マルセイユで「ユダヤん」な午後
ミストラルも止み青空が久しぶりに広がった金曜日の午後,マルセイユに行ってきました。
こんにちは県庁を中心とした大商業地区でもある6区を中心にぶらり。

マルセイユの歴史は2600年。地中海に面する巨大商港を持つこの町には国際フェリー港もあります。いにしえから地中海沿岸諸国の人々にとってのフランスでの第一歩はこの町から始まることが多いのです。人種のるつぼ,コスモポリタンシティでもあるマルセイユを散歩しているとあらゆる国の言葉に出会います。通り過ぎる人々の会話はもちろんお店の看板を見るとアラブ,アルメニア,ヘブライ,漢字・・・一見アルファベットでもフランス語ではない羅列のトルコ語などなど。

というわけでマルセイユのイスラエルな「ユダヤん」をほんの少し紹介します。

よろしかったらBGMはラジオJM。ユダヤんラジオのマルセイユ地方局です。クリックするとしばらくして放送が流れ始めます。
(ただしシャバト中はイタリア歌謡曲が流れております。安息日はカトリックに任せるのか,ユダヤんは!?)

フランスは欧州で一,二を争う大ユダヤ・コミュニティを持っており,現在マルセイユには約30000人のユダヤ系住民。パリやストラスブールに並ぶ規模です。
彼らの先祖は紀元3世紀,南仏に入植し始めました。大抵は居留区を与えられ,中心にシナゴーグ。外壁門は日没と共に完全閉鎖されるという生活基盤です。そうすることで彼らはユダヤの文化を何世紀も守り続けました。
約1800年に及ぶフランスにおける彼らの歴史上,王や地方王に重用されたときもあれば,反対に重篤な迫害も多々ありました。特に1306年の迫害ではユダヤの血を引いていてもキリスト教に改宗しフランスに住み続けたユダヤ人もいれば,信仰を守るためにスペインを通りマグレブ諸国に移住定住したユダヤ人もいます。が,1960年のアルジェリア独立戦争後,多くのユダヤ人が再びフランスに戻ってきました。

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さて16区で構成されるマルセイユ市内には40ユダヤ教教会(シナゴーグ)があります。
市内で最も大きいシナゴーグ。裁判所広場からRue Breteilを南に行ったところです。


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え?教会でしょ?
んにゃ,シナゴーグです。
あまりにも大きくて車道を挟んでもカメラには収まりません。

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マルセイユ市の名所案内(↑)。このシナゴーグの歴史が書かれています。
1501年に始まった迫害・・・18世紀になってもまだ公共でユダヤ的オブジェは厳禁であったと書いてありますわ。1864年9月22日献堂。あれぇ,私の結婚記念日だ・・・びんご。
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疑い深く見なきゃ信じない「トマお&トマ子」にはこれ。
「おぬし,この紋所が目には入らぬのか?」
「はっはーっっ」
ご存知,ダビヂュウ(ダヴィデ十字)です(←)。扉の上のステンドグラスもしっかりダビヂュウ。中から仰げばそれは美しく輝くダビヂュウなのでせう。

お,シナゴーグの向かいは「ユダヤんな葬儀店」 ア~メェン。
二階の窓上の人頭,いい味出しています。
それにしても「Service de DERNIER DEVOIR」ってケスクセ?
訳すと「最後の宿題(義務)のお手伝い」かしら?
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実は6区界隈のユダヤん商店や学校を探検!と意気込んだのですが金曜午後はユダヤ教のシャバト寸前。マルセイユのユダヤん店舗は皆金曜午後から休業,学校もお休みでした。

よし!こんにちはマルセイユのあっちこっちで見かける「ユダヤんな看板」ご紹介!
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スーパーMonoprix(モノプリ)そばの一日中お日様のあたらない路地にあるユダヤんなお肉屋さん(↑)。
Elie Dayanなんてもろユダヤんな名前だわさ。
ところでお肉屋さんの主人はエリなのか?アランなのか?
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県庁広場すぐそばのプライヴェートなユダヤん礼拝所。
ユダヤんなおじさまに「見学させて」と頼んだけれど「だめ」と素っ気無く断られちゃいました。ちぇ。

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あれ?ヨゼフさんはナザレトで工務店を経営しているはずだけど・・・?
裁判所そばの路地にある「なんぢゃこりゃ?」なユダヤん。
CACHERとKOSHERは違うの?

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ヨゼフさんちの左隣はユダヤんな保育園なのだ。
扉が閉まっているのが残念。
扉上の看板の右,目を凝らせばそこに踊るユダヤんズ

ぶらぶらしているうちに日も暮れ再びシナゴーグ前に行きました。
次々と人々が礼拝のためシナゴーグに入っていきます。ユダヤんな礼拝を覗いてみたいと思い入口に立つ青年3名に交渉しましたが「信者以外の入場はお断りします」とつれないあなた・・・ですが・・・この3名ともドえりゃーハンサムで私ぁうっとり・・・。一人の青年がIDカード提示を求めたので「喜んで」提出。彼はこれをすべて記入すると「次回からマルセイユ市内にある全てのConsistoire(コンジストワール=ユダヤ教の長老)に連絡すればどこも入場できるようになりますよ」と。
こりゃ美男美女ヲッチングするしかないかなあ?むっふむふむふ。

帰り道,おらが町のシナゴーグもちらりと覗きましたがここも入口に数名の男子。どうもテロ防止のための厳重警戒態勢・・・。安全のためとは言えさみしいこってす。

さてさて近いうちに私。
マルセイユで「アーラブんぶん」!!!

モモ,待ってろよ!

■マルセイユ市内40のシナゴーグ■
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# by ma_cocotte | 2004-12-04 16:49 | Promenons-nous! | Comments(18)
冬の夜。庶民の娯楽を垣間見る。
b0070127_16491740.jpg2004年12月2日は夫が待ちに待った日でした。
伝説のギタリスト Marcel Dadi の名を冠するギター愛好家協会 Amical Marcel Dadi(マルセル・ダディ友好協会) が今宵はイタリアからギタリスト2名を招いてのコンサートを開催するのです。

日本で「協会」という名前を見るとなんだかインテリ?お金持ち?敷居が高いのでは?と想像してしまいますが,このマルセルダディ友好協会はマルセイユ11区12区役所を主パトロンにした「庶民のための協会」。

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つまりギターを愛する者たちの年会費や寄付によってギターの才能ある者を一流ギタリストに育て,一方でリスナーには一流の音を廉価で聴く場所を提供するというものです。定期コンサートの会場はLa Brasseというカルチエにある11区立公民館。マルセイユ中心地よりもオーバーニュ(マルセル・パニョルと仏外人部隊で有名な町)に近く地中海はまったく見えない岩山に囲まれた区です。映画「マルセルのお城」で一家が運河沿いの別荘地を抜ける場面がありますがまさにあのあたり!です。
(←昼間のLa Barasse,絶壁に建つ家々)


さてコンサートは8時半から始まるのに夜7時半会場。入場料は8ユーロ(非会員は10ユーロ)。コンサートまでの一時間何をするかと言うと・・・
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腹が減ってはコンサートは聴けぬ。ってなわけでお夕食。サラダ+フライドポテト+アンドゥイイェット(牛のモツソーセージ)+好きな飲み物=6ユーロ。という典型的なファミリーメニュー。周りを見ると通の方々はデザートやらおつまみを持参。こういう臨機応変で楽しむ姿勢は勉強したいものです。というかね,フランスはこういう持ち込みに鷹揚です。隣のパン屋で買ったケーキをカフェに持ち込んで食べるのもOK(パリはその限りぢゃないかもね)。日本も早くこうなってもらいたいものですわ。
暖房のきいた広い会場はろうそくの明かりのみで照らされ大人の談笑が響き渡ります。

8時半の定刻。
まずは前座のワケーモンふたり。素晴らしい演奏でした。
彼らの次におっちゃんの音楽漫談!やっぱり前座には漫談。
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そして・・・PIETRO NOBILE!

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素晴らしい演奏でございました。
とても穏やかなメロディばかり。
ヒーリング系とでも申しましょうか。
それにしてもどうやって彼の指が動いているのか?
どうすればこういう音が奏でられるのか?
私には検討もつきません。
でも音に酔いしれるぅ・・・。
ピエトロは曲間にイタリア語で話をするのですが通訳はマルセイユ・イタリア移民協会のおじさん。イタリア語はよーく聞いているとフランス語と同じ単語が多々ありますが,おじさんの通訳は限りなくイタリア語発音のフランス語。
聞いているうちに面白おかしくなってしまった。




続いて登場はPaolo GIORDANO!
こちらはブルース系。イタリア人なのにフランス語は話せないからと英語で曲間をつないだ・・・イタリア語通訳のおじさんがいるのに。
私がみたこともない指の動きで音を奏で,演奏中はゆれっぱなしのパオォロ。
ピエトロが関東ならパオォロは関西だ!
表情と言い,動きと言い「ちょっとコミカル」
演奏終了後のアンコール。パオォロが選んだギターはこれ↓。
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コンサートが終わったのは夜11時半近く。ピエトロとパオォロはすぐに1000kmの道程を爆走してミラノに戻るとのことでした。

庶民感覚の大人の夜を味わった私は満足!この雰囲気はくせになりそうです。
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# by ma_cocotte | 2004-12-03 18:20 | Promenons-nous! | Comments(4)
こういう雲の向こうに
かみさまがいるのではないかしら?
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ふとそう思ったよ。
2004年12月2日午前8時12分夜明け間近の北の空。
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昨日は水曜日。
いつもの買出しで見つけたものはHARIBOの"Dragolo"
蓋を開けると甘い香り。
ジェリージェリジェリな宝石箱。
「なんぢゃこりゃ?」と思いつつおくちにポイ!
表現しがたい噛み応えと広がる不思議というか変な味・・・。
なんだかわからないのでまたひとつポイっ!
全部同じ味のようで違うような気もする。
だから確認したくてもひとつポイっっ!

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食べ始めたらとまらないキミに
「ちょっとアッカンベしてみてよ」
と言いたくなるんだ。
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# by ma_cocotte | 2004-12-02 17:37 | Promenons-nous! | Comments(6)
許してください,神様。-絶壁登山は「苦行」だったのか?
2004年11月28日第一待降節の主日に隣町Vitrollesの絶壁に立つ聖堂を訪問しました。
身重の妻と逃避行した工務店経営のヨゼフ氏の苦難を考えてみようと・・・そう思いついたのは実はお昼ちょっと前。
お腹がすいたのでVitrollesの街中にあるレバノン・サンドイッチ屋さんに行きました。このお店の数軒先にはおいしいレバノン料理レストラン。隣はハラルのお肉屋さん。
なぜかレバノン100なVitrollesの一角。
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これがいわゆる南仏のホット「さんどいっち」の基本。
かりっかりで塩味のきいたバゲットの中にレタス,玉ねぎ,トマト,きゅうり+選んだ具+揚げたてのフライドポテト+お好みのソース!
夫が選んだ具は「シシケバブ」(↑)
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あたくしは「ファラフェル」(↑),そりゃそうでしょう! 外はかりかり,中はもちもち・・・美味ぢゃ。
一口かぢってパラディってめまいクラクラ。レバノン風なので独特なスパイスがきいておりました。二人ともソースはもちろん特製ホワイトソースを選んだのぢゃ。

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飲み物ですが夫はフランスといえば「これ!」のORANGINA。
あたくしはアラブぅなグアヴァジュース。これだけ注文したらマダムが「どうぞ」とアラブのお菓子をサーヴィスしてくださったよ。
涙出る。

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てなわけで
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シシケバブ 3.0euro+ファラフェル 3.5euro+(ジュース 1.2euro×2本)
ちーん!全部で8.9ユーロざますよ。
サンドイッチはこうやって食べます。
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お菓子は食べきれず自宅に持ち帰りました。さりげなくすぐに持ち帰り用のビニール袋を差し出してくださったおにーさん。ハンサムでした。(レバノン人,美男美女揃い!!)

かうしてあの絶壁の登山,名付けて「苦行」にわたくしどもは向かったのでありました・・・。
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# by ma_cocotte | 2004-11-30 14:03 | Thé ou Café? | Comments(21)
第一待降節の日曜日-『Vitrollesの天辺に行く』の巻
2004年11月27日土曜日の日没後,カトリックの暦で待降節に入りました。
これから12月24日の深夜まで信者は幼子イエズス・キリストを迎える準備に務めます。
カトリックの宗教暦は日没から日没までという数え方。ちなみにカトリックでは土曜日夜の御ミサから日曜日のすべての御ミサを「主日のミサ」として扱われます。
これからNoël (=クリスマス)まで約1か月,聖家族(イエズス,マリア,ヨゼフ)を思い祈りながら,信者は節制をしたり,家庭の飾り付けなど聖夜を迎えるための準備を少しずつ始めたりします。
というわけでこんにちの私,ヘロデ王の追手から逃れるため身重の妻マリアをロバに乗せエジプトまで逃避行したイスラエルはナザレトで工務店経営のヨゼフ氏を思うことにしました。平坦でない道を歩み,ご苦労を分かち合ってみるだな。

目指すは頂上。名付けて
『下界からは点にしか見えないマリア像をお見上げ申し上げましょうかねツアー!』
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旧市街突き当たりのあの門をくぐると頂上までの参道。
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門手前左にはマルタ騎士団を創設した聖ジェラール・タンクを祭った1744年建立(聖別)の教会。丁度鐘が鳴り響いた。よーい,スタート!

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頂上に向かう階段。とてつもない段差と角度。登る時より降りる時の方が要注意!
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この門をくぐった向こうはまた階段。

着いた!
ふくらはぎが痛いよぉ。

「SALUT!」
下界では点の「聖母マリアさま」をお見上げ申す。
円周100kmのベール湖に向かって微笑むマリアさま。
なんとこの絶壁の聖堂 Chapelle Notre Dame de Vie は11世紀建立でした。
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頂上から眺めるベール湖とマルセイユ国際空港。突き当たりの山の向こうは地中海。
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ベール湖と反対側の岩山。
快晴ならばサント・ヴィクトワール山が拝めるはずだった。残念!
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聖堂の傍,絶壁の上に13世紀建立の「牢獄」
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下山は登山の数倍緊張いたしました。階段が磨り減りすぎざます。

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二枚目の写真突き当りの門を反対側から見ました。
なんかお化け屋敷の出口にたどり着いた時のような気分とでも申しませうか。
・・・ふぅ・・・疲れましたわ。

マルセイユ国際空港からもこの聖堂を拝むことができます。
玄関を出て左の「空遠く」です。
日本人観光客はまず寄りません。うふ。

来週の日曜日はこの旧市街の路上で「クリスマス市」開催ぢゃ!
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# by ma_cocotte | 2004-11-29 01:44 | Promenons-nous! | Comments(10)