カテゴリ:めらめら仏蘭西2005秋( 14 )
美しき花の都、巴里(パリ)へのこだわり。
先週の降雪以後、厳しい寒さが続いている南仏はプロヴァンス地方です。地中海沿岸でこれほど寒いとなるとアルプス、中央、ピレネー各山脈はもちろんフランス共和国のほとんどの大地が寒波に襲われていると言ってもよいでしょう。先週グルノーブルで凍死者が出て、昨日まですでに6人のSDF(住所不定者)が凍えて亡くなられました。毎晩、警察、憲兵隊、赤十字などがSDFを宿泊施設に移動させるために探し歩いても、どうしても見つけ切れないようです。

■■■■■■十■■■■■■

そんな寒さが続く27日日曜日夜、France 2 で「戦場のピアニスト」が放映されました。2002年カンヌ映画祭でパルムドール(金賞)をもらったこの作品を以前から観たいと思っていたので、3年後こうして地上波で鑑賞できたことはとてもうれしかったです。そういううれしい感情とは裏腹に、映画の内容は第二次大戦時のポーランドでのユダヤ庶民の生活について淡々と描かれていたので、干渉後には考えさせられることが多々ありました。鑑賞後2日経った今も脳味噌やこころに沸く凸凹をできるだけ滑らかにしようという作業が続いています。

■■■■■■十■■■■■■

この映画の舞台は第二次大戦時のポーランドに建設されたゲットー(ユダヤ人居留区)であり、それから60年後、今から1か月前の10月27日夜9時丁度に暴動が勃発したパリ北東部の町も「ゲットー」という表現で当初何度もテレビで流れました。数日後、この言葉はなぜか突然公共電波から消え去り、暴れん坊ズが住む居留区はQuartier difficile (カルチエ・ディフィシル、難しい居留区)という語に変えられました。

映画を眺めていると主人公のユダヤ系ポーランド人ピアニストの生活が変化していく中で、常に重要な要素となっているのは「衣食住」の「住」、次に「食」、三番目に「衣」のように思えました。衣服を雨風にさらさずに済むのも、スープをできるだけ熱いまま食べられるのも、風雪と寒さを凌げるのも、ナチスの目から逃れられるのも、屋根と壁があればこそです。そして彼はピアニストという職でありましたが、戦時中の極限では職も学歴も「衣食住」の後ろに続くものであったことは間違いありません(時には切り札に化しますが)。

■■■■■■十■■■■■■

暴動後の1か月を振り返ると、当初、放火などにあたふたした政府も「外出禁止令」を実行し更に3か月間に延長したことで、いちおう暴動は沈静化したようにも思います。ただ、車への放火が一晩で100台を切ったところでフランスは「ほぼ正常化」を宣言しましたが、日本で一晩に99台の車が放火されたらニュウスになるでありましょう。果たして現在フランス全土において一晩で何台の車が放火され、空き巣強盗が発生しているのかを庶民は報道で知ることができない、というだけです。

「ほぼ正常化」が公表された後、今回の暴動はあらゆる角度から分析が始まっていますが、「仕事がない」という暴れん坊ズやその家族と「支援者」による訴えは
▼アソシエーションの充実化
  例えばボクシング・ジム。マルセイユではすでに実践されており、
  この施設群からオリンピック金メダリストが出ています。
▼役所や警察、消防署での就業経験
が政府から提案され、先週はじめにはフランス国民に最も敬愛される女性No.1のカトリック修道女エンマニュエルさん(Soeur Emmanuelle) がカルチエ・ディフィシルのど真ん中に就労につながる補習校を開校すると宣言しました。今年97歳になるシスターですが、これぞ「Chapeau!(シャポ!脱帽!)」に値する行動力です。が、果たしてラジカルと言っていいイスラム教徒の親を持つ彼らがこのカトリック関連施設に飛び込むか?が明るい前途にさす影でもあります。

■■■■■■十■■■■■■

暴動を起こした理由として「最悪な住環境」を挙げていた暴れん坊さん達ですが、例えば「役所の就業経験」を登録すると、自らの住まいがある地域の清掃作業に派遣されることもあります。高層アパートの共有スペースの清掃や壊された郵便ポストの修繕も。廊下やエレベータのアンモニア臭や壁にこびりついて取れない痰やチューインガムの駆除など経験することで彼らは何かを学び取ることができるでしょうか。どう考えても、カルチエ・ディフィシルの環境の悪さはそこに住む住人のモラルの表れ、自虐行為としか思えません。

暴動直後、フランスのある地方都市の移民用住宅を全壊し再建する作業がテレビで放映されました。これは暴動がきっかけではなく、これまで何度も取り上げられているカルチエ・ディフィシルの再建、再開発のための作業です。

住まいについて今回のパリ近郊暴動で引っかかる点がもうひとつありました。政府が地方都市にカルチエ・ディフィシルの住居群よりより良い共同住宅を作り、パリ近郊の「ゲットー」とまで揶揄された地域に住む人々に引越を促しても、彼らが引越に応じないそうです。パリから西に1時間ほどのノルマンディー地方に建てた新築物件への引越を促しても拒む彼ら。一方で暴動を起こして、自らの住まい周辺を汚してでも「現在の住居への不満」を訴えている彼らです。

引越に応じてもらわないと、サルコが「あそこを一掃して再建する!」と言ったことも具体的に実行できません。日本ではサルコのこの発言が「移民の掃除」として伝えられましたが、実際フランスに住む人々にとっては、あの地区を一度整地して近代住宅を建て、共和国民の誰もが気持ちよく住める理想的な町を再興するのが最善策です。それは日本でも同じことです。21世紀、お江戸の再開発地域はおしゃれさが強調されていますが、古くから江戸を知る人にとっては「おしゃれ」というより「変われば変わるものだなあ」という感慨が先に立つ人だっています。

■■■■■■十■■■■■■

今年の夏、パリ旧市街のド真ん中で火災事故が多発しました。現在アパルトマンとして使用されている19世紀から20世紀にかけての建築物が全焼し、アフリカ系不法移民が多数亡くなりました。これらの歴史的建築物は外見はそのままに内装のみをリフォームしたり、昔からの状態のままで住居や事務所になっていますが、ここ数年、パリ旧市内の古い建築物における上下水道管の粗悪さは問題になっており、相当高額の家賃を払わない限り、パリ旧市内居住を希望する人々には上下水道管のトラブルにつきまとわれる覚悟が必要になっています。1960~70年代の建築物に住むカルチエ・ディフィシルの人々は花の都パリの美しい歴史建築物に単純な憧れを持っています。もし19世紀の一見美しい建物に引越したとしても、上下水道管に技術上衛生上の問題があり、共同スペースでの立小便や壁に痰やツバを吐きかけるのを続ければあっという間にそこは花の都のド真ん中であっても誰も立ち寄らない場所と化すでしょう。

■■■■■■十■■■■■■

確かにパリは美しいのです。
私自身、初めてパリ市内に入った瞬間、凱旋門を目の当たりにしての感動は忘れられません。フランス共和国の首都であるパリは世界に向けて開くショーウィンドウ都市でもあります。多くのフランス人が「世界で一番美しい都はパリだ」と口にします。本当は収入が悪くて海外旅行ができないのに、これを口にして「だから、私はフランスで大満足なのさ」と〆たりします。

今回、暴れたパリ北東部に住むお子たちも彼らの家族も地下鉄やバスに乗ればお気軽簡単に花の都パリに行けるし、日帰りも、数度往復も可能です。この世界一美しい都を気軽に訪問できる魅力は彼らにとっても捨て難く、こうして一度パリに住んでしまうと地方都市への引越は「都落ち」という感覚になってしまうのかもしれません。

世界一の観光収益都市であるパリ市内の家賃はフランス国内ではもちろん一番の高さで、パリの後ろに控える高額家賃都市はニースとエクサンプロヴァンスになります。1999年当時、私はエクサンプロヴァンスの旧市街ど真ん中、Studio (ステュディオ)を約54000円/月で借りていました。19世紀頃の建築物、エレベータを利用できる3階南向きの部屋でした。同じ家賃でもパリだとこの条件と同等を見つけるのは限りなく難しくなります。が、エクスから車で20分も離れると同額の家賃で3DKの部屋を借りることも可能です。

この家賃格差が人によっては心理的に作用して「私は(パリ、ニース、エクスなど)旧市内に住める」という「私はできる」という選民的感覚に変化します。

■■■■■■十■■■■■■

確かに不動産屋さんも外見が美しく歴史ある物件を紹介する時に「ドラマチックな生活ができますよ」とおっしゃいます。そりゃあ、物件を訪ねれば高さ5mはあろう天井と3m近いフランス窓、天井の簗も印象的です。が、床はすでに斜め(住まいによっては平衡感覚を失うほどの斜めです)なのでドアと床の間から冷たい隙間風が入り込む、床と壁の穴からごきぶりや蟻が異常発生することもある、水漏れは当たり前、水道管の流水の音もけたたましい、上の階の住人の足音や椅子を引く音は耳を押さえたくなるほど大きく響く、など難点が多々あります。私は現在1975年建築のアパルトマンに住んでいますが、古いアパルトマンで起こりがちな前述の問題を経験せずに住み続けています。アパルトマンの外見は18、19世紀のものと比べれば何の飾りもないのでシャビーに見えますが、住まい空間の快適さは雲泥の差で近代建築の方がよろしい。不動産屋さんが勧める「クラシックな空間でのドラマチックな生活」は私にとっては一年で十分でした。

私のような経験をしてしまうと、パリ旧市街のクラシックなアパルトマンの法外(暴利とも言える)家賃と不快と言っても過言でない住空間のアンバランスは納得行きませんが、そういう悪条件であっても世界一美しい花の都パリに住みたい、いや、私は住むことができるのだ、と動かないままになってしまう人々も多々居るのです。

■■■■■■十■■■■■■

水道管から出てくる水に不安を覚えるフランス人たちは次々とパリ郊外に引越し、結局、現在のパリ旧市街は何が何でもパリに居続けなければならない理由がある人、パリ市内に建つ何の問題もないアパルトマンの超高額家賃を払える人々が主な住人になりつつあります。テレビに登場するような高額所得の有名人でさえ、郊外の庭付き一戸建てやシャトーを購入しての生活を選んでいるのです。

もしパリから小1時間とは言え地方に引っ越せば、首都であるパリやその近郊の生活より不便になるのは必然です。それでもフランスの地方での生活はパリのように教育格差に悩むこともなく、物価もべらぼうに安い、住人も素朴で親切です。日本國ではしばしばパリジャンの意地悪さが話題になりますが、パリジャンは外国人だけでなくフランスの地方出身者にも意地悪で、パリジャン以外のフランス人はパリジャンにいじめられた経験がある人が多いのです。

暴れん坊さんたちに政府が提案したノルマンディー地方なら長距離バスでもTGV(新幹線)でも1時間ちょいでパリに行けます。私が住む南仏だとパリまで飛行機で1時間半、TGVで3時間強なのでパリに行くのは日帰りも無理ならば、パリに行きたいと欲しても宿泊やら高い物価やらと上京は庶民にとって億劫な条件ばかりです。

他人事ではありますが、カルチエ・ディフィシルの「住空間や教育の悪条件」を口にする暴れん坊さんとその家族は政府が提案する地方都市のアパルトマンへの移住を考えてみてもいいのではないでしょうか。「住めば都」となるかもしれません。これまでパリ市内に住む方々の暴れん坊さん達への印象を見聞していると、どうしても「パリの外環に住む人々」、「普段パリ市内で見ない人々」という固定観念があるように思います。国際波止場と空港を持つとは言え、ショーウィンドウ都市ではないマルセイユの方が「庶民のためのコスモポリタンシティ」としてのバランス取れた感覚は花の都おパリよりはるかに洗練されているように私には思えました。

■■■■■■十■■■■■■

そして1か月前暴動が勃発したパリ郊外のSeine Saint Denis 県のNeuilly-sur-Marne(ヌイイ・シュル・マルヌ)という町でモロッコ系18歳のChahrazad Belayni(シャラザァド、アラビア語系の名前)さんという女性がパキスタン系の男性から申し込まれた交際を断ったために、この男性に公道で火を放たれてしまいました。全身火傷60%のまま2週間経った今も彼女は昏睡状態です。この事件も「普通に見えないフランス人」の男女の恋愛がもつれて発生したものであり、マスコミによってはMachisme (男性の権威主義、欧州ではイスラム教に色濃く残るといわれています)によるものだとはっきり発表しました。火達磨になって燃え続けている彼女を助けたのは「普通に見えるフランス人」の男性であり、27日、日曜日に地元で行われたMarche silencieuse (沈黙の行進)でも生死の境をさまよう彼女のために涙したのは普通に見える、見えないにかかわらず、かつて高校でシャラザァドさんと机を並べたクラスメートたちです。シャラザァドさんを救うためにこうして動く人々の怒りも涙も、人種や出身地に区別されることなく彼らひとりひとりの良心によって表現されたものであります。交際の申し出を断られた男性が女性に火を放ったという行動に抗議するデモの目的にはフランス共和国の第四の標語とも言われるSolidalité(連帯)という語も掲げられました。イスラム型の男尊女卑傾向をフランス共和国をはじめとする欧州各国でどのように扱うのか、というのも移民問題やトルコのEU加盟を踏まえて改めて熟考せねばならない課題でもあるようです。


le 29 novembre 2005, Saturnin
[PR]
by ma_cocotte | 2005-11-29 19:19 | めらめら仏蘭西2005秋 | Comments(57)
暴れん坊は何をしても許される。だって聖人なんだもん♪
フランスから東へ10000km、日出づる國でのロジックを表現するとこのタイトルのごとくでありましょうか。返す言葉もございません。・・・いや、やっぱり返す言葉があります。
馬鹿言ってンぢゃないよー!っときたもんだ。
■■■■■■十■■■■■■

先月27日夜9時丁度に始まったパリ郊外暴動ですが沈静化されているようです。先週、フランスの報道では「一晩で車や公共物への放火が100件を切ったのでこれは平常通りだ」と発表されました。この発表で気づいたのはフランス共和国では一晩で100件未満の放火は平常だ、と言うことでした。世界一の治安国家だった日本國育ちの私としては一晩で車100台放火は戦慄ニュウスなんでありますが。そう思うと日本がパリ郊外暴動についてフランス本国とは的外れな発想と展開で大騒ぎしたのがわかるような気がしました。

■■■■■■十■■■■■■

お気づきかと思いますが、今回の暴動のきっかけは27日夜9時丁度に始まっています。その後、警察の職務質問に返事せずに逃げた未成年者2名がトランスに飛び込んで感電した、と日本では報じられましたが、フランスでの第一報は午後9時丁度にトランスの同時切断が行われた、ということです。実行した人物は3名で、内二名(チュニジア系、マリ系)が感電死、残る一名(トルコ系)は救急で入院し、当初Coma (昏睡)と報道されました。(現在の容態は私は知りません)。

■■■■■■十■■■■■■

何度も書きます。日本國とフランス共和国は違います。これまでも「差別」という語自体、意味がまるで違うと述べましたが、「政教分離」という言葉も日本語にすれば同じでも意味がまったく異なります。どこが異なるのか、と言うと近年、日本における「政教分離」は「宗教否定」を連想します。が、フランスにおける政教分離(laïcité ライシテ)は宗教を否定するものではありません。例えば毎夏シラク大統領が夏休みを取りますが、ニュウスでは大統領夫妻が教会のミサに出席、その後地元民に歓迎されるところまで伝え、これ以降「大統領のプライヴェート」、一切報道されなくなります。他の政治家、芸能人についても経歴には宗教が書かれており、公に「無宗教」という立場は取っていません。

今年は第二次大戦終結から60周年の節目ということもあり、ユダヤ教施設での宗教儀式に政治家が出席することがしばしばあり、テレビでも放映されていますが、自身がユダヤ教徒でなくてもシナゴーグに入る際、頭上にキッパを置く男性が多々います。
「私は無宗教ですからキッパは乗せません」
と言うよりむしろrespect (レスペ、敬意)を重んじて畏敬の念を表現するのがフランスの流儀だと言っても良いでしょう。そうするのも互いに信仰を持つが故の心理かもしれません。日本国内での政治家と宗教についての論争、更にそれが公私混同という論点にまで至っていることはフランスから見ると「ちょっと不思議」です。

■■■■■■十■■■■■■

さて、そんなフランスですがプロトコルを身に着けた高学歴のインテリ層とは程遠い、庶民になりますと不躾、無礼、失敬な人が増えます。そりゃ、ヒエラルヒーに当てはめれれば当然のことでしょう。日本國で好まれるフランスのイメージはヒエラルヒーの頂点を限りなく鋭角にして始まる然程大きくない三角形のように想像します。が、実際のフランスはもっと大きい△三角であり、土台となる底辺がしっかりしていればこそ国家が成り立っている・・・これは「ベルばら」を最後まで読めば誰でも理解できる共和国の原点であります。

でもって、日本國での今回の暴動についての分析ですが、頂点から限りなく小さい三角内に身を置いての足元に幅広く広がる下界を哀れみつつ表現していませんか? 
喩えて言うならば、
ヴェルサイユ宮殿に押し寄せた庶民をバルコニーから見下ろす
マリア・アントニア。
そう、ルイ16世王妃マリ・アントワネット・ジョゼファ・ジャンヌ・ドートリッシュどす。
「パンをくれ!」と主食を庶民が叫び求めたらマリ・アントワネットが
「パンがなければお菓子を食べればよろしいのに。」
とつぶやいたあの名場面。わたくしの頭には漫画ヴァージョンでも宝塚ヴァージョンでも浮かんでしまいますのよ。ほーほほほ。

■■■■■■十■■■■■■

ずばり言えば日本の報道は18世紀当時の王妃のごとく
「世間ズレしてんぢゃないの?」
そりゃあ距離的に10000kmも離れていれば日仏の世間は違うでしょう。でも、延々と日本の世間での常識非常識で記事を伸ばすのは止めた方がいいように思います。報道にもコシが必要です。

話し戻って日本國における政教分離を「宗教否定」につながると仮定しつつ、一連の報道を読んでいると、フランス政府は「悪の権現」、暴れた人々は「悪の権現による圧政」に耐え忍ぶ「清らかな聖人」のように読めてしまいます。なんと言いましょうか、暴れん坊さんたちは「貧しく清らか、ゆえに悪いことなんて決してしません」という読者の思考停止を実はもくろんでいるかのようでもあります。

1905年政教分離法が施行されるまで壱千数百年カトリックを国教としていたフランスの思想ベースのひとつに「原罪を持たない人間はいない」というものがあります。つまり人間ならば誰でも罪を犯しかねない心を持っている、ということです。

今回の暴動のきっかけとなった地域はQuartier Difficile (カルチエ・ディフィシル、難しい地域)と呼ばれています。そこに住む人たちは「聖人ご一行」でしょうか? 
もしそう仮定するならば、それも
フランスでは差別になります
なぜならば、この世に生まれた人間は肌の色が何であれ、どこの国の出身であれ、等しく原罪を持っているのですよ?これはカトリック倫理の根幹であり、政教分離したと言えどフランス国民の多く(70%強)が今もこの思想を心に刻んでいます。

日本國での報道はこの基礎倫理を無視しての表現や解釈をしていませんか?

■■■■■■十■■■■■■

罪科(つみとが)にはいろいろありますが、この暴動については「差別」がキーワードのひとつです。日本で力説される「貧困街の聖人(なぜかイコール暴れん坊)」がご自身で
「僕らはみんな差別されている!差別するから放つんだ!」
と放火やら公共店舗破壊をこれでもかと繰り返し続けましたが、
彼らは差別されるばかりで差別していないの?
という疑問がどうしても私のこころに浮かび上がってしまうのです。私が知る限り、差別していますよ、彼ら。というか、差別できる相手を常に探している人もいます(ヒトです、個人です。決して団体ではありません)。

例えば先日エントリーしたサッカー選手ジダーヌの過去。私には「貧困街の聖人」による差別、区別に思えます。
聖人ならばこういう差別を行っても許されるのでしょうか?
東アジアから来た異邦人の私がわが良心に問いかけると決して許されませんよ、この話。
そして私に「アジア人は私と机を並べないで床を四つん這いになって拭いていればいい!」と言った女性はアルジェリア出身のマグレブ・アラブの女性です。「日本人のくせに中国語もしゃべれない」という愚まで公共のど真ん中で叫んでいましたね、この女性。「普通に見えるフランス人」の方々のアドヴァイスによりますと、こういう例は無知ゆえの罪科と許すのがカトリック的らしいです。
こういう言葉が宙を飛び交いはっきり耳に入った時に、同じ移民でも個々の意見が対立します。そりゃそうでしょう。人間は誰も良心を持っているのですから(これもカトリック倫理)。こういう「一見普通のフランス人」の約7割が持つ倫理ベースを頭に入れてもう一度、このエントリ↓を読むと考えさせられるものがあります。
あなたは公衆で笑われたことがありますか?

ラマダンから8日目の夕方に。
この2つのエントリーでもわかるように、移民を一塊にすることも、イスラム教徒を一塊にすることもできません。この共和国に集う各個人の倫理道徳に問題があります。
弱者=聖人=何をやっても許される
インターネットを徘徊していると散見されるこの思考に不安を覚えるのは私だけでしょうか?

■■■■■■十■■■■■■

以上、フランス共和国のこれまでの倫理道徳に
*人間は国籍人種に関わりなく、平らに等しく原罪を持つ
*人間は国籍人種に関わりなく良心(悪を躊躇い、善を呼びかける声とでも
  しましょうか)を持つ
と知った上で、私が傍観した「貧困街の聖人」たちの喜怒哀楽、善行悪行を引き続き記していきます。Tout à l'heure!(トゥタロ、またあとでね!)


le 21 novembre 2005, Présentation de la Vierge Marie et Dimitri
[PR]
by ma_cocotte | 2005-11-21 16:10 | めらめら仏蘭西2005秋 | Comments(32)
ここらでもう一度、Mr. Made in Marseilleの登場だ!
去る10月27日にパリ北東部郊外で暴動が勃発してから、あの暴れん坊さんたちと同じ環境でかつて育った有名人たちが賛否両論の意見を公表していますが、同じくあの暴れん坊さんたちとほぼ同じ環境で育ちながらも現在に至るまで矢面に決して登場しない有名人がいます。それは、
b0070127_21341222.jpg
Zinedin Zidane (ジネディン・ジダーヌ)

今やごく一部の国を覗いてほぼ世界のどこでも知られる彼はフランス共和国民の宝であり、多くの共和国民がまるで友人のように彼をZizou (ジズゥ)と愛称で呼び、彼の噂を語り合います。

ジズゥは日本でも「マルセイユで生まれ育ったアルジェリア系移民二世」として知られておりますが、フランス国内ではアルジェリアというよりカビル族出身として語られることが多いジズゥなんであります。そしてマルセイユ北部のQuartier Nord(カルチエノール)の隣町Septême les Vallons (セプテム・レ・ヴァロン)の育ちと地域限定までされてしまいます。マルセイユは花の都おパリより歴史も古く既に建都2600数年、その面積もパリよりはるかに広い地方都市ですが、ジズゥが生まれ育った北部からセプテムにかけてはフランス共和国で最も大きいと言われる国立病院があるものの、主にアフリカ大陸系移民が居留する広大な地域として南仏はもちろんフランスで知られています。マルセイユの港から入国した彼らが徒歩で役所に飛び込むとこの地区の空き部屋を紹介されることが多いのです。もちろんマルセイユの他地区にも移民用住宅群はたんとございますよ。

今回の暴動で北アフリカ系イスラム移民と日本で紹介されていますが、フランスではMaghrébin マグレブ系と呼ばれます。現在、マグレブ三国と呼ばれるモロッコ、アルジェリア、チュニジアですが、彼らに「どこの出身ですか?」と尋ねると、国名でなく「私はberbère ベルベル族です」「私はKabyle カビル族です」と返答されることもしばしばあります。というのは、元々彼らはノマドと呼ばれる遊牧民でこの三国の国境とは関係のない生活を太古の昔から送っていました。その後、イスラム教が東方向から伝わってきた時、アラブの父祖アブラムとイシュマエルの血、預言者モハメットの血の血脈に乗ろうとベルベル族をはじめとするノマドはアラブ人と婚姻することで「アラブの血」を手に入れたのです。その結果、進軍が思うが侭になったアラブさんたちは8世紀に入ってまもなくすんなりとスペインはイベリア半島まで到達できちゃったんであります。こうしてイスラム教に改宗しアラブの血を引く北アフリカのノマド達はArabe Maghrébin マグレブ・アラブと呼ばれるようになりました。

ところがジズゥの先祖であるKabyle カビル族の人々はイスラム教を信仰すれど、アラブ人との混血を選びませんでした。それが原因で現在に至るまで「自称アラブ」となったアラブ系マグレブ人からカビル系マグレブ人は「アラブの血を引いていないこと」を理由に差別されています。もひとつおまけに1960年代のアルジェリア戦争時、多くのカビル人がフランス側について戦ったため、アルジェリア独立を支持したアラブ系マグレブ人の多くに差別されることになりました。南仏におけるカビル族の定義はフランス側についたための難民であり、他の欧州系、ユダヤ系難民同様Pied Noir (ピエノワール)と呼ばれています。しかしアラブ系の多くがアルジェリア独立派だったように、カビル少数派もアルジェリア独立派でありました。この独立戦争は背景に社会主義革命の要素が色濃くあるため、各自の思想による分裂と考えても良いでしょう。

私のかつてのマグレブアラブ系クラスメート♀たちは「ジズゥはイケないヒトよ」と言います。
なぜジズゥがイケないヒトなのか、その理由は次の通りです。
*イスラム教徒なのにイスラム教徒女性ではなくスペイン人の踊り子
 Veronique (ヴェロニク)と結婚した。  
*つまりイスラム教徒ならアラブ女性と結婚してアラブの血を引く子をなす
 べきである。
*ジズゥは子供二人にマグレブの名前ではなく欧州系の名前を与えた。
  ジズゥのお子たちの名はEnzo (エンゾ)とLuca (ルカ)です。
んまあ、黙って読んでりゃ、ココ半月ほどどこぞで悪の権現とみなされる「一見普通のフランス人」と世界中から憐憫の情を集めている「(フランスで最も差別される)北アフリカ出身イスラム教徒の方々」のどちらが血統大好き主義者なんだかわからなくなってきますね。とにかく上述3点はマグレブアラブのイスラム教徒としてはこの上なく「イケないジズゥ」なんだそうです。そういうことを静かに教室の隅で聞いていたベルベル系♂のアゼディンくんは彼女達のけたたましい会話が静まると、大きな声で「ま・ここっつぁん、日本人のかわいい子はいないかなあ。僕はドイツワールドカップに行って日本人の女の子をつかまえるぞ!」と言うのが常でした。・・・ええ、アゼディンがそう言えば、それを耳にした女性陣が「同胞よ、それはいけないわ!」とまた永遠にイケない理由をぎゃあぎゃあ語り合うのですけどね。

このような背景があるせいでしょうか。今回の暴動に限らずマグレブ系の問題が共和国内で勃発してもジズゥは引っ張り出されません。「フランスで最も差別されているかわいそうな人々」と呼ばれている方々に差別やら区別されているのがジズゥなんであります。
でも暴れん坊さんたちも、ジズゥをあーでもこーでも言うヒトも、ジズゥご本人も、みんな、
現在は「フランス共和国民」です。

le 18 novembre 2005, Aude


1972年6月23日フランスはマルセイユで生まれた共和国民、われらがZizou は下記団体で活躍しています。
* 白血球障害者のためのボランティア活動(ELA) 
       http://www.ela-asso.com/
* 国連  Team to end poverty

[PR]
by ma_cocotte | 2005-11-18 21:45 | めらめら仏蘭西2005秋 | Comments(30)
いわゆるひとつの「意見決裂」かもね。
先週あたりから多くのフランス在住日本人が「パリ近郊暴動」についてブログで語るのを止め始めておりまして、その原因が何にあるのか?と申しますと、フランス在住日本人が何を語ってもフランス在住外の方々が「そりゃ違う」と反論される、ということに疲労しての「撤退宣言」です。目で見、耳で聞いたことを言の葉に乗せて書いても、実際見ても聞いてもいない人に強く否定され続ければ疲れますでしょうよ。そりゃあ、各ブログ管理人さんの公表されているプロフィールを拝見すればブログは趣味であって業ではないので、こういうコメントやTBのやりとりが続いても疲労感が喜びや快感に変わることはまずありません。いや、その手の疲労感を喜びとする方ももちろんいらっしゃるし、「憎まれブログ」もそこここにあります。憎まれ口を叩きたい、叩いて欲しい人はその手のブログにコメントを残せばその欲求に適うものになるでしょう。

ここ数日、秋の夜長を利用して「パリ郊外暴動」について書かれているエントリーをぼんやり眺めまくって見ましたが、拙ブログにコメント一個残したことない方が私のHNをビールの泡のごとく多用してエントリーを書き、そうした後に拙ブログにコメントひとつ残すわけでもないことを知りました。私の知らないところで私のブログ批判がばんばん書かれている・・・もう手に負えませんね。しかも勝手に拙ブログが政治ブログであるかのような位置付けをして、「何言ってんのかわからない」などともエントリーに書いてある・・・「コメントを残そうかなあ」と迷いましたが残すのは止めました。というのは「意見の決裂」が明白だったからです。フランス共和国憲法に日本國憲法や合衆国憲法をなぞらえて現状やら事象を語っても真実は見えません。

もひとつついでに他人様のブログに私がコメントを残しましたところ、「パリは違うんだ」と横レスの返答を頂戴しました。ブログ管理人である他人様の意見ではありません。私はパリ在住ではありません。パリから800kmも離れた小村に住んでいます。そういう奴が「パリ暴動を語るなかれ」なんでしょうね。確かに今回の暴動で気づいたことは花の都おパリはフランスのショーウィンドウ都市であることです。そりゃそうだ、世界一の観光収入都市ですもん。そのパリ旧市街のど真ん中で「寝食職」をする日本人の意見とほぼ毎日マグレブ系の人と関わっている私の意見は異なることでしょう。ココんちの近所では日本で隔離されているかのごとく語られている「ある一定方面からの移民」は日常で垣間見れます。パリ北東部での暴動がきっかけになったとは言え、その後フランス全土に飛び火したのですから「パリと違う」と塀を建てるのはフランス在住の日本人同士で既に区別が始まっていることになります。私自身、日本国民ですが非常に面白い言動だと思います。以下、フランス共和国内とはいえ花の都おパリから遠く離れたド田舎に住む無学の日本人♀のボヤキとでも思って下さいまし。
b0070127_1914565.jpg
◆ココんちの近所の幼稚園に通う園児を迎えに来たママンたち◆
スカーフの巻き方や着こなしからするとトルコ・クルド系です。

■■■■■■十■■■■■■

今回の暴動ですがどこのコメントを拝見しても「差別」というキーワードが日本在住者側から多く問いかけられています。日本語で表現すればなぜか同じ「差別」という語になっちゃいますが、フランスにおける「差別」と日本における「差別」は大きく内容が異なります。ブログ徘徊中に気づいたことですが、「フランスは知りません。フランスに行ったことがありません。でも「差別」というものはそもそも」と語っている方が多くいることです。もし可能であるならばフランスにおける「差別」は日本の「差別」とあまりに異なるので、「差別」以外の新語を作ってもらえないかなと思いました。同じ語で広がるイメージがあまりに違いすぎるので両者の意見は互いに正論であれど、永遠に食い違ったままになります。どちらも妥協がありえません。なぜなら意味がまるで違うから。

■■■■■■十■■■■■■

そしてフランスをご存知ない方々の多くがおっしゃる「普通のフランス人」と「普通のフランス人に見えないフランス人」ですが、「普通のフランス人」とは具体的にどういう人々を指しているのでしょうか?「白く見える人」でしょうか?もし「白く見える人」と定義するならばフランスでは差別になります。フランスでは現在フランス国籍を持っている人は肌の色が何色であれ「フランス共和国民」とみなされRépublicain(レピュブリカン)と呼ばれます。そして現在の共和国民全員に「Liberté 自由 Egalité 平等 Fraternité 博愛」、そして現代フランス共和国では第4の事項として「Solidalité ソリダリテ、連帯」を実践する義務が課せられます。私が11月に入ってからエントリーしたフランス共和国における社会保障制度はフランス共和国民に平等に与えられた権利です。移民であるから、白い肌だからという区別も差別もありません。この生活保障の恩恵に預かっている人々の中には日本で「普通のフランス人」と呼ばれる人々もいます。というか、共和国民のほとんどが生活保障の恩恵を何らかの形で受けているのが現在のフランス共和国です。

■■■■■■十■■■■■■

共和国民と労働許可証を持つ外国人はフランス国内の職業訓練校に入学する資格があります。職業訓練校なので履歴書の書き方や面接での自己紹介の仕方も学びますが、履歴書に国籍や出身国を書くこと、面接自己紹介時にそれらを公表することはフランスでは一般常識であってタブーになっていません
これまで「名前の損得」がそこここで話題になっていますが、一見「普通のフランス人」に見える人でも苗字で先祖を辿ることができてしまいます。フランスにおける正式文書では結婚後の女性の苗字も旧姓のまま載ります。夫の苗字で書かれることはまずありません。日本で言われている「普通のフランス人」さんたちも先祖推測対象になっています。その苗字でかつての生活状況まで読めることも「普通のフランス人」さん達の間でももちろんあります。

例えば、ココんちのフランス人♂が先日イタリアから移住してきた方と初めて会いました。その方は夫の顔をまじまじと眺めて「あなたにはイタリアの血は入っていないけれど、バスクやスペインの血が入っているわね」とおっしゃいました。
フランスではこれも差別になりません
ココんちのフランス人♂は、一見「普通のフランス人」で苗字もフランス風です。が、母方の祖母はスペインはカタルーニャ地方から何百年も前にアルジェリアに移住し、アルジェリア独立戦争時にフランスに戻ってきたPied noir ピエ・ノワールと呼ばれる人々になります。フランス生まれのフランス人と区別されますが、一見「普通のフランス人」です。先祖はスペイン人なのに、アルジェリアがフランス植民地だった故にフランス国籍をたまたま持っていた、だから先祖の土地スペインではなくフランス本土に戻り、現在は共和国民である、ということになります。先週末テレビのトークショーに元F1レーサーのアラン・プロストと歌手シャルル・アズナブールが出演しましたが、この二人はアルメニア系です。約1世紀前トルコでアルメニア系キリスト教徒の虐殺(開始7年後トルコ国内にアルメニア系キリスト教徒は皆無、抹殺状態ですね)が行われた時にいち早くフランスに移住した人々が彼らの親、祖父母になります。私の知人にはポーランド系の苗字のままの現在共和国民がいますが、彼の祖父は炭鉱夫としてフランスに入り文盲のまま生涯を終えました。が、彼の息子も孫も現在は共和国民です。そして私のかつてのクラスメートにはDi Napoli という苗字の女性がいました。一見「普通のフランス人」ですが、Di がつくので先祖はイタリアの貴族階級だったのかもしれません。でも現在の彼女はスペイン系共和国民の恋人と共にマルセイユ北部(マグレブ系移民が主住民)のHLM (アッシュエルエム、公団)に住んでいます。
一見「普通のフランス人」でも涙の過去がそれぞれにあります。
■■■■■■十■■■■■■

だいぶ前にも書きましたが、日本は世界第二位の大国としてフランスでは紹介されています。一方フランス共和国は世界第6位前後を行ったり来たりという位置付けです。この上下関係から考えてもフランスに日本やアメリカの生活をそのままなぞらえることはできません。ブログ周遊で散見したことですが、「暴徒が携帯電話やPCを持つことは贅沢なのか?」という問いかけですね。

ココんちは「一見普通のフランス人」に見える共和国民♂と労働許可証を持つ世界第二位の大国日本からやってきた♀で構成されていますが、二人とも携帯電話を持っていません。なぜなら携帯電話はココんちにとって贅沢品という位置付けだからです。一見「普通のフランス人」に見える夫の母親は携帯電話を使用することで旧式電話契約を破棄しました。フランステレコムの電話帳は携帯電話番号のみの掲載も可能です。

今回の暴動で携帯電話やブログでの呼びかけで蜂起したこともニュウスになっています。TF1ニュウスHP でフランス暴動に関するコメント欄も過激誘導発言が多いので閉鎖されたままになっていますが、フランス政府が暴動蜂起に関するインターネット検索を始めて最初に見つけたものは南仏はエクサンプロヴァンスから発信された蜂起呼びかけでした。エクサンプロヴァンスのどこから?ということは公表されませんでしたが、どこぞのブログで「かわいそうな人々にはインターネットカフェに入る金もないのか?」なんて文面も見ましたけれど、フランスに住む人ならすぐ推測がつきます。エクサンプロヴァンスにはフランスで最も広大な土地を持つ大学街がございます。しかもこの大学の多くの学科がパリ市内の諸大学に次ぐ学力レベルを保持しています。共和国民であればフランス国内だけでなく世界に散らばるフランス海外領土から集まった学生がこの大学に集っています。学内には在学生のみが無料で使用できるPCがうんざまんざあります。文学部にはもちろんアラビア語学科もありますが、どの学科にもマグレブ系やアフリカ系の学生がうぢゃうぢゃいますので、その中のどなたかが学内のPCを使って蜂起呼びかけしたのではないでしょうか?
携帯電話やPCの所有のみで個人の価値観や貧富を推測できません。
■■■■■■十■■■■■■

携帯電話を持つことがココんちの二人にとって「贅沢」と書きました。
世界第二位の大国・日本國国民が想像する世界第六位のフランス共和国国民の生活とはどんなものでしょうか?私はフランスの上流階級についての生活はまったく存じ上げませんので庶民について書きます。

私がまずこちらに来て驚いたことはフランス人は小型車が好きです。それはなぜか?税金が安いからです。例えばココんちの車は中古車です。なぜ新車を買わないのか?それはフランスでは新車は贅沢品とみなされ中古車と税率が異なるからです。大金持ちは税金を払わずに半年置きに新車を買い換えていたりするので、そういう方々が半年で諦めた車を中古で買うのが庶民にとって要領のよい買い方です。今年に入りフランスでも石油が高騰し、環境破壊が議論されるようになってから四輪駆動車を購入すると特別増税負担が課せられました。それでも乗りたい個人は乗ります。

フランス人は持ち家より借家が好きです。なぜなら借家だと保障が貰いやすいからです。
家庭を持つ者も学生も家を借りると家賃補助を申請することができます。私もかつて経験しましたが、書類は5ページくらいで申請者本人の身分、収入、家賃を書くのは当たり前ですが、借家の広さと家賃がアンバランスだと家賃補助は拒まれる、または補助率が変更されます。借家内についての詳細も書き込まねばならず、借家は家具つきか否か、暖炉つきか否か?風呂場に風呂桶があるか否か?などなど。これらひとつひとつで算定が変わります。私の場合は月額にして約3割ほど振り込まれていました。

■■■■■■十■■■■■■

携帯電話の件で、「フランスだって大学生にでもなりゃあ日銭を稼いだりして携帯電話くらい買えるだろう」という推測も散見していました。

フランス共和国の大学生ですがアルバイトする時間はまずありません。アルバイトしているのは前期後期試験で「簡単すぎて余裕をぶちかましている連中」だけです(断言)。自宅から通える範囲であっても大学入学後、独立する学生が多いのは実家にいると勉強し難いからです。ほとんどの大学生が寮、アパルトマンを借りてもテレビを置きません。なぜならテレビは勉強を妨げるからです。

私がかつて正規学生登録した大学ですが、第一学年で進級できるのは2割のみです。8割が留年します。留年は一度のみと決められているので2度目の留年が決定した者は職業系大学(フランス庶民では学問を学ぶ大学よりこちらに人気があります)、または軍隊に所属して軍隊派遣生で学問を究める道を選ぶ者が多いです(マグレブ系若年層の失業率が高いのは軍役を選ばないことにも一因があります)。

日本では4年制大学卒、そして大学院に進むのはすばらしいことですが、フランスでは2番目にすばらしいことです。一番すばらしいことは国から給金が出るグロンゼコールに入学し、卒業と同時に管理職になることです。私の知人は日本の国立大学大学院博士課程在籍者ですが、かつてフランスの大学のDEAとよばれる大学第五学年に登録していました。たまたまホームステイ先近所で同世代の若者に声をかけられ雑談をし、そこで互いの学歴をほのめかしました。その若者はグロンゼコール生で、その後近所ですれ違っても目も合わせず言葉をかける隙も与えなかったそうです。知人いわく「学歴で区別されちゃったかな?」と。
フランス共和国はそういう国です。
これも言い方次第で「日本の超一流大学院博士課程在籍者がフランスの高等専門学校生からひどい差別を受けた」と大騒ぎできるかもしれませんね。が、グロンゼコールにはすべての肌の色の人が在籍しています。例えばSaint Cyr サン・シール近衛士官学校 に入れば、日常のほとんどは体操服か戦闘服ですごし、戦地シミュレーション訓練では「普通のフランス人」も「移民かもしれないフランス人」も冷たい缶詰をほおばります。泥水中の匍匐前進訓練も平らに等しく行われ、この学生全員の給金は月2000ユーロです。これも差別まったくなし。

■■■■■■十■■■■■■

b0070127_2022324.jpg右のムッシュウはココんちの地元で開かれる朝市に店を出している方です。ジタン(スペイン系ジプシー)です。パエリヤやクスクスなど数種類の惣菜を調理しながら販売していますが「ジタン」です。「普通のフランス人」にも「移民かもしれないフランス人」にも大人気のお店です。彼は今もジタン訛りばんばんのフランス語を話し、この移動店舗を彼とその一家で経営していますが、彼らジタンは今巷で話題のマグレブ系にも嫌われているカテゴリーになります。それでも朝市で店を開く手続きを役所で行えば、共和国民なら誰でもこうして公明正大に人々の集まる店を開けます。

一方、私が昨夕、銀行の自動引き落とし機でお金をおろそうとしたら、私の背後にジプシー二人がべっとり寄ってきました。べっとりです。こういう時に突然私がお金を引き下ろすのを止めるのは「弱い人に対して行った差別」にあたりますか?フランスでは自己防衛です。

■■■■■■十■■■■■■

ああ、そうだ。「汚い仕事を移民にばかりさせている」というブログ記事も見ました。わが地元では道路掃除も清掃作業もアパルトマンの共有スペースの掃除も「普通のフランス人」がしています。
これについては言葉のマジックがありますね。ある町では「普通のフランス人に見えない人たち」がこの手の仕事をしているとすれば、傍観者は「汚い仕事を移民ばかりにさせている」と言うことができますし、一方で「普通のフランス人」がこの手の仕事をしていれば、「普通のフランス人が優先されて移民に仕事がまわって来ない」とも言えます。

■■■■■■十■■■■■■

現ド・ヴィルパン内閣 には2名のマグレブ系大臣がおり、2名ともマグレブの本名で活動されています。実は日本で「名前の損得」を声高に叫ぶ方が多いようですが、一見「普通のフランス人」にしてみれば、この名簿を見て「ドつき(旧貴族、騎士階級)は差別だ」「出身国が明らかにわかる姓名は差別だ」などと言い出したら止まらなくなることでしょう。
そして一見「普通のフランス人」であるド・ヴィルパン首相はモロッコ生まれなので彼の戸籍謄本はナントの移民局で他のマグレブやアフリカ出身者達と同じ場所に置かれています。

苗字にde (ド)がつくがために現在も所領地に住むドつき家庭ですが、広大な土地と家屋(シャトー)を維持するために中世や近世の格好やら珍妙なお化粧をしてガイドをなさるドつきの方々も多いのです。彼らのシャトーを訪れる社会科見学の子供達は肌の色が何であれ「現在の共和国民」であり、このフランスの歴史を知るためのシャトー訪問は決して「普通のフランス人」のみに限定されたものではありません。

■■■■■■十■■■■■■

まだまだパリ近郊暴動についての真相を知るためには書き連ねなければならない話がたくさんあります。とにかくブログやHP、報道などを垣間見ての私の印象ですが、日本では「フランス政府」という団体の責任、差別されている「ある国からの出身者全員」という語り口で語っています。一方フランスですが、フランス政府の「誰」の責任、差別されているのはある国からの出身者の「誰」なのか、という個人を基本にして検証しています。
今回の暴動で非常事態宣言が3か月も延長されました。暴徒と化したお子たちのみが3か月間も外出を控えねばならないのかと思いきや、14日夜シラク大統領は「就職採用で便宜を図らなかった企業も悪い」と明言し、ゆえに共和国民全員に等しく3か月の謹慎を科すとおっしゃいました。

もうひとつ言えることは今回の暴動で政府が出した譲歩案は暴徒のみでなく共和国民全員に適応されることになります。一見「普通のフランス人」も「いいんぢゃない?」と喜ぶのは当然です。

■■■■■■十■■■■■■

思うに今までフランスに興味がまったくない方々がパリ近郊暴動を想像すれば、どうしてもなぞらえるのは日本やアメリカ、中国などの現状になるのは当然です。が、これまでに拙ブログで書いてきたことや上記の思いつきのボヤキを含んでみると、やはり「差別」という語の捉え方は日仏で相当異なるように思います。おそらく日本での「差別」という定義をフランスの普通の人に語ると「ああ、フランスも数年前はそんな感じでしたよ」と返事が戻ってくるのではないでしょうか。

これまで拙ブログのコメント欄には「私の知人のマグレブ系は暴徒ではありません」というものもありましたし、フランス在住日本人の方々から配偶者がマグレブ系、アフリカ系であることをふまえてのコメントも頂戴しています。彼らの配偶者さんたちはマグレブ系、アフリカ系であっても決して暴徒ではありません。フランスに住む一ガイジンである私の立場から見れば今回の暴動は「ある民族団体の蜂起」ではなく、どうしても「各個人の倫理道徳観」が問われる事件だったと思います。

もし日本における「差別」の定義でフランスの暴動を語る、例えば「フランス政府(という団体)が悪い」「差別されているマグレブ系アフリカ系(全体)」とするならば、多くのフランス人が「それこそ差別です」と言うでしょう。

今回暴動が勃発したパリ近郊の環境粗悪な彼らの居住区ですが、パリから車で一時間ほどのノルマンディに建つ新築団地への移住を住人に勧めても、彼らの中には応じない人もいるそうです。この話で既に案件に応じて現在ノルマンディで快適に生活している方々と運命が変わってしまっていることになりますね。

なぜ彼らが引越に応じないのか?はフランスでは「個人の自由」と判断されます。決して「団体の方針」ではありません。そして「普通のフランス人」も「普通に見えないフランス人」もヨソの国々の誰が何と言おうと彼らは「現在、フランス共和国民」なんであります。


le 17 novembre 2005, Elisabeth
[PR]
by ma_cocotte | 2005-11-17 20:15 | めらめら仏蘭西2005秋 | Comments(86)
あれから20日、暴動騒ぎでついうっかり忘れていたこと。
それはフランス共和国において共和国民の


理屈好き

「屁(へ)」は臭い漂う色を選んでみました。屁理屈はフランスに在住できる日本国籍のお主婦さまが使う言葉ではないと言われれば、あらためて言葉を選んで「ロジック好き」というのはどうでしょう?

とにかく暴動勃発より第19日目の夜、昨晩14日夜8時から共和国大統領 ジャック・シラク 氏の国民への訓示 l'allocution de Jacques Chirac が放映されました。ええ、番組は国旗が映し出されて国歌が流れる、そうねぇ、水戸黄門で言えば終了5分前の印籠登場?のような感じで幕開けます。
これ↓をクリックし、右のVidéo をクリックすると動いてしゃべるシラク大統領が登場します。
France 2 : l'allocution de Jacques Chirac
このビデオでヂャックが語ったことはこちら↓に全文掲載されています。フランス語を勉強している方はぜひだうぞ。
Déclaration aux Français de Monsieur Jacques CHIRAC,
Président de la République.

フランス国民の多くがシラク大統領の語り口をマネしたがりますが、表情豊かに抑揚をつけて画面の向こうに語りかけるヂャック・シラクさん、今月29日に73歳のおなりあそばしますが、昨晩は画面をお見上げ申し上げながら思わず
「Papie・・・ パピィ、おぢいちゃーん」
と声をかけてしまいました。孫を諭すような口調、厳しいことには人相が変わるなど、ガイジンの私にも伝わってくるものがありました。いやいや、日本の政治家さんも無表情の仮面語り口、原稿棒読みを控え、ヂャックのように語り掛けてはどうでしょう。

で、話戻ってフランス共和国民の屁ロジック好きなんでありますが、フランス共和国で教育を受けたものならどの国の出身であれ、ナンピトも「屁ロジックの達人」になります。フランス在住のニッポン人が幼稚園、小学校をこちらで終えれば、ニッポン人でも屁ロジック。んでもって、私のように成人してからフランスで就職活動をすればロジックをこれでもか!と筆記と面接で心理学士に確かめられます。フランスにおけるフランスの人々に「愛されるロジック」ですが循環性があること、つまり一点から放射状のロジックは受け入れられません。今回の暴動で話題の移民の方々ですが、ロジックが放射していることが今回の暴動に限らず以前からの特徴として挙げられます。口の悪いサルコなんぞはテレビ公開討論で
「あなたの二枚舌は本当は一枚ですか?
明日、よそで今言ったことと違うことを言わないでくださいね。
今この場所でのあなたの証言をビデオで取って置きます。
アラビア語で正反対のことを言ってもすぐにバレますからね。」
とまで言ってのけちゃいます。こういうことを言われるとなぜか「差別だ!」と叫び始めるのも通例で、これは明らかに循環ロジックから逸脱する単語になります。どこが差別なんでしょうか。このように二枚舌はフランスにおいて放射ロジックの典型でもあります。
フランスの学校で未来の納税する卵の共和国民にどのようにロジック対話をしみこませているのか言いますと、たとえば昨年末インド洋沖で震災があったことをテーマに子供達ひとりひとりが感想を述べ、自分の意見と他人の意見が決して同じにならないことを学びます。そして他人の意見に耳を傾けることで自分の考えを正論としながらも磨耗しつつ完璧にする、自分の意見を正に持っていくための論法を知らず知らず身に付けます。大人の世界で言うディベートでしょうかね?自分の出した問題に成否の先読みをしながら押していくような。ニッポン人がディベートに弱いのはやはり基礎教育で討論慣れしていないせいでしょうか。
もちろんフランスの公立学校は人種差別を行っていないので、教室内ではあらゆる肌の色、家庭環境、宗教倫理環境を互いに尊重しての討論マナーも学びます。そうすることで子供達の思想のベースや家庭での教育も教育者と心理学者側が見れるンであります。
親がいくら口止めしても子供の口からはいつでもどこでも無垢な気持が
飛び出るものです。
例えば先日登場の「法律は法律。僕のママンは僕のママン。僕は法律よりママンの言うことを聞く」と言ったカリム少年。この語り口はまさに屁ロジック教育の賜物でしょう。13,4歳の男子がこんな決め台詞を吐いたわけです。こいつ カリムくんのこの言葉にカチン!と来た者(代表者はサルコですなあ)のここでの攻めは
「君は共和国民だろう?」と問いかけて、
「はい、僕は共和国民です」と返事すると推測して、
「共和国民はママンの下ではなく法の下にいるんだよ。
君のママンと君は法の下で平等なんだ。」
落としますかね。これなら彼にも理解できるでしょう。めでたし、めでたし。

さてさて、幼児教育からロジックがんじがらめ教育を受けた共和国民のみなみなさまがたがたが、先週あたりから長引く暴動について屁理屈をこね始めているんですね。まず先週はじめにわたくしが耳にしたのは

今、共和国民であることを忘れるな!

でした。共和国民ならば「障害者の乗るバスに火を放てば」、平等に罪である、と。もし彼らが移民である意識が強すぎて罪を犯している自覚がないことほど恐ろしいことはありません。先祖が誰だろうと、肌の色が何色だろうと、何を信仰しようと、フランス共和国でこの罪は罪です。

そしてテレビの公開生討論に登場する「暴れん坊の実体を知る」方々が「教育環境の悪さ」「住環境のひどさ」などを列挙して「政府が悪い」と主張するんですが、それを黙って聞いてた共和国で教育を受けた人々が聞き終えたところで桃太郎侍になってしまうんです。
「黙って聞いてりゃあ・・・・」

ポン!ポポポポンっ!
で、刀ではなく言葉でぶった切ってしまうのです。その言葉とは

「Par qui?」 (パルキ? だ~れ~が~?)

そう言ったからとて杖を振り回すわけでもありません。一例を挙げるとこんなやり取りです。
暴動をかばう人々 「学校教育に問題がある!」
暴動に疑問を持つ人々 「ほっほー、学校放火は誰がしました?」
暴庇人々 「暴徒です」
暴疑人々 「学校が燃えたら勉強ができない。勉学の場である学校がない。
     勉強したい意志があるのに学校を自ら燃やすのはこれいかに?」
住環境についてもですが、詳細は別エントリーで書きますが、私が知る限り、アパルトマンの共有スペース(廊下、階段、エレベータ)などおしっこの臭いが染み付いています。そしてアパルトマン入口の郵便箱を破壊したり火で燃やされていることが多いのです。壁にはチューインガムをなすりつけたまま、つばと痰が固まっていたりも普通ですし、アパルトマン外壁に隠語でプロヴァガンダ的落書が書かれていることも当たり前。
これ、政府がしたことですか?
ヨソの方がわざわざそこまで行って粗相するのでしょうか?
あたしゃ、違うンぢゃないかと思います。共和国民が平らに等しく、エレベータや廊下で立ちションするものでしょうか。そして貧困を理由に許される行為でしょうか。

つまり、上の決め台詞「Par qui? だ~れ~がぁ?」と聞き返せば、勉強したいと訴えている人がなぜか学校を燃やしてその場を失い、住環境が悪いと不満を述べる住人達自らがなぜか汚していることになります。どこにも彼らが訴えている不満対象の名称が出てきません。それに「貧しいのでもっとお金が欲しい」とみなみなさまはおっしゃいますが、そのお金は共和国民全ての納税から還元されます。学校や体育館を燃やせばそれも税金で修理します。失われた備品も税金で購入します。税金の無駄遣いをしているのは
Par qui? パルキィ?誰なのよっっ?

おっしゃいっ!き~ぃっっ!!!
例えば公衆における基礎マナーは学校のみではなく、家庭でも教えるべきものでしょう。いくら忙しくても「そこでもらしちゃダメよ」くらいは言えるのでは? 突然「母国では常識です」と返答するのでしょうか?それとも徹底的放任主義でしょうか?

兎に角、先週から連日放映されている生討論番組どれを見ても「Par qui?ぱるき?」攻めで返答に疲れた暴れん坊を庇う者者たちたちが最後に非常に声を荒げて(この状態はフランスではよくある光景で、マグレブアラブ系のロジック放射状態です)、番組終了するパターンが続いています。

パリから約800km南のド田舎に住むニッポン人♀が傍観しての愚意見ですが、もうこれ以上暴れん坊の「みなみなさまさまがたがた」が暴れると自殺行為になるんじゃないか、と思います。あれだけ驚かせて、政府がおろおろと改善策を出したのだから、せめて放火はやめんかい。この一週間、暴れん坊さんたちとその取り巻きの魂胆やらボロが「Par qui?パルキ?攻め」で露見し始めているようにしか見えまへん。


ところでこの「だ~れ~がぁ?」って寛平ちゃんのネタだけれど、寛平ちゃんって凄いなあ。
私にとって、わが心のタロー・キダ氏の次に控えるは寛平ちゃんだわ。


le 15 novembre 2005, Albert


昨晩の共和国大統領ヂャック・シラク氏のテレビ演説ですが、最後はいつもの台詞で締めくくられました。


Vive la Republique! Vive la France !

共和国、万歳! フランス、万歳!

というわけで、共和国大統領閣下はまったく暴れてもいない、火を放ってもいない共和国民にも平らに等しく語られたのでした。
[PR]
by ma_cocotte | 2005-11-15 18:03 | めらめら仏蘭西2005秋 | Comments(28)
「法は法。ママンはママン。サルコよりママン。」
おととい(11月10日)からココんちにおける「流行語大賞」です。しばらくゆるがないかな。

このタイトルに書かれた言葉は11月10日お昼のFrance 3、Provence-Alpes (プロヴァンス・アルプ地方)のニュウスでまず流れたNice ニース在住のKarim カリム少年の言葉です。彼はフランス語でこう言いました。
"La loi, c'est la loi. C'est ma mère est ma mère.
Je préfère écouter ma mère que Sarkozy."

「法律は法律。僕の母親は僕の母親。
僕はサルコジ の言うことより僕の母親の言うことを聞くよ。
地方都市に住む未成年の男子が口にしたあまりの名文句にその後France 3の全国ニュウス(昼、夜、深夜)、France 2の全国ニュウス(昼、夜)でもカリム少年の証言ビデオが流れました。(これ↓の5分40秒あたりからカリム少年が登場します)
France 3 19/20 ニュウス : http://le1920.france3.fr/main.php3?jt=1&taille=1

画面右下のカウンター↑で前編27分弱の番組中、4分20秒あたりからフランス国内暴動についてのニュウスが流れます。余談ですが、それ以前のヨルダンでのテロ現場やご自分の披露宴の最中に自爆されちゃった新郎くんも登場しますので、自爆テロがどんなものか目で見て考えるのもよろしいかと思います。
さて話は戻って、Karim カリム少年。なぜカリムくんがこんなことを言ったのかと言いますと、9日夜ニースではその日に発令許可がおりたCouvre-feux 外出禁止令を「夜10時以降の未成年者の外出を禁ずる」という形で県知事が発令しました。ところが、画面でも見れるように夜10時を過ぎても明らかに未成年とわかる青少年が外におり、水煙草まで吸っています。そこでFrance 3の取材班が彼らに声をかけ、「今晩は外出禁止令が出ているのになぜ家に戻らないのですか?」と質問したのです。そこで返事をしたのがカリム少年です。カリムくんが言うには母親が「外にいろ」と言ったので、
フランスの法律が何であろうと僕は母親の言うことを聞く
という考えなのだそうです。カリム君の周りにいた仲間たちも同調の拍手をしていますね。彼らの思想のベースにあるのはサルコジなる人物は「現在」の内務大臣であって「永遠」の内務大臣ではない、しかし「僕の母親」は「永遠に僕の母親」であって、彼らが宗教書の域だけでなく法律書とあがめるコーランも時を越えて「永遠」かつ「最高、最上そして究極の書」なのです。フランスの法律は政党、政治家により簡単に書き換えられても、コーランは一字一句永遠に変わらない、ということです。
そりゃ、確かにそうだわな。
サルコはそのうち大統領になっちゃうかもしれないんだもん。
今週に入ってから今回の暴動に関する検証特別臨時番組が数本放映されました。
まず11月8日夜10時25分から放映された"BANLIEUES : LA GRANDE COLÈRE 郊外:大いなる怒り" では結論として「家庭内教育」が挙げられました。番組中、暴動の発端となったパリ北東部で活動する青年団のリーダー格のわけーもんズも登場しましたが、彼らに涼やかに質問するきれいなおねーさん司会者達、Catherine Matausch カトリヌ・マトシュは東欧系フランス人、Marie Drucker マリ・ドゥリュケーゥだってユダヤ系フランス人だってことを忘れちゃいけないよ、ですね。21世紀のフランス共和国ですが「白いヒト」も総混血であり、他欧州国で宣言できるアングロサクソン民族、ゲルマン民族、ケルト民族、スラブ民族など自身の純血を語れる族が存在しない欧州でも珍しい国家です。21世紀のフランスで自身の純血を好んで語るのはなぜか今回暴れている方々である、ということも知って欲しいことです。

11月9日に「外出禁止令発布の許可権限」が25県知事に言い渡された翌日10日、上述ニースのカリムくんの発言が夜まで連続して流れ、夜8時50分からFrance 2で"A VOUS DE JUGER  判決を下すのはあなたです"という生番組が放映されました。この番組の第一部に登場したのが今や日本でもちったー知れるようになったニコラ・サルコジ内務大臣でございます。その番組が開始する直前のニュウスでもニースのカリムくんの。
"La loi, c'est la loi. C'est ma mère est ma mère.
Je préfère écouter ma mère que Sarkozy."

「法律は法律。僕の母親は僕の母親。
僕はサルコジの言うことより僕の母親の言うことを聞くよ。
という名指しで順法意志がまったくないことを宣言された直後のサルコが口にしたのは
"Racaille", C'est "Racaille". 
「社会の屑」、それは「社会の屑」
なんでありますね。フランスの現世がおらが母国かつての平安の御世であるならば、この二者の言葉は大臣と姫の恋歌のごとくでありまして、政治を抜いて文学的にニースのカリムくんとサルコの大臣(おとど)の歌を詠んでみるとサルコの大臣が詠んだニースのカリムくんへの返歌はあまりにも素晴らしい、韻を踏む、花丸の「よくできました」太鼓判をボン!、選歌集に載せちゃうぞ!なんでありますね。サルコはさらに続けました。
Qu'est-ce que c'est que "racaille"?  
「社会の屑」を他の語で喩えると何でありましょうや?
さらに、サルコはこう続けました。
C'est "voyou", n'est ce pas?
それは「voyou ヴワユ、 不良少年、ちんぴら」ではありませんか?」
と。仏仏辞書でこの語を引けばサルコの言うとおりに導かれます。とっころが日本國はこの複線を語らずに

「前言撤回をしないサルコジ内相」

と報道しました。こんなに面白い複線があるのにね・・・。
この番組はサルコと与野党政治家そして暴動発生地区に住む市民の生討論でしたが、サルコが最後まで宗教名を出さずに文化習慣で攻めたことに対し、社会党よりヒダリが「彼らはフランス人だ」と国籍を前面に出して戦っていたことが印象的でした。サルコいわく、彼ら暴れん坊がフランス国籍を持つ共和国民であることはわかっているが、各家庭内でどんな道徳を与えて子育てをしているのか、が深刻な問題点である、と。そりゃ、民主主義の先進国で第三者が家庭内をくまなく覗けるわけがありません。そしてサルコの意見とそれに反論する社会党からヒダリの意見を易しく解くならば、「国籍」という剥奪できる「箔」にこだわるヒダリと「箔」を取り除いた「中身」のあり方を問うサルコをはじめとするミギの意見は永遠に平行線です。だって箔を比較するのは「国名、人種、学歴、生活」などであり、サルコが口すっぱく言っているのは彼ら暴れん坊の「箔」の中身は国名でも人種でも学歴でも生活でもなく、その本人の思想、良心、道徳について、です。
あらま? 目が覚めちゃったわ。
「差別」という語を好んで口にする方々の方が実は差別していません?
この文頭のようにフランスの法に従おうとしないフランス国籍所有者がおり、「法」という語に並んで比較されるのがなぜか個人の「母親」という存在であることなど、彼ら「移民」と呼ばれる人々がフランス共和国に持ち込んだ家庭内習慣はこの暴動の真相を知るためには触れなければならないものです。

彼ら暴れん坊たちを育てる生活習慣については近未来に書くとして、日本國の国籍法の問題点や外国籍のまま外国人労働者を「外国人」という身分のまま日本國が受け入れたとして、自分の国籍の法、習慣を「外国人の権利」として主張し日本國憲法を軽んじた場合、日本政府はどう対応するのでしょうか?

そして私たち自身、子を持つ親になったとして家庭で自国の法に逆らうことを子供に促しますか? カリムくんの母親は法を無視して、子供に夜遅くまで外にいるように命じているのですよ。「字が読めないからそんなの知らないわ」と言い訳するンでしょうけれどね、文盲の移民のためには無料でフランス語の読み書きを教える団体が公私あるにもかかわらず。参加しない理由を知りたいです。


犯罪というのはニュウスに取り上げられるものばかりではありません。スリ、恐喝という軽犯罪についてもこの「順法意識」の違いは深く深く絡んでいるのですよ。

そしてこの週末、パリ市内には警察はもちろんGendarmerie (憲兵隊)も治安維持のために出動します。それはなぜかと言いますと、これまでまったく海外に流れもしない話ですが、暴れん坊の皆様はモスクで礼拝後、金曜日日没から土曜日日没まで(ユダヤ教の安息日)はユダヤ教関連施設で暴れ、土曜日日没から日曜日日没まで(カトリックの主日)はカトリック施設で暴れるのが常だから、なんでございます。昨日は南仏はイマムが順法を唱えたCarpentrasのモスクに放火という事件ですわ、イスラム教内部分裂が原因でありましょう。兎にも角にも花の都おパリが無防備宣言都市でなくて良かった、良かった。
こんにちはとりあえずここまで。
第一次世界大戦休戦記念日であったフランス共和国での昨日の夜はTF1のStar Academy 5 というオーディション番組にマドンナさまが生出演 で唄ってくださいまして、「マドンナさまぁ♡」とひれ伏すま・ここっつぁんだったのでした。うっとり。
46歳よ、彼女。うっふん♡
昨晩のこの番組には生のマドンナさま以外にスティービー・ワンダーとジャニアリデが生出演。なんと約830万人が視聴し、最高時の22時52分には9.576.960人が視聴していたそうだ。・・・いいのか、おい、昨晩のStar Ac' は大出血歌番組だったぞよ。


le 12 novembre 2005, Christian


【Rétroliens*Trackbacks】
* Excite 国際 : 週末迎え警戒態勢強化 仏暴動、パリでは集会禁止

【参考資料】
*Excite ニュース特集 : 仏暴動
*France 2 "La crise dans les banlieues" : 
    http://info.france2.fr/violences-banlieues/
*TF1 "Emeutes Urbaines" : 
    http://news.tf1.fr/news/france/emeutes/

[PR]
by ma_cocotte | 2005-11-12 19:34 | めらめら仏蘭西2005秋 | Comments(77)
サルコのお願い、聞いて。聞いて欲しいのぉ♪
日本時間から遅れること8時間で夜明けを迎えたフランス共和国ですが、昨晩の暴れん坊ズの成果は車394台放火、一方警察が一声かけた暴れん坊ちゃんは169名です。外出禁止令を実施した県はコートダジュールのAlpes-Maritimes, 北部大西洋側のEure, Loiret, Seine-Maritime、Sommeの計5県でした。

今朝8時のニュウスを見るとトップがヨルダンはアンマンでの自爆テロ、続いてイスラエルの選挙結果、3番目にフランス国内暴動について流れました。国際ニュウスに続いて3番目に流れるというのは暴動が沈静化に向かっていると思いたいですね。こういう時に必ず「フランスの報道は政府がコントロールしているんですよ」とおっしゃる方々もおりますので、「思いたい」と〆させていただきます。
さて、拙ブログ恒例となりましたが、ご自分の目で見なければ信じられないトマ男、トマ子さんのためにこちら↓をどうぞ。フランス電力(EDF)のCM後にニュウスが流れます。
France 2 朝8時のニュウス : http://jt.france2.fr/8h/
ちょっと話がフランス国内暴動からはずれますが、このニュウス↑を見ますとアンマンの自爆テロ現場が映りまして、第一現場は結婚式場です。イラクからわざわざ国境を越えヨルダンまでやってきて結婚式場で自爆すると何かいいことでもあるのでしょうか?いいかげん、都市破壊と関わりのない人を自爆に巻き込むのはやめんかい?と言わせてもらいます。犯行声明文 を読むと脳味噌にメッカコーラを注ぎたくなります。続いてイスラエル労働党の新しい党首さん、濃い顔ですなあ、とやんわり画面を眺め終えると、フランス国内暴動の映像が流れますがフランス南西部のToulouse トゥールーズでの暴動です。灰になった車のレッカーやら燃え盛る幼稚園・・・うむむむ。トゥールーズというのは薔薇色の町という異名があるほど美しい都市で、スポーツ好きの方々にはフランス・ラグビーの本拠地、飛行機好きの方々にはエアバス社の大工場があることで知られています。トゥールーズでは9.11の一週間後に工場地帯の大爆発事故があり多くの犠牲者が出ましたが、これはあくまでも事件ではなく事故だと政府は主張しており、巷のカフェやらおばちゃんの立ち話ではひそひそと「いや、やっぱりテロだろうよ」と噂され続けている件がございました。それくらい移民受け入れを積極的に行っている大都市のひとつでございます。

暴動発生から第14夜も過ぎ、そろそろいつものまったりブログに戻りたいなあ、と思いつつも半端な位置で筆を止めれば、傍観者である日本人の方々を無垢な誤解に招くことになります。招いているのは「日本の報道各社」というのもなんとも不思議。真実を伝えるのがかつて日本國の報道の役目であったろうに・・・よよよよ。

ボヤきはここまでにして、昨日からの報道の注目点はフランス政府の対応に関することでありましょう。
ご本人もモロッコ生まれのドミニク・ド・ヴィルパン首相の甘い蜜とも言える改善案を受け、最有力次期大統領候補である現内相Nicolas Sarkozy ニコラ・サルコジ 氏と実は政治家ではないド・ヴィルパン氏の国民人気が逆転したそうです。Ifop (アンケート会社)の発表ではド・ヴィルパン首相が52%、サルコが44%ですと。
日本の報道で大統領選ライバル関係として二人を書いていますが、どこの党にも所属していない政治学者のド・ヴィルパン氏をどこの団体が後押ししているのか私は知りたいです。

国民から「サルコ」と愛称で呼ばれるほどのサルコジ氏の人気が急落したのはひとえに彼の口から「Racaille ラカイユ、社会の屑」という言葉がポロリと飛び出ちゃったことが原因でしょう。
1955年1月28日パリ生まれ、御年50歳の水瓶座♂のニコラ・サルコジなる人物がフランス中央政界の表舞台で注目されるようになったのは2002年頃だったと記憶しています。パリ17区生まれとなるとトラディショナルな家庭に生まれたであろう彼の苗字も一見してわかる元移民、現在はRPR というシラク大統領が所属する政党党首でもある彼の本職は弁護士で、学歴を見ると最終学歴がENAとは言え、グランゼコールではなく一般大学のメトリズ(学士、フランスの大学では第三学年修了者)なのでフランスにおける正真正銘のエリートには引っかからない人物でもあります。

近年のサルコをガイジンの私が眺めての印象ですが、この人物は内政に強く、外交に弱い。今年、ド・ヴィルパン首相が選ばれた時もサルコが就任を噂されましたが、次期大統領を狙うサルコがシラク大統領からの話を断ったとも噂されています。私がこれを聞いた時はちょっとがっかり。彼には首相を経験してもらいたかったです。
で、どうして彼が外交音痴なのかというと昨年だったか彼は中国訪問をし、そこで日本國に対するあからさまな悪口 をその軽い口から散々滑らせて中国共産党のハートをがっちりと掴んだのですね。ニッポン人のおばちゃんが黙って聞いてりゃ
サルコは「チビ猿コ」どころか「うましか猿コ」だ
と、おばちゃん(=私)は思いました。
なぜ彼がそういう軽口を叩いたのか、というと、これまた単純なことに日本贔屓(いや、オタクと言って過言でない)の現大統領シラク氏と戦う敷石だったのです。シラク氏と同じ政党RPRに属する彼はなんとしても全党一丸となって自身を大統領選挙に推し出してもらいたい、高齢とは言え連投が噂されるシラク氏と党を分かち合っては票獲得に不安が残るため、対アジアにおいて「親中」をフランス国民に示したのです。その「一票でも多く欲しい」という気持は投票権のないガイジンの私にだってわからないではありませんが、そうかと言って中道から限りなく右寄りなサルコが中国共産党におべっか言ってはロジックがぶっ壊れる、どうしても無理やり両者の共通点を探すなら「独裁政治」ですかね。そんなところで結ばれるあなたがたはあな、おそろしざますよ。

一方でサルコさん、今年7.7ロンドンテロ直後、英国政府にズバリと「2004年春に捕える証拠がたんまりあるテロリストを国外に逃がしたのはなぜ故だ?」と発言。英国内相が「失敬だな、口の利き方を改めたまえ」と顔を真っ赤にして的外れの反論抗議をしました。その数日間のらりくらりな態度を取り、テロ対策をしなかった英国政府が発表したのは「どうも容疑者はフランスに逃走したようなので対処をよろしく」とフランスに押し付けたものでした。これがきっかけでフランスでは英国のテロ対策が「Amateur アマトゥール、アマチュア」と嘲笑の種になっています。テロ対策もろもろではサルコさんの口は非常に鋭敏、潤いでウルウルなんでありますね。こういうことでも、サルコは内政で飛び跳ねるチビ猿ぢゃなくて魚になる人なのです。


そんなサルコが昨日の国会で発表したことが社会党からヒダリの方々に大騒ぎされております。今回の暴動で10月27日以降約1800人が補導され、そのうちの120人を共和国憲法に触れるほどの罪を犯したとして、ZSP(優先連帯国)国籍者やCarte séjour (カルト・セジュール、長期滞在許可証) を持つ者も含め自身の国籍の国に退去してもらう、というものです。ただし、未成年外国籍者は含まれません。しかし、9日には暴動に加わったことが確定したフランス国民以外の17人は居住許可証を所持していても退去処分にするとサルコが議会で発言しました。

蛍さん、これは甘いの?辛いの?どっちなの?


社会党よりヒダリの方々は「即刻国外退去とは何事ぞ!」と叫んでおり、人権団体は「欧州会議が禁じている大量強制退去処分だ」として強く非難しております。
かつてフランス共和国には「La Double Peine 二重刑罰」が存在し社会党内閣時代に廃止されましたが、近年のテロ防止対策の一環としてこの法を復活させるかどうかという論議が活発化しています。例えばフランス国内で強盗、殺人などの罪科(つみとが)を犯した複数国籍所有のフランス共和国民がフランスの裁判所での判決後、フランス国内の刑務所で刑期を終え、その後国外退去処分になることもこの二重刑罰に入ります。もちろん社会党からヒダリの方々は人権を絡めて二重刑罰は平らに等しくないので廃止!と叫んでおり、複数国籍を認めているフランスではこの意見を通して良いものでしょうか? この夏だけでも7.7ロンドンテロ直後、フランスでは礼拝中に過激な説教をするイマム3名を強制国外退去処分にしています。

そこで、日本國。21世紀に入り日本國で外国人労働者を受け入れるという話が持ち上がっていますが、彼らの国籍はどうするのでしょうか? 彼らに日本国籍を与えるとなると、現在、日本国籍しか持つことができない日本で生まれた日本人も複数国籍を持つことを認めるのでしょうか? もしそうでないならば彼らが日本国籍を取得する際に生まれ育った国の籍をあきらめなければなりません。そして日本国籍のみとなった元外国人労働者が罪を犯した場合、どのような刑罰を下すのでしょうか? 100%天使のような、無原罪の外国人のみを受け入れる自信が日本國政府にあるのでしょうか?

うやむやにしないでね。

本当に本当に大切なことなんだから。

b0070127_20185621.jpgサッカー観戦中のサルコと息子ちゃん。遅く結婚した彼の子供はまだ小学生。とっころが今年に入って彼の奥さまは家を飛び出てしまい、夏にはニュウヨオクで雑誌編集者との浮気現場を激写されてしまったのでした。政治では超ウルトラ強気、私生活で不幸なサルコですが、子供と一緒になるとそんぢょそこらのパパの顔になってしまうのでした。
le 10 novembre 2005, Léon


【Rétroliens*Trackbacks】
Excite 国際 : <仏暴動>毒舌のサルコジ内相、裏目に
Excite 国際 : <仏暴動>導入まちまち夜間外出禁止令

[PR]
by ma_cocotte | 2005-11-10 19:31 | めらめら仏蘭西2005秋 | Comments(34)
「移民」って漠然と文字にされても、語られても、
日本で流れている新聞記事などをインターネットで垣間見てはおりますが、世界中のみんなたちに質問します。

フランスの移民って何なの?

日本國発信の記事を読めば「移民」「移民」のオンパレード♪です。フランスにおける移民っていったい誰よ?と文面を手繰ると「今回の暴動は北アフリカ出身のイスラム教徒系の2世、3世が主」という説明です。確かに彼らはマグレブ三国(モロッコ、アルジェリア、チュニジア)の親を持ちますがフランス国籍を持っているではありませんか!そして親の国の国籍も同時に持っている場合もあります。「場合」というのは必ずしもフランス国籍を持っていることが絶対条件ではないからこういう表現になるのです。日本の報道の説明は非常に曖昧です。フランスについて知らない人が読んだら日本での制度をなぞらえてフランスの移民についてのイメージを膨らますことでしょう。そのイメージがあきらかにフランスの現実と異なるものだったらどうするのです?

フランスにおける移民というカテゴリーですが、その中を覗いてみると
*フランス国籍を持つ移民
*フランス国籍を持たない移民
で、まず二つに分けることができます。「フランス国籍を持つ移民」の枠を覗くと
1.フランスで生まれたことでフランス国籍を得た移民
   (日本の報道でやたら書かれている「国籍獲得は出生地主義」
    はこれですね)
2.フランス国籍以外に数個の国籍を同時に持つ移民
   (複数国籍を認めているのであれば可能。
    日本國は成人の複数国籍を認めていません
次の方々がポイントかも。
3.祖父母4名のうちひとりがフランス国籍を持っているのでフランス国籍を
 取得してフランス国内に滞在している二重国籍の移民

   (フランス国内の大学に在籍しているマグレブ系若いもんはこの制度を
    利用して入国長期滞在しています。フランス語に不自由はありません
    が、正しい文法で綴れないことが多い。)
一方、「フランス国籍を持たない移民」の枠の中を覗くと
A. 旧植民地国出身の移民 
  セネガル、ニジェール、マリ、マダガスカルなどなどなど。
    (フランス国籍を持たずとも労働条件、滞在条件が優遇されている)
B. 政情不安による難民である移民
   ヴェトナム、ラオス、カンボジアをはじめとするインドシナ系
   アルメニア、レバノン、パレスチナ、クルド、イランなど虐殺など
   による避難民
C. 労働出稼ぎ移民(ポーランド系、ポルトガル系などが古い)
D. フランス国籍を持つ者との婚姻(市民婚)による長期滞在者 :例えば私
E. フランスで出産したことで「フランス国籍保持者の親としての義務を果た
  す」法に則って長期滞在許可証が降りた者

F. 法に則った雇用による長期滞在者 : 例えば日系企業駐在員
G. EU加盟国民
そしてこのカテゴリーでの注目はこちら↓
H. フランス共和国を縦横無尽に移動するジプシー、いえ、「旅をする人々 
  Gens de Voyage」

    税金払わずに悪事を働きまくりなのでフランス政府が定住政策を
    打ち出しましたが、悪事を働きまくりんぐ中。

I. 不法滞在者
です。以上、私が思いつくだけで12カテゴリーが「移民」の枠の中に存在します。

ここで日本の報道において今回の暴動でかわいそうなヒトビト、つまり「北アフリカ出身のイスラム系移民2世、3世」ですが果たして本当に彼らは三角形ヒエラルヒーの底辺の底辺でしょうか? マグレブ系フランス人のほとんどは2.の両国籍保有者であり、母国の高校を卒業してフランスに入国し大学生または就業活動をするのは3.のフランス国籍を持つ祖父母または父母を証明してフランス国籍を取得した二重国籍者が多いのです。フランス国籍を持つ彼らは社会保障も就労条件も100%、フランス共和国民(Républicains レピュブリカン)してその恩恵にあずかることができます。どんな恩恵があるのか、と言えばSéculité Sociale 国民健康保険 はもちろんですが、Allocations familiales アロカシオン・ファミリアルと呼ばれる社会保障制度で、CAF カフ と呼ばれる事務所がフランス人ひとりひとりの保証金額算定と支払いを行っています。主な保障は
*家賃補助(部屋の間取りと家賃で算定される)
*養育手当(子供の人数によって金額が変わる)
*就学手当(毎年8月に支給される就学支度金
*未亡人手当(夫の死後、未亡人に支給される)
*障害者年金
などが挙げられます。CAF のHPを見るとETUDIANTS (エチュディアン、学生)というカテゴリーがありますが、これは無収入の学生が家を借りた時の補助制度です。留学生にも権利があり、私もかつて恩恵に預かりました。間取りと家賃による算定になりますが、月額にして約3割くらい返金されました。ありがたや。

そして日本の報道で常に語られている「低所得者層」ですが、フランス共和国ではSMIC (スミック、業種間一律スライド制最低賃金)という制度が厳しく守られており、グランゼコールを卒業した選ばれたフランス共和国民(卒業時に既にCadre カドル、管理職扱い)でない限り、どこの中小大零企業でもこのSMICを基本に給与が設定されています。ですからフランスのSMIC の制度を知る者から日本の報道を見ると「低所得者層」というのは何に当たるのだろう?と考えなくてはなりません。cf.:2005年7月1日付SMICは時給8.03ユーロ、週35時間勤務の月給は1217.91ユーロ(いずれも税込)です。

フランスでは失業すると再就職指導をするANPE(アンペウ、職業安定所)と失業や定年、出産休暇などの手当を審査、支給するASSEDIC (アセディック) に同時登録することになります。失業手当はスライド式で金額が下がりながらの支給になり、この手当が支給されている間に再就職できなかった場合はCAF でRMI (エレミ、社会最少収入)制度に登録、それに登録している者をRMIste(エレミスト)と呼びます。今回の暴動にも多くのRMIsteがいたと報道されているので、日本での「低所得者層」というのは彼らエレミストを指すと思われます。

さてエレミストが一体月額にしていくらもらっているのか?と言いますと、家族構成により算定が変わりまして次のようになっています。第一の基本は一つ屋根の下の同じ玄関使用!
独身者のエレミストさん : 389,10 €
住人2名 : 成人二名または独身者+子供一人 583,65 €
住人3名 : 成人二名+子供ひとり、または独身者+子供二人 700,38 €
住人4名 : 成人2名+子供二人   817,12 €
以上、子供3人目以上は一人につき : 155,64 €
上記は2000年の資料 なので現在はこの金額より上回っていますが、日本円に換算すると独身者で54000円前後、成人2名+子供二人で115000円前後、イスラム教徒の家庭は多産で子供5,6人は当たり前ですが、3人目から一人につき21000円強なので、夫婦に子供5人と仮定すると月額178000円がフランス政府からエレミスト家庭に振り込まれます。ちなみにフランス人の主食バゲットが一本80円くらいです。

フランス共和国ではSMICの人が快適に暮らせるように基本生活での必需品の金額設定を国が決めており、前述の社会保障制度や税金もSMIC給与者が最も負担少ない形になっています。そんじゃエレミストの生活はやっぱり苦しいぢゃん?となりますが、エレミストさんたちはCMU セミュと呼ばれる医療費全額免除(全国共通の優遇)、公共交通料金無料、映画鑑賞代割引(わが地元は1ユーロで観劇できます)など自治体によって若干異なるもののさまざまな優遇制度があります。
忘れてはなりませんぞ。・・・暴れん坊さんたちのほとんどは
フランス共和国民です。
フランスの社会保障制度やエレミストをずるがしこく利用しているのは移民ばかりではなく欧州系フランス人にもたくさんいます。家も借家であればよほどの高収入でない限り、家賃補助の恩恵にも預かれます。会社側が「管理者に」と出世をほのめかしても「いえ、ヒラで結構です」と社会保障や休暇の多さ(管理者は休暇を削ってまで仕事をすることが多い)で出世を拒むフランス人もいるほどです。
余談ですが、私の知るトルコ人(フランス国籍も持つ)一家は夫君がエレミストですが、3LDK のアパルトマン最上階をクレジットで買い、車は中古といえどメルセデス、子供3人全員大学卒業させています。エレミストです。が、クレジットにすれば「家賃」とみなされ家賃補助が戻ってきますし、フランスの大学は登録料(学年によって異なりますが年2~3万円)のみでフランス国籍者はほぼ条件なしで奨学金登録、子供も寮に入れば家賃補助を申請できます。
忘れてはなりませんぞ。・・・暴れん坊さんたちのほとんどは
フランス共和国民です。
つまりフランス国籍を持つ移民さん一行より、むしろフランス国内で問題なのはフランス国籍を持たないままの長期滞在者です。フランスは国営企業が多く、就労条件にフランス国籍所持者とはっきり書かれていることが多々あります。例えば私が就職はもちろんStage スタージュと呼ばれる就職見習いのために職場を探すとしても国籍を持っていないためにはじかれることが「しばしば×無限大」であります。社会保障についても無条件ににっこり♡というわけには行きません。
そりゃ、そうだわな。普通。
不法滞在者となれば警察による抜き打ち検査の恐怖、病気になっても健康保険の適用なし、と神経をすり減らす日常なので精神を病む率が高くなります。しかし、不法滞在者はアフリカ諸国からは親戚を頼っての滞在、日本人に至っては「母国に帰りたくない」一心での不法滞在、これは「パリ症候群」と呼ばれています。

日本でも大企業に勤務すれば「信用程度調査」という取引先企業のランク付け調査がありますが、フランスにおいて日本は信用度は良い、ですが、富裕な国からやってきた日本国籍者のフランス国内での滞在条件、労働条件はなにごとも世界一の国・アメリカ合衆国民と同様、厳しいものです。合衆国民と日本国民が異なることと言えば、合衆国民は二重国籍を持てる、ということでしょう。日本人から見て、こんにち語ったフランス共和国の福祉制度のごく一部が恵まれているか、恵まれていないのかはそれぞれの生活環境によって印象も変わるとおもいます。

例えば富裕な国・日本國からフランスに来た日本庶民♀が国の信用程度が引き金となってこんな目(↓)に遭うこともございますのでお笑いくださいまし。
http://malicieuse.exblog.jp/1119132
就職を希望するアルジェリア系女性のアジア系に対するメンタリティの一例もこちら(↓)を参考に。
http://malicieuse.exblog.jp/1118921

誰かが「満足にメシが食えない」とでもエラいヒトに言ったのでしょうか。今日のお昼のニュウスではLes Restaurants du Coeur 心のレストランという国民からの善意で集められた食料を貧者に無料で配布する団体が紹介されました。フランス共和国に来る権利(国籍)を持っていても来れないまま、飢餓に苦しんでいる旧植民地のヒトがたくさんいます。
例えば
Niger ニジェール飢餓救済
フランス国境無き医師団の飢餓救済HP ←ショッキングな場面です。
Action contre la Faim  世界における飢餓対策団体
他国を助ける前に自国だろう?と思われるかもしれませんが、上記の保障以上を求めるのは「贅沢」に見えたりもします。少なくともフランス共和国は宇宙飛行士など国際的にアピールできる投資をしないのは共和国民の実生活を優先しているからではないでしょうか。高額な税金が目に見えて還元され生かされていると実感しないと共和国民の怒りは爆発するはずですが、別のところで先に暴動という形になって表現されちゃいました。

暴れん坊さんたちが暴れまくった地区では自己防衛と閉店した店舗が多く、日中集う場所を失った暴れん坊さんたちのイライラが募っていると言われています。イライラの原因は自らの愚行にある、とまだ気づかないそうです。そして就業中に暴徒による恐怖を味わったバス運転手さんたちの勤務拒否も始まりました。無料で乗れるバスが動かなくなって暴れん坊さんたちはイライラなんだそうです。どうしてバスが動かなくなったのかわからないのだそうです。そういう日中のイライラを日没直前から発散している彼らです。

何はともあれ、私が言いたいことはひとつ。
北アフリカ出身のイスラム系移民の2世、3世はフランス共和国における
最貧民ではない
ということです。日本の報道で書かれているような、
移民→北アフリカ系イスラム移民→最貧
と連想するとフランスの現実から離れた想像となりますのでご注意ください。

そしてマグレブ系の方々が名前で差別されているというのはなんともいやはや参りました。1981年までフランス共和国ではそれは厳しい命名制限 が法律で決まっていました。1960年頃からマグレブ系の移民が本格化していますが、フランスに入国してからの出産でも彼らの信仰であるイスラム教を尊重してイスラム教徒にはこの法律が特例で適用されませんでした。そしてフランス国籍取得の際にはフランス風姓名にアイデンティティを変えること もできます。つまり今文句をおっしゃる方々は自らが決めたことの結果なのに、それを他者の責任にするとは・・・。なんだかなあ。マグレブ系大臣お二人の名前 は姓名とも一目でわかるアラブ系の名前です。


おお、驚いたぜっ、べいべ!
駐日フランス大使ド・モンフェラン閣下がはてなDiaryにブログを開いてらっしゃった。
ベルナール・ド・モンフェラン 駐日フランス大使の日記
http://d.hatena.ne.jp/Montferrand/
うっかりつぶやかせていただきますが、閣下夫人もドつき。ドつき同士の結婚とは天下無敵でございますなあ。

le 9 novembre 2005, Théodore

◆第13夜のおさらい◆
[PR]
by ma_cocotte | 2005-11-09 18:36 | めらめら仏蘭西2005秋 | Comments(38)
事件の発端がぼやけてきたぞ。こりゃ、いつもの展開かもね。
フランスは日本國に遅れること8時間、さきほど夜明けを迎えました。
暴動第12夜の報告をいたしましょう。自分が関わった暴動の大きさを自慢しあっている暴れん坊どもには業績報告ですな。
パリ近郊で1173台の自動車が燃え、330人に不審尋問、
12人の警官が負傷

(但し、地方での暴動の「業績」は含まれておりません)。
昨7日夜20時から民放TF1のニュウスにドミニク・ド・ヴィルパン首相が生出演 し、Couvre-feux (クーヴル・フゥ、外出禁止令)を発令する、と公言しました。が、そう一国の首相が言っても7日は日没前から暴動ショウが始まりました。
この目で見なきゃ信じられないトマ男、トマ子さんにはこちら↓をクリックね。
国営放送France 2 午前8時のニュウス
EDF (フランス電力)のCM後、番組が始まります。この番組で注目していただきたいのは、
*外出禁止令を発表する「動くド・ヴィルパン首相」(いい男さんです♡)
*ANPE(職安)の雰囲気
*暴れん坊たちが住む住宅の雰囲気
どすえ。フランスの義務教育は16歳で修了します。16歳の段階で中学2年生のクラスにいても16歳になれば学業から離脱できるというシステムなので日本國の義務教育事情とは重ねることはできません。このニュウスでは14歳以上の青少年に対する面接措置について語られていますが、これは各共同体(数市町村による構成)に常駐の無料心理カウンセラーとの面談につながる話だと思われます。
今までも無料心理カウンセラーさんはいるンですけれどね。
そしてstage(スタージュ、職業見習い制度)やformation(フォマシオン、職業につながる研修制度)を今回の暴徒のみなさまのために優先するのだそうです。これらの研修制度はSMIC(フランスにおける最低賃金)の数%を各自の職歴に応じてrémunération (レミュネラシオン、報酬)として研修者に支払われます。つまりビビたる金額とは言え給与をいただきながら手に職をつけられるのです。私の知る限りではございますが、
今回の暴徒のみなさま方はANPEがスタージュやフォマシオンを勧めても、研修途中でバックレていませんか? 

途中でバックレると報酬は返済しなければなりませんが、国が返済を求めると「差別だ!」と大騒ぎしていませんか?
もひとつ言ってしまえばこれまでもフランス語ペラペラのマグレブ系移民にまくし立てられるのを嫌がって国民の就職に関わる欧州系職員が無言でマグレブ系を優先し、フランス語に訛りがあり、かつ気性が静かなアジア系やアフリカ系の書類をマグレブ系の後ろに置いていませんか? 現に私の書類はそういう扱いだったんですけれども・・・・。それなのに今まで以上に暴徒の中心であるマグレブ系やアフリカ系イスラム信者さんのみ優遇ですか?
ひどいよ、そんなの・・・。っざっけんな、馬鹿野郎ですぅ。
そしてテレビにも映し出されております暴れん坊さん達が住まう高層住宅群。日本國では流行の高層アパルトマンですが暴れん坊さん達にはお気に召さないらしく改善に動くそうです。高層であろうが低層であろうが、中に住む人のモラルに変わりがなければ同じ問題が続くと思いますがね。
ったく、12夜も過ぎると見えてくるものがあります。
と言うのはですね、この暴動は10月27日夜警察に追い込まれたことが原因で感電死した2未成年の事件がきっかけでした。その直後、
*警察の取締りが厳しすぎる(Ex. 行動不審者への職務質問)
*威圧的な態度を改めろ(制服や警棒、ピストル着用など)
*適度な距離を保ってくれ
  (フランス語の新語でProximité プロキシミテと呼びます)
という要求が地元住民側から出ました。その抗議行動が今回の暴動なンだそうですが、ねえ、ちょっと、暴れん坊さんたちの親御さん
*車に火を放てば → 消防隊が来る
*警官に物を投げつければ → 警官は自己防衛で武装する
以上、そんなの当たり前だのクラッカーぢゃござんせんか? もし良心を持つ親であるならば、深夜に暴れ疲れて戻ってきた息子さんに
「こりゃ、ロジックぢゃないんぢゃないかい?」
とどうか一言お願いします。未来ある子供に希望を託す親心で意見できません?これまで世界中に配信されるようなニュウスにはなりませんでしたが、今回の暴動のようにマグレブさんたちに関わる多くの問題が当初の問題点とずれて展開することが多すぎるンでございますですよ。

暴れん坊のみんなたち、

警察に来てほしいの?ほしくないの?




どっちなの!?


おっしゃい、き~っっ!!! 

どうみても「来ないで!」と口にしながら警察や消防を呼んで喜んでいるのは暴れん坊さんたちですよ。そろそろ警官の皆さん達もおうちでお風呂に入りたいと思っていることでしょう。ったく、優しくなれんかね。暴れん坊さんたちはフランス語におけるへその中心、自己中心は子供の証拠、オトナぢゃない。働かないオトナだからとお小遣いをむやみに欲しがる暴れん坊さんたち。
共和国だって面倒見きれないよ。まだ見るつもりらしいけれど。
それに「いつもどおり」次の要求が準備されているのでしょ? スカーフ問題の再燃?

先週末からテレビで「警察さん、消防さん、私達を守って!」と叫んでいる欧州系の人々や「障害者が乗るバスに真正面から火を投げ入れたのは明らかに犯罪だ。対処すべし。」と断言したサルコジ内相、そして昨晩のド・ヴィルパン首相による「外出禁止令」などを傍観している私から一言。
これらについて暴れん坊さんとその家族は「威圧だ」とおっしゃいますが、欧州系の庶民の方々が暴動にあきれて強固な姿勢をとったり、内閣が警官武装発動や外出禁止令を出すのは何が原因でしょうか?
 
あなたがた、いいかげん暴れるのをやめんかい?



le 8 novembre 2005, Geoffroy


【Rétroliens*Trackbacks】
Excite 国際 : 外出禁止令に向け手続き 仏政府が緊急閣議

[PR]
by ma_cocotte | 2005-11-08 18:34 | めらめら仏蘭西2005秋 | Comments(54)
そして、Fatwa (ファトゥア)
フランス共和国において2005年11月7日の夜明けから数時間を過ぎ、昨晩の被害状況がニュウスで次々と伝えられております。(↓どちらもクリックするとCM後ニュウスが流れます。ぜひ。)
France 2 : 朝8時のニュウス
France 3 : 12H30全国ニュウス
こんにち注目すべきは警官の装束と暴れん坊が警官に向けてぶっ放した散弾銃の弾でございます。

さて昨日から今朝にかけて暴動第11夜の被害ですがパリ郊外では1408台の車が灰となり、395人が検挙。散弾銃の弾にあたった約30人の警官のうち二人が入院しました。

フランス国外では彼らの低賃金、劣悪な生活環境、人種差別などが強調されたニュウスとなっておりますが、先週末からフランス国内のニュウスには同じマグレブ出身者の方々の意見が次々と映像となって放映されています。現在暴れん坊となっている青年達と同様の環境で育ったマグレブ二世のフランス人が今は社長となって欧州人を含めた社員を雇って会社を成功させていたり、マグレブ出身の医師が習慣を分かち合えると移民地区での巡回往診をしていたり、と。そして全焼されてしまった幼稚園や学校に子供を預けているスカーフをかぶったマグレブ系女性の怒りの声も流れました。真面目に生きる人々にとって同胞であれどここまでの悪行が続けば文句を口にするのは当然の良心だと私は思います。

例えば会社や商店を経営するマグレブ系の人々が先輩として同胞を雇います。ある日、お金がなくなっていたとして一度は哀れみで赦します。ところが再び金が盗まれ、会社の備品が消えていた・・・ということが続いたら、どこまでその哀れみを持ち続けられますか? 経営者は他の社員とのバランスも考え、止む終えずその人物をクビにしたとします。その人物がその直後から誰彼構わずその社長や店主を「哀れみを持たない。ひどい。差別だ。」と口にしたとしたら?
裏切られ続けているのは決して暴れん坊たちばかりではありません。
母国では重んじられている宗教があるために性差によって教育に制限がありますが、フランスではほぼ無料で国民に平らに等しく教育が与えられます。これは母親であるマグレブ系女性が口を揃えてフランスに感謝する第一の点でもあります。なぜなら自分自身が女性であるために満足な教育を受けられず文字も数字も読めません。読めたとしても確信できない不安が残るそうです。どれほど多くのマグレブ移民の女性がフランスに住むことで子、孫と一緒に勉強するのを楽しんでいることか。子供が日々賢くなっていくのを喜ばない親はいないと思います。勉学の場に火を放つとはどういう心の持ち主でしょう?

昨日、日曜日の夕方、私は散歩に出ました。途中でお腹がすき、何かお菓子を買おうと思いましたがあいにくの日曜日でお店はほとんど閉まっていました。ところが運良く、最近開店したアラブ系の八百屋さんから光が洩れておりまして、お店に飛び込んで「お菓子はありますか?」と質問したところ、アラブの甘い蜜菓子がある、とレジのおにーさんがおっしゃいます。私はラマダン中もアラブ菓子を買わなかったのでそれを買うことにしました。すると彼がきれいにリボンをかけた箱を取り出し、それを解いて「どのお菓子にしますか?」と私に尋ねるのです。ある客のためにつつんであったけれど構わないよ、と。このおにーさんが立つレジのそばには彼の母親らしき女性がドカンと座っており、笑顔で私に美味しいお菓子を指差してくださり、結局私は2種類のアラブ菓子を選んで、その店を去りました。
こっつぁむい日曜日の夕方に店を開けて、この心配り。
いい人たちぢゃああ~りませんか。
これまでの11日間、暴動のニュウスを見るたびに私は疑問を持っています。私の日常で接する真面目なマグレブ系の方々が誤解されるのではないか?と。贅沢とは言いません、が、欧州系も地味な生活をしているのが大部分のフランスで、多くのマグレブ系の人々も静かにこの共和国での生活を送っているのです。マルセイユの図書館に行けばアラビア語とヘブライ語の新聞のコーナーは並んでおり、彼らは隣同士の席で時間の流れを分かち合っています。どうも日本のマスコミに流れている今回の暴動のポイントはフランス国内で見る真実とずれているように思えるのです。

昨晩ですが、大統領府(エリゼ宮)にてシラク大統領とド・ヴィルパン首相が今回の暴動についてのCommuniqué (コミュニケ、公式声明)を発表しました。

Déclaration du Président de la République sur la sécurité. 
   11/6付大統領声明全文

Dominique de Villepin annonce un renforcement des dispositifs de sécurité 11/6日首相声明全文


フランス共和国における大統領職の主権限は外交と国防にあり、内政に干渉することは滅多にあり得ないことですが、今回の長引く暴動に大統領は「治安と公共秩序の回復を最優先する」との暴動の即時鎮圧のための声明を出しました。

しかし、大統領が国民のみなみなさまに等しくお願いしても昨晩は暴動があり、しかも暴れん坊たちは警官に発砲までしでかしやがったわけです。で、たふたふけふの午前中、出てしまいました。泣く子も黙ると言う、あれ。


Fatwa

ふぁとぅあ

「Fatwa ファトゥア」ってなーに?
ファトゥアって「宗教令」ってことなのよん♪

フランス共和国の法に従う意思のない暴れん坊にはイスラム宗教令しかない、と判断されての発表です。情けなや、民法のおフランスよ。

んでもって、11月7日発表のファトゥアでございますが、

L'Union des Organisations Islamiques de France

Au nom d'Allah le Tout Miséricordieux,
le très Miséricordieux


「フランス・イスラム機関組合 本当に情け深く、全てにおいて慈悲深いアッラーの名の下に」という団体から発表されました(原文はこちら)。読んでみますと、
« Allah n’aime pas les semeurs de désordre » 、アッラーは氾濫の種を撒く者を愛さない。
« Ne semez pas de troubles sur la terre comme des fauteurs de désordre »、暴動の先導者のごとく大地に問題を撒くなかれ。
と、コーランに書かれてある箇所を挙げてのコニュニケになっています。そしてJMF(Jeunes Musulmans de France フランスの青少年イスラム教徒連盟)が暴れん坊に出したコミュニケ には「感電死した二人のためには静かにお悔やみを言うことが最良の道である」と書いてあります。
ごもっともだよ、ファトゥアさん!あんた、良いこと言うぢゃないのっ!
フランス共和国の大統領の言うことは聞きたくないかもしれませんが、
ファトゥアは聞いてよね、暴れん坊のみんなたち。
それにしても、情けなや、民法のおフランス・・・。


le 8 novembre 2005, Geoffroy

◆在マルセイユ日本國領事館めるまが号外が届いたよ!◆
[PR]
by ma_cocotte | 2005-11-08 00:03 | めらめら仏蘭西2005秋 | Comments(29)