<< ご慶事が重なって、 別に信じてくれなくても。 >>
築いたお城が「砂の城」であろうと、
この週末は金曜夜から毎年末恒例のチャリティ番組「テレトン Téléthon 2008」が国営放送フランステレヴィヂョン France Télévisionsで放映され、その番組の中で土曜夜9時頃から始まった歌謡ショウには神聖皇帝 ニコラ・サルコぢ一世の妃であるカルラ・ブルニも登場したのでありました。一方、裏番組ですが、民放の雄TF1 ではこれまた毎年恒例、テレトンの裏番は必ずコレ!のミス・フランス全国大会 Election de Miss France 2009 が放映されました。まったく趣旨が正反対のような国営放送vs民放の雄がプレゼントする番組のようでもありますが、例年、ミス・フランスに選ばれた方が賞金の何割かをテレトンに寄付するというのも常だったりします。

さて、こちら。
昨晩、いえ、正確には12月7日日曜午前0時過ぎに選ばれたミス・フランス2009です。
b0070127_21271343.jpg
クロエ・モルト Chloé Mortaud さん、19歳。お察しのとおり、アルビヂョワ・ミディピレネ代表 Miss Albigeois-Midi-Pyrénées です。
第62代ミス・フランスとして戴冠直後のクロエちゃん。かわいいです。
b0070127_2130406.jpg
日本國に比べたら快楽的娯楽の少ないおフランスという国では21世紀から8年経っても、ミス・フランス選出大会の生中継は驚異的視聴率を誇っており、昨晩も約八千百万人がこの番組を観戦(!?)したそうです。裏番組のテレトンで国母陛下がギタア片手に歌唱してもフランス共和国全土から終結した36名の「おらが郷土を代表する美女の見定め大会」には太刀打ちできません。カルラちゃんだってちょっと前まではブイブイのスゥパアモデールだったのに、ダメダメねー。

ガイジンの私にとって、今年のミス・フランス選出大会はちょっとこれまでより興味がありました。というのも、審査委員のひとりが高田賢三氏だったのです。制服を脱いだ直後からKENZO の服をたまに着ていた私でもあるので、高田氏が関わる選考会でどういう女性が栄冠と戴くのか興味がありました。今年の審査委員は高田賢三氏だけでなく私には興味ある人物ばかりで、審査委員長はあまりにも「かわい奇麗」な女優リヌ・ルノ Line Renaud だったし、日本國でも知られる映画監督パトリス・ルコント Patrice Leconte 氏もいました。そして、私のムフフ的ツボにはまる俳優ブノワ・プゥルヴォルドゥ Benoît Poelvoorde 氏が数週間前に自ら希望して入院した精神科病棟から出てきてミス・フランス選考委員として何を言い出すのか楽しみでしょーがありませんでした。ついでに、選考会が開催された場所もココんちから遠くはないヴァンデ県にあるル・ピュイ・デュ・フ Le Puy du Fou という大人の私達が中世時代のコスプレを堂々と楽しめる遊園地でした。ハァハァ。

この ミス・フランス選考会 ですが、番組内容は至極単純クラシックでして、海外領土海外県を含むフランス共和国全土の全36地方からその年のナンバーワン美女を集め、テレトンの裏番組となる土曜夜9時からシンデレラが元の姿に戻ってしまう鐘が鳴る数分後まで絢爛豪華きらびやかな非日常の世界がテレビ画面から繰り広げられます。全国土から美女を集めるなんて銀座の裏道の某老舗キャバレーのごとくであります。番組開始直後から男性陣は瞬きを惜しみつつ、目を大きく見開きながら画面を凝視です。36名の美女は午後11時手前には12名にしぼられ、その30分後には5名にしぼられます。今年は例年予選落ちのココんち地元の女子が12名に残りました。こりゃ、行けるかなーと思うほどかわいい女子でしたが、残念ながら最終の5名には残れませんでした。12名になったあたりから、画面手前の誰もがいっそう真剣に予想を始めますが、私はなんとなくココんちが含有される地方の女子と、今年はルルド・イヤーなのでミディ・ピレネちゃんを贔屓にしていたのです。ココんちの仏蘭西びと♂はメロンが二個胸でありながら化学専攻高等教員の卵であるミス・ロレーヌ Miss Lorraine に注目していたようです。 36名のミスから12名にしぼるための最終ショウは水着でしたが、なんか仏蘭西の水着の胸部分にはパットが入っていることはありませんから、胸やらお腹、お尻のたわわ加減が露にもなります。この日の本番のために2週間前から全員が現地で合宿し、スパルタに踊りや歩行もドレサーヂュされたことも番組内で紹介されましたが、やはり水着審査では歩き方も目立ちます。中間審査で残った12名が5名にしぼられる時点で再び別の水着による審査でしたが、なんとなくお腹が仮面ライダー様に割れているミディ・ピレネちゃんが行けるンぢゃないか、という予感を私は持ちました。
最終審査に残った5名のうち3名は肌が褐色の女性であり、美しいドレスに着替えての最終アピールでは褐色美女三名がそれぞれの出自をアピールするような内容も含まれていましたが、ミディ・ピレネちゃんが「私はご覧のとおりインターナシオナルです」と出自さえ定められない自分のアイデンティティをアピールしたこと、私にはインパクトが強かったです。彼女のこの発言で思い返したのが、この女性が醸し出す何かがハワイ美女に通ずるところでしょうか。新聞記事を眺めますと、どうやらミディ・ピレネちゃんは仏米の二国籍者であり、仏米第三位である海外領土マイヨット代表のエステル・ネ Esthel Née 嬢はチュニジアが出自、私にはインド系に見えた第四位となったブルターニュ代表のビアンカ・タイヤ Bianca Taillard 嬢はマダガスカル出身だそうです(なーるほど)。このビアンカ嬢はミス・フランス大会の主催者であるヂュヌヴィエヴ・ド・フォントネ geneviève de Fontenay が一押しだったそうです。

今年のミス・フランス選出大会ではスキャンダルがあり、それは前年末に選出されたミス・フランス2008が今大会を欠席したことでした。こんなの初めて、なんだそうです。が、こんなことが初めてになる理由は仏蘭西共和国内に住んでいればほとんどの誰もが知るところであります。というのも、今もナマナマしく覚えているのは昨年末の選考会の生中継が終わった次の週末くらいに町中のどこのキオスクやタバックでも以下の下品な写真を掲載する雑誌のポスターが貼られたからです。オエーっな写真なのでわざと小さいのを選んでみました。
b0070127_22183173.jpg
この写真のモデルはミス・フランス2008の栄冠に輝いた海外県レユニオン代表のヴァレリ・ベグ Valérie Bègue 嬢です。このスキャンダルが発覚してから、ヴァレリ側は無許可で過去がバラされたとか訴訟を起こしたし、主催者であるヂュヌヴィエーヴ・ド・フォントネ夫人からは一度、栄冠剥奪宣言もされ、ヴァレリが心からの改心を告白しただのニュウスにもなりました。が、その後の公での展開は la réconciliation という語が飛び交いました。この単語は近年のカトリックで用いられるかつてのConfession (告解)に代わる語で、「赦し(の秘跡)」ですが、マダム・ド・フォントネが剥奪を取り下げたのです。
この写真は昨年末のミス・フランス2008の戴冠式直後ですね。
b0070127_2227853.jpg
Photo par Reuters

ヴァレリの改心を信じ、赦し、栄冠の剥奪を撤回したものの、今日に至るまでヂュヌヴィエヴ・ド・フォントネ夫人の苦悩は続いたままのようです。「もう二度と同席したくない」という彼女の思いと、「あたし、ハリウッドデビュウできるかもしれないンです」とロスアンジェルスから数分だけ生出演したヴァレリ。このヴァレリへの扱いに批判もかなりあるらしいですが、これまでこのヂュヌヴィエヴという女性(苗字はドつきですが、これは芸名)が決して垢抜けきっていない女子を選び、誰もが目を見張るほどの美女に作り上げ、その一方で美女を伴って仏蘭西共和国全土を巡業し、娯楽のない仏蘭西の老若男女に非日常の数時間を与え、福祉やら慈善活動にも積極参加しているという一年タームの繰り返しを、こうして70台半ばになっても続けているのです。調べに調べ抜いたとは言え、戴冠後に新しい女王について万民が好ましく思うのに難しい過去が暴かれたことでマダム・ド・フォントネが築いて来たものが大波に飲まれた砂の城のごとく彼女の心の中で崩れてしまったのでしょう。世間では過去を赦せる、赦せないだの、選ばれたのが事実なんだからどんな過去でもどーでもいいぢゃないな発言も飛び交いましたが、マダム・ド・フォントネ夫人の喪失感を私は同情できなくもありません。

数年前にもミス・フランスに選ばれながら一年後のお役御免になってまもなくヌードを披露したことでマダム・ド・フォントネの怒りを買ったソニア・ロラン Sonia Rolland 嬢やら、政治家芸能人となったことでマダム・ド・フォントネと距離が限りなく遠くなってしまったミス・フランス&ミス・欧州のエロディ・ゴッサン Elodie Gossuin 嬢なんてのも知られるところですが、現在問題進行形のヴァレリちゃんの言動にしろ「もらったのものはこっちのもの。もらったんだから何を言ってもいいでしょ」と自らに名誉箔を塗ってくれた団体やら人に下克上的強い態度を取れるのも現代っ子だからこそなのでしょうか?

今回先週されたミディ・ピレネちゃんにおかれましては謙虚であってくださいね。

le 7 décembre 2008, Ambroise

【追 記】 
* 翌日7日13時のニュウスより。なんだか、感動。
Concours : Voici la nouvelle Miss France 2009

*ミディ・ピレネちゃんの故郷がすこぶるド田舎なのでヴぃっくり
Miss France 2009 : Chloé Mortaud fait la fierté de son village
[PR]
by ma_cocotte | 2008-12-07 21:38 | 『?』な、お!?仏蘭西 | Comments(5)
Commented by DK2004 at 2008-12-08 18:13 x
 私もこの番組を拝見しておりました。われらがオーベルニュ代表は地域性同様やっぱり垢抜けない印象で、早々に落選。最終5人ではマイヨット代表が良いなあと思っておりましたが、髪をアップにすると映えず、ブルーのドレスもいまひとつ似合わず、残念でした。
 日本ではミスコンのテレビ放映が打ち切られて久しく、確か女性団体などからの批判が原因だったように思います。男女同権がより進んでいるここフランスで、ミスコンがこれだけ華やかに開催され続けているのは興味深いですね。
Commented by ma_cocotte at 2008-12-08 18:45
★ DK2004さま、おお、そうでしたか。
我が地元も毎度予選敗退ですが、今年は奇跡的に一次審査に残りました。
結構、かわいい子だったのになあ。

マイヨット代表の女性はボルドーのSciance Po の学生だとおっしゃって
いましたよね。凄い印籠を出したものだー、と思いましたが、ココんちの
仏蘭西びと♂もマイヨットちゃんを第二贔屓にしていました。
思うに女性らしい体型とそうでない体型に二分され、選ばれたミディ・ピレネ
ちゃんは性別を超えているのに愛らしいというか、天使みたいですね。

仏蘭西ですが、男女同権とは言え、男女共にもらったものを生かしている
と思いませんか?ココんちの仏蘭西びと♂などは禿も胸毛もろもろも肯定
しますが、自分で眉や無駄毛を始末することには激しく抵抗します。
日仏の考え方の違いは心理的な問題でしょうか?
Commented by siojake at 2008-12-09 03:55 x
見てました。今年もしっかり。
ウチの連れは思いっきりうぶな子を選んだのか…とやや脱力。ごひいきに揚げたお嬢さん方が、次々脱落してがっかりしてました(笑)
でも、ミディ・ピレネーちゃんって爽やかでいいなぁ。是非是非ミスの王道を邁進していただきたいものです。
マイヨットちゃんは12人のときのスピーチで会場沸かせてましたよね。

ミス2008が来てない事について、「ジュヌヴィエーヴがそれを望まない」と
はっきり司会者が言ってのけるわ、事の顛末をキッチリ流すわ、と言う展開はフランスらしいなぁ。裁定で譲歩してあげた分のオトシマエはつけてね、って事なのかなと思いました。

一昨年の第二位、聴覚障害者の彼女はどうしてるだろう。是非ミスになって欲しかったけど、彼女にとってはその位置が一番良かったのでしょうね。
Commented by ma_cocotte at 2008-12-09 16:57
★ siojake さま、独善妄想かもしれませんが、高田氏が審査員の年に
ミディ・ピレネちゃんが選ばれたのはなんとなくわかるような気がします。
あの鍛えられた筋肉質の身体などマスキュランなのに顔は少女のごとく
ですよね。ご夫君が「うぶな子」と表現されたこと、納得かも。

マイヨットちゃんは12人の時は開き直ったような冷静さがあったけど、
最終5人に選ばれた途端、極度の緊張感でぎくしゃくしちゃったように
見えました。それが残念だったけれど、近未来の美人代議士として
活躍でしょうか?(どこの政党かが問題だけどさ・・・

続くぅ。
Commented by ma_cocotte at 2008-12-09 16:57
★ そうそう、ヂュヌヴィエーヴさんがどう思っているということですが、この件の
流れはとてもカトにおける赦しの流れに通じているなあ、と思います。が、
赦しきれないマダムの気持も当然であって、どうもヴァレリ側の態度には
良心なんてさらっさらないように見えてなりません。
ミス・フランスについてはやっぱどこか田舎臭い子がどうメタモルフォゼ
するかが共和国民にとって楽しみなんだろうけれど、こんな世の中では
いつまでそれが維持できるのでしょう。自分の出世のための踏み台にするにしろ、
泥の靴で踏みにじる行為はしたくないですよね。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード
<< ご慶事が重なって、 別に信じてくれなくても。 >>