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Tony Blair、ようやく堂々のデビュウ
今年6月27日をもって大英帝國首相の座を降りたトニー・ブレア Tony Blair 氏が今月18日、エイメリカはニュウヨオクのヲルドルフ・アストリアホテルで開催されたGotham's Al Smith Dinner ゴッタムス・アル・スミス晩餐会に出席しました。
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ニュウヨーク大司教Edward Michael Egan 枢機卿とトニィ。
Photo par Kathy Willens@AP

この夕食会は今年60周年を迎えるエイメリカのカトリックにおいて最も知られる食事会であり、出席男子にはホワイト・タイ着用が求められるこのチャリティーディナーの最低参加寄付金は1000米ドルだそうです。トニィはチェリィ Cherie 夫人と共に初めてこのチャリティ・ディナーに出席。まあ、トニィがこの行事に参加できるのも大英帝國首相の座を降りた自由の身だからこそでありますが、(英國風に言うならばローマン)カトリックの世界にこうして堂々と御身をお披露目するまでトニィと彼の家族には並々ならぬ苦労があったと言われています。

というのも、トニィの妻チェリィさんはローマン・カトリック教徒であり、常に堂々とした信仰生活を送っていることでもつとに知られる女性でありました。トニィとの間の4人の子供もカトリック洗礼を受けており、かつてはロンドンのウェストミンスター聖堂(但し、つとに有名な英國国教会のウェストミンスター寺院とは別のカトリック司教座聖堂)で諸秘跡を受けたり、活動を続けています。つまりブレア家でトニィのみがカトリックではありませんでした。そんなわけで事ある毎にトニィのローマンカトリックへの改宗が噂になっていました。

1996年には英國国教会のバジル・ヒューム大司教(前ウェストミンスター大主教)がトニィにチェリィさんが通うイスリントン Islington のローマン・カトリック教会(調べてみましたが、おそらくココ、St John the Evangelist 福音史家ヨハネ教会)での聖体拝領を止めるように求めたところ、トニィから「賛成しかねる」という返答をもらったのだそうです。そこには
"I wonder what Jesus would have made of it."
と書いてあったんだと。英國国教会大主教に対して聖変化 Transubstantiation の肯定をしたことになりますか。(((゜Д゜;;))) 凄いよ、その勇気。(英國宗教改革以降、公職就任の際、聖変化を否認する宣誓を強制する諸法律が1829年まであった。)その後、イラク派兵やロンドン・テロによって大英帝國内、特に首都ロンドンは政府高官への治安上の問題でトニィ一家はカトリック教会へのミサに行くことも難しくなってしまいました。
ところが、です。
聖体拝領なしには生きられないヾ(`◇´) チェリィさんが決めたことは、首相官邸の私室にローマン・カトリックの司祭を招いて家庭のミサ private Masses for the Blairs in their Downing Street flat をあげていただくことですた。

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チェリィさんと一緒に映る
ブレア家の指導司祭
マイケル・シィド Michael Seed


このマイケル・シィド師について調べてみるとどうやら The Franciscan Friars of the Atonement の司祭であります。アトンメントのフランシスコ会は確か日本管区は鶴見にありますね。アメリカに本部がある1909年に法王庁に認可されたアングリカンからローマンに改宗した男子修道会です。 

さて、こうしてどんどんトニィの信仰私生活は秘められていくようになる一方で、巷ではますますトニィがローマンカトリックに改宗したのではという噂が流れるようになりました。この噂に最も神経質だったのはトニィ本人よりも首相官邸関係者でした。というのも、大英帝國歴代首相にはひとりもローマン・カトリック教徒はおらず、現役首相がローマン・カトリックに改宗したとなると英國国教会最長上である女王への不忠義になります。1996年に英國国教会大司教がローマンカトリックの教会に通うトニィに意見したのも「立場をわきまえよ」と言いたかったのでありましょう。兎に角、首相官邸関係者は何が何でもブレア首相一家がダウニング10番(=首相官邸)から完全に引っ越すまでこのタブーな件に対してはひた隠しを決めました。それでも、ブレア首相夫妻は退任直前の週末をローマで過ごすことを決行。にゃんとトニィはヴァチカンで我らが教皇B16と私的謁見をしてしまったのでした。
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6月23日、「お別れの挨拶」と称した大英帝國首相として最後の謁見

この謁見時にトニィは教皇さまに「実は私、永久助祭になりたいのでございます」と告白したと言われています。cf. Blair 'may become a Catholic deacon'@The Daily Mail
щ(゚Д゚)щ カッモ~ン。
永久助祭とはこりゃまた半万年の我慢が爆発しちまったような決意ですわね。告白されて「よよよ」と喜び、泣き崩れる妻チェリィでありましょうか。ブレア家家長の改宗に大きく働いたのは妻チェリィさんと長女カトリン Kathlyn さんだと言われています。白のアッパッパァにサンダーバードなタスキがけのトニィ・ブレア氏ぢゃなくて師を拝見できるのは近未来かも。
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大漁苑のお魚のようにピチピチ生き生きのトニィ

10月18日に無事、カトリックデビュウしたことで、今後、トニィ・ブレア氏がカトリック界で大きな活動を始めると言われています。さーてさて、「子ブッシュの犬」と長年揶揄されたトニィは「ヴァチカンの猫」となるのでありませうか。以上、日本ではまったく取り上げられないけれど、欧米ではかなり話題なニュウスでした。Stay in tune!

そいや、我らがサルコぢ大統領閣下は子ブッシュ訪問と愛するラシダちゃんの父方の母国モロッコは訪問したけれど、ヴァチカン謁見はまだですね。

le 29 octobre 2007, Narcisse
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by ma_cocotte | 2007-10-29 02:34 | 『?』な大英帝國 | Comments(6)
Commented by 伊望 at 2007-10-29 08:56 x
日本でもこれは少し報道されました。
非国教徒の首相といえば『鉄の女』マーガレット・サッチャー女史(彼女はメソジスト)もそうでした。メソジストが良くてローマ・カトリックがいけないという理由がわかりません。イギリスでは今でもローマ・カトリック=反逆者みたいなイメージがあるのですかねぇ。それでも代々ローマ・カトリックのイングランド貴族だって結構いるのに不思議不思議。
Commented by ma_cocotte at 2007-10-29 16:13
> 伊望さま、このチャリティパーティ出席についてですか?
メソジストは元英國国教会信者だったジョン&チャールズ・ウェズレ兄弟が
労働階級向けの聖書勉強会を開いたのがきっかけだった、と昔習った
ことがあります。現在もアングリカン・ローチャーチはメソジスト教義や
典礼に近いらしいです。メソジストの聖堂のつくりもどこかアングリカンな
華美さがありますよね。
このブレアの改宗の件、調べれば調べるほど驚きの事実というか、めまい
しそうです。「信仰の自由」なんてありませんよね。しかも1996年に
大主教が首相宛にローマンでの聖体拝領を止めてくれ、と懇願した
というのも・・・・私ゃ、おったまげました。どんどん理由をこじつけて
家庭内信仰しかできないって。英國政府側の対応は尋常を逸して
いませんか?
チャールズ皇太子の妻となったカミラさんの実家はローマンですよね。
何でもカミラさんが改宗したことでの今があるそうですが。

まあ、かつてスペイン国王の妻となったソフィアさんが正教会から
改宗したという事実はありますが。この件は政府による個人生活への
嫌がらせのように思えました。
Commented by siojake at 2007-10-29 22:51 x
ここを読むまで見事なまでに全く知らないことだらけでした。
ブレアさんのお顔、すっきりイキイキしてて。教皇様とのお写真も、心底嬉しそう。

それにしても、日本人の日常からは計り知れない「宗門」という影響力が
様々な局面にあるのだなぁとつくづく思います。
欧州に住んで、もともと興味がありまくりだった歴史とそこにかかわる宗教の
複雑な入り組みようを垣間見ると、…果てしなく調べてしまいそうですね。

Commented by しぇリ~ at 2007-10-29 22:55 x
家族思いのトニィ。責務とご自身の信仰の狭間で任期中は大変なストレスだったと思います。いままでにはすっきりとした笑顔の写真が印象的ですね。

さて、現状(2度の離婚経験)からはサルコは任期中にバチカンを訪問されることは、大義名分がない限りは難しいのではないでしょうか?あまり興味もなさそうですし。。リュスティジェ枢機卿の葬儀の際も座り方がだらしなかったし。。(関係ないか?)
バチカンにラシダちゃんを同行したらら笑っちゃうかも。

「普通の生活がしたかった」セシリア元夫人。辣腕広報担当者の各ファッション誌への売り込みがすごい。まあ、彼女の普通の生活って??という感じですが。。
Commented by ma_cocotte at 2007-10-30 04:04
> siojakeさま、

  >>日本人の日常からは計り知れない「宗門」という影響力が
  >>様々な局面にあるのだなぁとつくづく思います。

私もそう思います。ブレア氏の件は調べれば調べるほど時代に逆行
していると言うか、「信教の自由」どころか「信教の迫害」のようにさえ
読めました。大英帝國政府側がブレア氏の任期満了そしてダウニング
10番地から去るまで神経質に、熱心に、隠すことに懸命だったというのが
なんというか・・・・凄いものがありますね。中近世とさして変わらぬ。
Commented by ma_cocotte at 2007-10-30 04:10
> しぇリ~さま、調べると改宗済み説と改宗まだ説にまだ分れて
いたりします。いずれ明瞭になる日が来るでしょう。

ヴァチカンを訪問しないフランス大統領の誕生ですか・・・ε= (´∞` )Bof
そんな人、世界中で社会or共産主義政権国とイスラーム國と日本國くらいです。
フランスはそちらチームに属するとなったら現大統領が「ヴァチカンの
長女国」という肩書を捨てたことになりますね。

セシリアさんにとって「普通の生活」は成金の生活ですから、私個人
には興味のない世界です。まねしたいとも思わないってか、まねできない
ですね。(^_^)
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