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「...できちゃった。」と言われたら、
半月ほど前、其処此処彼処で目にしたこんな記事ですけれど、


<フランス>婚外子の割合、半数超える…06年
1月19日18時48分配信 毎日新聞

 【パリ福井聡】フランスで2006年に生まれた子供のうち、両親が正式な結婚をしていない婚外子の割合が初めて半数を超えたことが分かった。仏国立統計経済研究所が18日までに発表した。正式な結婚にとらわれないフランス人の考えが反映された形だ。
 同研究所によると、婚外子の割合は65年には5.9%に過ぎなかったが、次第に増え続け、06年には50.5%(05年は48.4%)と正式な結婚による子供の数を上回った。07年の結婚件数は26万6500件で前年より約1600件減った。
 フランスでは99年、事実婚や同性愛のカップルに対し、税控除や社会保障などについて、結婚に準じる権利を付与するパクス(連帯市民協約)法が制定され、結婚や家族の考えが大きく変わった。「パクス婚」と呼ばれ、「合意でなくとも片方の意思だけで解消できる」点で結婚より緩やかな形。カトリックの影響で離婚が難しかったことへの反動ともみられる。社会学者のイレーヌ・テリー氏は「家族を形作るのは結婚ではなく子供になりつつある」としている。
 一方、フランスの昨年の合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子供の数)は1.98で、アイルランドの1.90を上回り、欧州連合(EU)で最高となった。EU平均は1.52だった。
 フランスの合計特殊出生率は93年に1.66まで落ち込んだ後、上昇に転じた。3歳児から公立保育園に入れるなど出産・育児への行政支援が手厚く、子供の数に応じた税の優遇措置も上昇に寄与したとされる。初産の平均年齢は29.8歳と、年々上昇している。




この記事、フランスの現実と合っていそうで合っていないような気がします。特に第三段落は「それ、ほんと?」としか言いようがないかも。現実味がない。おまけに社会学者の「家族を形作るのは結婚ではなく子供になりつつある」というのは子供のない夫婦には家族が形作れないのかと突っ込みをいれたくなりますね。たまにフランスにいるのですよ、子供がいないことで結婚の形を抜きに同居する男女を差別やら区別する人。

この件はもちろんフランスの報道でも大きく取り上げられ、「婚外子」と十把一絡げにして数字を出してはいますが、フランスの場合「婚外子」と言っても既に結婚している男性が配偶者以外の女性との間にできた子供もいれば、結婚を前提にした男女の間に産まれた子供、そしてマリタル marital という同棲・内縁関係のままの同居で決して結婚しない男女の間に産まれた子もいます。中には養育手当をあてにしてワザと同居しないで別居を続ける男女もいます。この場合、子供の養育については簡易裁判所の下で管理される形になり、近隣に住むなら子供は成人するまで半月ごとに父母双方の家を行ったり来たりすることになります。

上の記事を拝読して思ったことは「婚外子」の割合と結婚の関係が結びつくのかということです。私事になりますが、例えばココんちのフランスびと♂の姉は恋人との間に二人目の子供が出来てから市民婚を挙げました。それまでの5年で既にひとりの女児をもうけ、女児の苗字は恋人の苗字、二人は同棲をしていましたが、なぜそういう順番だったのかと言うと、子供ができた段階で二人の愛情が二人の間でまだ確固たるものではないという自覚が双方にあったからです。おフランスの土曜日は共和国内どこでも市民婚&教会婚挙式日でありますが、土曜日の午後、市役所の前のカフェにでも座り、市役所から出入りする新郎新婦を眺めていると、子連れ結婚が多いことに気づきます。婚外子全員が永遠に婚外子のままであるとはフランスでは言えません。きょうびしばしばどこの国でも「実はできちゃったの」と女性に告白されて大騒ぎになるという話があるものですが、フランスの場合、大都会に住む大金持でもない限り、まだ安直に堕胎の道を選ぶような倫理観念が浸透していないように見えます。フランスにおいては結婚も子供も「愛あればこそ」の事実で、近年、その順番が必ずしも結婚が最初ではなくなっているだけの話です。

上の記事の中で1965年の例が出されていますが、当時は1968年の学生革命前の時代になりますし、カトリックにおいては第二ヴァチカン公会議以前の時代になります。この頃からフランスではサルトルとボーヴォワールの「或る愛の形」を凡な共和国民も真似るようになり、前出のマリタル Marital という形の非婚カップルが増えます。マリタルの家庭について言えば、「奥様は魔女」の家の隣にすむおばさんでもいないかぎり、その家庭の夫婦証明を見せろなんて話にならないでしょうし、他人がマリタル家庭を見た限りは奥様は魔女さんち同様「ごく普通の家庭」にしか見えません。PACS 家庭の場合はお父さんもお母さんも同性という場合もありますのでマリタルとはまた違います。PACS を選んだ人たちがやたら「ウチはPACS なんですっっ!」と語調強くおっしゃるのも、言われたこちらにしてみればドンビキ並行移動事項だったりしますけれど。社会党が作ったこのPACS制度の筆頭見本がかつてのセゴ姐とオランド氏だったけれど、別れるくらいなら無理してPACSる必要なかったのに、大統領選挙選においてはPACSだけでも不安材料を安心材料に一見変えられたのも間違いありません。あ、市民婚を挙げるという噂もありました。PACSでは票集めに不十分だったのかも。そして、裏でこの二人がPACSを悪用して不動産税を不当に納めているのがバレましたね。

上の記事の中の
カトリックの影響で離婚が難しかったことへの反動ともみられる。
これ、完全政教分離(1905年)から103年経った今、別に市民婚にもPACSにもマリタル Marital にもカトリックは関係ないかと思いますけれど、この記事を書いた人は関係あると思われたみたいですね。確かに市民婚を予約する時に担当者によっては宗教婚の有無を聞かれる方もいますが、双方の関係はまったくリンクできませんし、近年は婚姻とは言っても市民婚だけのカップルがかなり多いです。教会婚だけでは共和国政府が認めた夫婦にはなれないので、国や自治体から何の恩恵も受けることができません。

現代フランスにおいてカトリックの影響は離婚できる、できないよりも、胎に宿った子の生命についての価値観に大きく残っていると思います。どんなに若くても妊娠した女子は出産しますし、地元の社会保険事務所で行われる出産準備学級は結婚してようがいまいが父親母親が一緒に出席することが主流ですし、そもそも赤ん坊が宿るというのは「一縷でも愛あればこそ」が前提で結婚式を挙げなくても、産まれ出た赤ん坊には自分の苗字を与える男性が多いです。それこそ21世紀に入って、「遊びだから、絶対認知しない」と主張する男性が多々出て来ました。一年くらい前に 父性のない男性の問題を取り上げたドキュメンタリー番組 に「私は犠牲者です」の日本人女性さんが登場したっけ。どうしても親子でフランスに住みたいから認知だけしろ、とその女性さんはおっしゃってました。ε= (´∞` )ドッチモドッチダ。

記事にもあるようにEU国内でフランスの出生率が最も高いのは共和国内にイスラーム移民が増えたことと、サルコぢサマが皇帝の座に着座する前までの養育と教育補助金のすんばらしさあっての数値であります。一昨年だったかフランスの国民数が増加傾向になることがご慶事のごとく報道されもしました。が、神聖皇帝サルコぢ一世サマは御世において、これまでの社会主義的生活補助について全面改正しエイメリカ型を目指されるそうなので、出生率がこのまま維持されるかどうか。既に就業前後の時間外学童預かりは有料化した自治体もございますね。それが払えないために学業も就労もままならない男女が増え始めています。サルコぢさんのおかげですわね。「君方にはベビーシッターを雇う金もないのか。ならば知らん。君方でなくてもいくらでも働き手はいるのだ。」とは、ひでぇ君主ですわいな。支持率が5割を切るのも当たり前だのクラッカーです。任期満了まであと4年、共和国庶民がこの国でどう生きて行けるのか、それが問題だ。

le 1er février 2008, Ella
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by ma_cocotte | 2008-02-01 05:12 | 『?』な、お!?仏蘭西 | Comments(4)
Commented by しぇリ~ at 2008-02-01 06:43 x
本日もとても勉強になりました。
PACSの筆頭見本がセゴ姉とオランド氏だったとは知りませんでした。
法律を作りながら結果的に不必要だったと証明してしまうとは。。

仏国の出産率にマグレブの貢献は大きいのですが、彼らの本国も同様に出産率が上昇&安定しているのか、それとも人材が欧州に流出して減少しているのかと疑問に思うことあり。まあ4人まで妻を娶ることを認められている国々なのであまり心配する必要はないのでしょうね。。
Commented by ma_cocotte at 2008-02-01 16:34
❒ しぇリ~さま、なんでも2001年にセゴ姐とオランド氏はPACS申請を
していたらしいです。なのに、2006年夏だったか市民婚をするかしないかで
騒がれていましたよね。PACS では共和国民から「家族面」では信頼を
得られないとでも社会党「が」考えたのでしょうか。なんかやっぱりセゴ姐は
お人形さんだったとしか思えないというか。

で、マグレブ三か国は一夫多妻の時代は終わっていますよ。アフリカ中西部の
元仏植民地諸国の一部に一夫多妻の習慣が残っていますね。ex セネガル

マグレブの中の某王国の方々は離婚するためにフランスにやって来る
方が結構いますね。こちらの方が簡単にできるのだそうです。
Commented by ぴよよん at 2008-02-01 20:56 x
フランスより離婚するのが難しい国とは、いったいどんな手続きを踏まなければならないのでしょうね???想像できません。
(本筋から外れたコメントでごめんなさい)
Commented by ma_cocotte at 2008-02-02 01:07
❒ ぴよよんさま、
かの王国では離婚が漠然と「難しい」みたいです。
ですから、夫婦とも両国籍だとまずこちらに子供と一緒に移住して、
数ヵ月後に別居し、適当な理由を挙げて、離婚するのだそうです。

フランスで生まれたかの王国の両国籍者男子は嫁さんを王国で
見つけ、こちらにつれてくるというパターンも多いですね。

マグレブ三か国の中ではかの王国の女性がもっとも性格が穏やか系
が多い気もするのですが・・・単なる偶然でしょうか。
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