<< ...勝っちゃった! ヾ(T▽... フランチエスコよ。この際、茶か... >>
緑の牧場に、我、憩わん。
その谷間には白百合が咲き乱れ...と、来たもんだ。

今から906年前のきょう、10月6日、Bruno ブルーノという名の独逸びとが伊太利亜のド田舎(今はSerra San Bruno という名の町)で帰天しました。
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この方 ↑ が、その Bruno ブルーノさん。


ブルーノさんは1032年、独逸はケルンの貴族の家に生まれました。青年となったブルーノさんは仏蘭西は Reims ランス の大学で学業を修め、1055年には 既に神学教授、ランス教区 の教育担当、金庫番など数々の要職につき、実務面での名声や栄誉を浴びるすぎるほど浴びた司祭だったそうです。教え子には教皇ウルバヌス2世はじめとする多くの高位聖職者や修道院長がいました。ところが世に彼の名声が広まれば広まるほど、彼の心は空っぽになり、憔悴による渇きを覚えるほどになりました。 いくら神と一致したくても一致できない自分を見出し、神「のみ」といたい、とブルーノさんは心からそう欲するようになりました。 1077年までランスで働いたブルーノさんは1084年、彼が52歳の時、現在のカルトジオ会の基礎である修道会を旧友6人と共にグルノーブル郊外の山中の谷間に創立しました。
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大きな木の向こうの塀の向こうがブルーノさんが創った修道会です。

ブルーノさんはここで清貧、祈祷、労働、学問を基礎とした修道生活を送りましたが、その後、教え子だった教皇ウルバヌス二世の希望でローマに上り、学業に実務に大活躍しましたが、やはりブルーノさんの心の渇きは教皇の御下で勤めたところで潤わず、ベネディクト会修道院にまず隠遁後、前出のSerra San Brunoと後に呼ばれることになる土地でグルノーブル時代と同じ生活を始め、1101年10月6日帰天しました。

ブルーノさんが1084年に始めたグルノーブルでの男子のみの観想生活は今も守られておりますが、1984年のこと、Philip Gröning フィリップ・グレニングという独逸びとの記録映画監督さんが秘境の谷間にたたずむ修道院の生活に興味を持ち、正式書面をもってこの修道院で記録映画を撮りたいという意向を伝えました。
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この方 ↑ がそのフィリップ・グレニング監督さん


その後、修道院からはナシノツブテで、1999年の或る日、監督さんに突然、修道院から撮影許可の返事が届きました。返事をいただくまで15年って、赤ん坊が中学三年生になってしまうくらいの年月ですよ。谷間の時の流れは、霞か、雲か、でありましょうか。撮影許可がおりた監督さんはまもなく修道院を訪問し、半年の間、修道士の生活条件を尊重しつつ共に生活し(ココでよだれがダー)、撮影に入りました。撮影にあたって人工的照明はまったく使わず、自然採光のみだったそうです。技術者さえひとりも伴わず監督さんひとりで修道院に住み込んで完成した映画はこちらです。



全編2時間42分という長編ですが、その間、BGMは自ずと出る音と修道僧の声のみ、台本もないままの生きた言葉のみが聞こえます。目に入る現代文明の利器は僧の頭を刈る電気バリカンと志願僧がひとりでグレゴリオ聖歌の練習のために指を乗せるピアニカかしらね。普段、私達が当たり前に見ている物物がとても印象的に見えるのです。この映画、2005年から欧州各地で上映され、これぞ本物のスピリチュアル映画として話題になり、賞もかっさらいましたが、日本國での上映は2007年をまもなく閉じようとする今もまったく予定が立っておらず、DVDもビデオも日本国内では販売されていないようです。わたくし個人としては非常に残念です。あまりの静けさとわけわからん世界なのでヒトによっては深い眠りについてしまうでしょう。が、監督さんの話では、この映画全編に恩寵があり、見る者は恐れから解き放たれ、信頼によって生きるという現実を見、見終えた時に最早私達には死を恐れる気持はなくなるだろう、なんだそうです。この映画の良さがわかるヒトとわからないヒトの違いは何にあるのだろう・・・なんてことも、複線で熟考できる映画かもしれません。
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日本國におかれましてはこの映画の映画館上映は難しいにしても、せめてDVD販売を、と心の奥底から祈って止みません。この映画を見ると、心が満たされるのに、何かが洗い流されるのです。どゆこと?それが私の感想です。


アルプスの谷間に咲く野の白百合をフランス語でLys de Saint Bruno リス・ドゥ・サン・ブルノ、=聖ブルーノの百合と呼びます。カルトジオ会の修道僧の装束も限りなく白に近い布で作られているのでした。


le 6 octobre 2007, Bruno

【参考】
*Le Monde : 
  "Le Grand Silence" : six mois d'immersion dans un monde de méditation

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by ma_cocotte | 2007-10-06 18:32 | 『?』なKTOりっくん | Comments(11)
Commented at 2007-10-08 23:24 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2007-10-08 23:24 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ma_cocotte at 2007-10-09 01:00
> 23H24@08/10/07 鍵さま、

おお、いよいよご帰国ですか。良い準備ができますように。
鍵さんがリギュヂェにいらした話、先日、地元の神父さまに話したら
喜びをもって驚かれていましたよ。女の子だからひとりで食事は寂しかった
だろうね、とおっしゃってました。
上のLe grand silence は何とか映画上映は無理にしてもカト書籍店での
DVD販売が実現されればいいなあ、と心底願っています。
ほんと、素晴らしいですよね。私も好奇心を持ちつつ、すーっとあの
自然の世界に誘われたような心地になりました(私は女子なので実世界
ではありえない・・・というのも不思議な感覚におそわれますね)
私の印象に残った場面を挙げるなら、黒人青年とアジア系青年二人を
受け入れる準備や入会式の場面、猫と老修道士の語らいやら、兎に角、
全て感動のうちに観ることができました。これほど欧米で話題になったの
に日本で上映されないのはほんとなんとかしたいです。

Bon voyage!
Commented by Leonie at 2007-10-09 19:55 x
cocotteさま、この記事を拝読した後すぐにコメントを書きたかったのですが、運動会やらなんやらでコメントを書くのが遅れてしまいました。

もう鼻血の出血多量でございます。(お下品で申し訳ございません)

実はこの記事を読ませていただくつい2日前、
http://itotd.com/articles/630/the-grande-chartreuse/
というフランス好きが高じてフランスに移住したアメリカ人の音声付エッセイでこの話題を聴いたところでございました。
もう、クラクラモノです。
Chambéryに遊びに行ったとき、お山のむこうにCharteruseがあるのねぇ~と思ったのがなつかしゅうございます。

Le Becは調べたところ、モンテ・オリベト(ってよくわかりませんが)に属したベネディクト会らしく、カルトジオのように孤独を重んじる修道会ではないようです。

ああ、このDVDが早くほしいです。見たいです。女子パウロ会あたりが取り扱ってくださること、願っておりまする。それも不可能でしたら、あまぞん.frで注文します。(って日本に送ってくださったっけ?)

Commented by ma_cocotte at 2007-10-09 22:20
> Leonie さま、いいなあ、運動会(遠い目。
私は運痴なのであの雰囲気を楽しむのが好きです。

Le Bec はシトー会ではありませんか?
日本で言うトラピスト会です。制服が白黒の組み合わせになります。
ベネディクト会とカルトジオ会の間くらいとでも申しましょうか。
こちら、ディジョン
http://tf1.lci.fr/infos/jt/0,,3424574,00-abbaye-citeaux-pres-dijon-.html

こちら、南仏セナンク
http://13h.tf1.fr/13h/series/0,,3426973,00-abbayes-senanque-dans-vaucluse-.html

ディジョンもセナンクもOffice の時は真っ白けっけになります。(^_^)
ただし、こちら、コンクのベネディクタンは白装束です。
http://13h.tf1.fr/13h/series/0,,3427469,00-abbaye-conques-dans-aveyron-.html

Le Bec も同じ修道服でしたか?なんだかフランシスカン装束を
真っ白けにした感じですね。

続きます。
Commented by ma_cocotte at 2007-10-09 22:21
> Le Grand Silence は欧米でかなり話題になった本物のスピリチュアル
映画なのに日本では何も語られないのが残念でなりません。
無言映画に近く、シーンが変わるたびに聖句のような文章が出ます。
字幕がいるのはその時と、上の写真の「修道士の雑談場面」くらいでしょう。
少しでも多くの方にご覧いただきたい気持でいっぱいです。
一般上映は無理でも女子パかボスコ丼でなんとかDVD販売していただければ。
Commented by Leonie at 2007-10-11 11:37 x
cocotteさま、リンクをありがとうございます。
3つのリンクを見ながら、なんといいましょうか、涙があふれました。
石造りのおみどうでの歌の響き、石造りの修道院での修道士さん達の声の響きが懐かしくて懐かしくて。
コンクは絶対にコンポステラ詣での折には訪ねたいところです。ああ、いっしょにお祈りしてお歌歌って巡礼者とご飯食べたい~。うるうる。

コンクのお宝もゴックンものですね~~えへへ。(笑)

Le Becは黒い前掛け、じゃなくってスカプラリオをしていませんし、朝のLaudeも7時くらいで遅いので(笑)、シトーではないと思います。

Le Becの2キロ先にSte. Françoise Romaine女子修道院があります。

http://www.abbaye-saint-benoit.ch/gueranger/anneliturgique/careme/saints/037.htm
によりますと
Ce fut ce qui la porta, du vivant de son mari, à fonder dans Rome la maison des Oblates de la Congrégation du Mont-Olivet, sous la Règle de saint Benoit.
とありますので、Le Becとお隣の女子修道院はこの系列のベネディクト会かと思われます。

続きます


Commented by Leonie at 2007-10-11 11:41 x
アンセルムスさんとかランフランクさんの時代はまっくろけ修道服のベネディクト会だったとおもいますが、革命後荒れ果てて、軍隊の私設に使われたりしたらしいです。第二次大戦後にDon Grammontさんがいらしてベネディクト会修道院として再出発したようです。

ああ、コンポステラ詣でのために足腰きたえとかなくては!cocotteさんは徒歩にしますか?自転車?驢馬?私は自転車にしようかと思います。修理を自分で出来るようにいまから練習しておきます。(笑)
Commented by ma_cocotte at 2007-10-11 16:19
>Leonie さま、コンクの修道服に似た感じですか?
拝察するに世俗会が起源みたいですね。
前の涎掛け(笑)などベネディクターンというよりフランシスカンっぽいですよね。
私は生まれて初めてパリ旅行した時、パリのAv. Saint Jacques の
ホテルに泊まりました。あの通りはまさにサン・ヂャックの巡礼路だとか。
後になって知り感慨を覚えました。
だいぶ前ですが、サンヂャックについては面白おかしく書いたことがあります。
ご笑覧くださいませ。
http://malicieuse.exblog.jp/6085382

サン・ヂャックは毎夏少しずつ前進する方法を選んでいる方が多いですね。
わが地元の司祭もそうです。今年はそれこそコンクあたりを南下したらしい。
ニュウスで報道されたことですが近年の流行はロバではなくラマを
連れて巡礼路を進む方法だそうです。
生きているうちにあの 上空ナマ香炉ショー を見たいです。
Commented at 2007-10-16 04:50 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ma_cocotte at 2007-10-16 16:13
> 04H50@16/10/07 鍵さま、

おお、偶然。昨日、鍵さんのことを思い出していたのです。
もうご帰国されたのかなあ、と。明日ですか。よい旅になりますように。

おでこを指で縁を描くようになぞられた、というのは十字です。
指が上から下、次に左から右に動きます。良かったですね、これで
ご帰路は万全です。

ご帰国後落ち着きましたら、また拙ブログにお立ち寄りください。
鍵さんとの再会を楽しみにしています。
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