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混沌の中、聖火はゴルゴダの道を走り抜けて行った。
昨日7日は朝から夕方17時35分まで倫敦から届いた聖火を引き継いだ花の都お巴里市内は大変なことになっていました。お昼のニュウスも、13時のニュウスも現場からの生中継で番組の大半を埋めていました。夜19時から、20時からのニュウスもトップは「聖火リレー@パリ」でしたけれど、
ε= (´∞` ) bof ぼふ。
聖火は早朝、儀式をもってエッフェル塔から出発しましたが、エッフェル塔から一直線上にあるトロカデロ広場ではチベット擁護派の集会が厳戒態勢の下で同時開催されました。おフランスにおいて既に彼らはプロ・チベタン pro-tibétains (プロ・チベット市民)と呼ばれているらしいです。一方、エッフェル塔からずっと、聖火の終着点シャルレティ競技場 Stade Charléty に至るまで沿道の選ばれた場所にいらした方々(↓)、
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彼らをおフランスではプロ・シノワ pro-chinoisプロ中華市民)と呼ぶそうです

どちらもおフランスでは「プロ扱い」なんですね。アマぢゃない。___φ( ̄^ ̄ )

それにしてもこのマッカッカな方々(手持ちのデジカメまで赤いボディのおねいさんがいましたよ)、どこから集まったんでしょうね?中國から派遣?それとも数年前からフランスを悩ませているバックレ違法滞在者のみんなたちでしょうか?フランスにしてみれば彼らは困り者でも、彼らは母国を出国する前から手厚い保護と保証と見返りと使命を持ってフランスに入国してバックレた方々ですよねぇ。入国した時は「留学生」だったのにいつのまにか「産業スパイ」と化している方も一杯。彼らは昨年5月までハラハラドキドキしながら共和国各地に隠遁していたのに、神聖皇帝サルコぢ一世のおかげで身分は一転優遇状態となり、そしてこの機会にうぢゃうぢゃとパリに母国からの使命を受けて集結ってわけか...。そんな白々しい思いを持っているフランス共和国民は少なくないと思います。

一夜明け、早朝のニュウスでは繰り返し、昨日のパリでの出来事は悪夢 cauchemar だと述べられています。カメラマンの顔面を足蹴りしたプロ市民、逆に警察だか憲兵隊の手で撮影を妨害されたカメラなどなど、フランス国内では包み隠さず放映されているみたいです。あのカメラマン、鼻の骨が折れていないといいですが。
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ロイターから公表されたこの図(↑)を見ても、エッフェル塔を出てまもなくアルマ橋あたりで既に聖火は消されていますし、厳戒態勢のシャンゼリゼあたりは無事通過できても、パリ市役所では歓迎式典が中止され代わりに「パリ市は世界のどこであっても人権を擁護する立場にある」という横断幕が窓から出され聖火を迎えました。パリ市長は社会党員ですが中國贔屓ではないようですね。聖火はノートルダムの前を過ぎ、右岸に入って国会議事堂に至りますが、ここでも複数の議員が抗議をあからさまにしており、この場で聖火はバスの中に閉じ込められ、終点まで移送となりました。

この行事で気になったのが、聖火の保護者とでも言いましょうか。いったい誰なんでしょ?
このReuter 発の写真がわかりやすいかと思いますけれど、
b0070127_17572977.jpg
聖火がバスの中に鎮座している状態です。バスは中國政府が準備したものらしく、フロントガラスから見える白と水色の服を着た方々は中國政府が派遣した「聖火防衛隊」です。彼らは聖火がバスに入れば、自分たちも一緒にバスに乗り込み、聖歌がフランスびとランナーの手に携えられるとそのランナーの両脇を彼らが囲み、その彼らの外をフランスのCRSCompagnie républicaine de sécurité、警視庁機動隊のような組織)、更にその外郭を水色の運動着姿の消防隊員が随走する形でした。中國から派遣された「聖火防衛隊」のみんなたちって実はナニモノ?人民解放軍兵士?
というか、ここはフランスなのにフランスを信じられないから聖火の周りをMade in 中國で固めたのでしょうか?フランスの警察組織やら軍部も馬鹿にされたものだなあ、と正直思いました。この日のために警察、機動隊、憲兵隊、消防隊など約3000人を動員したフランスです。昨晩、France2 の20時のニュウスに登場したベルナール・ラポルト Bernard Laporte 氏(現スポーツ大臣、ラグビーナショナルチームの元監督)の話によれば聖火をバスに納める、路上に出すなど全て中國サマが判断し、おフランスに命じていたとのこと。中國さまにしてみればコミュニスト國でないフランスなんか「根こそぎ信じられない」からこういう手段を選んだと主張なさるのでしょうけれど、昨日、聖火のまわりは「ソコは中國」だったことになります。まるで「動く大使館」だな、治外法権。10日に同じことを次のサン・フランシスコでも実行するのでしょうか。米軍相手に。
まあ、ご覧あそばせ。昨日のパリの様子。
La flamme olympique fortement chahutée à Paris@TF1
http://videos.tf1.fr/infos/media/jt/0,,3809774,00-flamme-olympique-fortement-chahutee-paris-.html
偉そうですね~、中國聖火防衛隊。
このニュウスの中で中國国内でこの事実について最小限にしか報道されていないこと、独善歪曲していることも伝えられています。

私としては昨日7日放映されたC' dans l'air というナマ討論番組の中で、コメンテーターのひとりである上海出身のパリ在住中國人特派員が「中華人民共和国には宗教がない。だから本物のライック(laïque、フランスではこの語で「世俗信者」をさすが、「宗教から独立したヒト」という意もあり、中國が言うライックは後者にあたる)はわれわれ中華人民共和国民なんだ」という断言に虫唾が走りましたけれどね。よく言うよ。脳みそが洗われちゃうとこういう発言するし、こういう人々が皇帝サルコぢの御世になって擁護されているのもおかしいよ。
その番組の様子はこちら(↓)。レポートビデオ共々内容濃いです。
Paris sans flamme
http://www.france5.fr/c-dans-l-air/index-fr.php?page=resume&id_article=2693
中國さまはパリでの聖火リレーは倫敦以上に恥辱だとお話なさっていると漏れ伺いました。
La voix des Sports.com というサイトで昨日の聖火リレーについて"Le chemin de croix de la flamme olympique"、すなわち「聖火の十字架の道行き」というタイトルで記事を掲載したのは言い得てますね。聖火はサン・フランシスコへ。

チベット難民とフランスの関係についてはこの件とはまた別(フランスにおいては今更騒いでいることではない)なので、また今度。

le 8 avril 2008, Constance
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by ma_cocotte | 2008-04-08 18:33 | どろりんぴっく2008北京 | Comments(18)
Commented by LYS at 2008-04-08 20:08 x
ルモンドによると、チャイナ様はフランス国の警備にたいそうお怒りで、フランス警視庁を非難してるようです。滞仏チャイナ留学生がまるっきり祖国の代弁者となり欧米メディアに挑戦的な発言をしていることが印象に残りました。言論の自由をはじめとする人権尊重を中共政府に認めさせるチャンスだと思うのですが、今のところフランスに対する憎しみを増大させていると感じました。聖火リレーの折に、「シナ人はシナに帰れ」と言われたと言ってました。フランス人のシナ人に対する感情は良くないのでしょうか?ブログに残されたシナ人のコメントは確かに中共政府の代弁者でむかついたけど、フランス語はりっぱでした。
Commented by lakeforest at 2008-04-08 22:18
lakeforestです。
日本でも大変な様子が報道されました。聖火の十字架の道行きですか・・。オリンピアから聖パウロの街、ロンドン・パリの元ガリア人地区、聖フランシスコ、良い空気(ブエノスアイレス)の街などを通って、火種を西蔵に保存したたまま聖母峰(チョモランマ)に登るようですねぇ。「調和の取れた旅」というコンセプトだそうですが、挑戦日報によると「和解の旅」と名づけられているとか・・そして本物のライックが13億人もいるとは、あな怖ろしゃ~です。祈りませう。
Commented by ma_cocotte at 2008-04-08 23:52
❒ LYS さま、この問題、難しいですよね。
というのも、言論や信仰の自由を中國に認めさせることと、ダライ・ラマ師が
求めていることは必ずしも一致しないし、抜本的に言論や信仰の自由を
右だろうが左だろうが団体主義に求めたところで受け入れてもらえません。

サルコぢさまは原子力発電所や飛行機もろもろの商取引の時のお約束
で今更、開会式欠席が皇帝サマ個人的には難しいらしいです。
言わんこっちゃないんですけど。

フランスにおける中国人不法滞在者問題は既にずーっとくすぶっている
ことで、テレビなどは定期的に彼らの不正行為ドキュメントを定期的に
放映していますよ。中國を盲目贔屓するサルコぢ閣下のおかげで居心地
良くしていることになると思いますけれど。ほんと、サルの公私混同に
よる功罪がまたひとつです。
Commented by ma_cocotte at 2008-04-09 00:03
❒lakeforestさま、
フランスの新聞見出しはとても文学的だったりします。昨日の一件で
パリ市をカオス、移動する聖火を十字架の道行に譬えたのはヒットだと
私は思いました。まあ、中國という援護が聖火にあり、クライマックスで
バスに乗せて保護してもらった聖火はイエズスさまより救われているかも
しれませんが。
昨日の件を傍観した限りは「和解」というより「不信の旅」に見えました。
互いの不信がカオスになっているとしか思えません。中國サマは倫敦
にも増して巴里にご不満だそうです。
「宗教が国土にない」ことが「本物のライック民」という主張には顎が外れ
そうになりました。あな、おそろし、よよよ。
Commented by LYS at 2008-04-09 01:48 x
質問です。サルコジは移民に厳しい政策を取ると単純に認識していたのですが、シナ人をひいきにしていると言うのは具体的にどのようなことをさしているのですか?

まさかシナから注文がたくさんあったから、シナ人の不法滞在を多めに見ると言うことでは無いと思うのですが。

シラクはアメリカに真っ向から逆らったためシナとなんとしてもいい関係を作らなければいけない状況にあったけどサルコジはそのような足枷が無いからシナに対してはシラクよりは媚びないですむきがしますが。

シナ大陸に棲息するライック民も独裁政権と同じテンションでオフランスには相当怒ってるようなので、成り行きによってはシナの報復があるかもしれません。滞仏シナ人もコメントで「俺たちを怒らせら、それを知ったシナの同胞もただではおかないからな、覚えておけ」と捨て台詞を吐いてました。
Commented by ma_cocotte at 2008-04-09 04:31
❒LYS さま、
移民政策は横ヒト並べで語れません。第一に対国の信用程度が
ありますよね。他には旧植民地など他国とは違う条件の国も多々あります。
現在の中國の信用程度はフランスではサルコの就任を境に急上昇だと
思います。

シラク氏が大の日本贔屓だったことは誰もが知ることで、サルコぢが内相
時代から中国を訪問し、日本の悪口を不用に言い、中国を褒め称えていたこと
も誰もが知ることです。中国人の不法滞在や不法就労についてはサルコぢ
のおかげで甘くなったと思います。彼、内相だったから。だから、マスコミが
告発ドキュメント番組を繰り返し流していたでしょうに、最近は大金持ちの
中国人はフランスの一番のお客さまみたいな番組ばかりです。

「中國は真のライック」という表現は爆笑ですよね。
彼らは毛沢東教の信者ではありませんか。何が「真の政教分離国家」だ、
とついうっかり思っちゃいます。
Commented by rice_shower at 2008-04-09 08:02 x
サルコぢは熟慮を経ずに、開会式ボイコットを口走ってしまったのかも知れませんが、この影響は大きかった。 皇帝就任後、初めて世界からpositiveな評価を受けたのではないか。
ただ、私は彼が“あらぬ事”を口走ってしまったのは、その少し前の米ペロシ下院議長のダラムサラ訪問が切っ掛けだったと推測しています。 フランスの“売りである”人権を、アメリカに持って行かれては、と脊髄反射したのではないか。
いずれにせよ、この問題に対する今後の仏米英の対応は見物です。
Commented by ma_cocotte at 2008-04-09 16:20
❒rice_showerさま、う~~~ん。
サルコぢのボイコット発言の前に、クシュネ外相のボイコットの意向を
一度サルコぢがそれを撤回させた後、ラマ・ヤドゥ嬢の発言あった。
この流れが大切です。ポジティヴな評価は常にベルナール・クシュネ
なんですよ。彼は国境なき医師団の創立者のひとりで、先の大統領
選挙でも有力候補のひとりでした。彼が出ていたら間違いなく彼は大統領
だったと私は思いますけど、なぜか最終候補の二人は外交音痴の二人。
失笑でしたね。
今回の件も、上で紹介したC dans l'air の中でもし外相でなかったら
クシュネはもっと明確な行動を起こしていたのに、という発言があります。
私もそう思います。一度、サルコぢにねじ伏せられて発言を撤回させられた
クシュネ。
サルコに人権問題が語れる?
ちゃんちゃらおかしいですね。素の彼が語れるわけがない。
私たちが期待するのは彼ではなく、彼のブレインズです。
Commented at 2008-04-09 20:12 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by siojake at 2008-04-09 22:09 x
しばらくぶりでございます。
ペロシ女史はがっつり米ナンバー3の座におりますし、昨日はブッシュの開会式についてもご意見述べてた様で、我らが皇帝閣下はヒジョーに悩ましい状態であらせられますのでせうか(笑)
どっちにつくのがいいのかな~おせーてカルラちゃん、ってか。

リレーの沿道の風景でフランスらしさを感じたのは、国民議会の議員さん有志。横断幕と共に例の黒旗とチベット旗を議会脇の石垣?の上から振って、正面に居るプロ・中国さんズにもガン飛ばしてて。
それから、市役所にメッセージ張ったドラちゃん達も。
人権にかかわる問題が起こると特に西洋人がビキッと起こす脊髄反応って、中国さんには想像の範疇外にあるのでしょうね。
Commented by ma_cocotte at 2008-04-10 02:39
❒鍵@09/04/08 20H12 さま、まさに同じ思いです。
私にとって母は永遠ですが、同じ大地の上にいない寂しさは日々増しています。
私の場合、母は私に何もさせてくれず、帰天しても尚、母が至らない私の
代わりにいろいろしてくれているような状態です(脳を献体したり、洋服を
寄付したり)。凡な私がこれからできることは何なのだろう?と考え始めた
ところでもあります。
温かい言葉をありがとうございました。互いに祈り、共に前進しましょう。
Commented by ma_cocotte at 2008-04-10 02:47
❒siojakeさま、おひさしぶりです。
この一か月を振り返ると、やっぱクシュネの大統領姿を拝みたかったですね。
下手にサルコぢの下で外相職なんぞにあると、クシュネの本来の良さが
曇ります。まあ、邪魔な野郎は残らず曇らせるのがサルコぢの目的なん
でしょうけれど。
サルコの本心は中國サマと共にあると思います。あれほど開会式出席の
喜びを大アピールしたのに想定外の事件発生。天誅。

パリではノートルダムからも黒い旗が掲げられましたよね。
あれはまさか司祭団ではないと思うのですが・・・司祭団だったりして?
Commented by siojake at 2008-04-10 20:10 x
少なくとも「黙認」はされたのかと。
だって、どまん真ん中に掲げられてたし、国境無き記者団の代表さんは
聖堂前広場に陣取ってて「パリの代表的モニュメント二つに掲げた」のを
強調してましたもん。

parisianの映像見ましたでしょうか?
http://videos.leparisien.fr/video/iLyROoafYM23.html
他で見た映像では、議員さんたちの立つ石垣下にはチベットな方々が
居たのを警察が排除していたんですよ。
Commented by ma_cocotte at 2008-04-11 01:25
❒ siojakeさま、
そうそう、警察(=内務省)は反チベット行動でしたね。
さっぱり理解できないのがチベット国旗を隠さねばならない理由です。
フランスなのに。中國さまの希望を受け入れた形でしょうか。

サルコぢ本人は自分の舞台を邪魔されて内心はむっちゃくちゃムカついて
いるでしょうね。あの出席条件は彼が考えたものではないと私は思います。
一度はクシュネをねじ伏せた事実を私は忘れませんぞ。
Commented by anbai at 2008-04-14 13:34 x
旅行疲れでごあいさつ遅れまして。TB承認、ありがとうございました。

チベット関連、このところ情報が錯綜しておりますが、実際に聖火レースのあった現地の情報を伝えていただいているということで、いろいろな方に読んで頂きたいな、と思いまして。ちょっとスタンス的にいろんな方がこの問題に関心を持ち、関連ブログ記事をご覧だろうと思いますので。
聖火ランナーの方々もこんなことに巻き込まれるのは心外だろうなあ、と思います。何しろ中国さま派遣のボディーガード集団にも囲まれ、自分の国を走った心地がしなかっただろうし、悪いこともしてないのに隠れなきゃならなかったのだから。

だけど、あの中国さま派遣団体の存在は日本のニュース番組でもこれはどうか…と言われてましたし、日本には来ないでほしいかなあ。主張はいいが、過激なのは日本では受け入れられんと思うし…。
Commented at 2008-04-14 14:35 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ma_cocotte at 2008-04-14 15:56
❒ anbai さま、長旅、お疲れさまでした。
まだうすら寒い季節かもしれないので心身追いつかないこともあります。
どうぞご自愛くださいませ。

そして、TB、どうもありがとうございました。

パリでの聖火リレーから一週間経ちましたが、この件はまだフランスでは
熱く語られていたりもします。私事でブログから離れていた数週間で
チベット問題が大きく取り上げられており、私も傍観を書きたいので、
現在、熟考中です。
今朝も聖火リレーの様子がニュウスで放映されていましたが、聖火台に
火を移す時さえ、中國から派遣された防衛隊が台の周りを囲んでしまう。
あれは違和感がありますね。
聖火は誰のものなのだろう?というのが素朴な疑問です。
Commented by ma_cocotte at 2008-04-14 16:05
❒ 鍵@14H35 14/04/08さまとお友達で良かったです。(^_^)
後ほど~ヾ(T▽T)ノ゙ ヾ(T▽T)ノ゙
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