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私、あなたを、信じてる。 Je crois en toi
一週間は過ぎたと思います。
テレビをつけているとコマーシャルのたびにスピーカからガ・・・、いや、子供が、
しゅくろおんとわっっ! Je crois en toi!
と、けたたま、いや、かわいらしい元気な声が 3度続けて 聞こえてくるようになりました。この声を聞いていると、自分が子供の頃、ベッドの上でぴょんぴょん跳ねながら、ウルトラマンのまねをして「しゅわぁああっちっっ!」と飛び降りたり、タイガーマスクやら柔道一直線のまねをして「りゃぁあああ!」と転げまわっていたことを思い出したりしますが(ピアノの鍵盤に乗って「猫踏んじゃった」を演奏しようとは思わなかった>私の場合)、そのお子達の声に誘われてテレビ画面に向き合うと、
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このお子たちのうち3人が次々と現れて、しゅくろおんとわっっ!と言いながら、自分に向かって指差すんですね。
よろしかったら、こちら(↓)をクリック。



よそさまを指さすのではありませんっっ!ヽ(`Д´)ノ という亡き母の声と厳しい顔つきも思い出したりしましたが、画面でかわいい笑顔の子供と目があい、自分に向かって指さされ問いかけられるととドキっとしないでもありません。

このコマーシャル、スクゥル・カトリック Secours Catholique という団体によるものです。この団体名だと日本びとにはピンと来ませんが、カリタス・インターナショナル Caritas International のフランス国内での名称と説明すれば「あー」と点と点がつながって天になるかと思います(嘘?本当?。
フランスで生活を始めて2循もすると、この手のCMを見て「ああ、その季節が今年も来たのね」と思うようになったりします。この季節というのは「共和国民から浄財を集める季節」です。それがいつかというと基本は年2回、クリスマス前の一ヶ月である待降節と復活祭前の一ヶ月である四旬節です。この間にテレビ番組で長時間チャリティーショウが放映されるのもお決まりと言って良いでしょう。

それにしても、今年のCMですが、通には面白いです。
なぜなら子供たちが自分を指差して言う
しゅくろおんとわっっ! Je crois en toi!
ですが、この出だし「Je crois en ~」はカトリックのミサの中で唱える信仰宣言 Credo の出だしです。まさにこの「しゅくろわざん」までを司祭が口にすると続いて参列者がオートマチックに「Un seul Dieu アンスルデュー」とか「Dieu デュウウウ」とブツブツ口にし始めます。「Je crois en un seul Dieu しゅくろわざんあんするでゅう」を日本語に訳すと「私は唯一の神を信じます」なんで、子供たちが画面を通してであれ自分を指さして「しゅくろわおんとわ!」は「私はあなたを信じてるから!」と微塵の疑いもなく言われちゃった気分になってしまいます。指差しすることで「唯一のアナタ」効果はバッチリですよね・・・。おまけに、このCMのしめくくりは子供が3度立て続けに「私はあなたを信じてるから!」と声にしますが、これ、新約聖書の中で「イエズスをあなたは知っているか?」と問われたペトロがそれを否定した途端、鶏が三度鳴いたというエピソードを連想しなくもありません。まあ、こんなことを私が思いついたところで、日本びとにとっちゃどーってことない「たかがアンタの妄想よ」かもしれませんが、103年前までは政教一致国であり、「カトリックの長女国」なんて異名を持っていたおフランスでは神聖皇帝サルコぢ一家が子供に指差されたところで「けっ」とあしらっても、多くの臣民には無垢な子供にこうされれば素直にドキっとしたりもするのです。
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しかも、この一週間であーっと言う間に町中の広告塔にこの4人の子供たちのかわいい人差しポスターが掲示され、先の16日日曜日午前中には教会前をうっかり通ればこのようなものを掴まされてしまったりしました。
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寄付を募る封筒です。テレビに、街頭に、「私はあなたを信じているから!」作戦の攻撃に早くも入ったようです。なぜ「早くも」と書いたのかというと、数年前まではこの手の活動が始まるのは典礼暦における年末「王たるキリスト」という名前が冠された日曜日を過ぎて待降節の入りが明らかになってからでしたが、年々、クリスマスオーナメントやチョコレート、フォワグラ販売がハロウヰンオーナメント販売と交じり合っていくように、浄財収集活動もどんどん前倒しになっているからです。

さて、今回のCM は3種類あり、Famille 家族、Vacances ヴァカンス、Accompagnement Scolaire 授業補習です。お子たちが次々と口々に問題をつぶやき、「私はあなたを信じるからね!」と3度指差す寸前に「もし私達が動かなかったら何にも変わらないのよね」と真にボソっとつぶやくオレンジTシャツのお嬢ちゃん。何にもしないで鼻ほぢっている罪深いおばちゃんにとって、この手のつぶやきは ∑ヾ( ̄0 ̄;ノ ハっ!ドキっ!とさせられ、ハツが痛くなったりしますです。
今の私に何ができるンでしょうか?
きょうはココまでの問いかけでオシマイ。
至るところ、あらゆる手段でかわいい子供たちに助けを求められたところで「今の私に何ができるのか?」というより「今の私は何をするのか?」とあらためて掘り下げて考えてみようと思います。

le 18 novembre 2008, Aude
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by ma_cocotte | 2008-11-18 17:16 | 『秋』 Rien de spécial | Comments(18)
Commented by isaogermany at 2008-11-19 08:28
こんばんは。ご無沙汰しております。
みんなに指さされると、自分が悪い事でもしているかのような錯覚に陥りますね。笑

今、フランスもここ1-2ヶ月で景況感の悪化が激しいと会社のフランス支店の同僚が言ってました。ドイツより数ヶ月先を行っているだけだぜ、といわれちゃいましたが・・・。

こういう状況でも貧しい人達にお金を使える心の余裕が欲しいなあと思うばかりの今日この頃です。
Commented by Lucia at 2008-11-19 08:57 x
昔のキリスト教社会では、「あり余っている物を困っている人に」というのではなく、「貧しい中で皆が他者のことを考えて分かち合う」という精神が生きていたようですが、最近はどうなのでしょうか?
人々は、一度裕福な状態を経験してしまうと、さらにそれを自分の満足のために追求するようになってしまうのでしょうか?
第二次世界大戦直後の社会を知っている人たちは、現在の経済不況さえもまったく比較にならない貧しさを経験してきたわけですが、そんな時にも分かち合いの精神はあったようですが…。
Commented by ma_cocotte at 2008-11-19 17:08
★ isaogermany さま、

そうなのです。街中のポスターも、テレビCMも、子供と目があって、
胸元あたりに指の先が突き刺さってくるかのようです。ご指名に
あずかっちゃったらどうしましょう?ですね。

フランスですがサルコぢの御世になってからの生活の苦しさはどんどん
厳しくなっています。会社益に景気が見えたらもうドン詰りまで時間の
問題だと思います。が、こんなことサルコぢの国際観音痴から眺めれば
わかりきっていたことです。というか、だからといってセゴ姐が国母陛下に
なったところで同じだったでしょう。
来週からクリスマスまではこれまでの日常のうち何かひとつ我慢して
「捧げる」のだそうですよ。
Commented by ma_cocotte at 2008-11-19 17:30
★ Lucia さま、
フランスでは生活の中であり余りを感じている国民は3割満たないと思います。
多くの共和国民が何らかの補助金の恩恵を国からもらっています。
日曜日やシャバートで美味しい食事を家族とるにしても残り6日間で節制し、
その日の食料を買った時にもらったつり銭を日曜日に朝市や教会周辺に
たむろする物乞いに手渡しています。そういう物乞いが午後になって
カフェで優雅にくつろいでいるのを見ると、このところの物価高でカフェに
さえ気軽に入れなくなった立場では矛盾を感じたりもしますが。

続きます。
Commented by ma_cocotte at 2008-11-19 17:32
★ 以前、学生寮におりましたが、アメリカ経由でフランスに留学してきた
複数の日本人が出された食べ物を半分食べて捨てる、飲み物も同様に
半分ほど飲んで捨てていました。ゴミ箱に捨ててしまうので拾えません。
こういう作法は彼女たちの言い分では当然で、例えば野球場に行き、
ポップコーンも半分食べたらゴミ箱にポイ!だそうです。フランスでは
それは非常識だし相手に失礼に当たると話したら、「フランスは貧乏で
ケチだ」と。しばらくして寮に激怒して途中退寮なさいました。
国益世界第二位の日本から見たら自分より裕福なのは米国だけです。
他の百数十か国のどこに行っても贅の面では不満を感じるでしょう。
こういうことを言って寄生国に集う人々に刺激を与えるなら彼女らが自ら
退散したのは彼女を中心とすれば互いに平和でしょうね。
Commented by しぇリ~ at 2008-11-19 19:53 x
あの。。まじめなお話ではなくて申し訳ないのですが。。。

右上のお写真がとても気になります。
私も、私も。。。して欲しいわ♪
なんとかわいらしいおベロなのでしょうか?ぐふっ。
Commented by ma_cocotte at 2008-11-19 21:32
★ しぇリ~さま、

ははは、偶然撮れました。
彼女は毛繕いが好きなのに決して毛玉を吐かない良い猫なのです。
思うに一度、野良経験した猫の内臓は丈夫のようですね。
Commented by ぽこぺん at 2008-11-20 00:07 x
こんばんは。おひさしぶりです。
2005年の11月に初めてコメントさせて頂いて以来です。
あ、探さなくていいですよ。自分でも探すのに手間取りました(笑)。
ずっと楽しませて頂いてます。

「あり余っている物を困っている人に」というのではなく、「貧しい中で皆が他者のことを考えて分かち合う」

いい言葉ですね(本文からじゃなくてごめんなさい)。
私は母から「お弁当箱の蓋についたごはんつぶもきちんと食べなさい」と言われて育ちました。それが当然だと思っていたのですが、それを「意地汚い」と言う人に出っくわしました(笑)。食べ方を観察すると、お茶碗にいっぱいごはんつぶがくっついてて汚いのなんのって・・・。
家庭の方針なのはわかりますが、やっぱり受け入れられない・・・。
本文と関係ないコメントですみません・・・。
Commented by ma_cocotte at 2008-11-20 02:10
★ ぽこぺんさま、おひさしぶりです。

待降節や四旬節は「よき日」を迎えるからこその節制でもあるそうです。
日常から何かひとつ我慢することだけでも、その我慢を他者のために
差し上げることができるとでも申しましょうか。自分の日常をまったく変えずに
日常のプラスアルファの、しかもそのアルファの数分のいくつかを差し出す
のではなかったりしますね。

フランスの庶民はおかずをきれいに食べ終わったお皿を更にちぎった
パンでぬぐって食べますし、一度作った料理は食べつくすまで何日も
食べ続けたりします。その習慣を意地汚いとかケチとか貧乏だと言われた
としても習慣ですからそう簡単に従ったり直したりできないでしょうね。
よその玄関の方から家の中の作法をいろいろ言われるのも同様だと
私は思います。
Commented by Lucia at 2008-11-20 09:10 x
日本でも昨今は財政状態は良くないというニュースが流れ、デパートの売り上げが下降傾向をたどると言われていますから、状況は多少変わってきているのかも知れませんが、学生たちのコンパは相変わらず盛況のようです。私が参加した時に、皆でたくさんの物を注文しては残していたので、下宿生に持ち帰らせることにし、また私の研究室が担当になった時には、人数分の6割分で内容を良くするという提案をしたところ大成功でした。
戦後の何もない時代に育った私としては、お米を洗う時に一粒落ちても拾っていたのが未だに癖になっているので、ぽこぺんさんのお母様と似ているのかも知れません。でも、お百姓さんが苦労して作ってくださるもの、調理師さん、あるいはご家庭のどなたかが心をこめて作ったお料理を大切にする精神は、子供たちに教えていただきたいですね。
一日に一回の食事さえ満足にできない子供たちが世界にはたくさんいるのですから。それに贅沢に慣れ過ぎると、美味しい物を頂いても感動が薄くなるし、何もない時代になったら生き延びられないかも。
Commented at 2008-11-20 10:47 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2008-11-20 13:32 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ma_cocotte at 2008-11-20 18:28
★ Lucia さま、
百貨店のあり方も21世紀に入ってかわりつつあるのかもしれませんね。
食料品や期間限定の全国名産店は今もごった返す勢いですが、他の
部門は売り上げが落ち込んでいるとか。私なんぞは一度、デパートの
建物に入ってしまえばなんでも買えて便利とかつては考えていました。
東京だと主要デパートは地下道でつながっており、雨の日などは濡れず
に入れた。が、きょうび私のような考えは前世紀の遺物なのかもしれません。

日本の大学生の生活スタイルも欧州の大学生には追いつききれない
感覚かもしれません。パリでは一部の富裕家庭の子女がアメリカ資本の
チェーン店の常連になったりしているようですが、日本と異なり登録料と
教科書代だけで入学できるフランスでもまだ10万円にも満たない年間
登録料に奨学金申請し、教科書を買わずにコピーで済ます子がかなり
います。寮の登録も大変ですが、こういう彼らの生活スタイルを日本の
学生がどう捉え応用してくれるかも期待したいところですね。

続きます。
Commented by ma_cocotte at 2008-11-20 18:28
★ 食べ物を半分しか食べずに捨てることがアメリカでやってるから「正しい」、
だから自分もマネをするという言い分は私ゃ納得できません。
アメリカ=正義という考えは何か違うと常々疑問に思っていることでもあります。
なんか最近「結果」「結論」だけ同じなら中身を見ない人が増えている
のではないでしょうか。確かに安直で楽ですが、自分はそうならないように
気をつけなければ。
Commented by ma_cocotte at 2008-11-20 18:30
★ 鍵10H47@201108 さま、
恐縮でございます。後ほどご連絡申し上げますね。
Commented by ma_cocotte at 2008-11-20 18:31
★ 鍵13H32@201108 さま、
以前頂戴したものと同じ内容でした。ご安心くださいませ。
Commented by ぽこぺん at 2008-11-20 21:47 x
こんばんは。
Luciaさん、レスありがとうございます。
外食したときの食べ残し、本当に気になります。
お皿に一口程度残っていたら、皆遠慮して箸をつけません。
(もしかしたら遠慮じゃなくて最後に手をつけるなんて浅ましいと思ってるのかも・・・)
料理を「おいしい」と言えば、「この程度でおいしいの?」って言う人もいます。
日本人は「食べること」に対して何を求めているのでしょう?自己顕示でもしたいのでしょうか?

ちなみに私の勤務先は社員数が少ないため、同じビルのテナントが集まって忘年会をします。宴会の終わり頃には座敷の隅にそれぞれ好き勝手に集っているので、デザートが配られても気付きません。甘いものが好きな人は、食べないだろうと思われる人の分も勝手に頂いてます(笑)。

ma_cocotteさんのブログ、大好きです。
物事を客観的に眺めることのできる冷静な方と感じますが、いかがでしょう?
Commented by ma_cocotte at 2008-11-21 04:45
★ ぽこぺんさま、ありがとうございます。
ご指摘の点、普段から心がけていることです。図星ですけれど、もっと
もっと客観的に眺めるためには対象を愛し愛するほど知らないと真の
納得には至らないのかな、と思ったりしています。

「美味しい」という感覚くらい分かち合うのが難しい感覚はないかも。
私が美味しいと信じていたものを届けて「私の口には合わない」と
返答が来た時のショックを私は経験したことがあります。ですから
同じものを口にして「美味しいね」と微笑み合えたら感謝ですよ。

今は家庭で料理を冷凍保存できますし、回毎に具をひとつずつ加えたり、
ハーブを足したり、付け合せを変えることで同じ料理が元なのに違う
ように勘違いできたりしますよね。トマト味の料理の余り物にはカレー粉
やクミンを加えるだけでも世界旅行できます。ラタトゥイユも煮返しの
時にエストラゴンを加えて焼いた鶏腿を添えたらバスク風になります。
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