<   2005年 05月 ( 27 )   > この月の画像一覧
母国に「NON!」と言える国民。
昨日5月29日22時,欧州法批准国民投票の結果が発表された瞬間,この言葉が浮かびました。
今回ばかりは政党にも人物にも盲目にならず,国民ひとりひとりが自ら熟考して出した答の結果であることは明らかです。3年前自分達が選んだ大統領の意見に従わなかったのですから。

b0070127_126395.jpg
一夜明けた30日,正式な投票結果が発表されました。
OUI (賛成)  45,13%  12 686 732
NON(反対)  54,87%  15 422 659

Abstention(棄権): 30,26%

上の地図では青が賛成赤が反対となります。まっかっかに青ちょんちょん
地図の中央で白く抜けた部分はIls de France (イル・ド・フランス)と呼ばれる首都パリとそれを囲む県で,上の地図左上に載っている2つがその部分にあたります。右がパリ,左がその外周県です。イル・ド・フランスを見ると西側の富裕層賛成移民が多い北東反対とはっきりわかります。(パリ近郊の移民居留区では70%が反対票を投じました)
フランス全土で見るとフランスの大都市リヨンを抱える県,ドイツ国境に接する欧州議会(ストラスブール)を抱えて潤っている県,スイス・ジュネーヴに接する県とブルターニュの保守県が賛成の青色に染まっています。
ついでに世界に散らばる9箇所の海外領土・海外県においてはインド洋上のRéunionのみが反対。EU圏内に在住していないのにフランス共和国民ゆえに投票しなければならないので実感がないのかもしれません。

さて,私が住む南仏Bouches-du-Rhône (ブッシュ・デュ・ローヌ)県の投票結果は
OUI(賛成)  38,20%  308 037
NON(反対)  61,80%  498 410
Abs (棄権)  30,96%
この県にはマルセイユというコスモポリタンシティが存在しますが,マルセイユ市内でも特に低所得のマグレブ(=モロッコ,アルジェリア,チュニジア)移民が多く住むQuartier Nord (カルティエ・ノール,北部)では反対が80%に上りました。
フランス国内全体で常に10%前後の失業率という現状であり,マルセイユ市はフランス一の失業率を掲げています。このことでもわかるように反対票を投じた人々の不安は現時点でEU統合を進めることは国内の失業を助長するというものです。なんと46%の人々が第一に労働力と社会保障に関する不安を反対理由に挙げています。
フランス国内で地域格差がはっきりとあるのに,もしEUというひとつの国となった暁にEU内では富裕国であるフランスが東欧,トルコ,旧東独などに救いの手を差し伸べねばなりません。私達が納める血税は国民すなわち自分に還元されるべきものであり,どんなにせがまれてもヨソに流れるものではないはずです。

EUに加盟したとは言えど国力が今ひとつ優れない国々はEUという傘下に入って日の目を見たい,その名にあやかりたいという野望があります。これまで批准成立した国名を見ればそれは明確です。ドイツは旧東独との格差がまだ縮まらず,ドイツ単独の力では限界が見えたのでEUの力が欲しいのです。
フランスは決してEU一の富裕国ではありません。が,EUに加わらずともやっていける程度の国でもあります。そうかと言って国内をほっぽらかしでEU加盟国でおチャラけるほど余裕がありません。

今回の国民投票を身近な出来事に喩えてみましょう。
フランスさんちのお父さん(シラク大統領)は家を省みず勤務先(EU)での出世ばかり考え,しかもどこかのきれいなおねーさん(東欧諸国)にうつつを抜かし,家にきちんと生活費を納めようとしません。不安になった家族の中には暴力を振るう者,病気になる者が出始め,健常な者まで互いに食べ物を取り合うようになりました。そこで呆れた家族(国民)が勇気を出して「いい加減にしなさい!家族を忘れないで!」とお父さんにはっきり言ったのです。
・・・そんな状況ではないでしょうか。

日本國も同じような状況に陥りつつありますね。
近所で「お小遣い頂戴!」とせがむだけの人がいても彼らは家族ではありません。お父さんかお母さんが許可をして彼らが家事を手伝ってくれたら駄賃はあげます。でもお父さんは家事で手が足りないならまず家族に手伝いを乞うものです。もし家族に拒まれたら何か理由があるのだから家庭内の問題解決を優先するのが主人の役目です。もし主人がとっちらかっているなら家族がはっきりと意見を述べたり手を差し伸べる。そうしてこそ本当の強い結束の家ができあがるのです。家族の願いは必ず家の繁栄に繋がります

現にフランスではシラク大統領はじめ「OUI (賛成)」を主張した政治家達が「こんなことではフランスはEUで失墜する!」と顔を真っ青にしていますが,そんな苦言や心配をよそに国民の
52%は今回の批准を反対することでEUが更に良い方向に向かい強化される
44%が今回否決してもいずれEUは建設される
42%は批准否決しようとフランスは強くあり続ける
と答えています。
物事には順がある。あせらない,あせらない。


Excite エキサイト : EU憲法批准否決後も、統合に努力=仏大統領
Excite エキサイト : ラファラン首相更迭へ=仏大統領、国民投票大敗で
Excite エキサイト : 仏、欧州憲法を大差否決=国民投票、反対55%
[PR]
by ma_cocotte | 2005-05-31 01:22 | 『?』な、お!?仏蘭西 | Comments(16)
怠惰な日々。
世の中には「五月病」という言葉があるので「五月」のせいにしたい。
今は「五月」のせいかほぼまったく料理を作る気がしない。いっそ食べないでいられるものならいたいのだが,生ある物は食べないと生きていられない。生きていなくてもいいのに,身体が食を欲するということはまだ生きていなければならない天命なのかもしれない。というわけで,「五月」のせいか生きていくために毎日繰り返し手抜き料理を作っている私である。

近所のスーパーでToulouse aux herbes (トゥルーズ・オ・エルブ)というハーブ入りソーセージ 384gを2.33ユーロで買い,ベランダに用意したバーベQコンロに乗せる。
b0070127_3541360.jpg
ソーセージに塩をパラパラかけ,爆発して脂が飛ばないようにフォークでぶつぶつ穴を開ける。せっかちな私は焦げ目をつけるのが下手なのでここで気を紛らわすことにする。

ふとベランダから左の下界を眺めると隣の市営プールの入口でもバーベQの準備中!27,28日の二日間,シンクロを学ぶ子供たちの発表会なので父兄の親睦会も兼ねているらしい。
b0070127_5135920.jpg
かったるそうに準備をしている人々を見ながら遠い昔の学園祭の準備を思い出したりなんかして・・・

・・・あ,思い出した・・・。ココんちのコンロのソーセージを裏返し!
b0070127_413664.jpg
焦げ目がつくまでいつものサラダソースを作る。
ヴィネグレットソースができあがった頃,ソーセージも丁度食べ頃の焼き具合。
b0070127_42583.jpg
トゥルーズソーセージのグリル いつものサラダ添え
ソーセージにはディジョンマスタードをつけてパクリ。
かなりおいしうございました。

夕食を終えてベランダから再び下界を眺めると,あちらも盛会のやうでござった。お腹いっぱい食べたはずなのに下界からのバーベQの香ばしい香りが鼻をくすぐる。
b0070127_5143657.jpg
がるるるるるぅ
・・・夏が来たンだなあ・・・。


● ニッポンの美味しいソーセージ ●
[PR]
by ma_cocotte | 2005-05-30 04:06 | Ça était? | Comments(24)
大統領の言うことを聞かないフランス人。
2005年5月29日はフランスでは母の日ですが,今年はもうひとつ欧州憲法批准の是非を問うRéférendum(レフェランドム),すなわち国民投票日でもあります。将来アメリカ合衆国に匹敵する欧州連合国を創るための布石第二段が欧州憲法の制定です(第一弾は2001年の統一通貨単位ユーロの導入)。この国民投票日に向けこれまで約2か月の間ほぼ毎日討論番組では批准の是非を占う専門家や政治家の舌戦が繰り広げられ続けています(現在進行形)。
b0070127_146516.jpg
市役所前の選挙用ポスターも各政党によるもので,Oui (ウィ,賛成),Non (ノン,反対)の文字が飛び交っております。高校生にもなれば支持政党を持つほど政治熱心なフランス国民ですが,この2か月の世論の流れを傍観しているとどうも今回ばかりは必ずしも支持政党の意見に国民が盲目的に同意していません。大まかに説明すると欧州憲法批准を賛成しているのは現大統領傘下の政権を担う中道とミッテランで有名な左派(以上フランス国内でメジャーな2政党)であり,それ以外の極右から社会主義,更に共産主義政党までずずずいーっと「反対」を貫き通しています。これまでの大統領選をはじめとする結果から予想すれば当然今回の国民投票は「賛成」で決まりのはず。ところがテレビで公開討論会を繰り返せば繰り返すほど国民の世論は「反対」に傾いているというのが現状です。
国民が選んだ大統領シラク氏は26日夜のテレビ演説で「欧州憲法の否決は欧州の中に分裂と疑念,不安の時代をもたらす」と強調しましたが,この演説後の世論調査で批准反対派の比率が更にアップしてしまいました。

私は日本国籍なので投票権を持っていません。傍観者としての私の意見は現状では「Non(反対)」です。でも決して永遠の反対ではありません。おそらく5年後,10年後なら「Oui(賛成)」と投票できます。が,2005年現在の欧州を傍観する限り「時期尚早」という言葉がピッタリ当てはまると思います。

フランス国民が欧州法批准に反対する理由を挙げてみましょう。

1.EUの将来は「アメリカ合衆国」か?それとも「中華人民共和国」か?:21世紀に入り経済,政治では常に出てくるこの2大国,それだけでなく面積,多民族国家などEUの将来を予想するにも適当な比較国ですが,現在のEU加盟国とEU加盟を待つ国(トルコ,ブルガリア,ルーマニアなど)の現状を考えると,ほぼ絶対間違いなくEUの未来は「中華人民共和国」であり「アメリカ合衆国」ではありません。貧富格差,教育格差,多言語国家,複数の宗教・・・中国が現在分裂せずにどうにか国家を維持しているのは共産党政権であるからに過ぎません。EUが掲げる民主共和国家で貧富や人民の移住をコントロールするのは中国よりはるかに困難であるのは明らかです。ボストンという地点から広がって国を作ったアメリカ合衆国と,言語をはじめ何もかも異なる国をひとつにまとめようとするEUの目論見は正反対の動きでもあります。

2.欧州法において労働賃金は西欧を基準にするのか?東欧を基準にするのか?:EU主要国が中国に見切りをつけて基本賃金,物価の安い東欧諸国に工場建設,労働市場を移しつつありますが,労働賃金を西欧に合わせれば東欧諸国民の西欧への大量移住は確実,東欧諸国の賃金レベルにあわせたら西欧の物価では人民は生きていけません

3.フランスの失業率は10%弱。労働賃金の魅力で低賃金諸国から多数の求職者がフランスに来た場合,どのようにフランス国民を守るのでしょう?:「試験で平等」と簡単に割り切れる話ではありません。

4.EU国民の自由な移住による生活・安全保障は?:フランス国境越えで最も厳しいのは地中海沿岸のイタリア国境Ventimille(ヴァンチミル,イタリア語ではヴァンチミリア)です。マフィアとボヘミアン,ジタン(ジプシーの2民族)の密輸とブランド偽造品持込ルートだからです。近い将来ルーマニアとトルコがEU加盟をした日にゃあ,EU主要国への民族大移動が開始されると予想されています。ドイツ,スイス,フランスに多いトルコ系移民は親戚を呼びたくてうずうずしているのも事実です。

フランスは国民総移民,混血で成り立つ国でありドイツや大英帝國のように「ゲルマン民族国家」「アングロサクソン国家」というように断定できません。国力がEU内で並みのフランスはEU加入によって浮かび上がろうとする野心も必要ありません。すでに批准可決されたドイツやスペインあたりともフランスの国内事情と単純に比較できません。そしてフランス国民はフランスがEUのヘソ,すなわち交差点に位置する国であることも理解しているからこそ彼らは現時点での欧州法批准賛成に躊躇いを感じているのです。東欧諸国とは経済関係で需要供給すべきで,国税と国益は東欧のバランス向上に使う前に国民のために使ってほしいという願いもあります(そりゃそうだわな)。

既に現時点で

 ■ ユーロという共通貨幣が存在する
 ■ EU国の国籍保持者はEU国内どこでも求職活動ができる
 ■ EU国民は違法行為をしなければ各国間を自由に往来できる

のだから,もう少し東欧諸国の経済が潤って西欧諸国との諸々の格差が狭まってから欧州法批准で十分ではないでしょうか。ユーロ導入からわずか4年の現段階での「賛成」はあまりにも大冒険に値するのでは?

そしてEU共通(ただし大英帝國を除く)通貨ユーロ!
世界的ユーロ強で国力は潤うかもしれませんが家庭の家計は確実に悪化しています。例えば2000ユーロは13,119フランです(1ユーロ=6.55957フラン)。ユーロ導入直前1フラン=約18円でしたから236,142円,現在1ユーロは135円強(数週間前に一度140円に到達)ですから270,000円,同じ価値のはずなのに33,858円も日本円に換算すると差が出ます。1999年からフランスにいる私は最近ユーロを日本円に換算をするのが悲しくなります。ユーロがほぼ米ドルと同価値であることが経済的には望ましいと思います。

EU加盟国にもかかわらずユーロ導入しなかった大英帝國ですが,欧州憲法制定となると慣習法を採用している関係でEU脱退の可能性がますます高くなりそうです。

投票前日(28日)のフランス国内最後のアンケートでは国民の56%(Ifop調査)が「反対」という結果が出ました。
そして労働者の73%,サラリーマンの66%,野党社会党支持者の58%が批准反対というのが5月26日実施のLe Parisian パリジャン紙の世論調査結果です。

結果はいかに!?
29日夜はもちろん主要各局とも特別番組が放映されます。

∵ ちょっとギクシャクした不思議な話 ∵
[PR]
by ma_cocotte | 2005-05-29 01:33 | 『?』なオイロッパ | Comments(15)
ブッチブチの「ブチ」屋さん! Voilà, c'est boutis!
今度の日曜日はフランスにおける「Fêtes des mères フェット・デ・メール」,母の日です。
毎年5月の第4日曜日がその日にあたるので5月半ばにもなると巷では「母の日」にぶつけたセールスが展開されています。香水や花束,ちょっとしたアクセサリーなどなどを大好きなママンにプレゼントしつつ,大好きなママンのおいしい料理をご馳走になってなぜかチャラな一日,これぞ「母の日」であります。
b0070127_2585114.jpg
昨日隣町のCarrefour に出かけたところアーケードでは職人市が開催されていました。その中の一軒がブチ(Boutis)屋さん。ここ数年,南仏一の快楽都市 Saint Tropez から来たお店でした。「ブチ」と耳で聞くと水玉模様やクラスメートの田淵くんを思い出すのが日本人ですが,フランス人が「ブチ」と聞いて連想するのはBoutis Provençal(ブチ・プロヴァンサル)と呼ばれる布です。
b0070127_341016.jpg

このブチは別名broderie de Marseille(ブロドゥリ・ド・マルセイユ,マルセイユ刺繍)とも呼ばれ,綿・麻,羊毛の生地に独特な凹凸を施した手技術です。
この繊細な美しい品々がフランスでは「母の日」お勧め商品らしく,店頭には布団カバーやテーブルクロスはもちろんイニシャルを施した小物入れなども並びます。
そうだ!この機会に話しておきましょう。
日本の生活でハンカチはバッグの中の必需品ですが,フランスの庶民の間ではハンカチを持つ習慣がありません。ハンカチの代わりに丈夫な紙でできたティシュペーパーをまるでハンカチのように本当にくたびれるまで捨てずに使うご婦人が多いのです。繊細なハンカチーフは過去の習慣なのでしょうか。お土産で「おフランスのおハンカチを」と考えても見つけるのは難しいように思います。

この1か月,マスコミで連日のように中国製衣料がフランスをはじめとするEU国内業者の存続を脅かしていると報道を繰り返すほどフランスの繊維業界は深刻な状況に陥っています。このまま中国製品が国内に蔓延ると近日中に相当数の業者が廃業に追い込まれるのだそうです。そして嘘か真かフランスでつぶれてしまった繊維業者に手を差し伸べているのは日本の企業や愛好家だともニュースで報道されました。

「ブチ」の話に戻ります。田淵くんではなく「Boutis」の「ブチ」です。
私が住むプロヴァンス地方では白や生成りの無地に加え,色とりどりのプロヴァンス織に施したブチも多々見られます。プロヴァンス刺繍と呼ばれながらも年々職人は減り,専門店を見つけるのも難しくなってきました。
先日Arles に行った時も大手(Les Olivades オリヴァドや SOULEÏADO ソレイヤド)は残っていても職人さんが細々と続けるお店はほとんど終わっていました。「母の日」を前に偶然とはいえ思わぬ所で手作りのブチ屋さんに巡り合えてうれしい限りです。

ブーチ,ブーチ,ブチはいかがかえ?」なんて行商さんが来ればいいのにね。
b0070127_1453849.jpg
 緑の葡萄の葉の部分がいかにもBoutis (ブチ)しております。
マルセイユ刺繍という名を冠していますがパッチワークのようでもあります。

b0070127_14533853.jpg






プロヴァンス織はプロヴァンス地方独特の模様を持つ綿地です。色はプロヴァンスの強い日差しに映えるはっきりとした原色が特徴です。柄は小花,ラヴェンダーの花束,オリーブの実と枝,蝉(せみ)が有名です。この色と柄を貴重にした陶器もプロヴァンス名物です。
[PR]
by ma_cocotte | 2005-05-28 02:48 | 『いいね。』 Chouette! | Comments(26)
【Trottinette】 オトナのための三輪車。
フランスの託児所や幼稚園では「Atelier de trottinette 三輪車の授業」があります。園庭でギコギコ幼稚園が用意した色とりどりの三輪車をこいで遊ぶ時間です。偶然見かけるとなかなか微笑ましい光景なので思わず立ち止まって眺めてしまうことが多い私です。
さてこのTrottinette (トロチネット)という単語ですがなぜか仏和辞書に載っていません。和仏辞書で「三輪車」をひくと「tricycle(トリシクル)」と載っています。トロチネットは幼児語なのかな? フランス人にはtricycleというよりtrottinetteと言った方がピン!と来てもらえるように思います。

おらが町の旧市街にオトナになっても三輪車を愛する人々の溜まり場があります。
この三輪車,走る姿はなかなか格好いいです。ギコギコではなくてブロロロロォ。
b0070127_4132834.jpg
町と町がつながらないことが多いフランスでは,ひとつの町を出ると信号もない道路が隣町まで続きます。街道に並行して国道や高速道路も造られており,結局どの道を選んでも町を出れば信号なしというのがフランスの道路です。私の住む地中海沿岸では高速道路に出ると世界各国のナンバーを携えたトラックや車を見かけることが多くなります。スペインやポルトガル,イタリアはもちろんですが,最近では東欧諸国(ポーランド,ルーマニア,チェコなど)のナンバーを目にすることもあります。
私の住む町はイタリア系またはスペイン系市民が多いため一年中イタリアとスペインナンバーの車をよく見かけますが,国道に出ると一年を通してスイスやベルギーそしてリュクサンブルグナンバーの車をよく見かけます。変わったところではモナコとアンドラナンバーでしょうか。どちらもあまりにも小国なので滅多にお目にかかれないナンバーですが,各王国の紋章付きのナンバーはなかなか美しく一見の価値があります。

5月下旬になると急にドイツナンバーの車が目に付くようになります。ドイツには社会人になってからナンピトも語学研修を受けられる支援システムがあるせいか,成人したドイツ人が早めの研修休暇を取って一足先に夏が来た南仏に下りてくるのです。
毎年ドイツナンバーが目に付き始めると南仏には本格的な夏が訪れ,その後すぐ英国ナンバー車,更にオランダや北欧車がひっきりなしに走るようになります。以前エクサンプロヴァンスでは合衆国のフロリダ州ナンバーをつけた真っ赤なカマロを見たこともあります。この道路におけるインターナショナルな空間は日本國では経験できないことのひとつでしょう。

近年EU諸国間で共通国名略号を添付したナンバープレートが普及しているので簡単に車の国籍がわかるようになっています。毎年夏がおとずれるたび欧州諸国やマグレブ諸国のナンバープレートを見ては,フランスが大陸の中にある国であり決して四方を守られた島国でないと実感します。
[PR]
by ma_cocotte | 2005-05-27 04:01 | 『いいね。』 Chouette! | Comments(20)
2005年5月25日午後9時16分,ココんちから見た空。
b0070127_539458.jpg
ため息が出るほど美しい夕空が久しぶりにココんちの窓いっぱいに広がりました。
フランスの初夏の空は本当に美しく,
夜9時をまわったと言うのにこのような表情を見せます。
渡り鳥の鳴き声がきゅーんと切ない気持にさせる夕暮れ時。
5月下旬の南仏の空はこの後30分くらいで日没を迎えます。
昨年12月26日に比べると4時間も日が伸びていることになります。
6月の夏至の頃ともなると完全に日が落ちるのは夜10時半頃でしょうか。
フランスは今,一年で一番美しい季節かもしれません。

[PR]
by ma_cocotte | 2005-05-26 05:39 | Promenons-nous! | Comments(14)
Ecoutez, Jeune homme! 未来ある少年よ,聞きたまえ。
ココんちから南に歩くこと5分のところにマリ・キュリ小学校とその付属幼稚園があります。フランスの公立小学校と幼稚園はたいてい隣り合っており,幼稚園は小学校付属という位置付けにあります(日本におけるフランス系カトリックミッションスクール数校も幼稚園は小学校付属という形を取っています)。
ココんちの近所のマリ・キュリ小学校のマリ・キュリはかの有名なノーヴェル賞を二度受賞したMarie Curieです。ちなみにわが町のCollege (コレージュ,日本の小学6年から中学3年)はGeorges Brassens(ジョルジュ・ブラッサンス),Lycée (リセ,高校)2校は市長の名前を冠しています。ジョルジュ・ブラッサンスはすでに他界したフランスの歌手で,日本では映画「Le dîner de cons 奇人たちの晩餐会」の主題歌で有名かもしれません。このようにフランスの公立学校は自国の歴史上の人物名を冠している学校が多く,しばしば耳にする学校名はすでに登場のマリ・キュリ,他には作家ヴィクトル・ユーゴーやアントワァヌ・ド・サンテグジュペリなど日本でも馴染みある名前です。が,前述の歌手ジョルジュ・ブラッサンスをはじめ,「枯葉」で有名な詩人Jacques Prevers(ジャック・プレヴェール)や哲学者ジャン・ポル・サルトル,シモーヌ・ド・ボーヴォワールのような近年の有名人の名を冠している学校も多く存在します。

我が母国日本國の公立学校は地名を冠し,更に第一,第二などで区別という形が多いですが,フランスのように歴史上の人物の名前を冠すると自然に自国の偉人の名前を覚えられていいのではないかしらん?友人との会話の中で母校の名前が出,興味があれば「調べる」という楽しい複線も引かれます。紙幣に偉人がのせられるなら学校名にその名を冠しても差し支えないのでは。

ところで2005年5月24日のマリ・キュリ幼稚園には移動動物園がやって来ました。
b0070127_6294524.jpg
気が付いて写真を撮ろうとしたら正門に「写真を撮るなら2.5ユーロ」と張り紙が! あ・ほ・ら・し。
もちろん隠し撮り決行であります。左奥にラマがいます。他にも羊,ポニー,孔雀,七面鳥,豚,山羊などが園庭のあちこちに簡単な囲いを造って放牧されていました。

で,数枚シャカシャカ写真を撮っていたら・・・突然手前にモッコリと。

マダム,何をしているのですか? 写真なら僕達も撮ってください。
b0070127_6352556.jpg

と言うので「いいわよ♪ジュノーム(Jeune homme,少年)」とカメラを向けたら,
瞬時にしてなかなかのポーズをとる男の子たち。
「流石,未来のフランス男よ。仕草もかわいいのぉ・・・むふふ」とパシャリ。
b0070127_636562.jpg
そして私が立ち去ろうとした時,この少年達が私にこう叫んだのでした。

Au revoir, Chinois!

オルヴォワール,シノワ!(またね,中国人(♂)!)」

・・・このガキら,ぶった切ってやろうかと思いました。そりゃ,幼稚園児の彼らにとって私の外見は中国人に見えるのでしょう。だから将来ある彼らにアジアには日本という国があるということを知る未来(いわゆる猶予だな)を与えてあげようではないか。キミガタよ,大きくなったら覚えたまえよ。

だからそれはいいとして,彼らが私に言った「Chinois (シノワ)」ね,シ・ノ・ワ
シノワと言ったら男性形,だから中国人男性♂を指します。
せめて私には「ァズ」をつけて「シノワァズ(中国人女性)」と呼んでくださいな,未来ある少年達よ。
どうかお願い,私は女性♀です・・・。
[PR]
by ma_cocotte | 2005-05-25 06:58 | 『?』な、お!?仏蘭西 | Comments(25)
カンヌが閉幕した翌日は・・・ローランギャロスが開幕!
23日夜明けと共にテレビは全仏オープンテニス(通称・Rolland Garros ローランギャロス)開幕の話題ばかり。「そりゃ,大騒ぎさっっ!」です。
今年のローランギャロス会期は5月23日から6月5日まで。国営放送France 2とFrance 3がフル回転で試合生中継です。b0070127_15422234.jpg
私にとってローランギャロスの思い出と言いますと・・・。
1997年5月下旬,全仏オープン開催地ローランギャロスに近いパリ16区Porte d'Auteuil に数日滞在したことがあり丁度全仏オープンの会期中! 駅前のカフェに入ったらローランギャロス関連のプレスの人々ばかりが集っていたことを思い出します。首に何もぶらさがっていない私は一目でわかる部外者でしたが,テニスというスポーツの祭典ゆえか店中,いえ店の外に漏れるほどの独特の熱気を帯びていました。パリ16区というのは日本では超高級住宅街で有名ですが,ローランギャロス周辺は超高級すぎて恐ろしく不便な地域でもあります。今日は朝もハヨからあのカフェは垢抜けた紳士淑女がひっきりなしに出入りするのでしょう。モクモクと煙草の煙が立ち込めて,濃いカフェの香り,そしてざわめき・・・

・・・・たまりませんな。
普段は人通りも少なく閑散としたこのQuartier (カルチエ)が嘘のようにごった返す14日間が今年も始まりました。

ローランギャロスの時差なし情報はこちらで!

 ●フランス共和国テニス協会による公式HP:http://www.fft.fr/rolandgarros/
 ●世界のIBM社提供のローランギャロスHP:http://www.rolandgarros.com/
 ●国営放送France 2のローランギャロスHP:http://roland-garros.france2.fr/

カンヌ映画祭が閉幕し,ローランギャロスが始まり,ローランギャロスが終わると,次は Tour de France ツール・ド・フランス(自転車レース)が開幕です。息つく間もありません。わくわくわく!

◎ あ,もひとつおまけのローランギャロス ◎
[PR]
by ma_cocotte | 2005-05-23 16:17 | 『春』 Rien de spécial | Comments(12)
緑きらきらの日曜日! コトコト骨董市だっっ!
b0070127_21135358.jpg日曜日の朝はっきりしない天気でしたが,珍しくオラが町の旧市街まで足を運びました。
アパルトマンのあちこちのベランダでくつろいでいる猫たちに挨拶しながらてくてく歩くこと15分くらい。聖ニコラ教会の鐘楼がミサの終了を告げるため突然鳴り響き始めました。午前10時20分のことでした。旧市街に入るといつもの日曜日に比べると人が一杯。ミサが終わったばかりだからかな?と思いつつ歩を進めると,なんと市役所があるメインストリートで「Foire de Printemps 春の市」が開かれていました。なんと今回はBrocante (ブロカント,ボロ市),Antiquité (アンチキテ,骨董市),Artisanat (アルチザナ,職人市)の三役揃い踏みの市です。
(市営映画館前の看板に貼られていたポスターです→)
とは言ってもオラが町の骨董・職人市は観光都市エクサンプロヴァンスで開かれる定期市のような豪華さからは程遠い「それなりの市」ですが,それなりに楽しめる市でもあります。
b0070127_21281627.jpg
右はMarignane 市役所,17世紀に建てられた城です。私達の市民婚はこの市役所内の結婚の間で行われました。新しい建築の市役所が増えている中,こういうクラシックな空間で婚姻を経験できたのは日本人の私としては運がよいことだったのかな?
さて,ちょっと見ない間に街路樹の緑もすっかり繁りました。
こりゃ,気持ちよいお散歩になりそうです。

こんにちはおらが町の春市の骨董売場を紹介いたしませう。
b0070127_21353052.jpg


十 私に付いていらっしゃい。十
[PR]
by ma_cocotte | 2005-05-22 22:05 | Promenons-nous! | Comments(20)
『超乾燥』注意報,いや警報発令中!
日本からフランスまで約12時間の空の旅で,日本人が到着後最初に実感するのは時差ボケ,次に乾燥した空気ではないでしょうか。一年中乾いた空気のフランスですが,私の経験では真冬よりも4月終わりから5月一杯にかけての空気が一年で最もカラカラに乾燥しています。この時期が始まると最初にくちびるのひび割れ,続いて肌のつやがみるみる失われていくので,ある意味「フランスの乾燥」は私にとって恐怖に近いものがあります。
南仏の小都市エクサンプロヴァンスでの留学生時代,丁度新緑美しい今頃,日本人留学生の間で「美」を脅かす乾燥対策についての情報交換がさかんになりました。試してすぐ即効性があるのは高級化粧品でも医薬部外品でもなくスーパーマーケットで売っているボディ&リップクリームだという結論で落ち着きました。フランスの主だったスーパーで目にする乾燥対策クリームブランドは日本でも有名な青地に白文字のNIVEAと今日紹介するMIXA(ミクサ)です。b0070127_3104852.jpg

(←) 私が使っているのは
Lait Corps réparateur
peaux extra sèches
超乾燥肌用・修正ボディローション)
容器裏の説明によるとこのクリームを使用することで,潤いは95%柔軟なしなやかさは87%なめらかさは108%も使用前より改善されるとのこと。
流石!「乾燥の国」の超乾燥肌用ローションでございます。私にとってこのローションは惜しげもなく思い切りポンプを押して使える気軽さが何よりうれしい! そして今まで買った高級ブランドのボディクリームのように塗った途端にパールのごとく輝く肌でごまかされないことや子供の頃ウテナ・レモンクリームを愛用していた私にはNI♡EAの香りとこってりさが苦手ですがMIXAの香りも練り具合も濃厚でないことがお勧めポイントでございヤす。

Made in Poland (EU)と明記されているので欧州中で購入可能なのでは?老化は疑いもない原因のひとつではありますが,湯船に毎晩浸からずシャワー中心の生活を送る今,足のかかとのひび割れは私にとって深刻な悩みのひとつです。潤いを簡単に手に入れられるようになりたい・・・。
[PR]
by ma_cocotte | 2005-05-21 03:40 | 『いいね。』 Chouette! | Comments(44)