さまから下賜された勲章"chanoine d'honneur シャノワァヌ・ドヌゥル"の叙勲ミサを控えているにも関わらず平服だったった...。皇帝をお迎えし、教皇の御前まで随行する10名に及ぶ大使方は正装だったのに。遅刻した皇帝サルはJames Harvey 大司教と在ヴァチカン仏大使にはさまれ、更にスイス衛兵に四方を囲まれるようにして宮殿内へ。遅刻したにも関わらず皇帝サルコ一世はキョロキョロしたり、途中で立ち止まって美術品を眺めたりしながら歩を進めるという態度を披露あそばされました。いよいよ教皇さまの待つお部屋へ。ここからの皇帝サマがまた画期的なことをしてくれたとでもいいましょうか。普通、教皇が来賓者に右手を差し伸べたら、その薬指の大きな指輪に接吻するのですが、いっきなり皇帝サマは教皇さまの手を握り上下に振ってすまいますた。更に教皇さまに遅れること数秒で着席するなり皇帝サルコ一世から教皇に質問です。普通、着席を促されるまで座らず、会話も教皇さまから切り出すもんぢゃござんせんかね。違うの?
Sarko 1er « Où avez-vous appris le français ? » 
サルコ一世 : どこでフランス語を勉強されました?
le souverain pontife « Je l'ai appris au lycée, à l'école en Bavière» 
教皇さま : 高校です。バヴァリアの学校でした。
教皇B16のフランス語ペラペラは結構知られているのですが、サルコぢはご存知なかったのでしょうか。側近も教えないというか、予備知識などおさらいしないままの本番だったとしか思えない会話の始まりです。
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皇帝サルコ一世はその後、引きつった笑みのまま、教皇さまの御前で揉み手の繰り返し。こういう場での成人の揉み手ですが心理的にはお願い事がある時に掌が常によれよれするのだそうです。皇帝サマは教皇さまに何をお願いしたかったのでしょう。二度の離婚の赦し、はたまた、三度目の結婚でありましょうか。会談は25分ほどでしたが、内容は公表されていません。なんでも皇帝サルコ一世が来年、教皇さまがルルド巡礼のためフランスにおみ足を運ばれた際には必ずパリに更におみ足を運ばれますように、と命令、いや、お願いしたとか。そして、現在、共和国内で話題になっている▼日曜日(カト的にはJour dominical 主日)にナンピトも就業できるようにする、▼離婚の簡略化、▼移民の問題にまったく触れなかったようだという推測も報道各紙に書かれています。

今回の皇帝サルコ一世のヴァチカン訪問に随行した方々ですが、皇帝サルコ一世の「愛しの」ラシダ・ダティ法務大臣は初めて随行に入りませんでした。そして、随行者のひとりであるカトリック司祭ですが、この方(↓)です。photo Cito/AP
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ギィ・ジルベール Guy Gilbert 神父。"prêtre des banlieues"(=移民地区で活躍する司祭)として知られるジルベール神父の普段は革ヂャンにバイクぶろぶろで知られていますが、この日ばかりはご自分の最長上である教皇に謁見なのでローマンカラーをはめたんだけど、謁見後には我慢しきれず紙巻タバコにエスプレッソだったようですね。

更に誰もがぶったまげたのは皇帝サマが Jean-Marie Bigard(ヂャン・マリ) ビガーという芸人を教皇さまにお引き合わせしたことです。ビガーですが、共和国内をくまなく巡業し、どこの会場も満席にするほどの人気芸人ですが、かなり強烈にきわどいシモネタ漫談を得意としています。確かにビガーは「舞台前には10~20回は祈る」と告白されるカトリック信者ですが、皇帝サマが大統領候補だった時からサルコぢ支持を表明していた人物でもあります。それ故、皇帝サマがビガーを教皇さまに引き合わせたことについて現在のところインターネット上の方々で激論が飛び交っているようです。教皇さまがビガーの仕事内容をご存知ないことをいいことに、皇帝サマが"le prosélytisme de Nicolas"、つまり「ニコラの政治勧誘熱」を教皇さまの御前で発散させているのだとか、"L'EVANGILE SELON SAINT NICOLAS"、つまり四福音をもじって「聖ニコラによる福音」にたとえて批判を述べられていたりします。うーん、皇帝サマは「僕を支持してくれた礼」としてビガーのために教皇さまを引き合わせたのかもなあ。普通、逆だよね。しかも、教皇さまのそばで皇帝サマの携帯電話が鳴ったとか...ヽ(`Д´)ノ

更に更に、皇帝サマは教皇さまに三冊の本を贈りました。Georges Bernanos ヂョルヂュ・バルナノという皇帝サマが市長サマだった時代に治めていたNeuilly s/r Seine ヌイィ・スュル・セーヌ市で活躍された作家の作品"La Joie 喜び", "L'Imposture 詐欺"の二冊と、ご自分が皇帝サマになる前に書かれたとされる著書"La République, la Religion et l'Espérance"(=共和国、宗教、希望)を特別に赤色の革表紙で装丁したものを差し上げたのでした。やっぱ贈呈品でも皇帝サマの自己主張でグイグイだと思われ。

そして、皇帝サマの「本日のメインエヴェント」は12月20日の午後、聖ヨハネ・ラテラノ大聖堂で行われたChanoine d'honneur 勲章叙勲ミサに出席することでした。
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photo par AP

そこで16世紀にプロテスタントからカトリックに改宗したアンリ4世国王が教皇から下賜されて以降、代々フランスの国王、国家元首がいただく最高位の勲章が皇帝サルコ一世に教皇代理枢機卿から与えられ、皇帝サルコぢ一世は名実共に「ヴァチカンの騎士」となったのです。現在はフランス共和国大統領のタイトルのひとつなんだって。(ただし、第五共和制においてポンピドとミッテランは下賜されていません)。アンドラ公国の共同国家元首でもあるんだよ、皇帝サルコ一世は。

こちら(↓)、20日に流れたサルコぢ大統領ヴァチカン公式訪問関連ニュウスです。
TF1 : Sarkozy fait l'éloge d'une "laïcité positive" au Vatican
France 2 : Nicolas Sarkozy rencontre Benoît XVI

で、ミサですけれど、皇帝サルコ一世はご聖体を拝領できたンでせうか?¢( ・_・) ハテ?

le 22 décembre 2007, Françoise-Xavière 
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by ma_cocotte | 2007-12-22 07:29 | 『?』なサルコぢ屋 | Comments(10)
Commented by ハムカツ at 2007-12-22 09:02 x
>ラシダ・ダティ法務大臣は初めて随行に入りませんでした

その理由は、カーラ・ブルーニの存在が在るからですか?
Commented by LYS at 2007-12-22 11:27 x
ママン ブルーニも随行したと日本では報じられています。とするとサルコは本気ですね。

ローマ法王の前でのもみ手は、サルコの本質を表してしているのでしょう。俗人を大統領に選ばざるを得ないフランスには人材が枯渇しているのでしょうか?保守派のフランス人がサルコに満足しているとは思えません。フランスの威厳を地に落してしまいました。

威厳を無くした古いヨーロッパの魅力って???
Commented by ma_cocotte at 2007-12-22 16:20
> ハムカツさま、

ラシダ・ダティさんの宗旨の問題かも。
ただし、ラシダ・ダティさんはモロッコ王宮での晩餐会に肩を丸出しした
ドレスをお召しになりましたのでご本人の宗旨はもとより、相手国への
尊重をどう考えられる法のエキスパートなのかは謎です。
Commented by ma_cocotte at 2007-12-22 16:26
> LYS さま、

カルラ・ブルーニの母親が随行者のひとりだったという記事を私もネット上で
見つけましたが、全国紙には掲載されていないし、ニュウスでも流れなかった
ので書くことを控えました。もし本当だとして、

   >> とするとサルコは本気ですね。

は、本気かどうかわからないけれど、大統領が公私混同で相手を軽んじている
のは事実かと思います。公私混同は今回の外交に始まったことではなく
「Comme d'habitude いつものこと」だと思います。

人材の枯渇というか、なぜ最終決戦にサルとセゴ姐だったのか。
この二人、どちらも内政向きで、外交には向きません。フランスの大統領
職は外交が主なのに、どちらを選んでも問題が沸きっぱなしだと思われ。
バイルゥが選らばれていればこんな非礼を共和国民が目にすることも
なかったでしょう。

Commented by siojake at 2007-12-22 20:34 x
皇帝様はあちこち飛んでおられますが、訪問先での映像を見ると
「せせこましすぎ!」
と、毎回感じてしまいます。バチカンと合わせて見た伊&西の偉い人たちと
一緒に写ってる絵でも、「張り切りすぎのおこちゃま空気」を纏ってる気が
して見てられなかったです。

欧州の元首って表面おだやかプロトコールばっちし・裏ではビシビシ・
王手かけるときは微笑…その最たるものだと思うのですがねぇ。
皇帝様の大好きな国だって、昔からそういうのお手本にしてるのに。
Commented by ma_cocotte at 2007-12-22 21:09
> siojakeさま、
こんにちの皇帝ちゃんはアフガニスターンにいらっさいますね。(-。-) ボソッ

皇帝ちゃんは何が何でも地中海共同体結成の立役者になりたい、できるだけ
早いうちになりたいっっ!自己顕示欲が凄すぎで見ていて疲れます。

きょうも朝からAFの恒例いぢわるストライキ決行中ですが、迷惑するのは
庶民で、皇帝ちゃんに迷惑がかかることがまったくない。
5年任期満了を迎えられるでしょうか?ココんちの仏蘭西びと♂は次回、
サルコに投票しないと今から決めています。

昨日なんてC' dans l'air でクリスマスの食料品はこの物価高で
手に入れやすいのは中国製だの、憂鬱ですよ。これだって皇帝ちゃんの
口にも胃にも関係なくて、私たちだけ考えて選ばなきゃならないんだもの。
泣けますよ。
Commented by Hiro-san@ヒロさん日記 at 2007-12-23 23:44 x
まここっと様、Happy Christmas

大量破壊兵器のウソ情報を捏造したイギリスのブレア君が、罪滅ぼしにこれから皇帝ちゃんにお仕えしますので、よろしくお願いいたします。
http://ukmedia.exblog.jp/7801881/
Commented by ma_cocotte at 2007-12-24 03:41
> ヒロさんさま、まもなくクリスマスですね。
えげれすのクリスマスも良さそうぢゃのぉ。いつかオクスフォードの
キングスカレッジでクリスマス礼拝にあずかってみたいです。

ブレア氏ですが皇帝サルコぢに仕えるのではなく教皇さまですよね?
で、いただいたURLを拝見しましたけれど、ブレア氏の改宗のニュウスが
英國で流れたのは最近ですか?だとしたら、マジメに国内統制されていたのでは?
というのも、私がブレア氏の改宗を取り上げたのは10月29日です。
よろしかったらご笑覧くださいませ。(↓)
http://malicieuse.exblog.jp/7623662/

これを書くちょっと前に、地元の神父さまからブレア氏の改宗については
「確実」と聞いていました。
Commented by Hiro-san@ヒロさん日記 at 2007-12-25 01:34 x
フランスの諜報機関まここっとさまに、釈迦に説法ならぬ、教皇に説法のつまらないリンクとコメントを残してしまいました。どうか、聖誕祭のイブに免じてお赦しを。

>http://malicieuse.exblog.jp/7623662/
>マジメに国内統制されていたのでは?
見落としておりました。わが家の情報インフラ統制が原因かもです。この夏に引っ越ししてから、自宅のインターネット接続がなくなってしまったものですから・・・。すてきな夜をお過ごしください。
Commented by ma_cocotte at 2007-12-25 03:49
> ヒロさんさま、今朝、Yahoo!日本語ニュウスでブレア氏の改宗
についての記事を読みました。もし英國で今更の発表だとしたら、まじに
凄いぞ、大英帝國、ですよ。
上で紹介した拙文ですが、リンクもいくつかしており、どのリンク先も
面白い内容ですし、一流紙の記事ばかりなので信憑性はあると思います。

ぜひヒロさんワールドでこの件のエントリーを。
楽しみに待っております。
ヒロさんもすてきな夜になりますように。
(こちらは静かな夜ですし、明日は西部劇に出てきそうなほど不気味に
静かな一日になります)
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