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鳥籠から天に帰った男。
7月最後の日、初めて蝉の声を聞いた。
蝉の声も聞かぬまま秋になってしまうのか、と儚んでいたところで蝉の声。うれしかった。

昨日から繰り返しニュウスで流れているのはMichel Serrault ミシェル・セロという俳優の帰天についてである。フランス文化に疎いわたくしは彼の名前もよく知りませんし、テレビ画面で彼の生前のビデオが紹介されても今ひとつピンと来ませんが、共和国ではたいそう有名な俳優だそうだ。セザールを三度も受賞されたそうだ。
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こうやって写真を載せても、あまり私の中でビンゴ!と一致するような印象には至りませんが、どうやら日本ではミュウヂカルで知られるLa Cage aux folles ラ・カージュ・オ・フォルの映画(邦題 : Mr.レディ Mr.マダム II )や舞台に出演した俳優、それがミシェル・セロのようだ。(確か日本國での初演は岡田眞澄と近藤正臣の競演ではなかったかしらん?)

ニュウスで繰り返し流れるミシェル・セロの生前のビデオのほとんどは日本で言う「お笑い」が多く「そういう俳優さん」なんだ、と思いつつ、大して興味もなく流していたら、ふとスピーカーから耳に届いた単語が séminariste セミナリスト なんである。séminariste セミナリストって日本語に直訳すると
神 学 生 なんですけれど.....¢( ・_・) ハテ? 
その単語をきっかけに耳を研ぎ澄ませていたら、彼の住まいがあるHonfleur オンフルールの地元の人々へのインタヴューで「彼は真面目な信者さんで」なんて言葉もあった。カトリック系全国紙 La Croix ラ・クロワの記事 によると、1928年エソンヌ県はブリュノイの《単純かつ伝統なるキリスト教家庭》に生まれた少年ミシェルは司祭になりたいという欲望を説明し(つまり召命ってことだな)、侍者であったミシェルはパリ19区内の小教区の推薦によって神学校に入学した。神父になる志半ばにして入学二年後、世俗に戻った彼は子供の頃から好きだったコメディアンに自分もなると心に決めた。でもいつでもどこでも彼が信仰を隠したことはなかったのだそうだ。こんな記事も見つけた。
Michel Serrault, qui était très malade, s'est éteint dimanche à 22 h 30 dans sa maison de Honfleur après avoir reçu les derniers sacrements, a rapporté l'abbé Alain Maillard de La Morandais, ami de la famille Serrault. "Il est mort dans les bras de Juanita, sa femme, de Nathalie, sa fille, et moi qui étais à côté", a raconté le prêtre qui cocélébrera jeudi à 11 h une messe en l'église Sainte-Catherine de Honfleur, avec le père Emmanuel Perrot. "On ne fera pas des obsèques tristes car ce ne serait pas du tout dans l'esprit." A l'issue de la cérémonie, l'acteur sera inhumé au cimetière Sainte-Catherine.

セロ家の友でもある アラン・マイヤア・ドゥ・ラ・モランデ 大修道院長の報告によると、重病であったミシェル・セロは最後の秘跡を受けた後、オンフルールの彼の家において22時30分息を引き取った。『妻フアニタ、娘ナタリィの腕の中で亡くなった。傍に私もいた。』、木曜日11時からオンフルールの聖カトリーヌ教会でエマニュエル・ペロ神父と共にミサの共同司式をする司祭(=おそらくドゥ・ラ・モランデ師)は語った。『悲しみの葬儀なぞしない、なぜならそれが(死の)意図の全てではないだろうから』
式後、俳優は聖カトリーヌ墓地に埋葬される。【拙訳】

cf. L'acteur français Michel Serrault a reçu lundi des hommages unanimes
Le 30 juillet 2007 - 17:12 @Showbizz.net
私の記憶が確かなら、日本において「ラ・カージュ・オ・フォル」でジョルジュの役を演じた岡田眞澄氏も若い頃、カトリック司祭職を望んだことがあったはずだ。単なる偶然だろうけれど、ミシェル・セロはジョルジュの相方アルバンが当たり役だったそうなので、今頃天国では新コンビでの「ラ・カージュ・オ・フォル」が開幕されているのかもしれない。岡田氏はフランス語ぺらぺらだったので何の問題もなかろう。いや、日本語版ではミシェル・セロが苦労されるかもしれないけれど、聖霊が降臨するから大丈夫か。ヾ(`◇´) いつか見てみたいかも。

ミシェル・セロ、79歳。
7月29日22時30分、地上の鳥かごから天に羽ばたいて行った。( ̄人 ̄)

le 1er août 2007, Alphonse
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by ma_cocotte | 2007-08-01 00:27 | 『?』な、お!?仏蘭西 | Comments(10)
Commented by Hiro-san@ヒロさん日記 at 2007-08-01 06:06 x
>7月最後の日、初めて蝉の声を聞いた。
フランスはセミが鳴くのですか! イギリス南部はセミがいません。イギリス北部もアイルランドもいないのかしら? 牧草の田園風景はセミなしで、真夏でもひんやりと静かですわ。ちなみに、コウロギやマツムシのような高周波ムシもいないので、秋の夜長もとても静かです。
Commented by ma_cocotte at 2007-08-01 06:28
>ヒロさんさま、フランスには蝉がいますよ。
南仏の蝉(Cigale)は有名で、南仏に行くと蝉の形をしたテラコッタ焼きや
蝉の鳴き声のおもちゃ、果ては蝉の形をした石鹸やら蝉柄のプロヴァンス
織などなど。蝉グッズだらけです。鳴き声はシシシシシシシという感じで、
日本よりはあっさりしているかも。でも五月蝿いですよ。
えげれす北部やすかっとらんどはどうでしょう。私がすかっとらんどに
行った時は7月に入っても暖房が必要ですたわよ。
ハエやゴキはどうでしょう?昔、ウインブルドン近くに住んでいた友人の
話では蟻が凄いとのことでしたが。

ヒロさんのヴァカンスは?
こちら、GB車で溢れかえっておりますぞい。щ(゚Д゚)щ
Commented by Hiro-san@ヒロさん日記 at 2007-08-01 15:57 x
そうですか、五月蝿いですか、七月蝉いですか。ゴキさまも1度も見てないですね。こちらは田舎ですから、ハエ、ハチ、アブもそこそこ。ヤブ蚊はいるけれど、網戸もないのに家の中に蚊が飛んだこともなし。蛾は多いですけど。

ただクモはしつこいです。朝起きたら、布団の中にでっかいクモがお休みしていて、絶叫したことが2度あります。あと、毎晩車のサイドミラーとドアの間に速攻できれいなWebを作るのには感心します。(ミラーの裏に済んでいるらしい)

フランス行きは8月末か、秋休みに検討中でございます。
Commented by ma_cocotte at 2007-08-01 19:51
> ヒロさんさま、ゴキはこちらだと18~19世紀に建造されたアパルトマン
だと床と壁の隙間から出てきたりします。おぞ~。日本のように大きな
ゴキではないけれど、小さくてウヂャウヂャというのもおぞましきなりなり。

蚊や蛾はあまり見ていないかも。
蚊は南仏のカマルグ湿地などで見ました。これは大きくて一度刺されると
そう簡単に痕が消えないので要注意です。

ハチはココんち近辺はブンブンです。どうも蜂蜜農家があるんでねーか
と思われ。ちなみに引越一年で軒に蜂の巣を作られたのは2度。高率です。

蜘蛛も多いですね。うぢゃうぢゃ。おぞ~。(((゜Д゜;;)))
Commented by しぇリ~ at 2007-08-01 20:37 x
ミッシェル・セローというと大滝秀二(関根勉ではありません)をオも出してしまいます。
機会があればパピヨンという映画を観てみてください。泣けます。
Commented by ma_cocotte at 2007-08-02 00:47
> しぇリ~さま、上の写真はどうもLe Papillon のもののようです。
今晩も彼の映画が放映されますね。イザベル・アジャーニと共演のもの。
明日が葬儀ミサ。Adieu...
Commented by 有名人・・ at 2007-08-03 23:12 x
※1・・・・・大滝秀二も関根勉も東京で見たなぁ・・。グレート小鹿。キラー・カーン。神津カンナのお父さんも見た。ヨハネ・パウロ二世も今の教皇さんも見た・・。
※2 神父とコメディアンはつきものか?
Commented by ma_cocotte at 2007-08-04 21:49
> 有名人・・さま、はじめまして。
神津ご夫妻は私も一度、青山で偶然お目にかかったことがございます。

笑顔の少ないヒトに修道生活は難しいと伺ったことがありますよ。
Commented by Benoît XVI at 2007-08-06 04:59 x
ちょっと、あまりにも適当に訳していませんか?
Commented by ma_cocotte at 2007-08-06 15:05
> Benoît XVI さま、

どこがあまりにも適当に訳しているのかご指摘いただけると幸いですが。
文中で一点、私が引っかかっている部分は

 "car ce ne serait pas du tout dans l'esprit."

で、 l'esprit をどう解釈するか、つまりカトリック的に、または、世俗的に
訳すのかという点でした。他の部分は葬儀ミサ司式はマイヤァ・ドゥ・ラ・
モンデ師でしたし、カトリックの秘跡についても決して違訳ではないと
思います。
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